再臨せし神の子   作:銀紬

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※かなり悪ふざけです。記念日なのもあり純粋なファンの方はご注意ください。


エヴァ二十周年記念番外編・奇跡の戦士エヴァンゲリオン

「パターン青、使徒です!」

 

オペレータの声が響く。

 

やがて、街には警報が掻き鳴らされる。

 

時は2015年。沈む夕日に照らされた街に一体の異形が現れた。

 

異形。

使徒と呼ばれたそれは、人類の絶対的な敵であるとされる。

そんな敵がこうして街に現れたということは即ち、人類に危機が訪れていることを意味していた。

 

勿論、人類とて決してそれを傍観する訳ではない。

一時は人類を滅亡寸前にまで追いやった大災害セカンド・インパクトを乗り越えた人類は、やがてやってくることが予見されていた使徒に対して人類の全ての英知を集結させ、世界最強の要塞都市を作り上げた。

それがここ、第三新東京市だ。

 

勿論、使徒の居ない間は普通の人間たちが生活を営む地である。

オフィス街ではサラリーマンがせわしなく働き、公園では子供たちが走り回り、スーパーでは主婦がバーゲンセールの対象品を取り合い、そして夜の街では男女が二人、また二人とネオンの中にに消えてゆく。

 

しかし、使徒が現れた今は違う。

街には通常は出現しない対使徒用の兵装ビルが現れ、夕日に照らされ一つのイリュージョンを醸し出している。

こうした街は当然、世界のどこを探してもここ、第三新東京市しかない。

 

今、ここ第三新東京市は全ての命が一つになっている。ここが落とされれば、それは即ち全ての命が消えるということであり、

逆に言えばここさえ落とされなければ全ての命が生き延びられる。……とも限らないのが辛いところではあるが、ともかく全ての命が一丸となり、この第三新東京市で戦っているのだ。

 

しかしながらも一見、戦闘員はともかく住んでいるだけの一般市民はただ避難しているだけではないかとも思うだろう。

だが、そんなことはない。ここに住む一般市民の殆どによってここ、第三新東京の財政などはコントロールされているのである

それに、ここに住む一般人はここ第三新東京市の中枢を担う国連直属の特務機関・ネルフの庇護下で生きているし、その一般人の殆どはネルフ関係者そのものやその家族であったり、恋人であったり、とにかくそこそこ深い関係にある者である。

それ故、ネルフ職員はもとより、その家族や恋人などもまた、その職員を支えるという意味で、影ながらもここ第三新東京市で戦うメンバーの一員なのである。

 

そしてそうでない者も、使徒が現れた時に使徒に対する恐怖でシェルター内で暴れまわる、などということもない。

 

ただ自分たちの勝利のみを信じて。

ここに住む誰もが使徒による迫りくる恐怖に対し、第三新東京市と共に戦っているのだ。

 

当然ながら、ただやみくもに勝利を信じている訳ではない。勝利を信じるだけの、根拠がこの街にはあるのだ。

勿論ここが人類の英知を集めた最大の戦う街であるという点もそうだが、

 

使徒が徐々に街に侵攻してくる。攻撃はまだしていないが、きっとすぐに凄惨な攻撃をここに仕掛けるのだろう。

だが、先ほども述べた通り黙ってやられる人類ではない。

そう。

ネルフによって運用される、夕日に染まるあのヴァイオレット。シェルターに潜っている一般市民にも絶大なる勇気を与えてくれる。

そしてそれが、一般市民の希望に変わるのだ。あのヴァイオレットこそが、最大にして最強の、人類の切り札だからだ。

 

 

リフトオフされるさなか、中のパイロットは恐らく発生しているであろう強烈なGに苛まれながら何を考えるのだろうか?

 

自分たちの勝利を疑わず、使徒に鋭い眼光を向けているのかもしれない。

あるいは底知れぬ恐怖に打ちひしがれているのかもしれない。

勿論どちらであっても、我々に出来ることは祈ることのみである。

なんとも歯がゆいものだが、それが彼らにとっても最善なことなのである。

 

ところで、もう既に彼らはネルフとの契約を結び、毎日を闘いに向けての努力に充て、そして今こうして戦地に出ているのだ。そうなっている以上、後には引けない運命を彼らは背負っている。

その運命に対し、彼らは何を思うのだろうか?

