今回は槍組です。
日本号みたいな渋いおっさんキャラって良いですよね。
おまけは悪ふざけです。性転換ネタなので苦手な方は見ないよう気をつけて下さい。
大典太光世以外の刀剣が男から女になってます。
遡る事○○日前。
審神者ちゃんから、新しい槍発見されたから捕獲しに行ってきて!て主命が下った。
もうね、何なのあれ。あの場所一体何周したんだろ。
まぁ、審神者ちゃんは無理はさせるけど無茶はさせないんだけどさ。夜通し出陣させたりなんか当然しないし、怪我したら治療してくれるし、疲労した人は入れ替えてくれる。
私と魔王様は出ずっぱりだったけどね!怪我したら流石に治療して貰ったけど、下手に誉なんかとっちゃうから…!
心折れなきゃ負けじゃないとか何なの、私は人間性捧げる気ないよ!
最後の方は私は勿論、流石の魔王様も疲労困憊だった。
おかげで新しい刀剣男子ゲット出来たけどね。
それがくたびれたおっさんなのは…まぁ、いいや。
で、そのおっさんと他二人…えーと、まとめて槍三人。その槍三人と私と魔王様、それに何人かが演習場に呼ばれた。
誰に?そりゃ審神者ちゃんに。
武人さんは相変わらずすげーガタイだなぁ、とか、学生は相変わらず一般人で見てて安心するなぁ、とか思ってると少し遅れて審神者ちゃんが演習場に来た。
「今から高速槍対策をします。あのク…あいつらには辛酸を嘗めさせられたらね!」
審神者ちゃん、審神者ちゃん、すっごい気合い入ってるとこ悪いけど、それ多分ハボック神様並に逆らえない気がするなぁ。
つーか、魔王様でさえ攻撃されて怪我してたのに対策とか出来るの?
「て事でこの三人に協力して貰って、避けるなり防御するなり練習して貰うよ。特に手入れに資材使うあんた達に!」
あ、そういう基準で選んでたんだ。
いやいや、待って、え、私も同類?
三人に目を向けるとおっさん以外はやる気満々だ。特に学生が張り切ってる。
おっさんやる気ないな。私もだけど。
得物は…は?本物?
練習なのに怪我したら本末転倒じゃ…、演習場は特殊空間だから平気?そうですか…デスヨネー。痛いの嫌いなんだけどなぁ…。
一対一じゃなくて複数対三人での対戦だってさ。
私と魔王様が組んだら練習にならないから駄目、て言われた。何故に?
まぁ、魔王様と組むとか勘弁しろ下さいだから何の問題もないけどね。出陣だってすっごい渋々なんだからさ。
て言うか槍三人大変じゃね?だってこっちそこそこ人数多いのに。
ま、審神者ちゃんの事だから、無茶はさせないだろうけど。
私はロイヤルさんと神主さん、太郎さんと一緒だ。
おっとり組?
…いやいや、違う。神主さんと太郎さん力強いし待ち伏せして一撃、て感じだから。ロイヤルさんも何気に凄いから。
あー…うー…私晒し者みたいで嫌だなぁ…。
あ、流石に一日ずつ?だよね。今日は一気に説明する為に集めたって事か。ああ良かった。
良くなかった。
私達の番が回ってきたんだけど、微妙に見学者いてやり難い。
弁慶と虎!お前ら何で居るんだよ!
はぁ!?私と魔王様の時は審神者ちゃん公認で見学オーケー!?
審神者ちゃんのばかー…私益々晒し者じゃんかよ。
……、学生に相手して貰おう。だっておっさんも武人も嫌だ。あの一般人オーラ漂う学生のがマシ。
て事で、ファイッ!てなったんだけど…おおお、おっさん潰しちゃったんだけど!学生に相手を、て思ったら何でかおっさんが前に居たんだよ!
や、前方不注意と言われればそうなんだけど!
