中3になりました〜、
いや〜今まで色々あったね、夏には外に散歩に行ったら天災達に拉致られて気がついたら海に居て
「海」と「紅葉」達を交えて遊んだり(天災達をナンパしようとして返り討ちにされて海にクラゲも斯くやって位屍が浮いていた)
夏祭りでは、一人で来た筈なのにいつの間にか回りに四人が居て連れ回された揚句ナンパ目的の奴らに絡まれたり、(花火を背景にリアル犬神家をして猥褻物陳列罪で若者が多数検挙された)
秋には紅葉狩りに(箒じゃなくて)連れて行かれてナンパして来た奴を天災達に押し付けたり(その近辺で叫び声が聞こえて来て見に行くと朱く染まった銀杏が発見されたらしい)
冬には蒲倉を作ってのんびりしてたらいつの間にか蒲倉が要塞になっていたり、
本当に、色々あったなぁ…天災達の被害者が多すぎる気がするが……
…おまえの方が酷いって?あれだよ、機嫌が悪かったんだよ、のんびりできる筈の長期休暇で俺の平穏が潰されたから加減出来なかったんだよ、
さてと、突然で悪いが俺はもう駄目だ、今まで何度も何度ももう駄目だと思ったが全て切り抜けてきた俺だが、今回はどうしようもねぇ、無理だ。
何の話だ?またあの二人か?
残念ながら違うんだよ、あいつらならまだ、よか……よくはねぇな、だが最近では対応にも慣れて来たからまだ何とかなったかもしれねぇ、
けど、今回は物理的に無理なんだよ、
……聞いてくれるか?実はな、
日本(ここ)に向かって約2000発のミサイルが飛んできてるんだよねぇ〜
……な、無理だろ?なんか世界中から飛んで来てるらしいぜ?ハッキング喰らってて制御不能なんだと、神はとうとう俺を殺しに来たらしい、なぁ神よ、俺が何したよ、ただ人並みの平穏を少し満喫しただけだよ?最近なんか天災達があんまり絡んで来ないからすっげぇのんびり出来てたのに……
……俺も頑張ったよ?死にたくないからハッキングを喰らったミサイルをハッキング仕返して400発近く落としたんだぜ?
普段使わないウサ耳のせいで憑いたハッキング技術使って頑張ったよ?相手が凄すぎてすぐに潰されたけどな、
テレビでもこの話で持ち切りだしな、
……ん?なんかテレビが騒がしくなってるな、どうしたんだ?
……はっ?
ミサイルが単身で撃破された?
何言ってんだ?頭でも沸いたのか?アナウンサー?単身ってなんだよ、単機なら分かるけど、いや、意味が通るってだけで出来る訳ないんだが、
なんだ?あれは?人型の機械、か?……違うな画質が悪くてよくわからんが、あれは人がパワードスーツを着てるって感じだな。
おいおい、ミサイルの次は軍隊かよ……あのパワードスーツを着た奴とパワードスーツの捕獲か破壊が目的か、確かにあんな今の技術を逸脱したもんを野放しにはできねぇしな、
ははっ、マジかよ、全滅したぜ?あんなもんがあと十機あったら世界征服出来るだろ、どうなってるのかねぇこの世界は、
前世とは完全に違うよなぁ
こんなんマンガくらいだろ、
おっ、あのパワードスーツ……めんどいから機械でいいや、機械が降りてきたな、燃料切れか?
おぉ、あんな感じなのか、あの機械、ってなんか突っ込んで行ったな、
知り合い……じゃなきゃあんなもん見せられた後に近づこうと思わんわな、
抱き着いてるし、あっ、顔がアップになったな、どれどれ、どんな奴なのかねぇ?
ウサ耳美少女にクール美少女か、
うん、織斑と篠ノ之だな。
ハァァ〜〜〜〜!?!?
