俺ガイルSS 二次元に燃える男と二次元に魅了された彼女の恋の物語 作:紅のとんかつ
「やば~い!超綺麗じゃない?ヒッキー!」
綺麗な夜景が見える公園に俺達はやってきた。
高台から見渡せる夜景は美しく、沢山の生活の光がキラキラと光を放っている。
流石に俺も素直に綺麗という事に納得する。
俺達はあの後ゲーセンを後に食事をする事にした。だが、今は夕飯時で何処も混んでいるし、材木座も雰囲気の良い店とか知ってる訳じゃない。
そして何より俺も材木座も深刻な程金欠だ。
だから皆でマックを買って公園で食べようという事になった。
俺と材木座が金無いと言った時の一色と水樹の顔は忘れられない物になったな。
”うわっ”とマジで引いた後に二人に
「え~、マジ~?金欠~?
金欠が許されるのは中学生までよね~!」
みたいな感じでめちゃ馬鹿にされた。
もう俺のジャポニカ復讐帳にコイツ等まとめて記入確定だな。もし本気でそんな物を作ってたら雪ノ下と一色で埋めつくされていた事だろう。
「やば~い、滅茶綺麗じゃないっすか~!」
「人がゴミのようだ~!」
皆思い思いに夜景に向かい走り出す。
俺は流石にそんなはしゃぐタイプじゃないし、よいしょとベンチに腰掛けた。
・・・・とすっ。
そんな俺と一緒に腰掛けた、俺と同じテンション低い系高校生、三神美嘉。
・・・・おい、可笑しくないか?材木座。
なんで俺がコイツと二人っきりになってんだよ。折角の夜景効果が台無しじゃねぇか。
材木座は公園の少し飛び出した展望台で高笑いしている。
おい馬鹿、支配者ごっこしてる場合じゃねぇぞ。どうしてくれんだ、超気不味いぞ。
お互い喋るタイプじゃねぇから沈黙が長い。
戸部ぇ!今日はお前の大切さが解る日だな!
早く来てくれ~!!!
・・・・なんて来るわけない奴に期待しても仕様がない。
何時もなら黙ってる所だが、今日という日を気分良く過ごして貰わないと依頼に関わる。
だから俺から必笑爆笑トークをかましてやる事にする。
・・・・よし、今だ!カッ!
「裸の・・・・。
「メソカタ・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・被った・・・・。
俺と三神はそれぞれ俯いた。
なんだよ・・・・俺がたまに面白い話しようとしたらこれだ・・・・。
ていうか三神の話めっちゃ気になるし・・・
メソカタってなんだよ・・・・。
そこから始まる単語なんて俺知らないぞ。
どう広がる話題だった訳・・・・?
目に見えてそわそわする三神。
やむなく他の話題をふろうと観察をする。
メーカー不明のスカート、偽ブランドのスニーカー、何処に売ってるか解らないシャツ、某兵団ジャケット、意外に主張をしている胸、なんの機能もしてないヘアバンド、謎の長い前髪、その腰にはパンパンのバック。
・・・・。
「それは漫画資材が入ってるのか?」
未だに求婚を止めないストラップの着いた鞄、それは何時も部室に持ってくるバックだ。
その中から漫画資材を何時も取り出す。
部室に一年で、力を貸して貰っているだけの自分が私物を置きっぱなしにするのはいけないといつも持ち歩いているのだ。
三神は申し訳なさそうにジッパーを開けると、やはり漫画資材が入っていた。
「・・・・あ、アイディアが出たら、すぐに描けるようにって・・・。手伝って貰っている癖に、遊んでるなんて皆さんに失礼だって思って・・・・。」
確かに今日、あの事件前は常に思案していた。
うつむきながらずっと漫画の事を考えていたのだろう。
「・・・・でも、逆にそれが皆さんに不誠実だと気付きました。私を、気分転換に連れ出してくれた一色さんにも、一緒に過ごしてくれている皆さんにも。・・・・私はいつも視界が狭いんです・・・・。呆けて御迷惑をおかけしてしまいましたし・・・」
「・・・周りに失礼とかはあまり気にするな」
楽しそうに夜景にはしゃぐ由比ヶ浜達を見ながら俺は柄にも無く励ました。
「今は自分の夢の事だけ考えてれば良い。コンクールまではな。その為にアイツ等はお前を気遣っているんだから。」
三神の方を見てはいない。
