俺ガイルSS 二次元に燃える男と二次元に魅了された彼女の恋の物語 作:紅のとんかつ
冬で日が沈むのが早い近日といえど、まだ夕日に変わる前の放課後。
奉仕部部室は今日も開けられる。
しかし今日は何時もと一風変わった部室だった。
部室には奉仕部三人、そして依頼主の三神と材木座。
今は机に丸くなり、真剣に漫画を製作する為の会議中。
今回は前のプリンス☆プリンセスを提出するのでは無く、コンクール用の一話完結の物を作ると決まっている。すでに下書きを持ち込まれ、テーブルに置かれた。ジャンルはスポーツ物。
友情、努力、勝利が描きやすく一話完結しやすいジャンルだ。
テーマはテニス、雪ノ下もテニスの事はそこそこ知ってるし、特に反対意見は無かった。
作業時間や具体的な作業分担、ここまで決まって、今はタイトルを決める話し合い。いつぞやの意識高い会議と違ってスムーズに進む。玉縄、今もクネクネしてんのかな。
しかし、ここに来て再び三神から良いパンチが繰り出された。漫画のタイトル候補である。
”ハッスル☆友情パワーがTOMARANAI
前回も思ったがコイツ、ネーミングセンスがヤバイ子なのか?
「ボツ、よ」
三神が”が~ん”と顔を上げる。
どっかで見たなそのリアクション。
材木座も由比ヶ浜も苦笑い。
「・・・・あの・・・でも・・・あの・・・」
「いや、ダメでしょう。まずそのタイトルの漫画、見たいと思う?なんで急にローマ字なの?読みにくいわ。その星の部分はなんと読めば良いの?」
材木座も気まずそうに発言する。
「流石に、我もどうかと・・・。あ、いや、うん悪くは無いとは思うぞ!ニーズの問題なだけである!う、うん、ならばこんなのはどうだ!?”漆黒の流星・黄昏の悠久”である!ちなみに流星とは主人公の放つシュートの事でな?」
「ボツ」
「あ、ゆきのん!いいの思い付いた!テニスのお姫さま・・・・
「やめろ。色々まずい」
「では我の、”神球の前奏曲(プレリュード)、これで決まりだ!」
「ボツ」
「・・・・では、取っておきテニス・オブ・ディスティニー」
「それ今考えたろ」
しかし三神はモジモジと渋っている。
未だにパンチが効いたタイトルを書いた紙を引っ込めない。良くみるといつの間にか余白にハヤブサ君が出現し、手を振り踊ってタイトルをアピールしている。
なんで真顔なの?なんで踊ってんのに楽しそうじゃないの?なんで躍動感だけはあるの?
SAN値が削られる。
MPが吸いとられる感覚っていうのを体感させられる。
気がつくと由比ヶ浜も材木座も奴に目が奪われ、ごくりと息を飲んだ。
うん、俺は一周して目を引く良タイトルかもと思えてきた。奴の不思議な踊りはメダパニも兼ねてるらしい。
ハヤブサ君と共に無言のアピールを続ける三神に痺れをきらし、ついに雪ノ下も反応した。
「・・・そのタイトルにこだわる理由があるの?」
ピクッと顔を上げる三神、そして申し訳無さそうにボソボソ語りだした。
「・・・・む、む、昔の相方が考えてくれたタイトルでして・・・、だから、その・・・」
俺の頭の中に、満面の笑顔の水樹の顔がよぎる。成る程、タイトル考えてたのアイツか。
このタイトル出した時どんな顔して出したんだろ、アイツ。そして出された三神がどんな顔したんだろうな・・・。
「この漫画、原画と共に考えた物なの?」
雪ノ下の言葉に、三神はこくりと頷いた。
「・・・・む、昔学校の帰り道の雑談で、彼女に話しました。そ、その時に、タイトルを考えてくれたんです。後、キャラの名前も、沢山のアドバイスも。でも、大丈夫です。き、今日彼女に、お昼休み入ってすぐに、許可を貰いました。”アタシには関係無い”って言われましたが・・」
なんだその程度の関与か。
どれだけ水樹の言葉に影響されたかは知らないが、そんなのは一緒に考えたに入らない。本人も関係無いと言うんだし。
しかし雪ノ下はその漫画を三神に突き返した。
「なおさらボツよ。この漫画を使う事も考え直した方が良いと思う」
・・・・!?
