ISってなに?   作:reレスト

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初めてなんだが、異常に疲れるな……

……はぁ、やっと一段落したと思ったら、まためんどくさいのがきたなぁ、おいさて、どうするか……よく考えたら俺は呼ばれなかったし帰ってよくね?

 

 

「そういえば悠夜さん、さっき言っていた詫びとはどういうことですか?」

 

 

俺が素晴らしい事実に気付いてそれを実行しようとしたら織斑に質問されて止められた……織斑の中ではあいつは居なかったことになったらしい

 

 

「あぁ、あれな、休憩時間いっぱいまで廻るつもりみたいだったけど、途中でそこのウサ耳が来れるようにしただろ?だからだよ」

 

 

というかその一時間半以上だったらマジで乱入しかねなかったし、それで契約違反だって言って違うこと要求されんのも面倒だったしな、はぁ、欲しかったんだけどなぁ無料券

 

「そうだったんですか」

 

 

「他に俺が詫びる理由があるかよ」

 

 

俺が呆れた表情で織斑に問い掛けると少々むっ、とした顔をして言い返してきた

 

「ありますよ」

 

 

「例えば?」

 

 

「普段の学園生活で私達から逃げようとします」

 

 

「おまえらの後ろから他の生徒が着いて来る上に厄介事を持ってくるからだろうが、しかも極論を言ったら俺が此処に居るのもおまえらのせいだろ」

 

 

「け、剣道の鍛練にもなかなか付き合ってくれません」

 

 

「俺がやってんのは剣術だ、それにお前と模擬戦したら疲れるし限界まで付き合わせようとするだろ、こっちの予定無視して」

 

 

「その、暮桜のデータ取りの手伝いも滅多にやってくれません」

 

 

 

「そっちは現世界最強のISとその操縦者でこっちはただの訓練機、データ取りの模擬戦の後は集めたデータをまとめるのをそこのウサ耳にずっと付き合わされるな」

 

 

「……そう!メイドをやらされました!」

 

 

「そうだな、俺もISの世界大会なんて行かなくてもよかったのに無理矢理行かされて、行かなかったら回避出来たかもしれない執事をやってるな」

 

 

執事をやっているのは賞品の為だがな

 

「………」

 

 

ずーん、と背景に縦線が入りそうなくらい落ち込む織斑、あんだけやり込めたら流石にあぁなるか。つか基本的に俺が被害者なんだから俺に勝てる筈ないだろ

 

 

「後は任せてちーちゃん!束さんがちーちゃんの仇を取るよ!」

 

 

と言って今度は篠ノ之が出てきた、別に勝負でもなんでもないんだが……

 

 

「ゆーくん!」

 

 

「なんだよ」

 

 

「ゆーくんはもっと束さんに優しくするべきだよ!」

 

 

「いきなり会話の流れをぶった切りやがったな、おい」

 

 

「束さんが朝おはようって挨拶しても邪険に扱うし」

 

 

「挨拶と一緒に突撃してきてなおかつ、発信機の類いを付けられそうになったら誰でもそうなるだろうよ」

 

 

「お昼ご飯を一緒に食べようとしても逃げるし」

 

 

「お前が作った料理を無理矢理食わせようとする上にその料理にたまによく分からん薬混ぜてるからだろうが」

 

 

一回だけ食っちまった時は急に眠気がして寝そうになったが自分の頭を壁に打ち付けてその痛みで無理矢理意識を保った、無茶苦茶痛かった

 

 

その後俺と織斑に話しを聞いた紅葉を加えて説教をしたんだがやめる気配がない、それから食い物になにか混ぜられていたら気付けるようにと耐えられるよう訓練した、ちなみに協力してくれたのは織斑だ、ある程度教えたら簡単な物くらいなら作れるようになった、最初の頃は食えたもんじゃなかったがなぁ

 

 

なんで料理が痛いんだよ、料理に攻撃力持たせるとかどんな調理方法だ

 

 

……薬物入りの料理を出すことにすごく微妙な顔をしていたが俺の身の安全のために我慢してもらった、まぁ何回も作ってたおかげで今ではそれなりの出来の料理が作れるようになったんだから別にいいだろ

 

 

 

……なんでこんなことしてんだとは考えないようにしておいた、一々考えてたら胃がもたねぇしなぁ、あの訓練が今までで1番努力したかもしれない

 

 

俺が少し遠い目をしている間にもウサ耳は抗議?をしている

 

 

「ゆーくんの部屋にも入れてくれないし〜」

 

 