て学生速っ!一般人じゃねーや、やっぱこいつも刀剣だ…。
どこぞのケルト神話の兄貴並の突きとか一般人の動体視力で見える訳がない!がむしゃらに体も腕も動かしてパニックだよこのヤロオォォ!でも段々後ろに押されてるのは分かる…うぅ、背中見せたらこれ絶対殺られる!猛犬かコラ!
げっ、刀上に弾かれた…上に砂利で後ろに滑った!ひいいぃ!
ごろん、て転がってもう無理降参!て手を挙げたら何かキャッチした。な、何なに?
「だっ、大丈夫かい!?」
パニックになってたのが落ち着いて周りを見ると、倒れてる学生に慌てた神主さんが駆け寄ってた。
あ、武人さんとロイヤルさんと太郎さんの方は引き分け?武人さん強っ!
と、とりあえず刀を納めて学生に近づく。あちゃー、完全に目を回してる。
大丈夫かな…。
ったくもー散々だ、なんて思いながらその日の夜気紛れに散歩してた。
そしたら月明かりの下一人で槍を振る学生を見つけた。
おー、自主練とか凄いなー。私は絶対する気にならない。
ひたすら突く練習してんのか。まーそりゃあの槍の形状ならそうだよね、払いとかには向いてないかも?
ついつい学生の自主練を見てたら学生がこっちに気がついたらしい。にかっ、て感じで爽やかな笑顔を向けられた。
「どうしたんだよ、こんな時間に。あ、もしかしてここあんたの特訓場だったのか?だったら悪い」
何か申し訳なさそうに言われたけどそんな事は断じてない。だから大丈夫。
首を横に振ると学生はホッとした顔をした。
じゃあ私は帰…
「あのさ!俺と手合わせしてくんねぇか!」
…帰りたいなー、私。
なんて言えないくらい学生の雰囲気が大真面目だ。
ええー…こんな一般人が逸般人の相手出来る訳ねぇだろうが、と思うけど断り辛い…。
うぅ…ちょっと、そう、ちょっとだけだからな!
渋々学生の真正面まで歩いて刀を抜く。
まぁ、学生なら私のへっぽこ剣くらいいなしてくれるだろ。
問題は寧ろ私だ!
あーもうくっそ、今日は本当に踏んだり蹴ったりだよ!!
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天下三名槍が揃った。
その事は喜ばしい事である筈なのに、御手杵の胸中は少しばかり複雑であった。
自分が天下三名槍として数えられている事は誇りであるし、矜持もある。
しかしただ一つ、己だけが焼失してしまった事に何とも言えないもやもやとした物を感じていた。
槍組は何かと一緒に組まされる事が多く、他の二本…蜻蛉切と日本号と一緒に居れば居る程息苦しさを感じる。
新参者である日本号が練度を上げれば上げる程、余計に。
そんなある日の事だ。
主に演習場に三人まとめて呼ばれ、一体何事かと思えば高速槍の対策をするという。
確かに自分と日本号の機動力は中々高い、練習にはうってつけであろう。
蜻蛉切は刀装と馬で機動力を上げるらしい。
打ち合わせは許されずぶっつけ本番。更に一日に一組ずつであるが、対戦は実に楽しかった。
特に三日月宗近と手合わせをする機会はそうそうない為、本当に勉強になった。…若干遊ばれていた感はあったが。
日本号は化け物かありゃ、などとぶつくさ言っていたが…まぁ、気持ちは分かる。
そして最終日、三日月宗近並の強さを誇る大典太光世との対戦だ。心が踊る。
御手杵達三人と大典太光世達四人が演習場にて対峙する。
ずば抜けた技量を持つ三日月宗近と大典太光世との手合わせは、寧ろ皆見ろとばかりに主である審神者から見学が許されている。
故に見学者が居ての対戦と相成った。
試合開始の合図はない。
強いて言うならば対峙し、互いに武器を構えるのが合図であろうか。
まずは三人の中で一番の機動力を持つ日本号が石切丸へと槍を繰り出す。石切丸は全刀剣の中で一番機動力が低い、当然と言えば当然の判断であった。
しかしながらそれはあっさりと潰される。
石切丸を狙う事を分かっていたのか、大典太光世が日本号の前に飛び出し鳩尾に一撃入れた。
二人の練度の差から日本号は一気に生存力を奪われ、追撃の体当たりに飛ばされ戦闘不能となる。
鮮やかな手並みに御手杵は一瞬呆けそうになるも直ぐに持ち直して大典太光世に攻撃を仕掛ける。
蜻蛉切が御手杵の加勢に向かおうとしたが、一期一振に止められ二対一で綺麗に分かれる事になった。
御手杵の攻撃の主体は突きである。
槍の形状が突き特化である事もあるが、御手杵という刀剣の真っ直ぐな気質がそうさせていた。
御手杵はその自慢の攻撃を幾度となく繰り出しながら、大典太光世を攻めきれない事に歯噛みする。
先日の三日月宗近は全ての攻撃を流されたが、こちらは真正面から力業で弾いてくる。もしくは当たらないかだ。
幾分か手応えはあるものの相手になっていないという点では同じである。
ー…悔しい…。
御手杵は悔しくて堪らない。
練度ではまだ自分の方が上であるし、大典太光世は大分後から来たというのにこうも実力差があるのか!
