オータムさん。   作:秀吉組

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長く書こうと思ったのですがその分文章に纏めるのに自分では時間が掛かってしまうのでいつも通り自分のペースで書くことにしました。話の展開が遅くてすみません(´;ω;`)


ありえたかもしれないもう一つの学園祭 当日 3

ようやく教室の入り口にたどり着くことが出来た。 中がどうなっているか気になったためチラッと覗いてみると女の子達がメイドの格好をして接客しているのが分かるのと同時に一人だけ飛びぬけて目立つ存在を見つけた

 

 

それはこのクラスで只一人の男、織斑一夏。 その彼が執事服を着て接客していた。 今ちょうどチャイナ服を着ている女の子の接客中のようだ

 

 

「あのチャイナ服を着た子が中国の代表候補生の鳳 鈴音(ファン リンイン)。なかなかの腕みたいだけど、オータム、貴方には到底およばないでしょうね」

 

 

「……あのさ、褒めてくれるのは嬉しいんだけどさ。 そんなこと上に言わないでよ? ハードル上がるんだから! 知ってるでしょ? 上の無茶振りは」

 

 

そんなこと上にでも言ってしまえば複数の代表候補生相手にしてこい、うちの大々的な宣伝になるって言うに決まってる。 冗談じゃない、そんなしんどい事御免だ。まだ支部で地道に仕事してたほうがマシだ

 

 

「冗談よ冗談。 そんなこと言ったらわたしにだって飛び火するし」

 

 

飛び火しなかったらいいのかと突っ込みたかったが今は潜入中なのでこれが終わったら飲み屋でうーんと愚痴を言ってやろう

 

 

「次のお客様お待たせしました。中にどうぞ」

 

 

メイドの女の子に呼ばれ教室内に入ると一つの空席に案内された

 

 

「後から当店自慢の執事が参りますのでしばらくお待ちください」

 

 

そう言われしばらく待っていると

 

 

「あ、オーちゃん。おーい」

 

 

後ろからそう声を掛けられ振り返るとそこには上はスタイリッシュニット下はジーパンの紫のロングヘアーの女性がいた。 あれ?この人もしかして……

 

 

「もしかして篠ノ之博士ですか?」

 

 

「…オーちゃん。 そこは違うでしょ?」

 

 

「はあ…、分かりました「束さん」。 これで勘弁して下さい」

 

 

「むー。 しょうがないな」

 

 

まだ不服顔だったがなんとか了承してもらえたようだ

 

 

「もしかして束さんが潜入捜査員の一人ですか?」

 

 

「そうだよ。……で、もうひとりは」

 

 

はあ~とため息をついて自分の隣を指さすとそこにはニット帽を深く被り、メガネに服はフリルネックラインのワンピースを着た女の子が何かをううっと怒っているというか拗ねているというかちょっと複雑な表情でケーキを食べていた

 

 

「え、えーと、この子はもしかして……」

 

 

「そ、マーちゃん」

 

 

マーちゃんことマドカちゃんだった。しかしなんで怒りながらケーキ食べてるんだろう?

 

 

「クールだと思っていた兄さんが、まさかあんなプレーボーイみたいなことを!!」

 

 

何故彼女がこんなにも動揺しているかというと目の前でさっきのチャイナ服の少女にポッキーを食べさせてもらっているのである。 これはご奉仕するというかされる立場である

 

 

「しかも何人もの女の子にあんなことさせてるなんて!!」

 

 

「い、いや~、どちらかというとさせられてるように見えるんだけどな束さん的には」

 

 

「ショックです!! 大いにショックです!!」 がつがつ

 

 

「マ、マーちゃん? そんなにケーキ食べてたら太るよ?」

 

 

「別腹ですから平気です!!」

 

 

「い、いや、もう別腹の次元こえてような気がするんだけど……」

 

 

これ以上放置していると危険な感じがバリバリと感じた。主にマドカちゃんの体重とウチの出費が!! そういう訳で話題を変えることにした

 

 

「ところで二人はどうして潜入捜査員することを了承したの?」

 

 

「今回受けたのは私達それぞれに目的があってここに来ようと思っていたから。 まあそれのついでに受けたようなものだよ」

 

 

「目的?」

 

 

「私の場合は妹の様子と専用機の紅椿の調子を見にね。 人が折角ISの武装についての説明付けてあげてるのに無視して感覚に任せて使ってるんだもん」

 

 

どうやらその妹さんはあの天才と呼ばれている束さんを困らせる程の人物らしい。 …あ、そういえば

 

 

「さすがに妹さん相手ならウサ耳なくても気づいてもらえたんですね」

 

 

私がそういうとずーんと暗い感じで下を向いてしまった。 ……これはまたやらかした予感

 

 

「……てやる」ボソッ

 

 

「?」

 

 

「この世界のウサ耳というウサ耳を一つ残らず駆逐してやる……」

 

……ウサ耳の業は予想以上に深いようだ

 

 

「え、え~と、……マ、マドカちゃんはどうして受けたのかな?」

 

 

「もぐもぐ……ん。私は姉さんの真実を見るために来たんです!!」

 

 

「真実?」

 

 

「世間では姉さんのことブリュンヒルデとかあの鋭い目付きで怖い印象を持たれてますが見られてないだけで家庭的な一面があるはず、いえ、きっとあります」

 

 

まあ確かに色々なイメージや憶測が飛び回ってしまってそういう風に見てしまっていたかもな~と思ったのだけど……

 

 

「…………」

 

 

隣の人のこのちーちゃんが家庭的?何を言ってるんだ的な表情に既にそこに真実があるような気がしてならないのは気のせいなのだろうか

 

 

「家庭的な所を知ってもらえれば姉さんの見方も変わる。そうなれば私の見方も変わるじゃないですか♪」

 

 

あ、重要なのそこなのね……

 

 

と、二人の今回受けた理由を聞いていると

 

 

「お待たせしましたお客様。ご注文はお決まりでしょうか?」

 

 

執事の彼がニコッと笑顔で私の席にやってきたのだった

 

 

 

 

 




千冬姉はきっと家庭的な女性なはずなんだよ?
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