あのミサイルハッキング事件から一週間が経った、織斑と篠ノ之はその間政府への対応やら学会への理論の発表等、色々やってたみたいだ、
この一週間、学校はあの二人の話で持ち切りだった、……いい意味じゃねぇがな
さてと、めんどい授業は自主休業としますかね〜屋上でチョップチャプスでも食べながら寝ますかねぇ。
悠夜SideOut
Side千冬
束が開発していた、ISの性能実験と各国に送ったが誰も信じようとしなかった理論の証明の為に私は日本に飛んで来るミサイルを撃墜した、
束は手伝わなくてもいいと言っていたが、私はあいつ一人ならまた無茶をすると思い協力した。
……親友の為に何かしてやりたかったのもあるが、
水無月さんには伝えなかった。
あの人なら絶対に止めようとするからと私と束だけで行動した、
ミサイルの数が本来飛んでくる筈の量よりも少なかったのはあの人が原因だと、後から束に聞いた。……あの人は人のことを天災だ何だと言って来るが私からしたらあの人の方が天才だと思う。
一時的とはいえ束のパソコンにハッキングをしてミサイルの制御を奪い取ったのだ、普通は…いや、この時の為に準備してきた束に対してハッキングを成功させたのはあの人だけだった、様々な国のハッカーが挑み全て潰されたのに…だ。
それだけじゃなくあの人は私とも互角かそれ以上に打ち合うことができるのだ、
過信する訳ではないが私は同年代はおろか大人を相手にしても勝てる、だがあの人はめんどくさそうにしながらも私に勝ってしまう、
束に追随する頭脳に私と互角かそれ以上の戦闘センス、そんな人が天才でなくて何だと言うのだ、
……あの人は嫌そうに否定するがな。
私と束が……言い方は悪いがあの人に付き纏うのはそういった理由もある、私達は他の人達から逸脱している、束はその頭脳で私はこの身体能力で…だ、
私達は他人から好奇や奇異、嫌悪の視線に何時も晒されてきた、自分でも分かっていたが実際にそんな視線に晒されていたらやはり、辛かった、今では慣れてきたが当時幼かった私には耐えられないものだった、
だがあの人のおかげで私は救われたんだ、
人の輪の中に入ることを恐れていた私の背中を押してくれた、めんどくさそうにしながら嫌そうにしながらも本当に困った時は手助けしてくれた、
好奇でも嫌悪でもなくただ普通に、自然体で接してくれた、たった一人の人だった。
束もあの人の前では本当に嬉しそうにしている、
……うるさくなりすぎてよく叩かれているが、
束が作り出した現行のどの機械よりも優れたIS(インフィニット・ストラトス)これは宇宙空間での活用を主としたモノだ、その性能実験から一週間、私は久しぶりに学校に来ていた、
束はまだやることがあるからと言って来ていない、
水無月さんにはこの一週間、会うことはおろか連絡すらしていない。
……我ながら女々しいモノだと思うが、それでも……怖いんだ、ISの説明をするために色々な人に会った、
その誰もが私と束をバケモノを見るような目で見てきた、分かってはいたが、
やはり、辛かった、それでも説明を続けていて思った、
水無月さんもこんな目で私を……私達を見てくるのかと、そんなことはないと束は言っていたし私もそう思うが、もし、そういう態度を取られてしまったら、と考えると連絡が取れなかった。
そして一週間が経ち各国への説明が一段落して家に帰ってきた、一夏に心配をかけてしまったなと謝り、心配をこれ以上かけないように、と学校にきたが……
やはり、私に向けられる目は忌避、嫌悪、軽蔑、など負の感情ばかりだった、
今まで私を慕ってくれていた友人も後輩も先生ですらバケモノを見る目で見てきて、腫れ物を扱うかのように接してきた。
露骨に下心を出して擦り寄って来るものもいた、
そんな空間に耐えられなくなって授業を保健室に行くと言って抜け出し、気分を変える為に屋上に向かった。
