オータムさん。   作:秀吉組

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フロシャイム西東京支部のあのIQ150のあの方を出そうかどうか悩んでいます


ヴァンプ驚愕の出会い2

ヴァンプ将軍が公園で酔いつぶれて寝ていたなんだか怪しいコスプレをした女性を支部に連れきた。 客間に寝かせ、しばらく時間が流れ気が付くとお昼になっていた

 

 

「あの、ヴァンプ様」

 

 

「なに? 一号君」

 

 

「この女性、どうしますか?」

 

 

「そうだね。う~ん警察に届けるってのもなんだか可哀想だし。それになんだか汗も掻いているみたいだしお風呂とかに入ってもらったほうがいいんだけど……」

 

 

すう~すう~と静かな息遣いで寝ている女性

 

 

「……私達が手を出したら犯罪だしね」

 

 

「……そうですよね」

 

 

うかつに女性に手が出せないでいる悪の組織。 しかし、ここでヴァンプ将軍の頭の上に豆電球が光る!!

 

 

「私いいこと思いついちゃった♪」

 

 

そういうとヴァンプ将軍は携帯片手に何処かに連絡していた

 

 

ヴァンプ将軍が何処かに連絡してから30分後。ブーブーと支部のインターホンが鳴った

 

 

「「ごめんくださ~い」」

 

 

「あ、来た来た。でも一人多いような?」

 

 

玄関先に行ってみると二人の女性がやって来ていた

 

 

「いきなり来て貰って御免なさいね。でもかよ子さんまで一緒だったの?」

 

 

「ここ来る途中で会ったんですよ。 それで一緒に行こうって話しになって」

 

 

内田かよ子さん。 フロシャイムの宿敵、サンレッドの彼女。 職業は保険の外交員

 

 

「2人とも知り合いだったの?」

 

 

「ええ。 以前うちの機業の保険の件で知り合いになって」

 

 

「そうなんですよ。 この前、ヴァンプさんに勧めたスポーツ選手でも入れるやつですよ」

 

 

「あ~あ~♪ 私達のような職業(?)は保険に入っておかないとね」

 

 

今のご時勢、悪の組織と言えどいつ働けない状況になるかはわからない。そんな時に守って貰えるのは保険。体は資本なのである

 

 

「ところでヴァンプさん。 私を呼んだのは?」

 

 

「ああ、そうだった。 ちょっと助けて貰おうかと」

 

 

そう言ってヴァンプ将軍は2人を客間に連れてきた

 

 

「あれ? オータムさんにかよ子さん?」

 

 

「あ、一号さん。 こんにちわ~」

 

 

「お邪魔しま~す」

 

 

「ほら、女性のことは女性にお願いしたほうがいいと思ってね。 それで来て貰ったの」

 

 

「ああ、なるほど」

 

 

「ヴァンプさん、女性って?」

 

 

「ああ、この女の人なんだけどね」

 

 

ヴァンプ将軍に言われてその女性を見た2人の反応は

 

 

あれ? この人どっかで見たような? そうでないような? と頭をかしげるかよ子さん

 

 

そして、もう一人はなんでここにいるの!? この人!? と困惑を隠し切れないオータムさん

 

 

「オータムさん? もしかしてこの人の事、知ってるんですか?」

 

 

「え、ええ……。 知ってます、すげぇ知ってます……。 出来れば知りたくなかったな……」

 

 

そういうとオータムさんは寝ている女性に近づくと

 

 

「束さん、束さん。 起きてください」

 

 

「う、う~ん。 まだ眠い~」

 

 

なかなか起きない束さんに対してオータムさんは必殺のカードを切った

 

 

「束さん、般若の顔をしているクロエちゃんが隣で立ってますよ?」

 

 

「ひぃぃ!? お、起きます!! 起きますから許して~!? ……?? ここ何処?」

 

 

やっと起きた束さんに今の現状を簡単に説明した

 

 

「あ、あの~、この度はどうもご迷惑をお掛けしてすみませんでした……」

 

 

「いえいえ。 そんなに気になさらずに。 困ったときはお互い様ですから♪」

 

 

「おお♪ 貴方は天使ですか!?」

 

 

「え? いや、私は将軍ですけど?」

 

 

などとコントのような会話を横から見ているとかよ子さんと一号君がこっそり声を掛けてきた

 

 

「あのオータムさん。 私、この人何処かで見たことあるんですけど、思い出せないんですよ」

 

 

「実は僕も気になってたんですよ。 見たことあるなとは思ってるんですけど」

 

 

「ああ。 この人は実は……」

 

 

そう言って私がテレビに映っている番組を指差し

 

 

「あの人です」

 

 

テレビにはISの生みの親、篠ノ乃束博士(ウサ耳装備時)が映っていた

 

 

私にそう言われてテレビを見て、こっちを見て。 テレビを見て、こっちを見て。といった行動を取った後

 

 

「「えええええええ!?!?!?」」

 

 

と凄く驚いていた

 

 

「え? この人があの篠ノ乃束博士?」

 

 

「ただの酔っ払いのお姉さんかと思った……」

 

 

2人の感想は痛いほど良く分かるのは私がそこまでこの人と関わってきた証拠なのかもしれない

 

