俺ガイルSS 二次元に燃える男と二次元に魅了された彼女の恋の物語   作:紅のとんかつ

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その6 選ぶが良い、その身に纏う法衣を。

連日雨が続いていて、休日である本日も雨が降ったら嫌だなと思い不安に過ごす前日。

今日はその不安を跳ね返すような晴天日を迎えていた。

 

玄関を開けてみて天を見上げたら、そこに広がる晴れやかな空が広がり思わず息を漏らす。

 

いつもなら休日の雨は嫌いではない。

寧ろ学校を行き帰りしなくてはならない平日が雨の方が嫌だしな。

 

雨音を聞きながら窓辺に座り、読書をする。

ささやかな幸せだ。

落ち着いた気分で本に集中が出来て、素晴らしい。

 

 

しかし外に出る時の雨は嫌だ。

面倒だから。傘とか、濡れる服とか。自転車も使えなくなるしな。

 

たまに見かける、自転車を漕ぎながら傘をさす人、良く漕げるよな。

漕いでも前にいかなそうだし、風とか吹いたら一発で転びそうだし。何より危ねぇ。

自転車スマホとか、なんでそんな全国的に問題になるほど広まったのか真面目に理解出来ない。曲芸だよな、もはや。

 

 

 

 

 

 

 

待ち合わせ時間には余裕がある事を確認し、歩みのスピードを抑える。

 

あの日から俺達は材木座のプロデュース、そして三神の漫画作りを合わせて行っている為割と忙しかった。

 

漫画作りの方は慣れない事に戸惑い、そして手首が痛い。

俺の仕事は消ゴムかけ。

言われた時は楽そうなので良かったとか内心思ったが、やってみたら意外に難しいわ疲れるわ。やりながら原稿を破ってしまった事だってある。その時、罵倒されると思って雪ノ下を警戒したら雪ノ下はただ溜め息をついた。

 

三神は優しく苦笑いを浮かべ、気にしないで欲しいと涙目。

そんな反応された方が心が痛かったわ。

罵倒が無くて悲しい事があると思わなかった。

 

力を入れないと消えない、でも入れすぎると破れる。そんな加減が解らない不馴れな作業で変な緊張をしながら作業に熱中するのは割と疲れる。

 

因みに雪ノ下は最初は動きのある絵に戸惑っていたが、水樹の指導を受けみるみる上達していった。同じ素人とは思えない。その上達に水樹は苦笑い。

”もうアタシより上手いし・・・”

と落ち込んでいた。

 

 

 

 

待ち合わせの場所に到着する。すると由比ヶ浜も材木座も、まだ時間迄15分程余裕があるのに既に到着していた。

由比ヶ浜が元気に手を振っている。

 

 

「・・・・早いな」

 

 

 

簡単な挨拶をすませ、”じゃ、行くか”と服屋に向かう。

 

 

「んで、何処行くんだ?しまむら?ユニクロ?」

 

 

「その2択なんだ!?」

 

材木座も渋い顔で俺を見ている。

 

丈夫で安い、良い服屋じゃないか。

個人的に思うけど、メーカー聞いて差別する奴ってブランド思考とか自称ファッション意識高い系位だよな。

 

 

「ま、まあ、今回はお店そこじゃない所に行こうよ。ほら、その、中2、体格が、その、たくましいから!そういう服があるお店に行こうよ!私調べてきたんだ!」

 

 

・・・・由比ヶ浜大分言葉を選んだな。

 

まあ、確かに材木座の体型ならサイズ大変か。

 

大きいサイズ専門店とかもあるとか聞いた事あるし、そういう所かな。

 

 

しかし、由比ヶ浜が連れてきたのは俺も何回か足を運んだ事がある大型リサイクルショップ、万○書店だった。

書店なのになんでもあるあそこ。

 

「実はこういう所掘り出し物多いんだよ!普通に買うより安いしさ!中古とか嫌じゃなければだけど・・・」

 

 

まあ、確かにコスパも良いし、入りなれてるという点で悪くないかもな。

中古嫌とか、そんな繊細な意識してないだろうし、妥当だろう。

 

「それに、服専門のお店だと基本店員さん絡んで来るし。そういうの嫌でしょ?」

 

 