雪ノ下の言葉に俺まで固まった。
材木座が立ち上がり雪ノ下にくってかかる。
「氷の女王よ!それは酷であろう!こうして下書きを済ませて来ているのだぞ!三神は!」
俺もこの漫画ごとボツというのは反対だ。
「酷かどうかは別にしても、構成済みの物があるならそれを使うべきじゃないか?持ってきたという事はタイトルはともかく、内容は三神の自信作のはずだ。現に、面白いぞこれ」
しかし雪ノ下は俺達の意見にびくともしない、三神を真っ直ぐ見ている。
気まずそうにしながらも、三神も雪ノ下から顔を背けなかった。
「コンクールに出す。それだけが目標なら構わないわ。でもこのコンクールで貴女の覚悟を決めるのでしょう?関係無いとまで言われてもなおその人のタイトルに拘り、依存し、影響を受けているような作品でコンクールに挑むのは、貴女の物語がどれだけ通じるか知りたいという今回の目的のから反している」
・・・・まあ、確かにそうだ。
タイトルだけでも三神の未練が伝わってくる。
「ストーリーの大筋やキャラとか、作品の根幹に関わるものは他人が関わるべきじゃない。貴女が決めるべきと思うわ」
でもな雪ノ下、それはつまり最初から造るという事になる。
もう出来ている物なら雪ノ下が絵をつけて、三神との構成を手直しして終わりだ。
だが、最初から手直し、となると時間がかかる。
カレンダーを見る。コンクール迄時間はまだある。だが余裕がある訳じゃない。
そして三神も大変だが、ストーリー構成が遅れれば遅れる程作画の負担だって大きくなる。現に役割を別けた漫画家が、それで軋轢が出来る事だって珍しく無い程に。
三神もそれを解っているのか、雪ノ下にいいんですか?という視線を送る。
「私に遠慮なら必要無いわ。貴女の漫画家を目指すか否かの覚悟を手伝う、それが私の依頼よ。だから私はそれに尽くすだけ。だから、あなたは漫画の構想には自分の力と覚悟だけで挑んで欲しい」
雪ノ下の言葉に、三神はやむ無く頷き、
鞄に漫画をしまった。
よろしくお願いします、と。
全力で真っ直ぐな雪ノ下、そこに妥協など許さない。
いつだか、材木座の持ち込みに睡眠を削った雪ノ下、そして学園祭で無理をし体を壊した雪ノ下が頭をよぎる。
由比ヶ浜も、言葉には出さないが不安そうだった。そして、振り向き俺に困惑したような顔を見せる。
・・・・仕方無い。
由比ヶ浜、とりあえず材木座の方はお前に任せるぞ。と由比ヶ浜に耳打ちする。
由比ヶ浜は黙って頷いた。
「とりま、やる事は決まったね!それじゃ、ゆきのんと三神ちゃんはコンクール出場手続きがあるんでしょ?今日は解散にしようか!」
由比ヶ浜は立ち上がり、とりあえずこの場をしめる。雪ノ下も頷き、部室の後ろにかけてあるコートを取りに行った。
「だ、大丈夫であるか?三神。お主だって負担は大きいのだぞ?無理をするなとは言わぬが・・・・」
材木座があたふたと三神を気遣う。
目線こそ合わせないが、しっかり声をかけていた。
「・・・・わ、私の事ですし、大丈夫です。そ、それに、雪乃先輩の言う通り、今回は私のアイディアで勝負、するべき、解ります。・・・この物語は私だけで作った話じゃない、ですし。それに雪乃先輩が私の為に力を尽くしてくれるのですから、私も力を尽くさなきゃ・・・」
三神も意気込んでいる。
それは雪ノ下も無理をするから私も無理をする宣言だ。
コイツもこの短期間で下書きを仕上げてきた。前の漫画だって、指摘されたらすぐ修正を努めてきた。目のくまだって取れていない。
材木座はそんな姿だから心配しているのだが、大丈夫と言われたら何も言えない。
寂しそうな材木座の表情、自分にも何か出来ないかと会議に参加した。しかし、力になれず寂しそうだった。
さっきのタイトルだって、コイツなりに考えて提案したんだろう。その前の話し合いにも積極的に発言していた。
多少の無理は必要だろうが、頑張らない事に定評のある2年の俺からしたらコイツらは少し覚悟をし過ぎだ。
片方が手を抜くから片方が辛い。
そういうのも問題だが、既に全力を尽くしているのに、片方がさらに頑張るから息を抜けず自分もさらに頑張る。それもどうだろうか?
