俺ガイルSS 二次元に燃える男と二次元に魅了された彼女の恋の物語   作:紅のとんかつ

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その5 聖戦の前触れ(ジハード・プロローグ)

学校の校庭、様々な部活動の人間が自分の青春の1ページにその活動を刻もうと、その活動に全力をそそぐ。

今俺頑張ってる、皆の輪にいる、仲間がいる。その活動の中で得ようとする思いや感覚はまさに人それぞれだろう。

 

しかし、そんな満足の為に汗を流し、時には叱られ、努力を続けている彼等を見て俺は思う事は一つだ。

 

 

マゾなのかな?

 

 

そんな風に思いながら彼等を見れば、怒鳴られてボールに走らされている姿にも幸せそうに見えてくる。

さっきっから監督に怒鳴られまくる奴等の顔も、なんだか恍惚の表情をしている気がしてくる。

 

プレイの大失敗をとがまれ、腕立てをやらされてる戸部の悲鳴を聞いても、そう思えば可哀想ではなく楽しそうになるな。

うん、あれは泣きそうなんじゃなくて嬉しいんだ。悲鳴じゃなくて喜声だ。だからそんな目で俺を見るな助けられないから。

 

 

 

 

 

そんな、マゾの集団の中に紛れて人並み外れたマゾが一人いる。

 

 

運動しやすいようにジャージを着ているのに、どう見ても運動しにくいロングコートを着て走っている男だ。どう考えても汗だくなのに決して脱がず、グローブも外さない。

 

由比ヶ浜に活を入れられ、走る姿は暑苦しそうなのにそれでも脱がない辺り、もう生粋のマゾだ。

 

御存知材木座義輝である。

 

 

「中2ぃ!後1周だよ!頑張れ~!」

 

 

「ひぃいいいい!!」

 

 

今日のノルマをこなしながら走る材木座。

このような特訓を初めてから大分たっただけあって、材木座の走れる距離はかなり伸びた。

 

最初は2周位でねをあげていたが、今は10周位は普通に走れる。多分、距離にして3キロ。

 

 

なんだかんだで、コイツも投げ出さなかったな。体育祭の棒倒しでも思ったが、運動出来ない訳じゃないのだろう。

 

 

 

 

 

材木座は、好きな人が出来た。

 

相手は一年、国際教養科の三神美嘉。

材木座と同じ、生粋のオタクであり、学校に友達がいない内向的でハキハキ喋らない女の子。

 

制服をきっちりと着て、今時珍しくスカートも膝下10センチ。前髪を降ろして顔の半分を隠す目を悪くしそうな髪型で少し泣き虫。

 

彼女は自作の漫画を描く事を趣味にし、材木座はラノベ作家になるのが夢だ。同じ物語を造る者同士、そしてオタク同士非常に話が合った。

 

 

前から遠目で見て気に入っていたらしいが、話をしてさらに夢中になり、俺達に応援を頼む位には本気で振り向いて貰う努力をしている。

 

 

 

 

 

隣の由比ヶ浜が材木座の運動や会話、さらには食事管理迄行っている。雪ノ下がメニューや計画を作ったとあるも、こんなにしっかり監督をするとは俺から見ても意外だった。

 

由比ヶ浜は優しい。

だから材木座に厳しく出来るのか?と不安があったが、杞憂だったな。

 

こうして運動ではすぐにギブアップする材木座を激励して、命令する事なく、絶対に諦めさせない。

 

会話も材木座のしやすい会話と、漫画やアニメをレンタルして勉強してきたりと努力をしてやり、今は材木座は由比ヶ浜の目を見て話せる迄にまで成長した。

 

 

食事管理も見事な物だ。

こっそり鞄の下に隠し持っていたお菓子を見切り、ボッシュートしていた。

”これはデザートだから!三食のうちだから!”