しかし、否定は無いって事は黙って頷いてるんだろう。そのまま二人で夜景を眺める。
「・・・・漫画、好きなのか?」
「・・・・はい。漫画も、アニメも、ゲームもラノベも文学も大好きです。その表現で皆が別の世界や人生を味わえる、笑ったり感動をさせてくれるんです。凄い、ですよね。」
「・・・・まあな。主人公の無双物は見ててスカッとするし、ファンタジーは現実に見る事の出来ない世界を見せてくれる。ラブコメだって自分が味わえない気持ちを感じさせてくれるからな。」
「・・・・アクションゲームで爽快に悪い奴等をやっつける、格闘ゲームで痛い思いをする事無く戦いのスリルを味わう、恋愛ゲームでは擬似的にでも異性に尽くせて決して裏切らない。こんな世界、リアルでは味わい切れません」
「現実はクソゲー。解るなそれは」
「そ、そこまでは言ってませんけど・・・・」
「でも、フィクションは何時だって嫌な現実から遠ざけてくれるんだよな。本とかには何度救われた事か解らん。友達がいなくたって、沢山の事を教えてくれる」
「は、はい。そうなんです。漫画の皆は何時でもそこにいてくれる。そして私を傷つけない、自分のペースで世界が動いてくれるんです。なんて優しい世界なんだろうって思います」
「まあな。今はぼっちでも楽しい毎日を送れる、良い時代だよな」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・比企谷先輩、リアルはクソゲーと言われましたが、リアルにも結構大事な人がいますよね・・・・?」
「・・・・まあ。」
「・・・では現実も良ゲー、ですね。比企谷先輩」
「・・・・ノーコメント」
「・・・・私の作る漫画も、沢山の先生方みたいに沢山の人に楽しんで貰えたら、なんて素敵なんでしょう。現実に疲れた人達を支えられるような作品が出来たら・・・・私にも、生まれてきた意味が・・・・出来たような気がしませんか?」
「・・・・さあな。」
・・・・・・・・。
「なあ、三神」
「はい、なんでしょう比企谷先輩」
「材木座は好きか?」
「はい、とても尊敬しています。何度も助けられ、沢山、言葉にしきれない位感謝もしてます。」
「色々ウザくないか?騒がしいし中2病だし、面倒だろ?」
「・・・そんな事思ってませんよね?」
「・・・・・・・・」
「だと思いました。比企谷先輩、嘘つく時、耳が動くので・・・・。」
「・・・・なに?」
「・・・・嘘です。触ったって事は、そうですね。」
「・・・・中々やるようになったな。」
「今までの比企谷先輩見てれば、解ります。貴方は人に徹底して優しい方です。自分も押し付けず、相手に期待しない。相手の気持ちも意見も決めつけない。だから私は・・・比企谷先輩といるのは気楽なんです」
「・・・・気楽、か。最高の誉め言葉だな」
・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
「・・・・さっき・・・・」
「・・・・ん?」
「さっき、何を、言おうとしてたのですか?裸の・・・・の後・・・・」
「・・・・いや、裸の王様ってあるだろ?アレさ、現代人にこそ通じる童話だよなって話だ。どう考えても間違っているのに、皆がそう言うから自分の考えを口に出せないんだ。どう見ても裸なのに、だぞ?王様が子供に指摘されるまで黙ってパレードを盛り上げるんだ。だからあの話は愚かな王様、というより、周りの意見に流されて嘘すら皆で信じてしまう愚かな民衆の話って訳だ。」
「・・・・・・・・」
「王様は裸だぁ!って言われて王様が逃げ帰った後、民衆はどんな顔して皆と生活してたんだろな?いなくなった途端に王様はバカだって笑い物にするのかな?マジで今の世の中みたいでウケるよな。っていう笑い話だ」
「・・・・・・・・」
「・・・・ウケないか?」
「ぷっ・・・・アハハ、アハハハ♪」
「フッ、だろうな。これは絶対に鉄板だと思ったんだ」
「アハハハ♪す、凄いですね♪比企谷先輩にとっては、童話は現代病の説明書になってしまうんですね。そんな見方をする比企谷先輩が面白いです♪」
