オータムさん。   作:秀吉組

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久々の更新です。今回のお話はとあるキャラにとって分岐に当たるお話です。詳しくは後書きにて


ありえたかもしれないもう一つの学園祭 その6-1

「箒! 接客中すまないが向こうのヘルプに向かってくれないか」

 

 

「わかった、ラウラ。 すみません、そういうことなので行って来ても宜しいでしょうか?」

 

 

「こっちの事は気にしないでいいですから」

 

 

すみませんと頭を下げてあの銀髪の子に言われた所にヘルプに向かう妹さんを見送た

 

 

さて、これからどうしようかなと考えながら周りを見ていると一夏君を見つめる一人のメイドさんを見つけた

 

 

あの子は確か、デュノア社の……。と思っているとこっちの視線に気が付いたのか、少し頬を赤くしながらこちらにやってきた

 

 

「あ、あのお客様なにかご注文でしょうか?」

 

 

「あ、いえ。 可愛い子がいるなと思いまして」

 

 

「え? ぼ、僕ですか!? 可愛いって……」

 

 

女の子はあうあうと顔を真っ赤にさせた。 ほんと可愛いなこの子

 

 

「もし宜しければお名前教えてもらえませんか?」

 

 

「僕ですか? ……僕はシャルロットです」

 

 

「おや? こちらの記憶違いでなければ貴方の名は確かシャルル・デュノアでは? ……白式のデータを手に入れるためにここに居るのでしょ?」

 

 

こちらがこう言うとさっきまでのてれ顔が一変し、警戒するような険しい目でこちらを見ていた

 

 

「……貴方は何者なんですか? 父の会社の関係者ですか?」

 

 

「いいえ、違いますよ。 私は……」

 

 

落ち着いた様子でコーヒーに口をつけるオータムさん。 しかし内心はというと?

 

 

なんか久々に悪役ぽい空気キターー!! お、落ち着け私!! ここは見事にクールに決めるのよ!!

 

 

などと実はかなり緊張ぎみなのだがそれを表に出さないのは普段の練習の賜物か。 さあ上手くいくのか

 

 

「……私は、亡国、き、ご、ごほ!? ごほ!? ごほ!?」

 

 

だめでした。 絶対にクールに決めると意気込むあまり咳き込んでしまった!! しかもかなり強い奴。 ああ!? さっきまで険しい目で見ていた子がそれはもう気の毒な目でこっち見てる!? そんな目でこっちみないでぇぇぇ!!

 

 

 

五分後

 

 

 

「大丈夫ですか? 落ち着きましたか?」

 

 

「……うん、もう大丈夫。 ごめんね、迷惑掛けちゃって」

 

 

あの後、私が落ち着くまで背中をさすってくれた。 いい子だなこの子

 

 

「それで貴方は一体何者なんですか?」

 

 

「あ、申し遅れました。 私こういうものです」

 

 

私は名刺を手渡した。 名刺にはこう書かれていた

 

 

悪の秘密結社 兼 総合商社  

 

 

亡国機業 実行部隊 兼 営業部  オータム   と書かれていた

 

 

「え、え~と、なんかすごい所にお勤めになってるんですね」

 

 

「まあこのご時勢ですから。色々やっていかないと生き残れませんからね」

 

 

「その亡国機業さんがなんで僕の事知ってるんですか?」

 

 

「うちには諜報部がありまして。 そこでデュノア社の情報を掴みまして。 そこに貴方の事も載ってありましたから」

 

 

「そうですか。 それでどうするんですか? 世間にこのことを公表しますか?」

 

 

「そんなことしませんよ! そんな事したらシャルロットさんが酷いことになるじゃないですか! ウチは確かに悪の秘密結社ですが人情にも厚い会社ですから」

 

 

こんなご時勢だからこそ人情は大事にしないと。 前にヴァンプさんも言ってたし

 

 

「あはは♪ なんだか不思議な悪の秘密結社さんですね。 それでどうして学園祭なんかに来てるんですか?」

 

 

「ああ、それはですね。 かくかくしかしかで…」

 

 

学園祭に来た経緯を説明した

 

 

「へ~スイーツの宣伝のために態々ここまで来るなんて大変ですね」

 

 

「上が無茶するもんだからいっつも下が苦労させられるんですよ~」

 

 

上にももうちょっと計画的にプランを立てて貰いたい物だ。 そうすれば下も私達も少しは楽になるのにっていかんいかん。 こんな所で愚痴言ってる場合じゃなかった

 

 

「それで宣伝のために各代表候補生の食べてるところの画像を集めてるんですけど」

 

 

「すみません、僕のはちょっと。 会社の意向に逆らってここに居るものですから……」

 

 

「それにしては普通に学園生活をしてるみたいですけど?」

 

 

「ああ、それはですね。 これのおかげなんです」

 

 

そう言って見せたこの学園の生徒手帳。 そこに書かれている特記事項第二十一で本人の同意がない場合、外的介入は原則として許されないらしく三年間はここに居られるらしい

 

 

「なるほど。三年間でなんとか方法見つかりそうですか?」

 

 

「それは……。なんとも言えませんね」

 

 

いくら三年間の猶予があるとは言え、なければ最悪な未来が待っているかもしれない。 そんな不安な様子を表情で読み取ることができた

 

 

「あの、もしよかったらなんですけど」

 

 

「? はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしよかったら……、ウチに来ます?」

 

 

 

 

 

 




さあ、シャルに悪堕ち(亡国機業就職)ルートが立ちました。さてさて、どうしましょうか?w ご意見、感想、お待ちしてます

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