………ん、くぁ〜背骨がいてぇ、やっぱソファーなんかで寝るんじゃなかったな、体中が軋んでやがる、そろそろ起きるか、
……で、とりあえず俺の上に乗ってやがるウサ耳を潰すか。
「うぅ〜、頭がいたい〜、ひどいよ〜ゆーくん、起こしに来ただけなのに〜」
「起こしに来てなんで人の上にいるんだ?ボケウサギ」
「だって、ゆーくん普段なら寝てる時でも近づいたらすぐに起きるのに、今日は起きなかったから、つい」テヘッ
スゥー、ピタ、ヒュオ、ドッパァン、
「疲れてたんだよ、帰国そうそうお前ら天災にあってな」
全身の力を乗せた最強のデコピンをウサ耳にかまして文句を言った、
「いや、悠夜さん束は聞いてませんよ」
痛みで悶絶してます、という織斑の言葉をスルーして朝食を食べる。朝食は和食だった、というより朝から多国籍料理を食う気にはならなかったので和食を頼んだ、それから少し話をしてから一年ぶりにの家に帰った、
定期的に業者を雇って掃除してもらってたからそこまで汚れてなかったが一応掃除をして昼と夜用の飯の食材を買いに行く。
……さてと、あらかた食材は買ったし後は最近はまってるアクセサリー作り用の材料でも買いに行くかぁ、これとチョップチャプスが俺の天災達に削られる精神力の癒しだな、
スタスタ、
〜悠夜移動中〜
……アクセサリーの材料も買って帰ろうとした俺の前にかなり怪しい占い屋が立ち塞がった、頭まですっぽりローブで隠しているため顔はわからないが体つきから女だと分かった、……ただしその頭にはやたら見覚えのあるウサ耳が付いていた……関わらない方がいいだろ。
「何かようか?」
「青年よ〜、私の占いを受けてみないかね〜」
「いらん」
と言ってそのままスルーしようとすると腰にしがみついてきた、
「放せ!俺は帰るんだ!これに関わったら人生が決まってしまうと俺の勘が告げてるんだ!」
「お願いだよ〜ちょっとだけだから〜」(泣)
「うるせぇ!絶対に嫌だ!てか、お前は何がしたいんだよ!篠ノ之」
ビクッ、
「や、やだな〜私のどこがラブリーで天才なウサ耳の似合う篠ノ之束だと言うのかな?」
「語るに落ちてるぞ、ホントに何がしたいんだよ、お前は?」
「ふっふっふ、流石はゆーくんだね!天才束さんの完璧な変装を見破るなんて、そんなことがでk」
スタスt、ガシィ!
「話してる途中に逃げようとしないで〜、ちゃんと説明するから逃げないで〜」(マジ泣)
「分かった、分かったから放せ、やたら注目を集めてるから!」
その後しばらくしてやっと俺を解放したウサ耳について行くと、椅子と布がかけられた机、その上に水晶球が置いてある場所に連れて来られた、
「で、何がしたかったんだお前は?」
「まぁまぁ、ゆーくんとりあえず座って座って」
とりあえず荷物を横に置いて椅子に座る、ウサ耳バカは対面に座った、
「でも流石はゆーくんだね!束さんの完璧な変装を見破るなんて!ハッ、まさかこれが愛のちかr」
ガシッ、グググ、
「本題は?」
頭を掴んでゆっくりと締め付けていく
「ご、ごめんなさい〜話します、話しますからこれ外して〜」
「チッ、早く話せ、というかなんで朝の内に話さなかったんだよ、わざわざそんな恰好までして此処で話す意味があったのか?」
「舌打ち!?束さんをいじめてゆーくんは何がしたいの!?もしかしてそういうしゅ」
「質・問・に・答えろ」
グググ、グシャ、
買ってきた林檎を握り潰して極上の笑顔で話しを促す、あ〜あ、林檎が無駄になっちまった、
「わ、わかったよ、ゆーくん」
青い顔をしてウサ耳バカが返事をする。
「で、話しってなんだ?まさかマジで占いをするなんて言うんじゃないだろうな?」
「ピンポンピンポーン、大せいか〜い、ってごめんなさい、これは本当だから手を近づけないで〜」
ふざけんなよ、なんでわざわざウサ耳バカの占いなんか受けなきゃならんのだ、
「それこそ朝の内にやっときゃいいだろうが、なんでこんな人通りの多いとこでやらなきゃならないんだ」
「うん、それはそうなんだけどね、その前に……ありがとう、ゆーくん、ちーちゃんとしっかり向き合わせてくれて」
篠ノ之が普段のテンションからの笑顔じゃなくて本当に嬉しそうな笑顔を向けてきた、
「どーいたしまして、さて、質問に答えてもらおうか」
が俺は早く帰りたいのでそうそうに本題に戻る、
あ?空気読めよだって?……普通ならよかったんだが、俺の勘が警鐘を鳴らして早く帰るべきだと言ってるんだ、そんな悠長なこと言ってられるか!
「か、軽いね、もうちょっと雰囲気を出してもいいんじゃないかな」
「ハッ、そんなもん知るか、お前らが話し合って折り合いがついたならそれでいいだろ」
「ゆーくんらしいね」
「そうかよ、」
「うん!」
なんでそんなに嬉しそうなのかねぇ、
「それで、何回も聞くがなんでこんな所で占いなんかするんだ?」
「それはね、何時やるかよりもどこで(・・)やるかが大切だからだよ!」
「どういうことだ?」
「それより、この水晶球に触ってみて!」
質問に答えやがらねぇ……めんどくせぇからとっとと言うこと聞いて帰ろう、
「はいはい、これでいいのか」
と言って俺は水晶球に触れた、触れてしまった。
後からこの時に戻れたらこの時の俺を殴ってでも止めたのにと本気で後悔することになるのは余談である。
ピカッ!
「なんだ!?」
急に水晶球が光って何かが流れ込んで来る感覚と何かが体に付く感じがした、
目が慣れてきて周りを見てみると通行人がこちらを凝視していた、
一体何なんだ?というか視線が高くなってる?
とそこで自分の姿を見てみると、そこには、
………最近テレビでよく写っている、量産型のISを装着している俺の体があった…………
「ちーちゃんと話し合ってどうせだったらゆーくんも同じ学校にきてほしいなってことになったんだ」
と勝手なことをほざいているウサ耳天災バカを見る。
「だからゆーくんにはISを扱えるってことを世界中の人に知って貰うことにしました〜」
「その為に此処でやったのか?」
「そうだよ〜、ゆーくんのことだから普通に言っても嫌がるだろうしね!」
「この状況なら言い逃れはできないし、証人がいっぱいいるから嘘だとも言われないしね!」
全部仕込まれてたってことかよ、
はっはははは
「ざっけんじゃねぇ〜〜!!」
心の底から叫んだ、俺は悪くない、前にも似たようなことを言ったがそれでもこれはしかたないと思う、俺の平穏は一年続いたと思ったら一生に関わる厄介事を持ってきやがった、
その場には燃え尽きたようにうなだれる俺と凄まじく嬉しそうなウサ耳が同居する何とも言えない空間が作り出されていた。
………翌日、世界で初めての男のIS操縦者が現れたと全世界で報道された。
俺の平穏は天災達に潰される運命なんだとしみじみと感じた、人生で最悪の日になった。