だがコイツ等が真っ直ぐ前に突き進む事しかしないなら、俺達に出来る事は少しでも前に進むコイツ等の背中を押す事しか出来ない。
「雪ノ下、最後に良いか?」
コートを羽織る雪ノ下に声をかける。
雪ノ下は振り返り、反応した。
「さっきの、漫画の構想は三神の力でやれと言っていたが、それは漫画自体に他人が手を出すな、という意味か?」
「・・・・どういう意味かしら?」
首を傾げる雪ノ下。
「・・・・手伝いは駄目か?って意味だ。ベタとか下書き造りとか、小間使いとかの支援はしちゃ駄目か?作画のアドバイス、とかな。なぁ?材木座、由比ヶ浜」
俺の言葉に材木座が顔をこちらに向け、意気込んだ。由比ヶ浜も表情を明るくする。
「うむ!我もラノベをパソコンに打ち込んだりするし、手伝いは出来るぞ!!」
「私もお手伝いしたい!」
元気良く協力を名乗り出る彼等、雪ノ下はふむ、と頷き答えた。
「作画で私も手伝いをしているんだし、それが駄目とは言ってないわ。ただ、ストーリーやキャラ等の作画以外の評価に影響する部分はしっかり自分で決めなさいという意味よ。比企谷君の言うお手伝いなら、寧ろお願いしたいくらいね」
よし!と材木座が拳を握る。
由比ヶ浜も嬉しそうに飛びはね、三神に飛び付いた。
「それは漫画の構想以外なら、他人が支援しても問題無い、という意味だな?」
「ええ、そう言っているわ」
そう言って雪ノ下は俺に部室の鍵を握らせ、扉に向かい歩き出す。
雪ノ下の後を追い、三神もパタパタと準備をする。そして部屋を出る前にこちらに振り返った。
「・・・・みなさん、すみません。御手数おかけしてしまって・・・・」
そう言って頭を深々と下げる三神。
「三神ちゃん、そこはありがとう、だよ!」
由比ヶ浜は笑顔で手を振り答えた。
材木座はう、うむ!と顔を赤くしながら何を言えばよいか戸惑っている。
俺も軽く手をあげ、応えた。
三神ははにかんだ後、また皆に一礼、部屋に一礼して扉を閉めていった。
「さて!中2!ゆきのんのメニューこなしに行くよ!外へゴー!」
ふむん!?と材木座が振り返った。
「い、いや走り込み必要か!?我、今回の恋に見た目は関係無いと思う!」
言い訳がましい材木座に俺は椅子に座りながら走る事の有用性を伝える。
「一色にあいつの好みを調べて貰って、詳しいことは解らないけど好きなキャラは大抵マッチョらしいぞ」
「なぬっ!?」
「ほらね!太めが好きな人じゃない限りは自分を高める努力としては運動もしなきゃ駄目だよ!健康的にも!」
そう言いながら材木座を押しながら部屋から出ていく。
「頼むな」
俺の言葉に由比ヶ浜はうん♪と微笑み部屋を出ていった。
さて、1人になった。
前に進む彼女達の力になる。
そのやり方は俺と由比ヶ浜で違う。
由比ヶ浜は後ろから優しく励まし、共に歩くのだろう。
しかし俺のやり方は、少しでも楽になる歩き方を探し、歩く距離を短くする事を考える事だ。
共に苦労して歩く由比ヶ浜達に、颯爽と車で追い付き、乗る?と聞くのが俺だ。
だから、雪ノ下にはやり方が嫌われる。
だけど、俺はそんなやり方しか知らない。
俺はポケットから携帯を取り出し、電話をかける。一時間後、部室でと伝えた。
今日、会う約束をしたアイツに。
少しの罪悪感を押し殺し、コートを取ると俺は部室から小走りで駆け出した。
ーーーーーーーーーー
一時間後、水樹に会った。
最初戸惑いながら部屋に入ってきたが、中にいるのは俺だけと知り、ふう、と一息ついた。
