オータムさん。   作:秀吉組

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今回は挑戦してみました。二箇所に似合いそうなBGMを書いておきましたのでその曲を聴きながら読んでみると雰囲気が出るかも?しれません・w・;♪1 異国の調べ ♪2休ミ時間デスカ?(あずまんが)


スコールさんと駄菓子屋と隣のあの子

仕事納めで休みになり、旦那の実家に来ているオータムさんが親戚の子達に翻弄されている中、同じ亡国機業のスコールさんは一体何をしていたか? 今回はそんなお話

 

 

12月29日

 

 

仕事納めで休みが始まったその日。スコールさんは正月用の飾り着けなどを買いに出ていた。 そしてそんなスコールさんの隣には小さな女の子の姿があった

 

 

「なんとかギリギリだったけど買えてよかったわね~」

 

 

「そうだね。大きいお餅とか買えてよかったね、『お母さん』」

 

 

隣に居た女の子はスコールさんの愛娘、名前はセレーノちゃん。 姿はスコールさんをそのまま小さくした感じだが大人しい性格の持ち主である

 

 

そんな母娘が買い物を済ませ、住宅街を歩いていると一軒のお店の前で足を止めた

 

 

「ねえ?セレーノ。 中はいってみよっか?」

 

 

「(こくこく)」

 

 

目をキラキラさせながら頷く愛娘に思わず笑顔になるスコールさん

 

 

二人が訪れたのは店の名は門屋商店    ♪1

 

 

そこは昔懐かしいお菓子や玩具やレトロゲームなどといった子供達にとっては楽園の日本の古き良き場所、駄菓子屋さんである

 

 

二人には店の中にあるもの全てが初めて見るものばかりで新鮮でわくわくした

 

 

「おや?外人さんの親子かい?」

 

 

そう言って店の奥から出てきたのはこの店の主のおばあちゃんだった

 

 

「駄菓子屋に来るのは初めてかい?」

 

 

「ええ。海外にこんなお店はなかなか見たことないので」

 

 

あら~日本語上手ね~とおばあちゃんと話していると、くいくいと服の袖を引っ張る感触が……

 

 

視線をそちらに向けると愛娘がとある赤い色の古いゲーム機を指差していた

 

 

「お母さん、これな~に?」

 

 

「おや? お譲ちゃん、これに興味あるの?」

 

 

「!?………、うん」

 

 

いきなり話かけられた事にびっくりしたのかササッと私の後ろに隠れるがゆっくりと顔を出すとこくりと頷いた

 

 

「これは10円を使って遊ぶゲームだよ」

 

 

10円ゲーム 『キャッチボール』    ♪2

 

 

10円玉を途中にいくつかあるアウト穴に落とさないようにレバーで弾いて、盤面左下のホームインを目指すゲーム

 

 

「こうやって10円を入れて、パチンコのように弾く」

 

 

おばあちゃんがそう言ってやってみせる。 やりなれているのかスイスイと進んで見事にホームイン。 ガチャと音がしたと思ったら白い券が出てきた

 

 

「で、こんな風に券が出たら書かれた金額のお菓子と交換出来るから。 お譲ちゃんは初めてだからこっちね」

 

 

おばあちゃんに案内されたのは黄色のまったく同じ『キャッチボール』だった

 

 

「はい、十円入れといたからやってみなさい」

 

 

「うん!!」

 

 

さっそくセレーノがやってみたが初めてなのでどの強さで弾けばいいのか分からなかった為、勢いが足りず十円玉がハズレ穴に吸い込まれるように向かっていく

 

 

「ああ!?」

 

 

穴に落ちると思ったが、この『キャッチボール』はおばあちゃんの優しさに溢れていた

 

 

「あれ? 落ちない?」

 

 

なんとハズレ穴に落ちないようにプレートが張られており、一番下の段のハズレ穴だけ注意する仕様になっていた

 

 

