オータムさん。   作:秀吉組

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妄想を大きくしながら書いていったらこの結果です・w・;


これが私の日常です 一之瀬桐奈編

チュン……チュン……

 

 

今まで暗闇に覆われていた世界がすずめの鳴き声と共に朝日によって少しずつ明るくなっていく

 

 

57……58……59……AM6:00

 

 

パンツァーフォー!! パンツァーフォー!! パンツァーフ、カチッ!!

 

 

「ふぁぁぁ……、もう朝か……ふぁ~」

 

 

女の子の形をした目覚まし時計で朝六時に起きるのが私の一日の始まり

 

 

ベッドから起きて、歯を磨き、顔を洗って着替え、準備を整えると隣の部屋の寝坊助ルームメイトを起しに行く

 

 

「マドカ~、朝だよ! 起きて」

 

 

「うーん……あと五分だけ~」

 

 

そう言ってベッドの中に顔を隠そうとするが既に手は打っている

 

 

「はやく起きないと朝ごはん冷めちゃうよ?」

 

 

「朝ごはん!!」

 

 

バッと掛かってあった毛布を跳ね除け、上半身を起すときょろきょろと周りを見てそしてこちらに気が付くルームメイト

 

 

「あ、おはよう。桐奈ちゃん」

 

 

「はい、おはよう。 ご飯出来てるから早く顔洗ってきてね」

 

 

こうやって友人を起すのが朝の日課になっている

 

 

「半熟のハムエッグにふわふわのバタートースト。 これこそ朝の定番」 もぐもぐ

 

 

「美味しく食べてくれるのは嬉しいけど時間あんまりないから急いでね」

 

 

テレビに映っているニュース番組の右上に表示されている時刻が出なくてはいけない時間が迫っていることを伝えていた

 

 

その後、朝食を済ませ、マドカの着替えなどを手伝い急いでマンションを出た。向かう先はバス停

 

 

 

亡国機業から送迎バスが出ているからだ。ISを所持しているならIS使っていけばいいじゃないかと話がでてくるかもしれないけど飛行時の騒音で近隣住民の皆さんに迷惑を搔けてしまうということで飛行禁止になっているので無理。ご近所さん達とは仲良くしないとね

 

 

 

送迎バスに乗って暫くすると日本支部に到着するとマドカと別れ、私は自分の所属する部署に向かう

 

 

諜報部兼新規事業開拓課、 ここが私が所属している部署。

 

 

 

諜報部といっても軍事的なものや政治的なもの等は格上の先輩らが担当なので私らのやる事は精々……

 

 

「あ、この会社、食品偽装してる。 マスコミにリークリークっと」

 

 

「無農薬と宣伝してるのに裏でばっちし農薬使ってるじゃん! 報告報告」

 

 

とまあこんな感じでやってるのが諜報部。ちなみにうちはNO!食品偽装! NO!農薬使用をモットーとしている

 

 

亡国機業の偉い人が「人様に隠れて食品偽装や農薬使用するような器の小さいことをするような秘密結社が世界征服なんぞ出来るものか!!」と言ったのが理由らしい

 

 

私の大体のメインは開拓課のほうだといってもいい

 

 

今、亡国機業が力を入れている新規事業が農業である。その中で私が担当になったのは米部門。 まあ担当とはいってもやってることはとある一帯の米農家で主に農家のおじいちゃんおばあちゃんの体調管理や農機具の不調がないか、悩みや相談に乗ったり、後継者の斡旋くらいかな

 

 

現地までは途中まで車で移動し郊外を抜け人里離れた所まで行き、後は私のIS、ラファール・リヴァイヴで向かう

 

 

このラファール・リヴァイヴ、亡国仕様でほぼ武装が解除されている。その理由は向こうについた後分かることになる

 

 

 

ISに乗り目的地まで飛行している途中ふと思う。よくこの国の防衛庁に飛行許可取れたな、と。噂だと何処かの偉い幹部の人が「許可貰える様ちょっとOHANASIしてくる」と言って本当に取ってきたらしいのだけれど……。一体どんな肝が据わった人なんだろうと桐奈が考えているうちに目的地に到着した