彼らは弱冠14歳の、少年・少女だ。そのような精神的にも不安定な彼らが挑む闘い。

なんと、辛辣な運命なのだろうか! 我々に残された道が祈るのみとは、なんと非力なのだ我々は!

 

しかし、結局のところ一般人である我々には何も闘いの事情は分からない。

 

分かるのは、今こうして、プログ・ナイフと呼ばれる専用兵器を握りしめ、使徒に向かっていることだ。

 

我々一般市民が出来る闘いは、先程も言った通りただ一つ。祈ることだ。勝利を信じて祈ること。

倒せ、敵を。

守れ、夢を、

 

そして、未来を!

 

プログ・ナイフが火花を散らす。対象は当然、使徒だ。

 

そして、使徒に喰らいつく。

使徒も応戦する。それでも、決してあきらめることはなく、戦う戦士。

 

倒せ! 行け! 

 

負けるな! そこだ!

 

「ウルォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!」

 

やがて、初号機が雄叫びを挙げると、使徒のコアに突き刺さるナイフがいよいよもってコアを破壊する。

 

それと同時に、使徒は大爆発を起こした。

 

ドガアアアアアン…………………

 

倒した。我々の希望が、かの人類最大の敵を打ち破ったのだ!

 

既に夕日は沈みきり、今度は月の明かりがヴァイオレットを照らす。

やがて静かな街には喧騒が戻ってゆく。まるで、先ほどの闘いなど何もなかったかのように、第三新東京市は元の姿に戻ってゆく。

気付けばヴァイオレットも格納されてしまった。

 

だが、闘いはコレで終わりではないのだ。

 

まだまだ使徒は出てくるのだと言う。

 

 

ならばこれからも、愛の力で進めっ!

 

我々に希望を与えてくれる、奇跡の戦士、

 

 

その名は、

 

 

エヴァンゲリオン!!!

 

----

 

「パターン青、使徒です!」

 

再び第三新東京市に響く、オペレータの声。

 

遠くに煌めく夜明けの空。

 

現れたのは、三体のエヴァンゲリオン。当然、街には使徒が迫っており、兵装ビルも立ち並んでいる。

 

一般人であれば……きっと恐怖のあまり、逃げ出してしまうのだろう。

それでも、エヴァンゲリオンは逃げない。我々の希望は、その希望を希望たらしめる為に今日も戦うのだ。

 

そんな我々の希望になるエヴァンゲリオンを操縦する、いわば英雄たりうるパイロットの三人。

 

少年・少女の仲は本当のところ分からない。

でもきっと、どんな関係であっても本質的なところでは心と魂を誓い合わせているに違いない。

 

勝利のための、一致団結。

 

お互いに拳を交え、明後日の方向で咆哮する使徒に向かう。

 

戦うための、強い決意をきっとあの夜明け空に誓いあっているのだ。

我々には計り知れないほどの絆が、そこに垣間見える……

 

 

「わんこ君! 今日こそアタシが先行。分かったら返事するにゃ!」

「いや、そんなこと言われたって命令ですし……」

「命令ぃ!? 命令なんてものはね、前線に出たらあってないようなものなの! 分かる!? レイちゃんも何か言いなさいよ!」

「……命令なら、そうするわ」

「むむむむむむ……!!」

 

 

……多分。

 

ともかく、今回の作戦ではエヴァは三体同時展開だ。

パイロットたちの連携が問われるのだが、きっと三人のことだ。その心、一つになっているのだろう。

 

こうして傍から見ていても、エネルギーがとにかくあふれ出ていることがよく分かる。目に見える訳ではないが、気迫のようなものがエヴァから流れているのだ。

 

張り詰めた雰囲気。けれど、それは決して恐怖のみに支配されている訳ではない。

エヴァの中に漲るその力は、決して我々一般市民に歯向かうものではない。むしろ平和の為に使われるものだ。我々人類の平和のために、振るわれるその力こそが我々に希望を与えてくれるのである。

 

やがて、静寂に包まれた戦場に、

 

「初号機、発進!」

 

周囲にも伝わる程の放送で、ネルフの指令が飛ぶ。

 

次いで、零号機、弐号機も指令を受けて動き出す。

 

使徒に向かって、一歩も引かない。使徒もエヴァを睨み付けている。

 

そんな使徒にパレットガンを握りしめ、一歩、二歩、走る!