椅子をおき、マッカンとお茶菓子を出してやる。お茶菓子は学校でも大人気な総武ドーナッツ。並ばないと買えないレア物に加え、チョコやらクッキー迄揃えた。
因みに一色にはコイツを1人で寄越してほしいと頼んだ。これからやる事をあまり見られたく無かったから。
部室で三神の情報を聞き始めて一時間。
お前実は三神が好きだろ?と言いたくなる位詳しく情報を提供された。
「で三神は弱虫ペダルだと荒北さんとアブが好きなんすよ!私は待宮一筋っすけどね!」
「俺は巻島先輩が一番好きだけどな。後藤堂」
「巻島先輩は鉄板過ぎですよね!ピーク・スパイダーやばすぎ!あ、三神はタイバニのタイガーも好きっすよ!」
いやそこまでアニメの細かい好みは聞いてねぇよ・・・。お前カミングアウトしたからって、もう隠さねぇな・・・。
だが三神の好きな食べ物、喜ぶ事、細かい趣味まで知れた。それに、考えてみれば材木座としてはアニメの好きキャラの話題が一番の武器になるかもしれないな。
会話も一時止まり、マッカンを口にする水樹。
「やばーい、誰かにこんなに二次元の話したの・・・・久し振りだぁ・・・。やっぱり・・・楽しいなぁ・・・」
そう言いながら少し寂しそうだった。
まぁな。
オタ趣味を隠して学校で過ごすのも楽じゃ無かっただろう。馴れない化粧をして、興味もない芸能人の情報を調べ、解らない話題にも楽しそうに振る舞う。
さっき一色に聞いた、コイツの情報。
隠れオタクな事も正直クラスでも裏ではバレている。しかし、どんな話をしても聞いて、次の日にはその事を調べ話題に乗ってくれる努力。
ノリを振られたら、不器用ながら断らない。
相手の化粧や髪型が変われば、それが些細な事でも気付いてくれる気遣い。
そんな奴だから、差別無く暖かい目でコイツを受け入れられた。そのリア充努力は見事な事だろう。
「ま、三神の話はこれ位っすね!・・・・じゃあ約束通り、隠れオタの事クラスに内緒にしてくださいね!約束っすからね!」
「ああ、解ってる。”隠れオタ”については内緒にする。約束だ」
・・・・・・・・・・・・。
「・・・・ん?」
俺の言葉に違和感を感じ、一気に不安な顔になる。まさか、コイツ、みたいな顔。
別に俺の言葉はそのままの意味だ。
隠れオタについて誰にも言わない、そのまま。
「・・・・わ、解ってると思うけど、アレも言うの無しっすよ・・・。」
「アレ?」
キョトンと首を傾げてやる。
何の話かな~ワカンナイナー。
すると水樹は顔を赤くしながら訴える。
「だ、だ、だ、だから私が、こ、高校で・・・・イメチェン・・・解るだろ!」
俺は優しく微笑んでやる。
勿論了承の意味で。高校デビューの事についてだって、俺は誰にも言う気はない。大丈夫。
しかし俺の無言の微笑みを勘違いしてしまったらしい。水樹が青ざめる。
「・・・・な、なんか言えよ!黙んなよぉ!」
・・・・スッ・・・・。
そして俺は懐からひとつのアイテムを差し出す。それは某調査兵団の某ベルなんとかさんのストラップ。部活に来る前に急いで自転車を漕ぎ手に入れた、一個600円の高級品。
水樹は某ベルトルなんとかさんの登場に目を一瞬、輝かせた。よし。
一色にリサーチして貰って好みは完璧だ。最低でもコイツがあの漫画のファンな事は会話とかで解っていたし、後は押しメンを知るだけだったからな。
そのストラップを手渡しながら、俺は”お願い”する。
「なあ水樹、お願いがあるんだけど・・・」