「入れたらその日、一日中居座るだろ」

 

 

「それに!まだゆーくんのお家にご招待してもらってないよ!」

 

「当たり前だ、俺の最後の砦を教えてたまるか、教えたら何されるか分かったもんじゃねぇ」

 

 

 

「うぅ〜、ゆーくんのいぢわる!」

 

 

 

「日頃のおこないのせいだ」

 

 

ウサ耳バカがしくしくと自分で言いながら泣きまねをし始めた。さて、帰るか

 

 

「まちやがれ!」

 

 

そのまま仕事に戻ろうとしたが俺の進行方向にイケメン君が出てきたのでしょうがなく、本当にしょうがなく止まった、居たの忘れてた……

 

 

「………はぁ、何かようか、俺は仕事に行かなきゃならんのだが」

 

 

思わずため息をついてしまったがしょうがないだろ、めんどくさいことになりそうな予感がするんだから

 

 

「何かようか?じゃねぇよ!てめぇ、なに俺と千冬達との会話を邪魔した上に千冬達を泣かせてそのまま逃げようとしてんだ!」

 

 

 

……えぇ〜、今の会話を聞いててどこをどう捉えたらそういう解釈になんだよ、周りで聞き耳立ててた野次馬達もなんで?って顔になってるし、それに織斑は言い合いに負けてテンションが下がってるだけだ、ウサ耳バカにいたってはただの泣きまねだ

 

 

 

「なんとか言ったらどうなんだよ!」

 

 

俺がイケメン君の訳の分からん言い掛かりと思考回路に驚いて喋らずにいたら痺れを切らしたのかまた怒鳴ってきた、マジで帰っていいか?

 

 

「………あ〜、仕事あるから帰っていいか?」

 

 

「チッ、適当な理由で逃げるのかよ、腰抜けが。まぁいいとっとと消えろ」

 

 

イケメン君に再度事情を説明したら、舌打ちしてやたら上から目線で命令してきた、俺はめんどくさいことに巻き込まれなかったら別にどう言われようがどうでもいいんだが

 

 

 

………後ろから聞こえる刀を抜こうとする音とかバチバチと普通のスタンガン程度じゃ聞こえないかなり大きなスパーク音とか周りの野次馬達のすごい速さで変わる顔色とか見たり聞いたりしてるとそっちの方で頭が痛くなってくる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁいいか、後はほっといたらなんとかなるだろ、帰ってまためんどい接客だぁ〜と……なんだよ?この場面でスルーすんのかよ!って?当たり前だろ?だってほっといても何とかなるのにわざわざ関わって俺の負担を増やしたくねぇんだよ

 

 

それにものすごいめんどくさいことになりそうな予感がするし、頭のなかで警鐘と警報と警笛がガンガン鳴ってんだよ、そんな状態で誰が率先して関わろうとする?俺は絶対に嫌だ

 

 

 

イケメン君の横を抜けてさぁ帰ろうとしたら

 

 

 

「ちょっと待て!」

 

 

とまた声をかけられた……無視して行って喚きながら着いて来られるよりは止まってテキトーに相手した方が楽、か?

 

「……なんだ?」

 

 

「なんでお前がそれを持ってんだよ!」

 

 

それ?俺がイケメン君の視線をたどって目線を下げてみると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一回IS世界大会の写真集があった……渡すの忘れてたな

 

「……そこの出し物の景品だが」

 

 

「そんなことは知ってるんだよ!」

 

 

「じゃあ何が言いたいんだ」

 

 

うんざりしながらイケメン君に問い掛ける。めんどくさい

 

 

「どうやって手に入れた!」

 

 

はぁ?

 

 

「普通にそこの出し物の条件をクリアしてだよ」

 

 

 

何を当たり前のことを言ってんだ?こいつ

 

 

 

「嘘をつくな!俺が20回以上挑戦して一枚も抜けなかったのにお前ごときがクリアできる筈ないだろ!」

 

 

……イケメン君どんだけ挑戦してんだよ、三枚以上の景品を獲得したらもう挑戦出来ないからそれ以下だとは思ったが一枚も抜けなかったのか。つか、どんだけ迷惑なんだよ20回もやるって、普通一回挑戦して無理だったら諦めるだろ

 

 

 

でもこのルールがなかったら無料券も取れたんだがなぁ、まぁこのルールがないと下手したら一人が景品独占って可能性もあるから妥当っちゃ妥当だな

 

 

 

それにイケメン君が出来ない=俺に出来る筈がないって方程式はどこから出て来たんだ?自分に自信ありすぎだろ

 