 

疾走する三機のエヴァが使徒に向かい突撃していくその様は、まさに我々に勝利の希望を与えてくれる何とも雄々しい姿である。

嗚呼、なんと勇ましいことか!

 

やがて使徒に充分に接近したエヴァが、一斉に射撃を開始する。

パレットガンによる射撃が、使徒へ突き刺さろうとする。

 

しかしその瞬間、

 

パキュィイイイイイイイイイイン!!!!

 

使徒に発生する正体不明の障壁、ATフィールドが射撃を防いだ。

強烈な光が発生し、弾丸を叩き落としていく。自らへのダメージを限りなくゼロに近づけているのだ。

 

しかし、その位はエヴァンゲリオンとそのパイロットだって分かっているはずだ。

 

その証拠に、初号機と弐号機がATフィールドの中和を試みている。どうやら自分たちの腕で強引に中和しようとしているらしい。

 

最初は余り変化がないように見えるが、段々と使徒に掛かる障壁が薄くなっているように感じる。

きっと中和に成功しつつあるのだろう。

 

そうだ! もっとだ!

 

思わず、この手を握る力も強くなる。

 

 

倒せ使徒を!

 

破れ、ATフィールド!

 

「グルルルルルッ……!!」

「グオオオオオオオ!!!!」

 

 

その、手でっ!

 

バキィイイイイン!!!!!!

 

いよいよATフィールドが破れた!

 

そこへ叩き込まれる、零号機によるパレットガンの射撃。

自らの盾を失った使徒は、今回は爆発することなく静かに崩れ落ちていった。

 

 

こうして、今回の闘いも無事に終わることとなった。

 

しかし! 前回の時も述べたように、まだまだ使徒は沢山現れるのだ。

 

 

ならばこれからも、愛の力で進んでくれ!

 

 

我々に希望を与えてくれる奇跡の戦士、

 

 

その名は、

 

 

エヴァンゲリオンだッ!!!

 

----

 

シャーッ。

 

ガガガガ……ピッ。

 

スクリーンに投射された映像が終わりを迎え、スタッフロールと共にエンディング・テーマが流れる。

エンディングテーマは映像の中で使われていたBGMの歌詞付きバージョンらしい。

 

「いやーどうだい、三人とも」

「いや~すっごいなこのドキュメンタリ! これなら優勝確定やでケンスケ」

「だろ~? これで次の学園祭のチャンプは俺たちのもんだ!」 

 

ただただ感心したという様子でケンスケを褒め称えるトウジに対し、ケンスケは得意げな様子で目を瞑っていた。

ところが、もう二人は難しい顔をしている。

 

「……ん? どうした、難しい顔して。碇と綾波はどう思う? コレ」

「うーん、いいと思うけど……大丈夫なのかな?」

「……多分、結構拙いと思う」

「え? どういうこと?」

 

ケンスケはシンジとレイの思わぬ発言に対し、ぽかんとした表情をしている。

どうやら状況が飲みこめていないようなので、二人は加えて説明をした。

 

「いや、エヴァとか使徒とかって、一応公表されてないって聞いたんだけど」

「そうね、後ATフィールドとかも……謀反を起こしたとして最悪しょっ引かれるかもしれないわね」

「またまた~。 単なる一般人の中学生がやる程度のことだぜ? 大事にはならねえよ大事には」

「……だそうですけど。 その辺どうなんですか? ミサトさん」

「え?」

 

シンジが部屋の奥の方に声を掛けると、どこから現れたのか黒髪ロングの女性が現れた。

 

容姿端麗、そしていわゆるボンキュッボン。

見る者が見れば、いや見る者でなくても彼女を美人を言わぬ者は居まい。

 

そんな女性、葛城ミサトがそこに居た。

 

思わぬ登場に、トウジとケンスケは頬を緩めた。

 

……が、すぐにその頬の緩みは再び強張ることになる。

 

「…………相田、ケンスケ君ね?」

「そのお声は葛城ミサト三尉ではありませんかっ! 毎日ご苦労様です!」

「……ありがと。でも……貴方はもう、何もしないで」

「……へっ? それは、どういう……」

「えっと……シンジ君にレイ、後鈴原君は帰りなさい。私は今夜はこの相田君と積もるお話があるから」

「はい」

「はい」

「あ……分かりました」

 

シンジとレイ、及びトウジは何となく「察した」。

この空気が、間違いなく普通でないことを。

特にトウジにとっては憧れのミサトが現れた直後に帰れと言われたので少し残念ではあったが、本能的に何かを察した。それが彼の男としての野心を消し去ったのであった。

 

トントントン、と三人分の靴音が鳴り、ガチャバタンとドアの音が響き渡る。

 

それを見送ったミサトは、再びケンスケに居直った。

その真剣な表情に、ケンスケは何かを勘違いしてしまったようだ。

 

「えっと、碇たちを外しての積もる話? 