「ふっ、そっちかよ。まあ童話も勉強なんだよ。子供もボッチにならないように親が聞かせるんだ」
「くすっ、それは比企谷先輩だけですよ・・・」
「読み手によって様々な取り方を出来る。それも物語の楽しみ方だろ?」
「・・・・同意見です」
・・・・・・・・。
先程とは違い、心地良い沈黙が訪れた。
綺麗な夜景、笑いで火照った体を心地よく撫でてくれる冷たい風。
楽しくはしゃぎ回る由比ヶ浜達。
夜景に高笑いする材木座。
俺達は静かに皆を眺めた。
「材木座先輩の事は好きですよ」
そして三神は立ち上がった。
夜景と星を見上げながら。
立ち上がった事で、三神の星の反射か、綺麗に光る目が良くみえた。
「あの人と出会って、私の世界は回り始めた。私の漫画を面白いと言って奉仕部に出会わせてくれた。あの学校に入って、初めて良かったと思えた。今日は楽しかった。・・・・本当に、本当に感謝してもしきれません」
俺のカマに対する答えだろう。
気付いてか気付かないかは解らないが俺の疑問に答えてくれた。
そしてどこか寂しそうに笑い、振り返る。
「ちなみに比企谷先輩も好きです。世界の男性で二番目に。家族を除きですが・・・」
俺に対する気使いなのか、材木座に対する”好き”という言葉の予防線なのか、本音かは知らない。
だから俺はそれ以上は何も聞かない。
なんにせよ、どう取るかも解らないような言葉を投げ掛けたのは三神の、俺に対する信頼なのだろう。
「それお前の世界じゃワースト一位だろ。他に男の知り合いいないだろうし。」
・・・・まあ女の知り合いもいないだろうけど。俺の言葉に焦ったように思案する。
「・・・・ひ、一人学校で話し掛けてくれる先輩の方が・・・・」
「次にその程度の奴出す時点で御察しだから。」
三神は踏み込まない。
礼儀正しい裏に、長い前髪と同じく自分の心を守る予防線があるのだと俺は思う。
しかしコイツは初めて冗談を言い、自分の気持ちを言ってきた。
それは先輩に対し、やり過ぎな程礼儀を尽くすコイツなりの大きな信頼だ。
唯一俺を格上として扱い、一線を引いていたコイツの大きな接近だ。
「せんぱ~い!そんな所で縮まって無いで、こっち来たら良いじゃないですか~♪綺麗な物見てその目浄化しましょ~!」
こっちに来いと手招きする一色に立ち上がる。
見習えとは間違っても言わないが、俺にはあれくらいで良い。三神と同じ、踏み込む事をしない俺には。体育会系ノリとか大嫌いだしな。
いつまでも夜景にはしゃぐ彼女らに向かい、二人とも歩き出した。
ぼっちの垣根すら飛び越えていく彼女達に少し感謝しながら。
ーーーーーーーーーー
その後俺達は公園で食事をした。
マックを食べながら沢山話をした。
材木座のゲーセン武勇伝(誇張)
一色のメイク術。(もはや魔法)
由比ヶ浜の友達の話。(どうでも良い)
水樹の戸部相談(世界一どうでも良い)
沢山話をした。
中でも水樹は俺と会った時のように二次元の例え話を沢山するようになった。
その姿は前のようにあまりオタを隠すような様子は見えなかった。学校では戻るかも知れないが、コイツもコイツで前に進めた一日だったのだろう。
三神も随分話をしたように思う。
今までは背景の一部かのように気配を消していたが今は輪の一人として参加していたように思う。
由比ヶ浜の服の相談会に始まり、一色計画で皆で遊んだ。成果としてはアリと言えるだろう。
彼女達の尽力に材木座は感謝しないといけないな。
そして今は、帰りの電車の中だ。
混んでいて、ぎゅうぎゅうと押し合っている。
見ると三神が材木座に寄りかかっていた。
恐らく、眠っているのだろう。
普段一人でいる彼女にとって、今日は慣れない事だらけで疲れただろうし、最近常に寝不足だったろうからな。
材木座は茹でたタコみたいになっている。
・・・・そして俺の方も多分同じような顔をしているだろう。
「ひ、ヒッキーごめん・・・・狭くて・・・」
「せ、先輩!絶対にどさくさに紛れて触らないでくださいよ!痴漢って騒ぎますからね!」
「ぐえ~、キツいっす~!」
・・・・三人の女の子に押しくら饅頭されていた。六つの饅頭に。
当たってる!当たってる!助けてください!