 

 

到着するとISを解除して一軒の農家に近づくと中から一組の老夫婦が出てきて桐奈のほうに気が付くと表情がにこやかな物に変わった

 

 

「おお、桐奈ちゃん。また来てくれたのかい?」

 

 

「あれま? 桐奈ちゃんどうしたの? 何かあったの?」

 

 

「ううん。ちょっとおじいちゃんとおばあちゃんの顔見たくなってさ。 二人とも体調とか大丈夫?」

 

 

「大丈夫大丈夫! 20代の頃のようにバリバリ体が動くからのう!」

 

 

「……そう言ってこの前腰をやらかしたのはどこの何方でしたっけ?」

 

 

おばあちゃんにそうつっこまれて苦笑いするおじいちゃん。 どうやら体調面は大丈夫そうだ

 

 

ふと視線を外に向けるとこの間まで動いていた田植え機が田んぼから随分離れた所に置かれていた

 

 

「ねえ? あの田植え機どうしたの? なんか動かしてないみたいだけど」

 

 

そう聞くと先ほどの表情に憂愁の影が差した

 

 

「ど、どうしたの? 何かあったの?」

 

 

「実はのう。 最近田植え機の調子が悪くてのう」

 

 

試しに起動させてみるとエンジン部分から明らかに通常時には聞こえない異音が鳴っていた

 

 

「確かにちょっとおかしいね。修理に出すしかないね」

 

 

「やっぱりそうかの。 しかしそれだと大分時間が掛かるんじゃろうな……」

 

 

「何か不味いことでもあるの?」

 

 

「この時期に田植えが出来ないと米の出来具合に影響が出ちゃうの……」

 

 

「ああ、そういうことか。 でも大丈夫だよ」

 

 

ラファール・リヴァイヴのコンソールを出すとその中の一つをクリックし現れたのは

 

 

「これは……田植え機?」

 

 

「これを使えば大丈夫だよね?」

 

 

武装解除されていた理由がまさにこれである。 亡国機業はラファール・リヴァイヴの武装数ではなくそのスロット数に着目した。各課の緊急時に必要なものが武装の変わりに装備されている。

 

 

ちなみに桐奈のには他に自家発電機、自販機、各農機、AED(自動体外式除細動器)、救急セット、等が搭載されている

 

 

「ありがとうの桐奈ちゃんや。 しかし今まで使っていたこれには愛着があってのう。……なんとかならんかのう」

 

 

おじいちゃんは壊れた田植え機をまるで自分の子供のように愛でるように撫でていた

 

 

「ならうちのISのメンテナンス課に持っていけば大丈夫だと思うからこの子はうちで入院させるね」

 

 

「直るのか!? ありがとう! ありがとうのう!」

 

 

よっぽど嬉しいのかったのか私の手を両手で握手した

 

 

 亡国機業のメンテナンス課は修理のプロフェッショナルの集まりなのでこういった修理はじつにお手の物なのだが最近はこういう修理が多いため「たまにはIS弄らせろ!」と愚痴が出ている

 

 

その後、老夫婦の農作業など手伝っていくうちに日が傾き、気が付いた時には夜になっていた

 

 

「さて、そろそろ私戻るね」

 

 

「桐奈ちゃん。 コレをもっておゆき」

 

 

帰ろうとした私をおばあちゃんが呼び止めると大きめの茶色い袋を渡された。持ってみるとずっしりと重く中を見てみると中身はお米だった

 

 

「わ、悪いよ! こんなに」

 

 

「いいから持って行きなさい。 ほら、よく食べるお友達がいるんでしょ?」

 

 

はい、います。 ハムスターのように食べる子が……

 

 

結局お米を頂いて帰る事に。 きっとお腹を空かせて待っているだろう友人を思い浮かべながら帰途についた

 

 

こうしてまた一日、私の日常が過ぎていく




感想お待ちしております。オリキャラの感想とかあると嬉しいです。次回なのですが夏がそろそろ終わりそうなので終わる前に季節ネタでも書きたいなと思ってます。例えばそうだな……海水浴とかどうですかね?

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