ウチの真姫がファーザー・コンプレックスを患ってしまった件について   作:うなぎパイ

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第7話 どうせ みんな まっきになる

真姫が幼稚園生となった。

もう真姫の可愛さが止まることを知らなくて、ビデオを取る手も止まることを知らない。

真姫と過ごす時間は基本ビデオを回して、撮った映像はどんな何気ないものでも一切消さないで自分の10Tの真姫専用のHD『どうせ真っ姫になる』略して『MHD(Maki Horeru Destiny)』に入れている。だが、その『MHD』の一個目も満タンになってしまい、新たに二号機を買ってしまった。

撮っている自分がいうのもなんだが、本当にほとんど真姫だけを映している映像が何千もの数があるので、これがストーカーだったら逮捕されたら牢屋じゃなくて精神病棟につれていかれると思ってしまうほどに多いきがする。

まぁ親は子供の事でやり過ぎてしまう部分があると言われているから、これ位ならその範疇だろう、うん。(真顔)

 

これから、その中でも真姫の可愛い場面の話をしよう

 

 

『親子遠足』

 

晴天の空の下。東京のある大きい公園に親子遠足で来ている。

普通は子供と母親が参加というものなのだが、父親が来てはいけないというルールは書いていないので、当然来させて貰った。

ネットで調べたら親子遠足なるものはママ友達の大事な交流会でもあると書いてあったので、拒否される関係無しに行くつもりだが、一応楓の許可を貰おうと相談しに行ったが、拒否されるどころか逆に喜んでくれたし、真姫も俺が行くことを知った途端、大はしゃぎだった。

 

「少し日差しがキツいですね」

「確かに。でも風は涼しいし、これくらいの方が子供達も喜ぶだろ」

 

頭に被っている麦藁帽子が吹いてきた風に飛ばされないように抑える楓。

我妻ながら非常に絵になる光景だ。何年も彼女の顔を見ているが、未だにその美しさに見惚れることが多々有る。

そんな事を考えていると、先ほどまで子供達の輪に入っていた真姫が此方へ、たったったと両手を伸ばして走ってくる。

 

「ぱぱぁ~!」

「あんまり走ると危ないぞ」

 

そう忠告するも、真姫は聞く耳持たずと言う様に止まらず俺の足元まで来た。

 

「だっこ!だっこして!だっこ!!」

「もうお友達と遊ぶのはいいのか?」

「うん!だから早くぱぱだっこ!!」

 

そう言いながら待ちきれなかったのか、俺のズボンを握って「ん~しょ、ん~しょ」と声を出しながら上へ攀じ登ろうとする真姫。

流石に真姫の握力じゃ上までは来れないと思い、直に彼女の脇の下から掴んで持ち上げる。

 

「ほら、おいで」

 

俺の胸のところまで持ってくると、いつもの様にすぐに首へ抱いてきて俺はそこで持ちやすいように彼女のお尻の下へ右腕を持って行き、座らせるような形を作る。

俺に抱き着いて満足しているのか、真姫は笑みを浮かべながら「ぎゅ~っ!」と声に出しながら首に回した腕に力を込めて抱きついてくる。精一杯の力を出しているんだろうが大人の俺にとってはとても非力で痛みも感じないほどに弱い。その弱さに思わず可愛いと思い笑みを浮かべていると隣に居た楓が俺、というか真姫に両手を広げている。

 

「ママは?」

「やっ!ぱぱじゃないとやぁ!」

 

そう言って更に抱きつく力を強くする真姫に、頬を膨らませぶぅたれる楓。

30を過ぎてもその可愛らしい行動に俺は膨らんだ頬を指で押す。

 

「ぷひゅ~----------って、何をするのそーさんッ!」

「猫被らなくていいのか?」

 

「はっ!」と声を出して、すぐに周りを見渡し先ほどの言葉を聞かれていないか確認すると、ほっと胸を撫で下ろして今度はおっほんと言って姿勢を正す楓。

なんとも忙しい限りだと思いながら

 

「まったく、宗一郎さんは子供なんだから。しっかりしないとメッですよ」

「ぐほぁっ!」

 

まさかの鋭い反撃に堪らず左手で心臓を抑える。キャラを作っての発言なのは分かる。だが、今の『メッ』は威力が強すぎる。もうドキドキが堪らない。もしこれが深夜ならすぐにベットインして女教師の様に俺をリードして欲しい位だ。

俺が何とかドキドキを抑えようとしていると、抱きついていた真姫が「むぅ~~!!」といかにも私怒ってますと言いたいかの様に頬をぷくぅ~と膨らませていた。

 