それな。由比ヶ浜も大分俺の事解ってきてるじゃないか。

なんで静かに選ばせてくれないんだって思うよな。店員の前で値段とか見にくいし、かなり気まずい。

あっちも売上伸ばすのに必死なんだろうけどさ。相手によっては逆効果だよなマジで。

 

 

大丈夫か?と材木座に目線を送るとうん。と頷いた。ファッションとか詳しくないコイツや俺にも敷居が低くて助かるし、由比ヶ浜は良く考えてくれたな。

 

 

そして由比ヶ浜が前に出て俺達に手をふる。

そちらに向かい歩みを進めると材木座が止まっていた。なんか、今日は妙に大人しい。

 

「大丈夫か?」

 

流石におかしい材木座に声をかけてやった。

すると材木座は震えた声で俺に答えた。

 

 

「・・・・実は、家の円盤とかゲームとか売って資金を調達してきたのだ」

 

 

へぇ。

コイツにしては随分気合い入れてきたな。

 

 

「漫画とかも結構売った。流石にラノベは売れなかったがさっきこの店に売ってきたばかりでな。待ち合わせに間に合うように朝1で行ってきたのだ。・・・・でも滅茶苦茶未練が残ってるよ~。我の長年集めて来たコレクションが・・・・」

 

 

そういって俺にすがり付く材木座。

とは言っても、今さら買い戻したらそれこそ無駄金だろ・・・・。

 

 

「・・・・まあ服はあって困る物じゃないし、今後使うだろ?次に恋する時の為に一着位勝負着あった方が良いし」

 

 

「我がフラれる前提で言うな!・・・こうなったら滅茶苦茶格好良いの選んでネオニュー材木座になってやる・・・」

 

 

愚痴を漏らして少しすっきりしたのか、ズカズカと店に入っていく。

まあ、由比ヶ浜というトップカースト女子に服を見て貰えるんだ。服を買う機会としては恵まれてる。

いずれ買わないといけない物を買うんだから損はしない。大切な漫画とか売るのは断腸の思いだったろうが、まあその金を活かせるように由比ヶ浜に沢山ダメ出しして貰え。

 

 

いつまでも来ない俺達を待つ由比ヶ浜に、俺も歩み寄った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

店内、中には試着室まで用意されて広大な範囲で服を取り扱っていた。普段はこのコーナーに来る事無いから初めて知った。

 

 

そして俺達の材木座ファッション・ショーが幕をあげる。

 

 

「どうであるかな?格好良いであろう・・・。テーマはスラム街である!」

 

 

カーテンを開けると、そこには自ら選んだ服に身を包む材木座。

 

ダメージジーンズに皮ジャン。指出しグローブで黒のロングコート。頭には良く解らないサングラスが乗っている。

 

 

「何時も通りで安心するな。なんで皮ジャン着てんのにコートなんだ?後そのダメージジーンズ、太股の所が破れ過ぎててお前にやられるとキッツい」

 

 

 

「ではこれでどうだ!テーマは漆黒の黒魔導士である!」

 

次に材木座が選んだ服は黒のズボンで片足が短い。黒のTシャツに黒のジャケット。黒のグローブに黒の黒の黒の。

 

 

「喪にふくしてんの?黒好き過ぎだろ。そしてテーマ、どんだけ黒いんだよ」

 

 

 

 

「・・・・これはどうだ?ワイルドに」

 

 

「タンクトップは止めとけマジで。お前がやると田舎っぺ大将にしか見えない。ていうか何故今になって白選んだ?マジで田舎のガキ大将じゃねぇか」

 

 

第一タンクトップって似合う奴がレアだぞ。

筋肉ある奴じゃないと厳しいし。

ていうか今は冬だ。

 

デートとかで着てこられるとヒく服らしいしな。

 

 

俺の駄目出しに材木座はぐぬぬ、と悔しそう。

 

「やっぱり我がお洒落なんて無理なんだぁあ!だって我ぞ?お洒落なんかしてもお前が何決めてんの?とか思われて終わりだろ!」

 

いやまあ俺も詳しい訳じゃねぇけどさ。

でも服で好きになってくれる奴はいなくても服で幻滅される事はある。だから必要な時はあると思うんだよな。

 