なんとか10円玉を一番下の段まで持って行き、いよいよホームインを目指すがその手前にハズレ穴があり難しくなっていた

 

 

「ここは一番強くやってみなさい」

 

 

おばあちゃんに言われて、一番強く弾いてやってみるとホームインの穴に見事入った

 

 

「やった! あれ? 赤い券が出たよ?」

 

 

「それは50円の金券だよ。やったね」

 

 

そんな風に盛り上がっていると数人の子供達が入店した。 その中の一人がセレーノの姿を見つけると近づいてきた

 

 

「あれ? セレーノちゃん?」

 

 

「……里奈ちゃん?」

 

 

どうやら娘の知り合いのようだ。 色々話をしているうちに友達同士で遊ぶようだ

 

 

「お母さん、里奈ちゃんとお店回ってきていい?」

 

 

「うん、いいよ。 あ、500円渡しておくから友達と仲良くね?」

 

 

「うん♪」

 

 

嬉しそうに友達の元に向かうあの子を見てホッとしていた

 

 

セレーノは私と違って大人しい子だから友達作れるか心配だったけど、あの様子だと心配なさそうね

 

 

子供達と離れ、自分も何か買おうかと店内を歩いて回ってみると

 

 

「あ、これお酒のおつまみに良さそう。 いくつか買って行こうかな」

 

 

スコールさんが見つけたのは駄菓子屋ではお馴染みの『カットよっちゃん』

 

 

元祖酢漬け珍味。イカやタラのすり身を使用し、甘酢で味付けされたお酒のお供にもなる駄菓子屋界のレジェンド

 

 

そしてもうひとつ手に取ったのが『紋次郎イカ』ポット入り

 

 

甘辛いタレが美味しい串付きのイカ。中に100本入っているまさに大人買いをするためにある駄菓子

 

 

それらをカゴに入れ、辺りを探索していると、とある10円ゲームを見つける

 

 

「お、なんだか面白そうね。 私もやってみようかしら」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

セレーノside

 

 

「うーん、やっぱり難しいね。 里奈ちゃん」

 

 

「そうだね~、最後のゲート入れるのきついよ。 バネも一つ一つ強さちがうしね」

 

 

スコールさんから別れ、二人がとある10円ゲームに苦戦させられていた。その10円ゲームは『カーレース』

 

 

さきほどやっていた『キャッチボール』とは違って、おばあちゃんの優しさ0、コースも違えばバネの強さも一つ一つ違うと難易度アップの10円ゲーム

 

 

もうこれで100円ほど飲まれてしまっている。 もう諦めてほかのに行こうとした時、また新たな客が来店した

 

 

「お、結構10円ゲームあるな~、まずどれいこか?」

 

 

カメラマンを一人連れた、緑色の作業服を着た男性がやってきた

 

 

「『カーレース』あるやん。おじさん、このゲームやってもいい?」

 

 

「いいけど、このゲーム難しいよ? ねえ? セレーノちゃん」

 

 

「うんうん」

 

 

「大丈夫。おじさん、このゲームとは付き合い長いから」

 

 

そう言っておじさんが10円玉を入れてゲームをスタートすると、おばあちゃんと同じく慣れた手つきで10円を進ませた

 

 

「で、最後の所はちょっと強めにして打つっと」

 

 

打たれた10円玉は吸い込まれるようにゲートの中に入っていった

 

 

「す、すご~い!? あ! 赤だ!!」

 

 

「課長、このゲーム常連ですから♪」

 

 

シャッキーンっと効果音が出そうな、グッbっと親指を立てるかちょうさん

 

 

小さい駄菓子屋の中がますます盛り上がるのでした

 

 

 

 

 




そして実はスコールさん、一児のお母さんでしたという設定にしてみたんですがどうでしょう?緑の作業服の人知ってる人いるかな?一応有名人なんだけど・w・;ヒント レトロゲームマスター 感想お待ちしてます

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