オータムさん。   作:秀吉組

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ありえたかもしれないもう一つの学園祭 その6-2

「もしよかったら……、ウチに来ます?」

 

 

「……え? え~と、それはどういうことですか?」

 

 

「ウチの所の事務が人手不足なんですよ。 もしシャルロットさんが良かったらウチに就職して貰いたいなと」

 

 

ウチの事務、退職率多いんだよね~。 まあ、理由が理由だしね……

 

 

「あ、あの、 僕みたいなのが入社してもいいんですか? その、悪の秘密結社なんですよね?」

 

 

「そうですよ。 ……まあ言いたいことは分かるんですけどね。 でもウチの会社来るもの拒まずな所が大きいところですから」

 

 

まあそのおかげでここまで大きな会社に成れたって聞くし。 良かった、のかな?

 

 

「……大変有難い申し出ありがとうございます。 でも、すみません。 それは無理だと思います。 ただでさえ会社の命令に逆らっているのに、その上そんな事になればデュノア社が黙っていないと思いますし……」

 

 

申し訳なさそうにシャルロットさんはそう言った。 ウチに迷惑が掛かると思ったのだろう。 だけど……

 

 

「大丈夫ですよ、シャルロットさん。 ウチは喧嘩好きな会社ですから」

 

 

「え? え~と、こういう時は普通、冒険好きな会社とか言うんじゃないですか?」

 

 

「まあ、普通はそうなんですけどね。 でも、社員のためなら喧嘩を買うことができる会社ですよ? 例えISシェア世界第三位の会社が相手でも、ね」

 

 

多少(?)ブラック気味な会社だけど良い所も少しはある会社だ。 ……喧嘩を買うのが良いことなのかは微妙な所だが

 

 

「…………」

 

 

それでも悩むところがあるようでシャルロットさんは黙り込んでいた

 

 

「あ! そうだ! もしよかったらウチの支部に見学に来ませんか?」

 

 

「……へ? 見学ですか?」

 

 

「ええ。 やっぱり一度ウチがどういう組織なのか知ってもらったほうがいいと思いまして。ウチに来るかどうかはそれが終わってからでも判断してもらえればいいので。 お渡しした名刺と私の名をロビーで言ってもらえたら見学出来る様にしておきますから、来られる日にちが決まりましたら名刺に書いてある番号に電話掛けて貰えればいいので」

 

 

「…そうですね。 それじゃあ一度見学に行って見ますね」

 

 

「それじゃ、仕事の話はここまでにして……」

 

 

そういうと私は大忙しで働いている彼に視線を向けた

 

 

「あの~? 一夏がどうかしましたか?」

 

 

「……シャルロットさん。 彼に片思いとかしちゃってます?」 にやにや

 

 

「え!? えええ!?!?」

 

 

顔を真っ赤にさせる反応をみるとそのようだ。 というかバレバレだったけど

 

 

「ふふ、やっぱり。 彼の事、ずっと目で追ってましたから」

 

 

「えええ!? ……あの、そんなに僕、一夏の事見てました?(ボソボソ)」

 

 

驚いた声に周りがこっちを見ていたのでボソボソとシャルロットさんが尋ねた

 

 

「ええ、ばっちりと」

 

 

「ううう、恥ずかしいな~(照)」

 

 

やっぱり可愛いな~。 私にもこんな頃があったのかな~と思っていると、ふと彼女の想い人について気になることがあったので聞いてみることにした

 

 

「ちょっと気になることがあるんですけど。 ……彼、もしかして凄く家事とか得意だったりしません?」

 

 

「ええ。 でもどうして分かったんですか?」

 

 

「なんだか彼、ウチの旦那に雰囲気が似てるんですよね。 ……女心に関して鈍感だったりするでしょ?」

 

 

「ええ!? そんな所まで似てるんですか!?」

 

 

私達は恋愛での苦労話に花を咲かせていた

 

 

「一夏の為に美味しいから揚げを作ったのに一夏ったら普通に美味いって言うんですよ!? 酷いと思いませんか!?」

 

 

「無駄に女子力高い人を好きになると苦労しますよね~」

 

 

話を聞いてみるとどうやらかなりのモノのようで、彼女と同じく彼のことが好きな子達が遠まわしに「貴方しか見えない」とか「貴方の事を考えるとドキドキが止まらない」と普通に考えれば自分に好意を抱いてくれていると勘付く所なのだが……

 

 

「そうなのか!? それ何かの病気とかじゃないのか!? 病院で診て貰ったらどうだ?」

 

 

との事らしい。 ……酷い、酷すぎる。 旦那も鈍感な所があったけどここまでとは……。 これはかなりの重症らしい

 

 

「……まあ、大変苦労されてると思いますが。 でも」

 

 

「でも?」

 

 

私はコーヒーを一口飲むとこう続けた

 

 

「それでも、好きな男性と一緒になれるのは幸せですよ♪」

 

 

「ひにゃぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

 

私がそういうと、何故か彼女は私のほうを両手かざし視線を背けていた

 

 

「あ、あれ? どうかしましたか?」

 

 

「今のオータムさんの笑顔は私にとっては眩しすぎるんですぅぅぅ」

 

 

そう言われて周りを見ていると、周りにいた女の子達も同じ格好をしていた。 何故??

 

 

 

 

 

 




次回はこのまま本編進めるか、またはシャルが亡国機業日本支部を見学という名の潜入を行います

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