「だから無難でいけ。俺もいつもそうしてる。お洒落を目指すな。俺達ごときがやろうとしても、初心者が野球の試合に出てホームラン打てる気がしてる妄想少年と変わらない。駄目では無い、そこを目指すんだ」

 

 

「・・・・ふむ、いまいち攻め手に欠けるが一理あるな。よし!ではこのトレーナーはどうだ!?下はこの黒のズボンに限る!」

 

 

「いいんじゃないか?後はこのセーターとか合わせてみるとかいいんじゃないか?」

 

 

そして俺達は盛り上がり、材木座の服をコーディネートしていった。

 

 

 

 

 

 

 

五分後、俺のこの冬一押しコーディネートが決まった。カーテンが開かれ、材木座がポーズを決めている。シンプルを追求に追求を重ねて完成したそのファッションを。

 

 

 

 

 

「ど?」←全身タイツ

 

 

・・・・プッ・・・・。

 

 

「く、くく・・・・。思ったより、良いんじゃないか?」

 

笑いを押さえながら材木座に目線を送る。

すると材木座はどんどんポーズを変えた。

 

 

「ど?」

 

ビシッ

 

 

「ど?」

 

 

ビシッ

 

 

「ど?」←モデルウォーク

 

 

 

「wwwwwそれだ材木座wwwwもう皆の視線釘付けだwwww」

 

 

凄い注目を集めるなこれは。

うん面白い。

 

 

 

「・・・・何遊んでるし。」

 

 

 

背後の由比ヶ浜に怒られるまで材木座のポージングは続いた。途中由比ヶ浜を笑わせたし、大成功だな。

 

 

 

 

 

数分後。

 

着替えて戻った材木座に

由比ヶ浜から材木座に一つのプレゼントが渡された。

 

 

「はい!これ、中2頑張ってるから私からのプレゼントだよ♪」

 

そう言いながら材木座の頭にそれを乗せた。

由比ヶ浜が持ってきたプレゼント、それはハットだった。

 

「・・・・うん♪やっぱ似合うよ!中2はこれしか無いって思ってたんだぁ!」

 

 

しっかりと色は黒、材木座の好みに合わせてある。

 

「黒ってさ、全身それならアレだけど、他の服と合わせやすい色なんだよ?ファッション初心者には黒かグレーがオススメかな。一ヶ所二ヶ所位は外しで派手目なの入れてさ♪」

 

 

そう言うと材木座は鏡で自分のハット姿を確認する。・・・・うん、悪く無いんじゃないか?

 

 

「・・・・女子から贈り物を貰えるとは、我は幸せ者であるな。」

 

 

そうして材木座は嬉しそうに由比ヶ浜に御礼を言った。それからは真面目に服を選んだ。

まさかファッションを決めるのに、頭から決める事があるとは思わなかったな。

 

 

 

結果、黒のハットに大きめのコート。

白と薄い桃の縱縞ワイシャツにお洒落用ネクタイを少し形を凝らせ、ワイシャツの下は汗が透けないように色の地味目な長袖を着せた。靴は茶の革靴。

 

普段の材木座の服のイメージに近くして服に着させられている感を無くし自然に、かつ清潔感と年上のアドバンテージを活かせるように大人で頼れるような服に、を由比ヶ浜のアドバイスを重視した。

 

俺的に推したいポイントは、全体的に手入れが楽な事。お洒落着は手入れがわりとめんどくさい物だ。だからワイシャツ以外は一緒に洗濯機で洗える物にしたし、材木座でも維持は容易だろう。

 

 

完成した服を下から見ながら材木座は頷いた。

 

 

「うむ!剣豪将軍の第2形態って感じで良いではないか!動きなれた服装に近いしやり易いぞ!」

 

 

満足そうで何よりだ。

これなら下手にお洒落を狙いすぎて無いし、無難かつ気合いを入れている感はある。

 

もっとお洒落に気を使いたいならこれから少しづつ工夫を凝らしていけば良いだろう。

 

プロトタイプの理想は適応や応用のしやすさと整備のしやすさ。

かの有名な量産機ザクⅡはそこが優れていてかっこ良いしな。

 

 