「ぱぱはままと遊んでばっか!ぱぱはまきと遊ぶのぉ~!!」

 

そう言って顔を小さい両手で掴んで自分の方へ向かせる真姫。ぷにぷにの手が俺の顔を掴んでいると思うだけで思わず頬が緩んでしまう。

 

「ぱぱあっち!!あっちで遊ぼっ!!」

 

兎に角俺を独り占めしたいのか、今居る所からそれなりに離れている特に何も無い場所を指差している。余程俺と楓を引き離して二人だけで遊びたいらしい。随分と可愛らしい嫉妬だと思いながら「分かった分かった」と言いながら真姫を宥めるように頭を撫でると、まだ少し怒っているのか頬を膨らましている。

俺が歩き出し、それに付いて来る様に楓が歩き出すと

 

「ままはだめなのッ!ぱぱとまきだけなのっ!!ままはお留守番~っ!!」

 

そう言って必死に訴える真姫。その真姫に拒否されたことにショックだったのか、ガーンとSEが流れる様な表情を浮かべながら固まる楓。その後すぐに俺に何とかしてくれとアイコンタクトを送ってくるが、俺は苦笑しながら答える。

 

「ちょっと遊んで戻ってくるから。少し待っててくれ」

「え~!?」

「真姫の気が済めばすぐに戻ってくるから。少しの間だけママ友とかと話しててくれ」

「むぅ~!!そーさんは真姫ちゃんにかまってばっか!!私にもかまってよぉ!!」

「これは真姫の遠足だから、今回は真姫に譲ってやってくれよ」

「そーさんの馬鹿っ!もう知らない!!」

 

そう言って頬を膨らませてママ友たちの輪へと向けて歩いていった。

俺は子供二人の面倒をみているのかと思ったのは可笑しくない筈だ。俺がそんな風に呆れていると俺に抱き着いていた真姫は楓が居なくなって満足なのか、「むっふぅ~!」とまるで勝ち誇ったような笑みを浮かべている。まぁ真姫の機嫌より楓の機嫌を直す方が楽だからいいやと思ってその場を離れる。

 

「それで。真姫はパパと何で遊びたいんだ?」

「ん~とね、お花つんだりとか……、あ!どんぐりとか松ぼっくりとか拾いたいッ!」

「お~。どんぐりと松ぼっくりかぁ。懐かしいなぁ。パパも良く拾ってたよ、子供の頃」

「じゃぁまきとぱぱとで、どっちが多く取れるかしょうぶしよ!!」

「よぉし、いいぞ~。あ、知ってるか真姫?」

「ん?」

「どんぐりは焼いたら食べれるし、松ぼっくりは火を着けるとよく燃えるんだよ」

「へぇ!ぱぱは物知りさんなんだね!!」

 

そう言って二人でどんぐりと松ぼっくりを一杯拾って家へ持って帰った。

家でどんぐりを焼いて食べようとしていた所を楓に見つかって「変なもの食べて病気になったらどうするの!」と正座させられながら怒られ、その後に真姫の前で松ぼっくりを勢い良く燃やして満足して寝たら、次の日真姫がおねしょをしてしまった。

 

 

 

 

 

 

『運動会』

 

 

『保護者対抗綱引き』それは父親が子供へ自分の雄姿をを見せられる数少ない場の一つだ。よく「いや…、子供の運動会で親が本気になるとか……ねぇ?」みたいな玉の小さい父親がいるが、俺にとってはそんな事は関係ない。馬鹿にするならするがいい、ドン引きするならとっとと失せろ。俺のこの胸の奥で燃え続ける魂の火は、そんな事で消せやしない。何故なら

 

 

 

「宗一郎さ~ん!頑張って~!!」

「ぱぱ~!がんばって~!!」

 

 

「パパは頑張っちゃうぞぉぉお!!」

 

 

 

俺の二人の天使が俺の後ろで応援してくれるのだから。

もう俺のボルテージは120%突破。もし味方内で「面倒臭い」だの「負けてもいい」だのと弱音を吐いた奴が居ようものなら撲殺することすら厭わない。

 

「いやぁ、西木野さんが居てくれたら百人力ですよ」

「これは優勝は貰ったも同然ですな、ははは!!」

 

プロボクサーとして知名度がそれなり高い俺に期待をして多くの父親達が話を掛けてくる。

 

「任せて下さい。たとえこの腕引き千切れ様とも勝利を勝ち取って見せます」

「す、凄いやる気ですね」

「ま、まぁ私達も頑張りますが、やはりここまでこれたのも西木野さんの力あってのものでしょう」

 