 

「それにしてもお酒に強い束さんがそこまで酔うなんて珍しいですね? 何かあったんですか?」

 

 

「実は、昨日ね……」

 

 

束さんが言うにはウサ耳克服(?)のためにある実験をしていたらしく、その実験というのが……

 

 

「こちらA班!! 対象を発見!!追走中、応援を頼む‼」

 

 

数人の国のSPがウサ耳をした束さんを追いかけていた。束さんはSP達との距離をある程度保ちつつある場所に向かっていた

 

 

向かった先は人通りが多い繁華街だった。そんな繁華街のど真ん中で立ち止まり、周りをSPで囲まれた束さんが次に取った行動は

 

 

「ハッ!!」

 

 

皆が見ている前でいきなりウサ耳を取ったのだ。 これこそ束さんの実験、「観衆の前でウサ耳を取れば流石に気づかれるか?、というか流石に気づくよね実験」

 

 

しかし、現実は……

 

 

「消えた!? くそ!? ISのステルス機能か!? それとももう何処かに移動したのか!?」

 

 

「……へ?」

 

 

通行人はというと

 

 

「なんだあれ? 何かの特撮か?」

 

 

「何?何? 何かのロケかなんか?」

 

 

などと全く微塵にも気が付かれて無い様子

 

 

「あ、あの、私が篠ノ乃束。 ほら、ここ」

 

 

慌てて近くにいたSPの一人の腕を掴んで必死にアピールするが

 

 

「お前みたいな影の薄い奴が博士なわけないだろう!! 適当な嘘を付くな!!」

 

 

「ガーーーーーーン!!!!」

 

 

その後、SPに心を抉られるような傷を負った束さんが向かった先はというと

 

 

「普通、見失う訳ないよね!? というかあれは絶対わざとだよ!! ごくごく、……ぷっはぁ~。おっちゃんもそう思うよね!!」

 

 

「……いや、おっちゃんにそう言われてもね」

 

 

消沈気味にとぼとぼと彷徨っている途中で見かけた屋台で、店のおっちゃんに絡みながら絶賛ヤケ酒中だった

 

 

「私は今、世界を騒がせている、あのISの生みの親。 篠ノ乃束なんだぞ……。 それを皆して気がつかないなんて……。 ううう、ごくごくごく!!! おっちゃんもう一杯!!」

 

 

「お客さん、もうその辺にしときなって。 もう一杯って言って一升瓶何本空けたと思ってるの?」

 

 

「これが飲まずにいられるかっての。 それにお金だって持ってるから大丈夫なの!!」

 

 

「お金じゃなくてお客さんの体の事気遣って言ってるんだよ。 それにさっきから携帯鳴ってたみたいだけど出なくて良かったの?」

 

 

「今日はとことん飲むって決めたからいいの!! おっちゃん、もう一杯!! それとがんもとちくわ頂戴!!」

 

 

その後、結局屋台にあるお酒全て飲み干してしまい、店仕舞いすることになった

 

 

「本当にタクシー呼ばなくて大丈夫? ちゃんと歩いて帰れるのかい?」

 

 

「だいじょ~ぶ、だいじょ~ぶ。 ご馳走様~~」

 

 

よろよろとふらつきながら屋台を後にする束さんを見送る店主

 

 

「とんでもないお客だったな。話を聞くになんか凄い人だったみたいだったけど……。 誰だったっけ? ……まあ、いいか」

 

 

ウサ耳に存在感を食われてしまった哀しき科学者、それが篠ノ乃束という人間である

 

 

屋台を出て居酒屋を二軒ほどハシゴした後、とある公園の前で足を止めた

 

 

その公園の名は溝ノ口南公園

 

 

「ちょっと飲みすぎたかな~? ちょっと休んでいこうかな~」

 

 

そう言ってベンチで少し休むつもりが寝てしまい、翌日ヴァンプ将軍が見つけ保護し今に至るらしい

 

 

今までの経緯を説明するとヴァンプ将軍以外の全員が引き気味になっていた

 

 

「あ、もしかして引いちゃった? 確かに私、大酒飲みだけど普通だよ~w 私なんかよりもっと凄い人いるんだからw」

 

 

などと愉快に喋る束さんだが引いたのはそこではなく、それだけ行動を起してちっとも気が付かれないその存在感の無さに引いていたことにこの天災科学者は気は付いていなかった

 

 

まさにそんな時だった。 束さんのポケットから携帯が落っこちたのは

 

 

「あれ? 束さん? なんか携帯光ってますけど?」

 

 

「あ、ホントだ」

 

 

そう言って携帯を拾い、携帯の液晶画面みた瞬間、さっきまでの笑顔は消し去り恐怖が色濃く表れた

 

 

液晶に表示させていた文字は……

 

 

 

 

着信 くーちゃん    18件

 

 

ざわざわ……

       ざわざわ……




完結出来てないお話がちらほらあるなと思い、このお話を書きました。本当なら5月の連休中には出したかったのですがスランプで中々思うように進みませんでした;w; このお話以外にも完結出来てない話の続きを書いていこうと思います。なにとぞモチベーシャン向上の為、感想よければ評価のほうよろしくお願いします

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