オータムさん。   作:秀吉組

14 / 36
ありえたかもしれないもう一つの学園祭 当日 4

「お待たせしましたお客様。ご注文はお決まりでしょうか?」

 

 

執事の彼がニコッと笑顔で私の席にやってきたのだった

 

 

ああ、なるほど。 これは確かにドキドキさせる笑顔だわ。周りの女の子が惹かれちゃう訳だ

 

 

『でもオータムは旦那一筋だものね~♪』

 

 

こら、そこ。 勝手に人の心を読むな

 

 

「そうですね~、……ならこの「執事にご奉仕セッ」

 

 

「お、お客様!! こ、このケーキセットなどはいかがでしょうか?」

 

 

どうやらよっぽど嫌になってきたのか他のメニューを進めてきたな。 まあ、あんなこと慣れてないみたい様子だったしなこの子

 

 

「……どうやらこの「執事にご奉仕セット」で大変苦労されてるみたいですね」

 

 

「あ、……はい。 察してもらえると助かります」

 

 

「こちらのお願いを聞いていただけるならこっちのコーヒーセットにしましょう」

 

 

「お願い、ですか?」

 

 

ああ、私はこういう者ですと名刺を出そうとすると彼の表情がちょっと疲れたようなモノになった

 

 

「あの、ISの兵器の事なら間に合ってるのでそういったのはちょっと……」

 

 

「いえいえ違います! ここ、ここ見てください」

 

 

「へ? え? スイーツ? ISの兵器関係者じゃなかったんですか?」

 

 

どうやら私をISの兵器を売り込みにきた関係者か何かだと思っていたらしい。話を聞くと私が来るまでに何人もそういったのが来て飽き飽きしていたそうだ

 

 

「すみません。 俺てっきりそういった人なのかと思ってしまって」

 

 

「仕方ないですよ。 では改めまして、エンジェルスイーツ社の巻紙礼子です」

 

 

「初めまして巻紙さん。 それでお願いって?」

 

 

それはですねっと持ってきた保冷バックを取り出した。さすが機業特製の保冷バック、入れてから時間が経っているのにちゃんと保冷が保たれていた

 

 

「我が社が作ったスイーツのアンケートと感想を頂きたいんです。 あとよければネットやTwitterに織斑さんの食べてるところの画像を載せたいのですが」

 

 

「そんなことでいいのなら。 でも俺なんかのでいいんですか?」

 

 

「勿論ですよ。 では何品か出しますので難しく考えなくていいので思った通りの感想を言って貰って構いませんよ」

 

 

その後こちらが出した何品かのスイーツを食べて感想を貰うと同時に画像も取り始めたがやはり初めての経験なのか緊張か恥ずかしいせいか何度か撮りなおしをしていると

 

 

「……そこ、うちの生徒を捕まえて一体何をしている?」

 

 

後ろから怒の入った声を聞くと同時にアラクネからDANGER!! DANGER!! DANGER!! と警告が現れた

 

 

慌てて後ろを振り返るとそこには織斑千冬という名の鬼がいました

 

 

ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!

 

 

なんかこっちを凄い眼光で睨んでる!! もうなんかコレだけで人を殺せそうなくらいな。 というか睨んだだけでISに警告を出させるこの人は本当に人間なのだろうか

 

 

「あ、あの、わ、わたしは、その」 ガタガタガタ

 

 

あの眼光に完全に怖気ついてしまっていると

 

 

『オータム!! 今すぐアラクネのアイテムスロット7番を装備しなさい!!』

 

 

スコールに通信でそう言われて慌てて7番のアイテムを装備した。 確か織斑千冬の撃退アイテムがあるとか聞いてたけど

 

 

いざ装備してみたが目の前に何か現れた訳でもなく、ISを装備した訳でもない。では一体何をと探している中、向こうでは

 

 

「ち、千冬姉、お、落ち着いて」

 

 

「馬鹿者。 学校では織斑先、なっ!?」

 

 

弟に落ち着くように諭されていた鬼がこっちを見て今度は驚いていた。 よく見ると私ではなく私の何処か一部分を見ているみたいだけど

 

 

そんなことを考えていると

 

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」といきなり織斑千冬が目を押さえのたうち回っていた

 

 

「千冬姉!?」 「「千冬さん!?」」 「「織斑先生!?」」 「教官!?」

 

 

織斑君と数人の女の子が慌てて駆け寄った

 

 

え? ええ!? い、いきなり何? 私何かした?

 

 

「巻紙さん! 貴方、千冬姉にな、に……を……」

 

 

織斑君も私の何処か一部分を見て何か気が付き、周りにいた女の子達もそれを見るとああ~となんか納得した様子でこちらを見ていた

 

 

「あの巻紙さん。 その、左手の薬指にはめてるモノを、その隠して頂けると助かるんですが……。 どうもうちの姉には刺激が、その、強いみたいで」

 

 

薬指? 視線をそこに向けると女の幸せ、または勝ち組の象徴。つまり結婚指輪がそこにあった

 

 

でもおかしいな? 失くしたらいけないと思ってカバンの中に入れて支部において置いたはずだけど?

 

 

『大丈夫。 それは似せて作ったレプリカだから。どうよ?すごいでしょ?』

 

 

これが織斑千冬撃退アイテム……。 チラリと向こうを見るといまだ何か言っているブリュンヒルデ。 うん、こうかはばつぐんだ……

 

 

その後急いで駆けつけてきた副担任の山田先生に付きそられて保健室に連れて行かれた

 

 

連れて行かれる際に「私は、まだ、まだ、間に合うはずなんだ……」「はい、まだ全然間に合いますから落ち着いてください先輩」と聞こえたのだがなんか物凄く気の毒になったので報告書には書かないでおこう

 

 

……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あのさマーちゃん。 あれが真実だと私は思うんだけどさ」

 

 

「い、いいえ。 ま、まだ、私生活を見れば、まだ、まだ! 希望があります!!……あるはず。……あるといいな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

オータムさん達がアニメIS二期のOPを見たようです

 

 

OP終了

 

 

「……マドカちゃん目立ってたね」

 

 

「……そうね、目立ってたわね」

 

 

「そ、そんな事ないですよ!? 先輩達だって出てたじゃないですか!?」

 

 

「ええ、出てたわね。 ……ワンシーンだけ」

 

 

「……その中でもマドカちゃんが大きく書かれてるし。私は一番小さく書かれてるし」

 

 

「ええっ!? え、えーと、それは、その~」

 

 

「いいわよね~?」

 

 

「ね~?」

 

 

「もう勘弁して下さいよぉぉぉ(泣」

 

 

 




え、えーと……。 千冬ファンの皆様ごめんなさい。こんな形になりました。後、今回からおまけシリーズを出来るだけ入れていこうかと思います。感想、評価お待ちしてます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。