と言い訳をして粘る材木座に、しっかりとした態度で甘えを許さなかった。

 

 

「・・・・なんて~か、良い教官やってんじゃねーの?」

 

 

俺の素直な賛辞に由比ヶ浜はえへへっと可愛く笑った。

今回の材木座の依頼、今回の一番の功労者は由比ヶ浜だ。これからどんな事があろうと、それは覆らないだろう。

 

学校の生活、それこそ友人との時間、青春を材木座の支援につぎ込んだ。

 

一分一秒、学校で過ごす時間を大切に生きる由比ヶ浜が惜しみ無く自分の時間を使って依頼に献身する姿には脱帽する。

 

 

目線を校庭に戻す。

するとフラフラと材木座が帰ってきた。

 

 

「御疲れ様~!中2!今日は筋トレ無いからこれで終わりだよ!御疲れさま~!速くなったね~!」

 

 

「お疲れ。ほら、ドリンク」

 

 

材木座は息切れしながら俺から差し出されたドリンクを受けとる。

蓋を開け、一気に飲み干す勢いで飲み始めた。

 

 

「んぐっ・・・・んぐっ・・・、ぷは~!この為に生きてる~!いや、運動後の麦茶は格別であるな!」

 

 

材木座にしては爽やかな笑顔で振り返る。

由比ヶ浜から渡されるタオルで汗を拭いた。

 

 

「・・・・暑いならコート脱げよ。お前、体育とかじゃこんなの着てないだろうが。何、サウナスーツ変わりなの?」

 

 

「うむん?ふん、八幡解っておらんな!だから御主は馬鹿なのだ!」

 

 

得意気にコートを広げながら高々に笑いだす。

ランナーズ・ハイなのか妙にテンションが高い。うぜぇ。

 

 

「これはな、オシャレなのよ・・・・」

 

 

・・・・材木座から似合わない言葉が出てきた。ていうか何、オシャレのつもりだったのそれ・・・・。

 

「いついかなる時にも、三神に見られても良いように心掛けているのだ!偶然会った時、ださい学校のジャージ姿なんて無様な様は見せられぬからな!ま、八幡には解らぬ話か!フハッ」

 

 

うぜぇ。

 

ていうか、運動して汗かいてんのにそんな姿でいるのは、夜にサングラス格好つけてかけて、足元見えなくてつまずいてる奴みたいだ。

俺も服に詳しい訳じゃ無いが、周りとの調和も必要じゃないか?

 

夏の浜辺で分厚いコートで来てる奴いたら皆頭を心配するし、スーツのサラリーマンの中にアロハで仕事してる奴いたら、例え真面目にやっててもふざけてるようにしか見えない。

 

 

あ、でも女の子が水着でマフラーとかは逆にありだよね。

 

そんな俺たちのやり取りを見ながら思案している由比ヶ浜。

 

 

「・・・・ふむ、オシャレか。中2も良い事言うな~」

 

 

ポンッと手を叩き、由比ヶ浜は思い付いたように提案をする。

 

「よし!明日中2服買いに行こう!オシャレするよ!休みだし、ゆきのん達のお手伝いも三神ちゃんのアイディア待ちだしさ♪ついでにヒッキーも行こう♪二人に似合うの見付けてあげる!」

 

 

 

え、え~?

 

「俺、服なんて最低限しか買わないんだけど」

 

「わ、我もそんな物に金かける位なら円盤買うし・・・」

 

 

さっきあれだけオシャレとか言ってた材木座が一緒になって嫌そうな顔してる。

 

 

 

「もう、三神ちゃんと会うのにずっと制服って訳にはいかないじゃん!どっか遊びに行く事になったらどうすんのさ!ヒッキーだって、たまには黒意外も着ないと!」

 

 

由比ヶ浜の言葉に

”わ、我と三神が遊びに?”

