「物資が足りなくなってきた? 分かりました、急いでそちらに手配するようにしておきます」
「………………」
「はい、お電話ありがとうございます。 亡国機業です。 ああ、これはこれは。 いつもお世話になっております……」
「すみません、ここの入金額が間違っていまして。 はい…はい、その日の入金で……」
一之瀬さんに案内されいざ来てみるとそこはまさに戦場だった
電話応対している人、ひたすら無言で書類作成をする人、物資の手配に奔走する人、入金チェックをする人など慌しく働いていた
「世界中に支部がある組織ですからね。 事務職になるとやっぱりここまで忙しくなっちゃうんで人手が足りなくなるんですよね」
隣にいた一之瀬さんがそう説明してくれているのをよそに私はある一点に目が奪われていた。 そう、それはここで働いている人達の殆どの左手の薬指のある一部がキラッ、キラッと光っているのである!
「あ、あの~もしかして、ここに居る人達全員結婚されているんですか?」
「まあ確かにご結婚される予定の方もいますけど、中には結婚されても退職されない方もいたり、あと復帰されてる方もいますよ」
「復帰される方とかいるんですか?」
「ええ。 やりがいがあるからまた働かせて欲しいって。 ホントありがたいことですよ~。ウチは復帰できるように福利厚生しっかりしてるところですから」
へ~そうなんだ。……しかし。 この光景、織斑先生が見たら間違いなく憤死しちゃうよね……
「それじゃあ、次に向かいましょうか?」
そう言って一之瀬さんが出ていくので慌てて後をついて行った
「あれ? 仕事決まったら事務で働くんじゃないんですか?」
「ああ、最終的には事務職についてもらいますが最初は色々な仕事を経験してもらいますので」
色々な仕事?と考えていると次に案内されたのは工場のような場所だった
「ここは?」
「ここはISのメンテナンス課のところなんですが……」
あはは、と一之瀬さんが苦笑いしながら周りを見ていた。 無理も無い、そこにあったのはISではなく殆どが農業に使う農機ばかりだったからだ
「なんでこんなに農機があるんですか?」
「いや~、メンテナンス課を立ち上げたのはいいんですけど、ほらISの数限られてるし、そのほとんどは国が管理してるじゃないですか? だから修理の依頼がない訳ですよ。 うちのIS修理するといってもそんなに頻繁に壊れるわけじゃないですし、要するに暇なんです」
慣れた手つきで備えられているコップに近くにあったポットからコーヒーを注ぎ渡してくれた
「それで暇しているならと新規事業開発課で農家の方々から農機の修理の依頼がきてやってもらっているというのが今の状況なんですが……」
一之瀬さんがチラッと奥のほうを目を向けると
「だぁぁぁ!!!! いい加減IS弄らせろ!!!!! 」
「また愚痴ッスか? 姐さん」
「と、まあメンテナンス課からあのようなクレームがきてまして……」
こっそりさっきの大声が聞こえたほうを見てみるとそこには一人の女性が隣にいる小さい女の子を宥めていた
「あー勘違いしてしまうかも知れませんが隣の小さい人がここの班長です。ああ見えて私達より年上ですから、間違っても子ども扱いしちゃNGなので。後で泣かれて拗ねちゃいますから」
あ、あはは……。 でも事前のそう言ってもらえないと間違いなく小学生にしか見えなかった……
「うん? そこ、誰かいるのか?」
班長さんがこちらに気づいたようで声を掛けてきた
「あ、お邪魔してます。 アヤカ姐さん」
「なんだ、桐奈か。 どうした? サボりか? うん? 隣のやつ見ない顔だな?」
「ほら、前に話したじゃないですか? 見学に人が来るって」
ああ、あの話かと班長さんがそう言うと私のほうを見ると何故かがっかりした様子になっていた
「気にしなくてもいいッスよ。 今度来る新人、自分より小さいのが来るかもって勝手に期待してただけッスから」
「本人いる前でバラすなーーー!!!!」
「え、えーと、あ、そうだ! シャルロットさんには紹介がまだでしたね。 こちらの「大人」の女性が班長のアヤカ姐さんで、むこうが副班長のクルドさんです」
「…………」 ムスーーー
「ちぃーす」
どうやら亡国機業には色んな人達が働いているみたいです……
ロリキャラ登場でしたがどうでしょうか? 感想お待ちしてます