俺の微笑み、そして水樹の手で微笑むベルトルトなんとかさんを交互に見ながら、表情を青くしたり赤くしたりと大忙しの水樹に、
「ドーナッツ美味かった?」とトドメを差す。
くぅ・・・、と唸った後、水樹は首を縦に振った。
ーーーーーーーー
数日後の部室。
昨日から揃えた漫画を描く為の道具が机の上に並べられている。
今日から本格的に、漫画を描きはじめる。
この部室を誰かが見たら、誰もが漫画研究会と答えるだろうな。
そうして漫画を描く為に、奉仕部全員で立ち向かう。
俺も由比ヶ浜も、簡単な手伝いは出来るからな。
材木座の依頼にとっても一緒に作業出来るなんて、距離を縮めるには持ってこいだろう。しかも三神の夢の手伝いだ。
三神の隣に座らせ、アニメの話をしながら楽しそうに作業している。
あんなに幸せそうな材木座見た事無いな。
そして俺、由比ヶ浜は並んで座り、慣れない作業に苦戦している。
消しゴムかけるだけなのに、結構疲れる。
由比ヶ浜もひ~っと手首を押さえている。
そして我等素人軍団を纏める為に助っ人に来た頼もしい味方がいた。
「ヒキダニ先輩、そんなに力入れたら破れるっす」
そう、経験者水樹であった。
俺達みたいな素人が何人もいるより、やり方を知り、経験をしる彼女がいる方が遥かに効率的だ。しかも素人の俺達にやり方を指導出来る存在が三神以外に出来た事で、三神はストーリー作りに集中出来る。効率も段違い、スケジュールにも格段に余裕が出来、材木座達に雑談の余裕まで出来た。
雪ノ下も絵が上手いのは確かだが、漫画を描く経験は多分無いはずだ。
なら、やり方を知っているアドバイザーの存在は大きいだろう。
因みに三神と水樹の関係は伏せてある。
同じ中学出身という事も皆知らない。
三神にも、口止めをさせた。
あくまで他人、一色の紹介で来た昔漫画を描いていた事があるアドバイザーという事にしてある。
そして水樹には漫画には口出ししない事を約束させた。作品内容には関与しない。だから雪ノ下の言葉には反しない。
「三神さん。終わったのここで渇かすね」
「・・・・あ、えと、はい・・・」
他人行儀な態度の水樹に戸惑う三神。
だがあくまで水樹は他人、三神にもコイツに構想を頼らない事を釘指した。まあ雪ノ下の言葉があいつにも突き刺さっていたようで、そのつもりは無いみたいだが。
ギリギリだが、雪ノ下の言葉にも材木座の依頼も、三神の依頼にも反しない効率を上げる手段としてはこれが限界だ。他には漫画描きのスキルを持ってる奴なんて俺は知らないしな。
・・・・やれる事は尽くした。後は、三神と雪ノ下の問題だな。
消しゴムをかけながら、俺は雪ノ下に目で激励を送る。真剣な顔で細かい質問を水樹から聞いているその姿は凛々しく見えた。
・・・・ビリッ。
あ・・・・。
破れた1ページを隠そうと誤魔化そうとする所を由比ヶ浜に見付かり、ブーイングを皆から受ける。
俺はコンクールに向けて頑張る彼女達を黒板から不思議な踊りで励ましてくれるハヤブサ君に癒されながら皆の罵倒に耐えている。
奴に励まされるなんて、さっそくながら間違いだらけの漫画作りが始まった。
続く
さて、寄り道をしてしまいましたが、次から材木座君の物語に戻ります。
オリキャラは難しい、そう身をもって解らされました(笑)文字だけでキャラを魅力的に伝えるラノベや文学の作者様、素敵なオリキャラを作り出すSS制作者様の凄さがやって初めて感じました。
では続き急ぎます!
俺ガイル11巻まだかな~