「そうか!分かったぞ、てめぇ!」

 

 

「はぁ〜、何が?」

 

 

「お前が束の取った景品を奪ったんだな!束ならあの出し物をクリア出来るからな、きっと写真集を誰かに取られるのを千冬が嫌がって束に取るよう頼んだんだろう、それをお前が!」

 

 

 

微妙に当たってるな

 

 

 

「……そこの担当してる子にでも聞けば分かるだろ」

 

 

「フンッ!どうせその子も脅してるんだろ!」

 

 

 

……駄目だな、そもそもコミュニケーションが成立してない、というよりとりあえず俺が悪者じゃないと気が済まないのか

 

 

 

「……結局何が言いたいんだよ」

 

 

 

「それをこっちに渡せ!」

 

 

……別にいいけどな、どうせ持って帰ってもそこら辺に放置されるか捨てるかだろうし

 

 

 

と思いながらチラッと後ろを見てみると織斑が首を振って駄目だと伝えてきた

 

 

 

「じゃあ織斑か篠ノ之に渡したらいいのか?」

 

 

 

「ダメだ!ここで渡したとしても後から無理矢理奪いそうだからな、俺が責任を持って管理する。だから俺に渡しな」

 

 

 

前髪をサラっと手で払いながら無茶苦茶な理由で写真集を要求してきた。見た目は良いから普通は似合いそうな仕種なんだが

 

 

 

……言ってることが結局自分が欲しいからよこせって言ってるだけの上に、何て言うか、小物臭?みたいなもんが出てるから色々台なしだ。周りも呆れてるし

 

 

 

渡したら後からなんか言われそうだしなぁ、ていうか言うだろな、絶対

 

 

「はぁ、めんどいなぁ、嫌だ」

 

 

「なんだと?」

 

 

「渡すのを拒否する」

 

 

「てめぇ、ふざけんなよ!俺が優しく言ってる内にとっとと渡した方がいいぜ」

 

 

あれで優しかったらバファ○ンの十割が優しさで出来てることになるな

 

 

 

「渡すのを拒否する」

 

 

 

さっきの言葉をリピートする、もう考えるのも面倒だ

 

 

「言ったな、今からてめぇをボコボコにしてや……いや、そんなことよりいいもんがあった」

 

 

 

一瞬、こちらに飛び掛かってきそうになったが何かを見つけたのか急に止まってニヤニヤしだした……やっぱ変態だろ。今気付いたけど、こいつとまともに話したの初めてだな、できればずっと話したくなかったが

 

 

「今ここでお前をたたきのめすのは簡単だが、それだと周りに迷惑がかかる」

 

 

 

ボコボコじゃなかったのかよ、しかも今更だな、おい

 

 

「それでだ、慈悲深い俺がお前にもチャンスがある方法に変えてやろう」

 

 

 

いつの間に勝負するのが決定事項になったんだ?

 

 

 

「あれで勝負だ!」

 

 

俺の疑問をよそにイケメン君……もう変態君でいいか、変態君が壁に貼ってあるポスターを指した、えぇと何々、学園の生徒を対象にしたISを使ったクレー射撃?

 

「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるって言うからな、これなら可能性はゼロじゃないだろう」

 

 

 

余裕しゃくしゃくといった感じで聞いてくる変態君、マジでなんでこんなに自信あるんだ?

 

 

 

「俺が勝ったらその写真集をもらい、さらに!千冬達のクラスの出し物のメイド喫茶で千冬と束にご奉仕してもらう!」

 

 

 

………さりげなく自分の願望も入れてるってか本人に許可を取ってから言えよ、後ろの方から瘴気みたいなのが流れてきたじゃねぇか。ついでに店の名前も違う

 

 

「めんどいから断r『いいよ(だろう)ゆーくん(悠夜さん)が負けるはずないし(からな)』おい、勝手に決めんな」

 

 

 

こいつら、厄介事を押し付けてきやがったな

 

 

 

「フッ、負けた時の言い訳でも考えておきな」

 

 

 

と言ってISが使えるアリーナに向かって歩いていった、この出し物は学園が出してんのかよ、じゃなかったらISを使えるはずないか。おおかたどっかのお偉方と一般人への見世物がわりだろ

 

 

 

さて、とりあえずだ

 

 

ガシッ×2

 

 

メキメキメキ!