と早くも掌をかえそうとしている。

 

三神と材木座が遊びに行くとしたら、多分アニメショップとかゲーセンとかだろうし、服あんまり関係無いと思うけど。

しかし、こうなったら断る方が苦労する事は知ってるしな。妥協案をこちらから出してやる事にしよう。

 

「俺は買わないが、材木座の服買いに行くのには付き合う。明日は昼集合でいいか?」

 

由比ヶ浜は特に疑問無く元気にうん!と頷いた。

材木座はムフフッと三神とのデートを妄想している。その顔あんま他人に見せない方が良いぞ。

 

 

 

その時、ふと校舎の方を見る。

10メートルほど先の、校舎から校舎に繋がる渡り廊下。そこには疲れているのかフラフラと歩く三神が見えた。

胸には漫画の下書きと思われる紙束を抱えている。時計を見る。今日は少し遅いな。

 

 

材木座がさっき言った、三神に見られるかも知れない、との言葉だが実はそれは少し違う。

 

逆にあえて見られる時間に走らせているんだ。

 

なんの為でも、一生懸命に頑張る姿を見せれば少しはポイントを稼げるかもしれない、という打算の為に。

 

いつもこの時間に三神は奉仕部に向かう。

だからその時間にあえてコイツを走らせているのに、今日は材木座が早くなったのもあるが、いつもより通過するのが遅く材木座が走り終えてから来てしまった。

 

まあ、何時に来いと決めてる訳じゃないしな。

学年やクラスでホームルームの時間が正確に定まって無いし仕方ないか。

 

 

三神がフラフラと歩いていると、二年と思われる男子にぶつかってしまった。

二年は振り返りながら怒鳴り声をあげている。

 

三神は二度三度と頭を下げると、二年は顔をしかめ、何やら小言を言いながら通り過ぎていった。

 

 

その背中にいつまでも頭を下げ、見えなくなると安緒の溜め息をつく。

再び三神はフラフラ歩き始めた。

 

 

 

「・・・・良い子、なのだがな」

 

気がつくと、材木座も由比ヶ浜も三神に気付いていたらしく遠目に眺めていた。

 

 

「話せば、良い子なのだ・・・。ただ、二次元が大好きで、内向的なだけなのにな。なのにいつも一人なんだ彼女は。なぁ、八幡。オタクは、そんなにいけない事か?」

 

 

材木座は疑問を投げ掛けるも、返答を待つ事なく足取りが不安な三神の所にボテボテ走っていく。

 

 

 

 

オタクが悪い事、そんな訳は無い。

しかし、今の社会は深刻なほどオタクに厳しい。

考えようによっては、スノボーにはまる奴、車やバイクが好きな奴だってオタクと言える。

でも、事アニメやゲームが好きという奴等と違いその趣味は差別される事は無い。

 

確かに、一部危険な奴もいるし現実に無頓着で酷く回りに迷惑をかける奴もいる。

しかしそれはどの世界にだって言える事だ。

 

 

彼女がいて携帯に友達が沢山いようと犯罪を犯す奴はいる。運動が趣味でも不潔な奴はいる。

 

人と話すのが苦手な奴だっている。

 

 

しかし、その人格がどうであれ、オタク趣味は悪なのである。

 

 

 

海老名みたく、隠す事無く周りに受け入れられるハイスペックな奴はいるが、その多くは見下される。

 

 

だから水樹みたいに必死に擬態して、周りに溶け込む努力をしている奴がいて、同族に優しく出来ない奴もいる。敵と仲良くする事で自分も敵にされる訳にいかないから。

 

それが出来ず、馴染めないで一人の三神みたいな奴もいる。

 

世間一般でオタク趣味はマイナスイメージ。

その風習は恐らく消える事は無い。

人は一度持ったイメージを覆す事をよしとしないから、世間がそうならそれが正義な世の中なんだ、仕方ない。

 

 

だけど、オタクにだって味方はいてくれる。

 

こうして、心配して駆け寄る男がいる事も確かに、三神の救いになってると思う。

 

紙束を持ってあげようとするも言い出せずに、そ~っと腕を引っ込め、ただ後を追い掛ける。材木座の背中を見ながら俺はそう願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

深夜、比企谷家

 

 

俺は、死んだ目をさらに死なせながら目を開く。こんな夜に鳴る携帯を恨めしそうに見ながら。

音消すの忘れてた。普段鳴る事無いからな。

油断した。

 