……はっ! まさか僕をついにエヴァンゲリオンのパイロットにして下さるのですね!」

「パイロット? いいえ、相田君……もっと、気持ちいいことよ。

アタシと良いこと、話しましょう? それはとてもとても、気持ちいいことなのよ?」

「えっと……あっ分かりました! ついに僕の魅力に気付いて下さったのですね! いや、僕なんかでよろしければ……ぜ…………ひ……?」

 

ミサトはあくまでも笑顔だった。ただ、声は笑っていなかった。

 

その顔の厳しさに一瞬遅れて気付いたケンスケであったが、文字通りもう遅かった。

 

「あ~もしもしリツコぉ~? アンタの中で噂の自白剤と嘘発見器の実験台一人確保したわよぉ~。え? マヤちゃんも来るの? いいけど……大丈夫よ、幸いにしてダミーだったし。あーはいはい」

 

何やら不穏な電話が聞こえてくる。その雰囲気のおぞましさに漸く以って気付いたケンスケは恐る恐るミサトに声を掛けた。

 

「えっとミサトさん? 僕は一体」

「……あら、この期に及んでまだ自分が何をやったか分かっていないのかしら?」

「えっと…………」

 

よく聞こえなかったが、実験台という単語にケンスケは戦々恐々としていた。

まさか……最先端の投薬実験の実験台になるのでは!? ケンスケは自分の身に早くも命の危険を感じた。

何とか、何とか自分の生き残る道はないのか。そう考えた結果の苦渋の作戦が、こうして惚けることだった。

 

だが、ミサトにはその作戦は通じない。

 

「…………あのビデオ、どうやって作ったの?」

 

ダメだ。

ならば、次の手を取るしかない。プランB、セイイング・ライ。相田ケンスケ、実行に移ります。

 

「え、えっと、そ、それは……その……そう! 碇! 碇たちが俺に色々教えてくれたんです!」

「へぇ~、シンジ君たちが。へぇ~……ちょっちまってね? ……あ、もしもしシンちゃん? ああレイもまだいるのね、じゃあ聞くけど…………ああやっぱそうなのね~。ありがと、じゃ……相田ケンスケ君?」

「は、ハイ」

 

余裕でバレました。

 

「…………ウソついちゃーだめよぉ。あの動画、私たちが用意したダミー。つまり……ヤッちゃったんでしょ?

嘘吐くような悪いコは、お姉さんたちとイイコトしましょうね?」

 

笑顔。でも、物凄く怖い。

ハイと頷くしかないその気迫。

 

「…………ミサトさんとのイイコトなら、一生の、喜び、です…………」

 

ケンスケはるるるーと涙を流した。

 

明らかに絶望しかない自分の未来を。

 

 

やがて、再びドアを開ける音が聞こえてくる。

 

「! 碇!? 助けに来てくれたのか!」

「碇? ああ、シンジ君なら今はネルフで訓練しているわよ?」

「初めまして相田ケンスケ君。……ふふ、やっぱり。私の期待通り」

「あら、マヤちゃんってショタ属性だったのねぇ~」

「いいえ、メガネ属性なんですよ~。センパイの魅力の一つでもありますねっ」

 

そこに来たのは、現れることに一縷の期待を掛けていた少年ではなく、金髪の強気そうな女性とやや幼気な女性。

しかも何やら、物凄く姦しい話が聞こえてくる。なんだよ、なんだよショタ属性って、メガネ属性って。俺は知らないぞ。何も知らないぞ。

 

「ふふ……相田君、力を抜きなさい? お姉さんたちが優しくシ・テ・ア・ゲ・ル♪」

「ひ、ひぃっ!?」

 