「後は簡単にアクセも見ようか?あんまりじゃらじゃら着けるのは初心者にはオススメしないけど、さらっと小物を見せる位なら良いと思うよ♪時計とかさ!」

 

 

「うむ!是非ともお願いしたい!」

 

 

お洒落に火がついた材木座は元気にアクセコーナーに歩いていった。

服装に興味を持たせるという意味でも今回は収穫はあったな、と感じた。

 

 

「・・・・はい、ヒッキー。」

 

 

途端に由比ヶ浜から首に青のストールを巻かれた。

そのストールには値札が無い。

 

「これは・・・・?」

 

「ヒッキーに似合いそうだな~って思ってたらさ、つい買っちゃった。お金は良いよ?私が勝手に買ったんだから!」

 

 

そのストールは薄く軽いわりに暖かく、肌触りも良い。いくらか解らないが安くは無いだろう。

 

「・・・・そういう訳にはいかないだろ。いくらだった?」

 

俺の言葉にブンブンと手を振る由比ヶ浜。

その顔は何処か紅潮している。

 

 

・・・・ふぅ。

 

手を伸ばす。

由比ヶ浜は「へ!?」と俺の伸ばしてくる腕にびくついた。そのまま由比ヶ浜の後ろに手を伸ばした。

 

 

 

 

由比ヶ浜は目をつぶり震えていた。

 

その由比ヶ浜の首にするすると巻いてやる。

 

 

 

由比ヶ浜は恐る恐る目を開いた。

俺は彼女の後ろにあった白いぽんぽんのマフラーを取り彼女に巻いてやったのだ。

 

 

「・・・・俺的には、似合ってる気がするから、勝手に買うわ。」

 

 

途端に由比ヶ浜の表情がパァっと明るくなる。

 

 

 

「うん!ありがとう!これ、滅茶可愛い!!」

 

 

「声でけぇよ。後、材木座アクセコーナーでどうすれば良いか解らなくなって、ドクロの指輪とか手に取り始めてるから早くいってやれ。」

 

 

そう言ってお会計の為にマフラーをとってやる。由比ヶ浜は何そんな嬉しいのか解らないが凄まじくテンションをあげて材木座に走っていった。

 

 

・・・・気にいったなら何よりだ。

そう言いながら俺はマフラーの値段を見て意外に高い事に驚きつつ、会計に向かった。

 

 

携帯から紅蓮の弓矢がなり始めた。

音と周りの目線におどおどしながら携帯を取り出すと、そこには”一色いろは”と表示されていた。

早く音を止めたい一心で携帯に急いで出た。

 

 

 

「あ!先輩出るの早いですね~。もしかして私だって知ってまいあがっちゃいました~?」

 

 

一色の軽口に反論しながら俺は用件を言うよう促す。

 

「今先輩、中2先輩の服買いに外にいるんですよね~?そんな先輩方に朗報ですよ!実はですね~。」

 

 

そこから伝えられた一色の提案に、俺は今日一日潰れるハメになる事を覚悟した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

街の駅にて由比ヶ浜と材木座、そして俺の三人。テンパる材木座をなだめていた。

 

 

「だ・・・・駄目だ!我、心の準備が出来ておらん!おらんのだ!」

 

 

「中2!これはチャンス、チャンスなんだよ!だから頑張ろう!ね?」

 

 

着替えた服をコインロッカーにしまい、新しい服になり駅で待ちわびる。

 

すると材木座が落ち着く前に待ち人が到着してしまった。

 

 

「せ~んぱい!御待たせしましたぁ!」

 

「・・・・いろはちゃんと遊べるって聞いたから来たのに・・・・。」

 

 

そこに現れたのは後輩等一色いろはに水樹美紀。そして材木座の意中の相手三神美嘉であった。

 

 

先程の電話、それは今から三神を連れていくから皆で遊びに行こうという提案だった。

いきなり二人で遊びに行くなんて敷居が高いし、女慣れしてない材木座にはフォローがいた方が良い。

彼女の為に服を揃えて士気が高い今だからこそ行くべき、という提案だった。

 

 

まあ、確かに一理あると由比ヶ浜と材木座に相談したら由比ヶ浜が絶対行くべきと大賛成したのだ。

 

材木座は折れ、覚悟を決めた。

決めたのに今もオドオドしている。

 

 

 

三人を見渡す。

 

一色はふるゆわ目指してますみたいな全体的に柔らかい感じの服だ。冬なのに大胆に出された足に関心する。女の子は冬でも足出さないといけなくて大変だね。

 

水樹はホットパンツに膝上まで伸びる暖かそうな縞縞の靴下。上は暖かそうな毛皮のついた青いコートを着て中は毛糸のタートルネック。後ホットパンツ。

 

 

そして一際目を引くファッションの三神がいた。

足元まで伸びる長い黒のロングスカートに謎アニメの黒のスニーカー。NEKEと書かれている。NIKEのパチもん?