真っ暗な部屋の中、ベットから体を起こしながら携帯を見る。こんな夜更けにメールを送る非常識な奴が誰かと見てやった。

 

 

するとそこには材木座義輝と表示されていた。

 

 

俺は滅多にしない舌打ちをしながら、メール内容を確認する。

 

 

”三神とメールのやり取りしてたのに、急に返事が来なくなった。一時間も。死にたい”

 

 

 

俺は一文を見て、時間を確認する。

今の時間は深夜四時。考えようによっては朝となる時間に俺はもう一度舌打ちをする。

 

 

寝たんだろ。

次の日に送られる”ゴメン寝てた”が本当な例がある事を知った。

ていうか絶対に迷惑してるからやめとけ。

 

 

携帯に”寝ろ”と打ち込み送信してやる。

 

 

 

ハァ・・・・。

材木座のふざけたメールに、目が冴えてきた。

着信音でビクッとして起きてしまった悲劇。紅蓮の弓矢を着信にするべきでは無かった。マジでビビった。スミマセンソコノミギニイエーガー。

 

どうせだし、トイレに行こうと立ち上がる。

 

 

 

材木座は今日、三神の連絡先を知った。

由比ヶ浜にメルアドとか聞いておくべき、と言われたが、中々聞く事が出来ず部室で何時までもモジモジしていて非常に目障りだった。

俺に聞いて?とか言ってきたけど、俺だって女子にメルアド聞きにいけるような男じゃねぇ。

 

 

すると一色が三神の連絡先をゲットしてくれていた。しかも奉仕部面々に教えて良いという許可付きで。

一色のファインプレイに材木座は最初舞い上がった。その後すぐにメール送る勇気わかないとモジモジし始めたが。

 

昨日、材木座は今夜必ずメールすると意気込んでいた。しかし中々勇気が出せずに遅くなったのだろう。

22時位にようやく材木座から

”メール送れた!返事来た!早い!もう来た!これで勝つる!(*´ω`*)”

 

 

とメールが来た。

とりあえずその場は”その顔文字は流行らない”とだけ返しておいたが、まさか今までやってるとは・・・・。

 

 

 

頭をかきながら部屋の扉を開ける。

 

 

ついでに、お茶でも飲むか。

安眠効果のジャスミン茶でも。

 

 

 

 

・・・・ビクッ!

 

俺は驚き飛び上がる。

俺の部屋を出ると、出てすぐの所にしゃがみこむ影があった。

 

恐る恐る、俺は影を確認する。

 

「・・・・小町、か?」

 

 

そこにいたのは妹、比企谷小町だった。

何故か、俺の部屋の前でしゃがみ、ふさぎこんでいた。

 

 

「・・・・な、なにやってんだ?こんな時間に・・・」

 

 

急な出現と意味不明な行動に、可愛い妹といえど理解が追い付かず、オロオロとたずねてしまった。

 

 

しかし、小町はそのまま顔を上げてくれない。

 

 

小町の無反応に困りながら廊下を見あげると部屋の扉が開き、勉強机の電気がついている事に気付いた。

 

 

・・・・コイツ、こんな時間迄勉強してたのか。再び四時を回った時計を見て驚愕する。

 

最近ずっと遅くまで勉強している事は知っていたが、まさかコレほどとは。

 

・・・・小町の様子を冷静に見つめる。

 

手にはペンが握られて、寝巻きのままこの寒い廊下に座っていて、膝を抱えて顔をうつ向かせるその姿は酷く小さく見えた。

 

 

 

 

「・・・・小町・・・」

 

 

俺は小町と肩と頭に手をのせ、出来るだけ優しい声をかける。

 

 

「・・・・こんな夜までやっても、頭に入らない。生活リズムを崩すのは勉強にも身体にも良く無いぞ。今日はもう寝ろ」

 

 

頭を撫でて、小町をベットまで連れて行こうとするも小町は立ち上がる気が無いのか、引っ張っても頑なに動かない。

 