相田少年もまた、一人の思春期の少年だ。こうして大人の女性に囲まれるというシチュエーションを妄想しないはずもないし、興奮しないはずもなかった。

 

ところが、今は違った。実際にそうなってみると、ただただ恐怖に苛まれている自分を知覚したのだ。

 

やがて、ガチャン、と音が鳴る。腕が、動かない。

再びガチャンと音が鳴る。足も、動かない。

 

もうだめだ。

 

金髪の女性が注射器を持ってこちらに迫ってくる。

その注射器は、自分の腕に、腕に、腕に……

 

 

 

「俺の未来も守ってくれよぉエヴァンゲリオォ~ン!!」

 

 

ケンスケの断末魔が、第三新東京市の一角に響いた。




日「こんばんは。日向マコトです」
青「青葉シゲルです」
伊「伊吹マヤです」

ジャーンジャーンジャージャージャ♪ジャッジャッジャッジャッジャジャッジャッ!
ジャーンジャーンジャージャージャ♪ジャッジャッジャッジャッジャーッジャッ!

日「おお! コレは……!」
青「蒼い風が胸のドアを叩きそうだな!」
伊「窓辺からやがて飛び立ちそうですね、主に日向君が」
日「ふぁっ!? なんでいきなりディスられんの!?」
伊「なんとなくですぅ」
青「てか今回別に使徒が出たって訳じゃないしやんなくてよくねコレ」
伊「ああ、そういえば確かにこれ使徒が出た時だけ放送するっていう奴でしたね。でもまあ……ビデオの中に使徒出てきちゃいましたし」
青「何それ、その解釈で行ったらアレだよね?
ゼーレ魂の座とか終わる世界とかも確か使徒は一瞬回想とか何かで登場するけど、その時も全部放送すんの? どんだけ細かいの?」
伊「あーもうめんどくさいですね。今になって質問が増えてるんですよ。じゃあ一つ目。

『これスパシンじゃなくね?』 とのことですが」
青「……」
日「……」
伊「……」
青「……まあ、確かにさあ。シンジ君最初の方はスパシンぽかったけどさ、最近はあんまり力を発揮できてないよな」
日「正直ラミエル以降実質単体で倒した使徒はレリエルとゼルエルくらいしか居ないし、やむを得ないんじゃね?」
伊「まあ、スパシン度合いが試されるのはそこですよねー。一応身体能力向上の速さとか頭脳とかは充分スパシンレベルに到達しつつあると思うんですが」
青「うーん……それにしたって無理あるよ」
日「まあ……スパシンだからって必ず神に匹敵する力持たないといけない訳じゃないし」
伊「でも再臨せし『神』の子ですよ? やっぱり神にならないとダメでしょう」
青「少年よ神話になれって言うしな」
日「神『話』だからそれはセーフ」
伊「まあ……総合的には充分スパシンの範疇になると思うので、今後に期待してください。
あ、今回は本編も短かったので質問も二つまでですね」
日「えっ何それ」
青「まあ別にいいケドさ、あんまりポリシー折らない方がよくね?」
伊「えーじゃあ分かりましたよ。強引に三つ目作りますよ……」
日「何かやけにあっさりだな、こういう決定事項はなかなか折れないと思ったんだが」
伊「……いや、実は作成時点で記念日の一時間前を切っているらしく」
青「へっ?」
伊「要は全く準備するのを忘れていたらしいです。いや存在は知ってたんですけど何をしようかと思っていたら前日になってしまったそうです」
日「えっじゃあつまり何時もよりやけに短いのも」
伊「そういうことらしいですぅ。まあ次回はその分長めにするらしいですけどね。なので決定も即時です」
青「やべえよこのラジオ突貫工事ってレベルじゃねえよ大丈夫なのかよコレ」
伊「セミ生放送ってことでいいじゃないですか! こういう媒体で生放送はセミとはいえ貴重ですよ貴重」
青「そういう問題なのか……?」
伊「そういう問題ですっ。 じゃあ次。