 

シャツは白で、胸元に”何故ベストを尽くさないのか”の文字。どこに売ってんのそれ。

 

そして自由の翼が入ったジャケットを着ている。世界観ごちゃ混ぜである。

 

相変わらず自己主張の激しいライ○ーストラップだけはジャンパーに合っている。

 

しかも鞄はパンパンでとても重そう。

ていうかそれ学校に持ってきてる奴だよね?

 

 

相変わらず最初に良いパンチを入れてくる三神。ファッションとか、知らない俺ですら脳内で突っ込んでしまう武装に怯む。

 

凄いな、目を釘付けにされた。

材木座のファッション強化、もしやいらなかった?

 

 

そして何故か上機嫌の一色に表情の暗い二人。

 

 

一色は俺の横に付き、耳元に声を囁かせる。

 

 

「どうですかぁ?先輩のお願いに対して、電話番号だけじゃなく一緒に遊びに行く機会迄用意しちゃう私の手腕は・・・。出来るでしょう?」

 

 

・・・・確かにその通りだな。

しかし仕事があまりに早すぎて周りが振り回されている。マジコイツサークルクラッシャーだけじゃなく職場までクラッシュしちゃうんじゃ無いの?

 

 

「三神ちゃんもアイディアに困ってたんで、気晴らしに連れてきたんですよぉ♪アイディアなんて出ない時は出ないんですから、気分転換は必要ですよね!何かで刺激を受けて浮かぶかも知れませんし。そう言って連れて来ました!あ、美紀はオマケです。」

 

 

「オマケ!?」

 

 

 

まあ、確かに三神は時間は余裕があるのに最近あまりにも余裕が無かったし、そういう意味でも必要だろう。

二つの依頼に対して効果的な仕事をするなんてやるなコイツ。

 

三神の様子を見るとブツブツアイディアを捻りだそうとしていた。

 

そんな様子の三神に、由比ヶ浜から背中を押されて近付いていく材木座。

 

 

「・・・・三神よ!久々だな!久々だ!昨日のメール依頼だな!フハハッ!」

 

 

・・・・メールは昨日じゃなくて今日になってたけどな。それで久々とかどんだけ離れている時間が長く感じてんだよ。ラブソングか。

 

 

材木座に頭を下げる三神。

そのまま比企谷先輩こんにちわ、由比ヶ浜先輩こんにちわと頭を下げる。

 

毎回やるけど、そんなにあらたまんなくて良いって。逆に居心地悪い。

 

 

「けふこん、三神、我の服新しいのだが、どうだ?」

 

自分で言っちゃった・・・・。

まあ気持ちは解るけどさ。

 

 

「あ、はい・・・。は、ハザマ大尉みたいでかっこ良いです・・・。」

 

 

手を合わせ”わぁ・・・”と声を出す三神。

やったな材木座。大好評じゃねぇか。別の方向で。

 

「フハハッ!伸びます!伸びます!蛇翼崩天刃!!!」

 

 

テンションがだだあがりの材木座。

完成度高いな。元ネタに忠実で非常に目障りな動きな所が。

 

 

まあなんにせよ材木座の服と動きに三神も楽しそうだし、これはこれで大成功だな。

 

最後に凄く似合ってる、と言って貰えたしな。

 

 

こうして急に始まる材木座の休日に遊びに行くが叶い、始まった。

 

せめて上手くいくように意識を向けてやるか。

 

 




続く


会話が少ない方が良いと友人に教わったのですが、難しいですね。テンポとか勢いとか付けたい時に等に困ります(笑)
慣れない事に悪戦苦闘しております!

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