こんな状況俺には耐えられない!
今は嬉しいという気持ちより遥かに逃げたいという気持ちの方が遥かに強かった。
左に由比ヶ浜、右に一色、前に水樹、後ろは壁に挟まれて動けない状況に俺は心から困っていた。
「せ、先輩今触りましたね!触りました!騒ぎます!」
「不可効力だ!そんな度胸、俺には無い!だから騒がないでください!お願いしますから!」
「ひ、ヒッキーあんまり動かないで!た、ただでさえ狭いんだから!色々ヤバイじゃん!」
「そうは言ってもだな!あのままだと俺痴漢扱いだったんだぞ!」
「ヒキタニ先輩!息荒いよ~!きっといろはちゃんに興奮してるっす!クンカーっす!」
「仕方ないだろ!お前に腹押されてんだよ!第一匂いなんか嗅ぐわけねぇだろ!香水キツいからわかんねぇよ、お前の香水が!」
・・・・・・・・。
一瞬で空気が凍りつく。
信じられない物を見るかのように三人が俺の顔を見上げた。
・・・・え?なに?
「・・・・それ臭いって事すか!?」クワッ
突然の大声に耳がキーンとなる。
「煩いな、臭いんじゃなくて、香水がキツいって言って・・・・」
・・・・・・・・。
ん?なんだ?両サイドからあり得ない位冷たい視線を感じるぞ・・・・。
・・・・て、水樹泣いてるぅうう!
「・・・・うぅ、すみません・・・。臭くて・・・・すみません・・・・。でも人ごみのせいで離れられないんです・・・すみません」
耳まで真っ赤にしながら周囲に謝る水樹。
下がろうとしては後ろのおじさんに謝り、再び前に来て俺達に謝る。
女の子をマジ泣かせ二回目。
そんな泣くほどの事か?
両側の二人が聞いた事無い位冷たい声で俺に軽蔑する。
「ヒッキー、マジ最低」
「デリカシー本当にダニ以下ですね。女の子に匂い突っ込むとかマジありえませんよ」
こ、怖い怖いマジで怖い。
声のトーンが怖い、顔が怖い、目が怖い。
泣く女の子、マジ怖い。
小学校の時もクラスの女の子泣かして全女子から責められたな~。
帰りの会で急に手をあげて、比企谷君が今日女の子泣かせてました~って吊し上げられた。
もう四方八方から罵倒と謝れよ~、の嵐だった。でもね?女の子が泣いた理由ってさ、俺とフォークダンス決まったから、なんだぜ?
泣きたいのはこっちだったっての。
だから今回も俺は悪くな・・・・
悪いですね・・・・。
この後俺はフォローのつもりで、
「トイレの芳香剤みたいに良い匂いだし、他の匂いをかき消すな」って言ったら由比ヶ浜と一色から軽く頭突きを貰った。
水樹は”便女って言うなぁああ”とマジ泣き。トラウマスイッチを踏みぬいたみたい。
ごめんね、俺もよくトイレに逃げ込んで、こもってたら便所コオロギって呼ばれたから解るよ。ハハッ、ウケるよね!笑えよ!