『根府川先生って誰?』ということですが」
青「ああ、あれは確か……シンジ君のクラスの教師だよな」
日「そういえば地味に新劇だと出てないんだよなああの人。いや、もしかしたら適当なカットのどこかに居るのかもしれないけど」
伊「そうでしたっけ?」
日「うん、確か……というか、出ていたかどうかが議論になる時点で相当影薄いのは確かだよな」
伊「確かに。 えーと、まあ根府川先生ってのは本編にも書いてありましたけど、いつも根府川とセカンドインパクトを繋げるのでそういうあだ名になっていたんですがいつのまにか半分その名前が公式設定になっていたらしく」
青「設定ガバガバってレベルじゃねえなオイ」
伊「文句は名探偵に言ってください。真実は一つじゃねえんですよってね、あの人いつもセカンドインパクトの作られた真実言ってますし、ネルフの中でも色々真実がどうとか言われてますけど本当は違いますし」
青「えっ」
日「えっ」
伊「え?」

~ネルフ・発令所~

ミサト「えっ」
加持「えっ」
ゲンドウ「えっ」
冬月「えっ」

~静止した闇の中で~

ゼーレ×12「えっ」

~スタジオ~

日「……マヤちゃん?」
青「……」
伊「え、え? え?」
日「いや……その」
青「何で作られた真実だって知ってるの……? 俺たちの情報レベルではまだそんなこと」
伊「えっと……あっ! えっとですね、赤木博士に教えてもらったんですぅ。 センパイはとっても物知りで……」
リツコ「…………」
青「いや、そりゃ俺は司令部直属だから知ってるけどさ、おい、まさかこれって」
日「あー……マヤちゃん、横、横」
伊「へっ? あ」
リ「……マヤ、貴方の妄想を現実にしてあげましょうか? ウフフフフフフ♪

…………きっと気持ちいいわよ?」
伊「……私は先輩を信じますっ!!」

青「……別にお仕置きにも何にもなりそうにないな、アレ」
日「ああ、全ては予定通りだ」
青「マコト?」

数分後……

伊「……アァ……センパイ……もっと、もっと……」
リ「このふざけたラジオが終わったら脱水症状になるまでサンプルを取るから覚悟することね」

すたすたすた……

青「なあマコト、これ全く意味をなしてないよな」
日「まあ……しゃあない。三つめの質問とかマヤちゃんが作る予定だったらしいし今日はコレでお開きだな」
青「うん、折角の二十周年なのになんという幕締め……」

ドガーン!!!

青「爆発か!?」
日「なんだ!?」

ドガーンドガーン!
ウーッ! ウーッ!

青「拙いぞ! スタジオが崩れる!」
日「マヤちゃんも余韻に浸ってないで早く逃げて……あっ!」
青「おい、コレ……エヴァ初号機じゃねえか!? なんでこんなところに!?」
日「それだけじゃねえよ、零号機、弐号機、参号機、四号機、Mark4、量産型、五号機、Mark6、八号機、Mark9、弐+八号機、十三号機がそろい踏みじゃねえか!」
青「あそこにいるのは……シンジ君か!」

シンジ「……皆さん。エヴァはまだ、終わっていません。まだ残すところ、後一作品残っています。
それがどうなるのかは、分かりません。No Ryojiなんて書かれていたので加持さんは死んでいるかもしれません。
でも、時は確実に進んでいます。エヴァは、あの、始まりの日からは、二十年が経っているのです。 
今日が記念すべき、二十年目なんです。少年の象徴であったエヴァが、こうして二十年経って。人間で言えば、つまり大人になったということです。
そんな記念日が、今日なんです。 
皆、今日が、その日なんだ! 僕たちがここに居てもいいと宣言された、その日なんだ!」

ワァーッ!

ブラボォーッ!!



青「これは……二十六話のあのシンジ君が壁をぶち破った世界……そうか、そういうことか!」
日「なるほど、空気を読めということだな!」


ミサト「おめでとう!」
アスカ「おめでとう!」
レイ「おめでとう……」
リ「おめでとう!」
加持「おめでとう!」
ヒカリ「おめでとう!」
ケンスケ「めでたいなぁ!」
トウジ「おめでとさん!」
ペンペン「クックックワァクッ!」
日「おめでとう!」
青「おめでとう!」
伊「お……おめ……で……ひょぉ……」
冬月「おめでとう」
碇夫妻「おめでとう」

シンジ「おめでとう……!」


『ウルゥウウォオオオオオオオオン!!!!!』


庵野監督に、ありがとう

漫画版に、さようなら

そして、エヴァンゲリオン二十周年、おめでとう

----




青「…………何これ」

end

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