相手は天下五剣だが、こちらとて天下三名槍だ!
その矜持故に御手杵は熱くなり、そして…誘われている事に気がつけなかった。
一体どれほどの攻撃を弾かれたのかは分からない。しかし諦めず食いつき、御手杵はついに大典太光世の刀を弾き上げる事に成功する。
正に好機!
御手杵は大典太光世をとらんと身を引き勢い良く鋭い突きの一撃を繰り出す。
と、その瞬間、大典太光世の体が後ろへと倒れ込む。その口元には微かに笑みが浮かんでいた。
御手杵は危険を察知したが時既に遅く、身を倒した大典太光世の後ろには万全の体勢で刀を構えた石切丸が居た。彼は自身を使い石切丸を隠していたらしい。
勢いをつけ過ぎた御手杵は軌道を変える事も出来ず、ただでさえ打撃力の高い石切丸の攻撃をカウンターで食らい…当然、一発で沈んだ。
蜻蛉切は一期一振、太郎太刀と刃を交えながら酷く重い音を聞き、その音に思わず手が止まった。
それは三人ともで原因を探す。
音のした方に目をやれば思い切り飛ばされ気を失ったらしい御手杵、に、駆け寄る石切丸。更に何故か空から落ちてきた自分の刀を掴む大典太光世の姿があった。
状況は今一把握しきれないが、とにかく御手杵が負けたという事だけは分かった。
見学者に話を聞けば、御手杵は峰とはいえ石切丸の全力攻撃を食らったと言う。しかも自分の突進の勢いつきで。
折れる事のない演習とは言え打撃の鬼の全力とは…、と蜻蛉切は知らず自分の腹を押さえる。
兎に角、二人が潰されてしまった事で演習は続行不可能との意見で皆一致し、この場はお開きとなった。
どうでも良い話であるが、詳細を聞いた一期一振が
「流石兄上ですな、私も精進しなければ」
などと言っていた。
どうやら御手杵の心配よりも大典太光世の武勇の方に意識がいったらしい。
「おー…痛ぇ。この本丸は化け物揃いなのか?」
蜻蛉切は御手杵よりも早くに復活した日本号に尋ねられ、何とも言い難い曖昧な笑みを浮かべる。
恐らく規格外なのは三日月宗近と大典太光世の二振りのみだと思うのだが…。
「自分には判断出来かねる。何せ頭があの三日月殿だからな」
「ありゃ正真正銘の化け物だ。大典太光世も同じくらいか?まさか真っ先に潰されるとは思わなかったぜ」
自分の腹に手を当てながら肩を竦める日本号に蜻蛉切は真面目に言葉を返す。
「貴殿の機動力は驚異だからな、下手に動かれる前に潰してしまいたかったのだろう。何せ機動力の低い太郎太刀と石切丸、両名が居たのだから」
「やれやれ、嬉しくない特別扱いだ」
「こちらとしては羨ましい限りだ。大典太殿と『まともに』戦える機会などそうそうないのだからな」
心から羨ましい、と思っている蜻蛉切に対し、日本号はやる気がなさそうに肩を竦める。
一見やる気がなさそうに見える日本号だが、その実しっかりと自分の役目を自覚し果たしている事を知る蜻蛉切は彼の態度には何も言わない。
寧ろ、今度は自分が大典太光世と手合わせをしたいと武人として、武器としての血を疼かせた。
日本号は本丸に来て日は浅いが、御手杵が自分達に対して劣等感か後ろめたさか、そういった感情を抱いている事に直ぐに気がついた。
普段は活発な好青年であるが、ふとした瞬間に見せる顔や言葉から御手杵の気持ちが読めてしまった。
もう一人の天下三名槍、蜻蛉切はその事には気がついていないようである。まぁ、彼は良くも悪くも武人だ、そういった機微には疎いかもしれない。
