「う~ん、これは一体なんなのかな? なんなのかな?」
「………」
旦那がまるでどこぞの物を作る番組のお兄さん(?)のような喋り笑顔で私に問い掛けてくる
ちなみに私は今絶賛正座中
「僕には穴だらけのスーツにしか見えないんだけど、どう思う?」
「……その通りです」
「……、で? 今回の言い訳は?」
「えーと、これは、いわゆるコラテラルダメージという奴で」
「そう何度も「やむをえない犠牲」を出されるとうちの家計がバーニングファイヤーになるのですが?」
「……ごめんなさい」
私は今、ISについてひとつ頭を悩ませている問題があった
それは何故かスーツを着ているときだけISを起動させると何故かスーツが破けてしまうのだ
そのせいで職場で私だけがジャージで仕事をしなくてはいけないという恥ずかしい場面が何度かあり
かといって仕事上スーツを着ない訳にはいかない
このことについてスコールに調査を依頼したのだけれど結局原因は分からずじまい
「しかし、スーツの時だけ破けるって。 オータム、貴方のISはネットでよく言う紳士というやつなのかしら?」
「私の相棒は変態と言う名の紳士なの!? 嫌だよ!! そんな相棒!!」
そんな変態はとあるくまだけで十分だ
そういう事情もあってスーツを着ているときはISを起動させないように心がけてはいるのだがまたやらかしてしまい
そして今に至る
「はあ……、まあ明日お互い休みな訳だから明日はスーツを買いにでも行こうか。二人で」
「!? う、うん。 分かった」
「? どったの?」
「な、なんでもないから!!」
そんなこんなで翌日
旦那Side
旦那は出かける準備を済ませると先にマンションを出て嫁さんがくるのを待っていた
それから20分くらいしてから慌てた様子でオータムさんが出てきた
「ごめん!! 待った?」
「いやそんなことないけど? なんか時間掛かってたけど」
そう言って自分の嫁を改めてよく見ると普段外出する格好に比べると気合の入れ方が違うことに気が付く
ジロジロ見ているとオータムさんは見られていることに気が付くと
「ほ、ほら! 早く行こうよ! 時間勿体無いし」
少し顔を赤くしながら歩き出したので急いで後を追うことにした
とりあえず最初は昨日言っていた通りスーツを買いに行くことにした
店に入るとすでに常連になってしまっているのでスーツのサイズなどは店員さんが覚えていてくれているのですぐに用意してくれた
「今度こそ破かないように。 お願いしますよ?」
「……はい。 善処します」
今回ももしもの場合に備えて二着買っておくことにした
今日一番の目的を果たした後は特になにも計画していなかったのでウィンドウショッピングでもしながらぶらぶらすることにした
服を見たり、どうでもいいようなおもちゃで二人して笑ったり、途中で立ち寄ったコンビニで亡国機業の商品見つけたり、ゲームセンターにあったエアホッケーの対戦で熱くなったりして時間を過ごした
外に出るといつの間にか空は星空に変わっていた
「いや~、久々に遊んだな~」
「そうだね~」
今日の事を思い出していくうちにあることに気が付いた
「あのさ、今頃になって気が付いたんだけどさ?」
「ん? 何?」
「今日のコレって、デートみたいだよね。 今更だけどさ」
「ホントに今更だよ」
「オータムはいつからそう思った?」
そう尋ねると嫁さんは僕の手を繋ぎ視線を背けると
「二人で行く事に決まった昨日の段階からに決まってるじゃん。……バーカ」
小さい声でそう言った
繋いだ手から感じる暖かさを感じながら家路についたのだった
壁~、殴るのに好評な壁はいかがッスか~・w・