そう、今は決勝戦の準備時間中。これまで3組近くを何とか倒して来たところだ。

そして先ほどこの男性が言った言葉から察せるように、正直俺以外の保護者はあまり体格的には綱引きに向いていない方が多い。正直もう少しでも体格のいい方が居てくれたら、もっと余裕で勝って来れただろう。

だが、そんな事を言い訳にして天使達の応援があるのに負けてしまっていい訳では無い。何が何でも勝たなければならない。一瞬敵チームの保護者の飲み物に下剤でも入れてやろうかと思ったのは内緒だ。

 

「体格差は戦い方で補いましょう。兎に角重心を後ろに、そして体を斜め、掛け声を重視していきましょう」

「はい!」

「よし、次も勝って優勝を-----」

 

その瞬間、敵の白組の方から大きな歓声が上がった。

 

「な、なんだ……?」

「おいおい、あの後ろの二人……」

 

視線を白組の方へ向けると、敵チームの保護者達が縄を掴む準備を始めていた。今見ただけで、俺と同じくらいの体格の男性が数人いる。そして歓声を集めたのは、あの一番後ろの光景だろう。

縄を腹に巻き、そして肩へ回しているやる気満々の渋いダンディな男性。そして、その前にもう一人前にはキリッとした体格の良い男性がいた。その姿はとても貫禄があり、見ているだけで此方を威圧してくる

 

「『アナコンダ巻きの穂むら』に『園田道場の家元』だ……」

「『園田道場の家元』は大体分かりますけど……『アナコンダ巻きの穂むら』って?」

 

一人の保護者が恐れ慄いて呟いた聞いたことも無い言葉を聞き返す。

 

「あ、あぁ、西木野さんは今年が初めての参加だから知らないか。実はあの後ろの男性2人。確か2年生の保護者だったかな。あの人達が去年の保護者対抗綱引きで優勝した立役者でね。それに一番後ろの人のあの巻き方。体に巻きつけて強そうな姿から保護者の中で『アナコンダ巻き』って言われていて、あの人のやっているお店が『穂むら』って名前だから、そんな呼び名がついたんだ」

「『穂むら』?『穂むら』って確か近くにある……」

「あぁ、和菓子屋の『穂むら』さ」

「ったく、百歩譲って家元の方はまだ分かるにしても、和菓子作る何処の工程であんな筋肉使うって言うんだよ」

 

隣にいた男性が毒づくように言う。

言われてみればあの男性、見たことがあった様な気がすると思ったらあの和菓子屋の『穂むら』の人だったのか。それに何故か服装は私服ではなく、仕事着である白い板前の格好をし、家元の方も真っ白い胴着を着て参戦している。そんな白い服の上に縄を巻いて大丈夫かよと思ってしまったのは俺だけではない筈。

二人とも袖を肩まで捲った所から見えるのは一般の中年の男性のとは思えない盛り上がった上腕二頭筋などの腕の筋肉が見える。

 

「やっぱり今年も来たかぁ。それに同じチームっていうのは運が悪かったなぁ」

「去年、あの人達のチームに負けちゃったんですよねぇ。」

 

段々とやる気を失っていくチームメイト達。だが、ここで怒鳴ってしまってはせっかくの楽しい運動会が冷めてしまう。なら、どうすればいいか。自分に何が出来るか。

その答えが出るのは、そう掛からなかった。俺は笑みを浮かべて歩き出す。

 

「はっ、上等ですよ」

「西木野さん?」

 

隣の保護者の声に答えず、俺は歩き続けポケットに入れていたゴムを取り出し、前髪を含めて全て後ろに持っていきオールバックをポニーテールの要領で髪を纏める。

そして楓達の目の前にまで歩いていき、自分の着ている服に手をかける。

 

「楓」

「え?どうしたの宗一郎さ------わぷっ!」

 

着ていた長袖の上着を脱いで楓にふわっと投げて、下着で着ていたタンクトップ一枚になる。

その瞬間、周りの観客から声が上がり拍手が巻き起こり始める。次第にその声が会場全体に広がり、さらに歓声と拍手が上がった。

 

現役次代に比べて多少見劣りしてはいるが、今でも維持し続けている一般人とはかけ離れたほどの筋肉。露出した上腕ニ頭筋、タンクトップを下から押し上げ形がはっきり分かる胸筋に腹筋(一つ下のサイズを着ているのは秘密)。

まだそれなりに男として魅力があるのか、歓声の中には黄色い声が大半を占めていた。それを聞いて俺は心の中で喜びながらも、楓に見られたら拗ねられると思い顔には出さない。

元の場所に戻る前に楓の隣にいる真姫に

 