もっとも、日本号がその事に気づいた、と言っても何かをする事はない。
そういった事は自分で乗り越えるもんだ、助けを求められたら手を貸してやれば良い。
そう考えているが故に。
主の思いつきなのか何なのか、ある日突然に槍対策だと言って日本号達が駆り出された。
練度の低い自分は経験を積む為でもあるようだが…実は中々強かな主かもしれない。
そうして行われた対戦。全四組中二組には辛うじて引き分けたが、残り二組…三日月宗近と大典太光世の組にはこてんぱんにやられた。
しかも練度の一番低い自分が真っ先に潰された。弱い者から潰すのは確かに定石ではあるが、実に容赦がない。
そしてその試合を通し、御手杵の様子も少しばかり不味い方へと傾いた。
こりゃ夜にでも話してみるか。
日本号は自然にそう思った。
夜になり、日本号が御手杵を探していると武器を持ち外に出る姿を見つける。
声は掛けず後をつけると御手杵は開けた場所で自主練習を始めた。それを見て日本号はどうしたものかと自分の頬を掻く。
自分で乗り越えようとしているようにも見えるし、苛立ちをただぶつけているようにも見える。
前者であれば邪魔をしては悪い、しかし後者ならば…。
「放っておけ」
突然後ろから声を掛けられ日本号は辛うじて悲鳴を飲み込む。
声の正体は何かとゆっくりと振り向くと、そこには蒼い衣をまとう月が静かに佇んでいた。
「どういう…」
「御手杵の事はあれに任せればいい」
訝しげに日本号が三日月宗近に問おうとすると、つい…と三日月宗近は御手杵の方を指す。
そこには御手杵と、一体いつ来たのか大典太光世が居た。
どうやら双方の間で手合わせをする事になったらしく大典太光世が刀を抜く。
鋼と鋼が交わる高く澄んだ音を聞きながら、日本号はどういう事なのかと重ねて問うような視線を三日月宗近に向けると当の本人は袖で口元を隠しころころと笑った。
「明日になれば分かる」
たった一言、そう残すと三日月宗近は踵を返しふらりと居なくなる。
その後ろ姿に得体の知れない恐ろしさを感じて日本号は知らず喉を鳴らした。
視線を三日月宗近が去っていった方から無理矢理引き剥がし、御手杵と大典太光世へと戻すと御手杵が尻餅をついている所であった。
しかしながら御手杵は直ぐに立ち上がり得物を構える。
対して大典太光世は冷ややかな様子をちらとも変えない。
明日になれば、と三日月宗近は言ったがどういう事なのか。
疑問が解消される事はなかったが、今夜は自分の出る幕はなさそうだと日本号は自分の部屋へと帰る事にした。
翌日になり、朝御手杵と顔を合わせるとやけにすっきりした顔をしていた。
正に憑き物が落ちた、といった風である。
あまりにもすっきりした様子であったから、三日月宗近が言っていたのはこういう事かと日本号はすんなりと納得した。
と同時に大典太光世に興味が沸く。
他人なんざ知るか、てな御仁かと思ったが…。
大典太光世と本気の手合わせをすれば、自分も何か変われるかもしれない。
この本丸は当たりだと、日本号は一人愉快そうに笑った。
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おまけ
全力で悪ふざけ
大典太光世以外の刀剣♂→刀剣♀
あー…眠…。
朝食の時間、欠伸をしながら広間に移動して襖を開ける。
そしてそっと閉めた。
……んー?可笑しいな、今何か女の園が見えた気がする。まだ寝ぼけてるのかナー?