そこには、今1番会いたくて、会いたくなかった人がいた、
その人は屋上の扉が開いたことに気が付いたのか、起き上がってこちらに振り向いた、
私はその振り向くまでの短い時間が永遠にも感じた、忌避されたり嫌悪の目で見られたらどうすればいい、と様々な考えが頭の中を駆け巡った。
振り向いてこちらを見る目は、
……いつもと変わらないめんどくさそうな目で。
「ん〜?織斑か、一週間ぶり〜」
と水無月さんはいつもと変わらない態度で声をかけてくれた、
「なんで……ですか、」
私はいつもと変わらない水無月さんに嬉しさよりも先に疑問が湧き、気が付いたら質問していた、
「あん?何がだよ?篠ノ之だけじゃなくて織斑まで主語無しの会話すんのかよ」
「なんで、水無月さんはいつもと変わらないんですか、」
「はぁ?何だそりゃ?俺になんか奇行でもしろってのか?」
「ふざけないで下さい!」
「えぇ〜、なんで俺怒られてるの?」
「見てたでしょう!私がミサイルを軍隊を相手に戦って無傷で勝っていたのを!」
「怖くないんですか!私は……一人で何人もの人間を簡単に殺せるんですよ!」
「なのに…なんで、そんなに変わらないんですか…」
自分で言っている内に泣きそうになってきた、けれどこれだけは聞いておきたかった、
水無月さんは少し私の声に驚いていたがいつも道理にだるそうに言ってきた、
「いや、知ってるけど……それがなんか俺のお前に対する態度を変えるのに関係あるのか?」
「えっ?」
「いや、だって何人も殺せるってだけでお前は誰も殺してないし、俺を殺そうともしてないじゃん」
「それに今更?って感じだし、いつもより規模がでかいだけのことだしなぁ」
「あぁ、でも」
ゴツン!
「〜〜っ、」
「わざわざ俺にめんどくさいことをさせた罰だ、これで勘弁してやる」
そう言って水無月さんは少しすっきりした顔でこっちを見てきた、げんこつは痛かったが嬉しかった、何時もと変わらないこの人が見れて、
安心したらまた泣きそうになってきた、だから私は、帰ろうとしている、水無月さんの背中にしがみついて、
「あん?何だy「少しだけ、少しだけ背中を貸して下さい」……りょーかい」
泣いた、それまで溜め込んでいたものを全て吐き出すかのように。
しばらくして泣き止んだ私は、かなり恥ずかしかった、まさかあんなに泣くとは自分でも思わなかった、
今度は違う意味で水無月さんの顔が見れなかった、
水無月さんはこちらを見ずに、
「辛いときは人に頼った方が溜め込むよりいいぞ、弟の一夏とか親友の篠ノ之とかその妹の箒とかな」
と言ってきたので、
「水無月さんは?頼ったらダメですか?」
と聞いてみたら、こっちを振り向いて、
「めんどくせぇからパス」
と本当にめんどくさそうに言ってきた……
普通、そこは了承するでしょうと不満に思いつつ見つめていたら、また出口に向かった水無月さんが、
「報酬をくれるなら、考えといてやるよ、じゃーな、『雪』」
と電話ぐらいでしか呼んでくれない名前で呼んでくれた、敵わないなぁ、
顔が緩むのを感じながら私はしばらく屋上に立っていた。
千冬SideOut
Side悠夜
あぁ〜、焦ったぁ、あんなん流石にスルー出来ないからな、にしてもマジどうすっかなぁ、今の状態は俺の目指す平穏には程遠いし、学校までうぜぇしなぁ……
……やりたくねぇなぁ、でもこれが1番俺の平穏に近づけられるんだよな。
俺の平穏は日常も込みで平穏だからな、織斑にもプレゼントのお返ししてねぇしなぁ。
リスクとリターンが半々かリスクがでかい位なんだよ、
ん〜、とりあえず出来るかどうかの確認をしとくか、
はぁ〜、さっきまでの平穏はどこに行ったんだか、
そんなことを考えながら、俺は携帯を取り出し、1番掛けたくないやつに、電話をした。