「真姫。パパの背中、ちゃんと見とけよ?」

「うん!ずっと見てるからがんばって!!パパ!!」

 

もう一度貰った天使の応援に俺は振り向かずに片腕を突き上げて答える。

 

 

シャッター音が幾つも鳴り続けていて、もしかしたらメディアも来ているのかもしれないと思いサービスでもしよう思った。俺は残った片腕もバッと上へ突き上げ、そして叫ぶ。

 

「ヨッシャぁァッ!!」

 

更に盛り上がる観客達とチームメイト達。これでこの会場は同等、いや此方の赤組に傾いたと思っていいだろう。俺はそう思いながら綱を握って体に巻きつける。あっちがあんな派手な事をしているのに、こっちだけなにもしていないというのも、絵面が寂しいものだろう。モノマネしているようで少し気が引けるが『目には目を、歯には歯を、アナコンダにはアナコンダを』という事で許して貰おう。

 

「あの西木野さんがアナコンダ巻きをやっている……!」

「俺達もガチでやらねぇと……ッ!!」

「なんだろう、そこはかとなく感じるランボー感」

「野朗ぶっ殺してやる!!」

「星空さん、そりゃランボーやない、コマンドーや」

 

子供達に聞こえないことをいい事に物騒な事や、元ネタが子供達には分からない事を好き勝手に言い始める。まぁ真姫に聞こえなければいい。

これでもし勝って真姫の元に戻って『やろう、ぶっころしてやる~』なんて言われた日には、もう一度言って貰った映像を録画した後で、もう笑いが止まらなくなって可笑しくなってしまって、綱引きに参加していた味方父兄の中から犯人が見つかるまで一人づつ殴りに行くところだ。

 

気を取り直して縄を体にキツく絞めつけ、縄を握った手に力を込めて腰を落としておき、試合開始の合図を待つ。周りの保護者達もそろそろ時間なのだと分かったのか、静かに自分の配置の場所のつく。

 

「ふぅ……」

 

息を吐いて、落ち着いて視線を前へ向けると白組の一番後ろの『アナコンダ巻きの穂むら』と『園田道場の家元』と視線がぶつかった。

子供の運動会だから皆笑顔……ではない、少なくともこの三人に遊び心など一切無い。背負っているもの子供の応援があって負けていいと思う自分が許せないのだ。

睨んで威嚇する訳では無い。ただ、真剣な視線がぶつかり合うのみ。まだか、まだかと、頭と体が必死に叫び続ける。

 

縄の中心に審判である体育の先生がピストルを持って上に立つ。この小学校の体育の先生のパフォーマンスで引っ張られると同時に上に上がった縄と一緒に飛び上がって華麗に着地するという伝統があるのだ。

 

その先生がピストルを持った片手を上に突き上げ

 

『……………………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァンッ!!!!

 

 

『フンッ!!!!!!!!!!!』

 

 

全身の筋肉がこの一瞬でフルスロットルで働く。

 

「くッ!!」

 

少しではあるが、白組の方に縄が持っていかれる。なんとか踏み止まるが、すぐに取り戻せるわけも無く早くも拮抗状態となる。クソッと悪態を吐きながら顔を顰める。

 

俺達が必死にやっていると、縄の中心の所で少し人が集まったり放送で何かを言っている。

コンマ何秒の瞬間に縄が上に上がり、体育の先生が異常な高さまで打ち上げられたから、それで何かがあったのかもしれない。だが、先生が着地で失敗して死んでしまおうが知ったことではない(真顔)。俺達の戦いは勝敗が着くまで終わらない。

 

『声出せえぇェぇェッ!!!!!!』

 

両チーム共同時に同じ台詞が怒声の様な声で響く。

綱を握った全員が『オーエス!オーエス!!』とリズムを刻みながら体を上に向けて倒れるように引き合う。

 

「……ッッ!!!」

 

自分の歯を砕くつもりで噛み締め、ケツの穴を閉め脹脛と腹筋と腕、手に全身全霊で力をこめ続ける。

全体的に体格の良い親と変な二つ名がついている親が二人も居るだけあって、相手の力は尋常ではない。だが、負けはしない。負ける訳にはいかない。

 

拮抗が崩れ、徐々にだが赤組が優勢へと傾いてくる。

今度は白組の面々が顔を顰め始めた。

 

 

『オーエスッ!!オーエスッ!!』

 

 

両チームとも熱を帯び次第に大きくなっていく声に更に観客達の声が重なっていく。

 

アンタ達も家族の応援を背負っているから負けられないのは分かる。その気持ちはここに居る親達の殆どが理解出来る筈だ。でも、こっちはその家族の応援とは別に元世界チャンピオンの肩書きを背負っているんだ。別にそっちを貶す気持ちは欠片もないが、これだけは言わせて欲しい。

 

 

背負ってる重みが違うんだよ…ッッ!!