なにこれ、どうすれば良いの。

何をすれば良いんだ俺は。

 

キョドっていると、ボソリとかすれた小町の声が聞こえた。

 

「・・・・やばい・・・」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・。

 

 

・・・・ふぅ。

 

もう立たせようとするのを諦め、隣に座り込む。小刻みに震える小町の肩に優しく手を回す。

 

 

「何がやばいんだ?」

 

「・・・勉強が・・・・頭に全然入んない。何回も書いても、計算しても頭に入んない。もう、時間無いのに、無いのに、やばい・・・」

 

 

 

「・・・・そういう時もある」

 

 

俺もそういう時が、そう言おうとして止めた。

相手の悩みを聞いているのに自分の話をするのは、それは悩みを聞いてすらあげない事と同じだ。今は小町の問題だ。だから、今は小町を励ます以外の言葉を使わない。

次の言葉を待つ。

 

 

「自己採点も全然良く無い。絶対ミスがある。後から見たら、なんでこんな問題をって簡単な奴とか間違ってる・・・。なんで・・・」

 

 

「全部当てようとなんかするな。満点合格じゃ無くたっていいだろ?・・・・間違ってる所が解るなら、前より理解が進んでる証だしな」

 

 

少しづつだが、小町の震えがおさまってくる。

もう片方の手で頭を撫でて、少しでも落ち着けるよう心掛ける。

そして優しく、俺に出来るかぎりの優しい声で小町に囁いた。

 

 

「俺なんかの言葉で、安心しろなんて言わない。でも、少し冷静になれ。冷静になれば、小町は強い子だ。・・・そうだろ?」

 

 

「・・・・そうかな・・・?」

 

「・・・・そうだ」

 

 

そう、こんな遅くまで勉強して、毎日はりつめて、追い詰められ疲れてるだけだ。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

小町の言葉が無い。沈黙が五分程続く。

 

・・・・ようやく、小町の体の震えが収まる。

 

かと思うと、緊張がとけたように俺に体重を預けてきた。

 

・・・・寝た、のか?

 

 

 

顔を覗くと、小町はかわいく寝息をたてている。・・・・その寝顔に、俺の方が安心させられてしまった。

 

 

受験、それは中学生の自分の人生を決めるような分岐だ。まだ、子供の彼女らはその年で壮絶な戦いを強いられている。

 

結果は解らない。どれだけ勉強しても足りてるのか解らない。終わりの見えない戦いに皆疲れ、それでもやめる訳にいかない。

 

 

塾の先生は受験を良く戦争だと言うが、その通りだと思う。明確な負けと勝ちがあり、そして結果や成績で、戦果そのものでその人間の価値が決められてしまうのだ。

 

 

小町をおぶり、小町の部屋のベットまで運ぶ。

横にして、毛布、そして布団をかけてやり、机の電気を消そうと手を伸ばす。

 

 

そして、電気が消すその前に小町の顔を見る。今は、子供のように安心した表情で休む彼女に思わず微笑み、そして静かに部屋を出る。

 

 

・・・・頑張れとか、無理するな。なんて言わない。だけど、また辛くなったら言ってほしいと思う。

普段はゴミいちゃんだが、そん時位はお兄ちゃんになってやりたいから。

 

御菓子とか買いにパシる位出来るしな。

 

 

 

扉を音を立てず、閉めて俺は部屋に背を向ける。

 

数分後、再び部屋に戻ると鳴り響く紅蓮の弓矢に驚いた。

 

 

 

 

 

相手 材木座。

 

 

”返事来た!「すみません、寝落ちしました」っだって!テンション上がる(*´ω`*)”

 

 

 

・・・・寝かせてやれ。

 

俺は再び”寝ろ”と打ち込み、送信した。

 

恋も勉強も夢も、それに向かう彼等彼女等に俺が何が出来るか解らない。

しかしそれぞれ必死に前に進もうと彼はは歩む。

 

再び着信するメール、しかし今度は音をしっかり切ってある。

俺はベットに横になり、目を閉じた。

 

 




続く。

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