 

 

「「いたたたたたたた!!」」

 

 

 

俺に面倒なことを押し付けた天災達をアイアンクローで締め上げる

 

 

 

「なに面倒事を押し付けてんだ、おい」

 

 

「ゆーくん!ギブ、ギブだよ!これ以上やられたら何かでちゃう!」

 

 

 

「悠夜さん!本当にマズイですから離して下さい!」

 

 

ちっ、仕方ないとりあえずこれくらいにしておくか

 

 

 

俺が手を離すとバカ達は頭を抱えてしゃがみ込んだ、自業自得だな

 

 

「ひどいよゆーくん!束さんの頭が潰れちゃったらどうするの!」

 

 

「潰してやろうか?」

 

 

「ごめんなさい!」

 

 

俺が手を近づけたら涙目でぷるぷると頭を抱えながら謝ってきた

 

 

「はぁ、このまま帰っていいか?」

 

 

いや割りとマジで、なんかめちゃくちゃ疲れたし

 

 

 

「駄目ですよ、それだと不戦勝だなんだと言ってきますよ」

 

 

 

まだ痛いのか頭を押さえながらも織斑が嫌なことを言ってきた、が

 

 

「別に俺に実害はほとんどないしな」

 

 

 

ダメージを受けるのはこいつらだ、写真集は別にいらないしご奉仕も俺がするわけじゃないから今回は本当にどうでもいいのだ

 

 

「ゆーくんは束さん達があれにお嫁さんに行けない身体にされてもいいの!」

 

 

 

ウサ耳バカが飛び掛からんばかりの勢いで詰め寄ってきたが、あの変態君の評価はひど………妥当か

 

 

 

「何を想像したのかしらんが自業自得だろ」

 

 

 

「うぅ〜……そうだ!」

 

 

ウサ耳バカが何か思いついたのかニコニコしながら空中ディスプレイを出して何かを打ち込み始めた。なんだ?ハッキング、って!

 

 

ガシッ!

 

 

俺は直ぐさまウサ耳バカの手を掴んで操作を中断させた

 

 

「むむむ、ゆーくん手を離して〜、まだ途中なんだよ〜」

 

 

「ふざけんな、こんなもんをやらせてたまるか!」

 

 

ウサ耳バカは必死に打ち込むのを続けようとするが、させるか!

 

 

「おい、このバカを抑えるのを織斑も手伝え」

 

 

「手伝えって、どうしたんですか?」

 

 

織斑が訳が分からないといった表情で近づいてきたので周りに聞こえない程度の声量で説明する

 

 

「このバカが世界中のパソコンにハッキングを仕掛けてバカみたいなことを送ろうとしてやがんだよ」

 

 

「バカみたいなこと?なんですかそれ?」

 

「簡単に言うと結婚するっていう情報だ」

 

 

「結婚?誰がですか?」

 

 

「俺と織斑とこのウサ耳バカのだ」

 

 

ググッとさらに力を込めて抑える、なんでこんな時だけ馬鹿力を発揮するんだよ!

 

 

「……どういうことだ束」

 

「ゆーくんがこのまま行かなかったらあれがまた付きまとってきそうだから、先にゆーくんのお嫁さんになっておいたら大丈夫だと思って♪」

 

 

「話しが飛びすぎだろが!」

 

 

なんでそうなるんだよ!

 

 

「……悠夜さん、いつまでもそうしているわけにもいきませんし、行ってもらえませんか?」

 

 

……結局そうなんのかよ

 

 

「束も、次からはそういうことは辞めておけ」

 

 

 

「え〜」

 

 

「束」

 

 

「うぅ〜、分かったよちーちゃん」

 

 

抵抗しなくなったので手を離した、篠ノ之は渋々とディスプレイを消した。はぁ、やっとかよ

 

 

 

「すみません、悠夜さん」

 

織斑が苦笑しながら謝ってきた、謝るなら巻き込むな

 

 

「はいはい、といより以外だな、てっきり織斑も一緒になって脅してくると思ってたんだが」

 

 

結果は同じだが

 

 

 

「前科があるので否定はできませんね、けど結婚というのはお互いの同意が大切ですし無理矢理しても意味がありませんから」

 

 

 

「好きな人に振り向いてもらえるように自分でがんばりますよ」

 

 

 

織斑は柔らかな微笑みを浮かべてそう言ってきた

 

 

 

「ほらいくぞ束、悠夜さん先に行ってますね」

 

 

 

「あ〜!ちーちゃん待って〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ、色々とめんどくせぇ、帰って寝たい

 

 

 

……文句言われる前に行くか

 

 

俺はのろのろとアリーナに向かって歩いて行った

 


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