うん、ごめんね、マジで。
ーーーーーーーーーー
何駅か跨ぎ、人が大分減った。
材木座も俺もぐったりと座っている。
三神はつり革に掴まりコクリコクリと立ったまま夢を見ている。
未だにショックから立ち直れない水樹は一色になでなでされている。正しい香水の付け方を教わりながら。
案の定体中に付けていたようだった。
由比ヶ浜もふ~っと一息。
疲れた・・・・。
まさか帰りでこんなに疲れるなんて思わなかったな。まさかの難関だった。
休日家族と土曜日出勤のお父様方お疲れ様でした・・・。
次は○○駅~。○○駅~。
アナウンスがなり始める。
「む?次は三神の降りる駅だな、起こさなくては。」
そこで外がまだ暗い事を確認すると、材木座に由比ヶ浜が気を聞かせた。
「もう暗いしさ~、三神ちゃん家まで送ってきなよ、中2!」
「ふむんっ!」
ガタリと立ち上がる材木座、いやいやと手を振った。
「いやいやいやいや、家まで着いてくとかキモいであろう!無理無理!」
「・・・・中2」
ビシッと三神を指し、起こしにいかせる。
「・・・それでキモいとか思う奴なのか?三神は。酷いなお前」
「い、いや、そうでは無いが・・・。せめて八幡着いてこない?」
アホか。保護者同伴のデートとか聞いた事ねぇよ。モンペか。
・・・・というか一瞬でも材木座の保護者と思った自分が許せない。
「あ、アタシもこの駅で降りる・・・
「えいっ☆ビシッ」痛いっす!」
空気を読まない水樹の頬を一色が指で突き刺した。
「美紀は今日私の家に遊びに来る予定じゃないですか~♪なんなら泊まっていきます?」
一色の提案に機嫌を直し、行く~♪と元気に手をあげた。手懐けてんな~。
○○駅~。○○駅~。
到着のアナウンス。
「・・・・ふむん」
材木座は覚悟を決めて三神を起こす。
「うむ、三神、三神。着いたぞ。歩けるか?」
「・・・・うん・・・・お父さん・・・」
お父さん?
寝惚けながら目を擦る三神を引き、電車を降りる。
材木座は力無く手をあげながら外から手を振っていた。
「今日は・・・・感謝する。ありがとう」
その言葉に俺達も手を上げて返した。
三神も眠そうに首を傾けながら手を振っていた。
電車が動き出す。
二人からどんどん離れていく。
由比ヶ浜は見えなくなるまで手を振っていた。
パチンッと指を鳴らす水樹。すっかり御機嫌である。
「さて!いろはちゃん家は何処の駅で降りればいいの?楽しみっすわ~♪」
「うん♪水樹は次で降りて、返しの電車で今の駅に降りれば良いよ!私はもっと後だから♪」
・・・・あるぇ~?(´・3・`)
といった顔見つめる水樹を余所に、俺の隣に一色が座った。
「さぁて、私の事は先輩が送ってくれるんですよね?もう暗いですものね~♪中2さんにやらせて自分はやらないとか無いですよねー?」
こいつやるな。
逃げ道をふさぎやがった。
「ひ、ヒッキー、私も夜道怖い!送って欲しい!」
「・・・・解ったよ」
「やったー♪」
大袈裟に跳び跳ねる由比ヶ浜。
一色に「アタシは~?」と詰め寄る水樹を追い払いながら微笑んでいた。
こうして波乱の一日がようやく終わりを迎えた。色々あって疲れる一日だったな。
そうして明日は一日家でゆっくりしてやろうと自分に誓いをたてるのだった。
明日、材木座のノロケと戸部のどうだった?からのイミフメールのコンボを食らいイライラさせられるのは別の話。
続く