 

 

綱を引きちぎる気持ちで全身全霊の力を込める。体中の血管が浮かび上がり、頭に血が上り顔が赤く痺れる感覚を感じた。もう少しで血管が千切れて血でも吹き出るんじゃないかと思うほどのものだったが、そんなものでこの一戦を勝てるのならば俺は喜んで血でも噴出させてやる。

 

「オォぉぉぉッ!!!!」

 

掛け声を出すのをやめ、まるで獣の様に吼える。その声に触発され、チームの面々が同じように叫び始める。白組が必死に喰らいつくが、もう止められやしない。次第に縄の中心に張られたテープが此方に近づいていき赤組の白線の上を通過した。

 

 

 

 

パァンッ!!!!

 

 

 

 

一瞬の静寂

 

だが、すぐに観客達と選手達の声が会場に溢れ出す。

俺は終わった後の事を考えてなかったから、縄が緩んだことによって俺は後ろに受身もとれずに勢い良く倒れた。久々に全身の筋肉を動かして疲れ果て動くのもダルく感じ少しの間だけでも休ませて貰おうかと倒れていると、上から影が覆ってきた。

 

「――――――――」

 

太陽を背にしていて全体像しか見えないが見えないが、それだけでも今目の前に居るのが誰かは十分分かった。

 

「…アンタ、本当に和菓子屋の人間かよ。まだ武道家の方が頷けるぜ」

「――――――――」

「ったく、そんな体格した人間が言っても説得力無いっての」

 

彼は手を差し伸べてくる。

 

「――――――――」

「はっ」

 

彼の言葉に思わず笑ってしまった。

 

「次は敵としてじゃなくて仲間としてアンタとやってみたいよ」

 

そう言って彼の手を取り、立ち上がった。

 

 




『アナコンダ巻きの穂むら』というのが生まれたのは数日前の深夜の事

この文字を特に深く考えずにスラスラとパソコンに打ち込んで数分後、読み返したら俺は自分で『俺、頭イッてんじゃねぇかな』って思ってしまいました。

『アナコンダ巻き』というのは、実際ウチの高校の学年主任のグルメリポーターの石ちゃんの体格の様な人が体に巻きつけてやって、何年もそう呼ばれていた所から出てきました。

後は体育教官が縄の上に乗っかって飛ぶやつとか

高校時代、今となっては感謝の気持ちで一杯です。小中で水泳5Mしか泳げなかった僕が100M泳げるようになったのですから

あぁ今でも思い出せる。「この25M泳げなかったら、夏休み俺と仲良く泳ごう」と言われあまりの恐怖に見よう見まねのクロールを息継ぎ出来ないから無しで一心不乱に視界真っ白になりながら泳ぎきり

プールサイドを体育教官全員が囲み、「今から30分間1レーンから6レーンを泳ぎ続け上がったら最初の1レーンからの繰り返しを続けろ。休憩は無しだ。もし止まったとしても歩くな。すぐに泳ぎだせ」そういわれてやった遠泳の初日にクロールの息継ぎ下手で水ばっか飲んでたけど「あ、止まったら死ぬやつだ」と思ったら初日でいつの間にか息継ぎが完璧になってたり


ほんと、いいおもいでだっだ




オリジナルの小説を書いていたら遅れてしまいました。申し訳ありません。

『親子遠足』は自分の妄想と思いつきで書いて「ゆるキャン△」見てたらまつぼっくり燃やして真姫ちゃんにおねしょさせたくなって、『運動会』は非ログインユーザーの「Sammy」さんに「幼稚園とかの運動会でよくあるお父さんいらっしゃいみたいなやつで大人気なく本気出して真姫ちゃん(小)に喝采をあげてほしい。」と言われたら、あの汗臭い文章と『アナコンダ巻きの穂むら』とかいう意味の分からないのが生まれました。
自分でいうのもあれですけど、ラブライブの二次創作の中で一番フリーダムで下らない小説書いてるなって思いました。

最初は『アナコンダ巻きの穂むら』出た瞬間、もうこの小説書くの止めようかなって思ったんですけど、最近感想で是非書いて欲しいと何名か送ってくれたので投稿させてもらいました。

これからも不定期で更新させて貰います。もしかしたらすぐかもしれません。そうじゃないかもしれません。

要望されたシチュはなるべく書いていきたいと思います。




疑問なんですが、非ログインユーザーの人に返信送っても、届くんですかね?

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