もう一回ゆっくり襖を開くと…かわいこちゃんと美人さんがずらっと並んでた。
夢か…夢だなこれ。
一瞬でそう判断して自分の部屋に帰ろうとすると、廊下の向こうから魔王様が。
げっ、朝からついてな…、…あっれおかしいな。魔王様縮んだ?
まじまじ見てると近づいてきた魔王様(?)が私の前で立ち止まって、照れたように頬を染めて袖で口元を隠して私から視線を逸らす。
「…何だ、朝から藪から棒に。あまり見つめられると…その…」
…誰?え、誰こい…この人。
呆然としてると急に腕を引かれる。
あ、このマントは王子だ。王子は変わらな…
「あまりそいつにばかり構うな」
…い事はなかった。声高いしブレザーでスカートはいてる。
ぐいぐい引っ張られていつもの席に座らされた。
…目の前が華やか過ぎて目が潰れそうです。
とりあえずご飯食べて審神者ちゃんから今日の予定を聞く。
え、待って審神者ちゃん、何で普通なの?これ異常だよね?異常事態だよね!?
私の心の叫びは当然無視されて物事は進む。
今日は儚い三きょうだ…姉妹?の長…女のさらさら長髪さんと馬当番だってさ。
ちょっ、何か三割り増しくらいに儚く見えるんだけど!重い物持ったら腕折れるんじゃね?て恐怖からさらさら長髪さんには馬のブラッシングだけ任せて他は全部私がした。
「私とて刀剣なのですが…」
て、控え目に照れる姿は眼福でした。ご馳走様です。
もうあれだよね、麗しい花が居るなら愛でるのが一番だよね!
…ヤケクソとも言う。
昼間は姐さんにやたら絡まれた。姐さんは姐さんでほっとしたけど、あの…二つの大きなお山が当たってるんだけど…。
姐さんお願いだから恥じらいもって!!
「ちぇー、やっぱり反応なしかい」
やっぱりって何!?
夜はいっぱい兄弟…や、いっぱい姉妹の席で食事だった。
隣に座ったロイヤルさんが
「これは私が作ったのです。お口に合えば良いのですが…」
て煮物を勧めてくれた。
普通に美味しかったからついロイヤルさんの頭撫でちゃったんだけど、はにかんだ顔が大層可愛かった。
「いち姉頑張れ!お兄ちゃんをお義兄ちゃんに!」
て周り…もう姉妹総出で見られた気がするけど気のせいだと思いたい。
背中から物凄いガン見されてるのも気のせいに違いない。
一応私一人だけが男らしくて、最後の最後にお風呂を貰った。人数多いし順番が夜中なのは…まぁ、うん、仕方ないよね。
やたらと疲れて溜め息を吐きながら自分の部屋の襖を開けるとそこには寝間着姿の美女と美少女が四人。
……は?
完全にフリーズしてると美女の一人、ま…み、みっ、み、かづきが、す…て近づいてきた。
女の人に乱暴なんて出来ないから払えない!
「さぁ、今宵は誰を選ぶ…?」
「俺だろう、あんたの事は一番よく知っている」
「今夜は是非私を…」
「妹達に義兄上が欲しいとせがまれまして。勿論、私の意志です」
上から三日月、山姥切、江雪、一期だ。
あまりの出来事に思考回路はショート寸前です。思わずあだ名以外で呼ぶくらいには。
や、無理。
考えるのを放棄した瞬間、私の視界は暗転した。