オータムさん。   作:秀吉組

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メガネは最強だと友人に言われたのでこうなった・w・


ありえたかもしれないもう一つの学園祭 当日 2

「さて、そろそろ行きますか。 あ、そうだった……」

 

 

出発しようとしたオータムだったがあることを思い出すとスーツのポケットからあるものを取り出した

 

 

「お仕事スイッチ……オン!!」

 

 

取り出しかけたのはスクエア型のメガネだった。もちろんこのメガネ、只のメガネではなく端末が内蔵されており、ターゲットの情報、位置のマーキング、通信など色々な機能が備わっている逸品である

 

 

潜入任務に必要な物なのでかける必要があるものなのだがその他に旦那に「メガネかけてる女性ってなんかカッコよく見えるよね~」などと言われてかけるようになったという理由もあったことは秘密事項である

 

 

マイクロバスから出て学園の入り口でさきほど渡されたIDカードを示し難なく入れたと思っていた矢先

 

 

「あ、あの~? 企業の方ですか?」

 

 

後ろからこう言って声を掛けられた

 

 

「機業!?」と言われたのかと思いポーカーフェイスを極力務めながら振り返る

 

 

振り返った先にいたのは緑の髪にちょっと気が弱そうなメガネをかけた女性だった

 

 

「いきなり声をかけてすみません。 私、このIS学園の1年1組の副担任の山田真耶と言います」

 

 

「あ、……ああ! す、すいません! エンジェルスイーツ社の巻紙礼子と申します」

 

 

なんだ「機業」じゃなくて「企業」だったのかとほっとしながら名刺を差し出した

 

 

「エンジェルスイーツ社、 開発、営業担当の巻紙礼子さん、ですか……」

 

 

名刺を見えるとこちらをじーーと見る山田先生。 まずい気づかれたか?と考えているといきなり両手を掴まれたかと思ったら

 

 

「お願いです! あの子達ホントはすごくいい子達なんで悪い噂を外部に流さないでください!!」

 

 

「……は?」

 

 

涙目になっている山田先生を落ち着かせ事情を聴いてみると何人かの代表候補生の子達が織斑一夏君に好意を抱いているというか一目ぼれのようらしく、彼に想いを伝えようにも本人がとんでもない鈍感君らしくそのせいでイライラしつい暴走ぎみになっているらしい

 

 

そのことでこの先生は頭を痛めていたらしく今日この日が来ることを胃が傷む思いで迎えたようだ。 今日の日にまた何か騒ぎを起すのではないかと。 そんな時に私の姿を見つけて、まあ何かの拍子で抑えていたものが爆発して今に至るようだ

 

 

「だ、大丈夫ですよ山田先生。 そんなことはしませんから安心して下さい」

 

 

「は、はい。 すみません、学園とは関係のない方にこんなこと言ってしまって……」

 

 

「先生、……心中お察しします」

 

 

「そう言って頂けると助かります」

 

 

教師って職業も色々大変なんだな

 

 

「ところで巻紙さんは今回どうして学園に?」

 

 

「我が社で今回開発されたのは若い世代の方向きのスイーツなので高校生の方を中心にアンケートを取ろうという話になりまして。 どうせなら今、世界で注目されているこのIS学園の生徒さん達に、と思いまして無理を言ってアポイントメントを取らせて貰ったと言う訳です」

 

 

「へー、スイーツの為にそこまでするなんて大変なんですね」

 

 

「…ええ、まあこの業界に限ったことではないですが同業者がいると色々とやらないと生き残れませんから」

 

 

まあそのせいで入らぬ苦労もしなきゃいけないんだけどね……キャラ設定とか……

 

 

山田先生とはここで別れ、パンフレットに書かれてある1年1組の教室に向かうことにした

 

 

教室に向かう途中スコールから通信が入った

 

 

「オータム、悪いけどちょっと人気の無いところに移動してもらえる?」

 

 

「了解」

 

 

周囲に気づかれないように使われていない教室に入った

 

 

「移動したけどどうしたの?」

 

 

「ISの量子格納からスイーツが入ってある保冷バックを取り出して貰いたかったのよ。 人前で量子格納から取り出してるの見られるとまずいでしょ?」

 

 

「あはは、確かに」

 

 

それは不味いよなと苦笑いしながら保冷バックを取り出した

 

 

「それじゃあ今からターゲットがいるクラスに向かうわ」

 

 

「了解よ。 あ、言い忘れていたんだけど今回の潜入任務で貴方のバックアップをするために二名の潜入捜査員を潜り込ませたから」

 

 

二人の潜入捜査員? 誰だろう?

 

 

「大丈夫よ。 オータムが良く知る二人だから行けばすぐ分かるわよ」

 

 

「え? あ、うん。 分かった」

 

 

まあ行けば分かるって言ってるし後の事は着いてから考えるか……

 

 

それから15分が経過……

 

 

「オータム? そろそろターゲットに接触した?」

 

 

「い、いや、それがさあ……。 まだなの」

 

 

「まだって。 貴方、今なにしてるの?」

 

 

「並んでる。 なんか凄い長蛇の列なんだけど……」

 

 

クラスに行ってみるとまるで新型のゲーム機や携帯の発売日のように長蛇の列が出来ていた

 

 

これは並ぶしかないかと最後尾に並んで15分が経過したが全然前に進まない。 一体どんな出し物をやっているのかとパンフレットを見てみると

 

 

「ご奉仕喫茶」とだけ書かれていた。 これだけみるとメイド喫茶かと想像するが並んでるのは皆、女の子ばっかりだし。 となるとこれだけ並ぶ要因はやっぱり彼か

 

 

「そういえば彼、この学園の人気者だったわね。 はあ~、これは気長に待つしかないわね」

 

 

「ところでさ。 もしこっちの事疑われて調べられるような事になったら大丈夫なの?」

 

 

なんせこの学園はあの楯無が目を光らせている所である。少しでも怪しいと思えば調べ上げに来るはず

 

 

それに対してスコールは問題ないと言った。 どうやらこのエンジェルスイーツ社は複数のカット・アウト(中継点)で構成されているので調べられても途中でぱったりと足取りが途絶えるのでこちらにたどり着くことはないらしい

 

 

まあこういう所は悪の秘密結社らしい所である

 

 

 

それからさらに20分後。 ようやく列も動きクラスの入り口が見える所までやってきた

 

 

その間、オータムは黙って待っていたのだがその様子を学園の生徒たちに見られてる訳で

 

 

「ねえねえ? あの並んでるメガネかけた女の人なんかカッコイイよね~」

 

 

「だよね~。 なんか仕事ができるキャリアウーマンみたいだよね~」

 

 

などと言われているがその本人は黙って何を考えているかというと

 

 

(あー、最近いつものとこ(居酒屋)で飲んでないな~。 前行った時はスコールと後輩達とだったけ。 次のお休みの前の晩にでも今度は旦那と飲みに行こうかな~。あ、今限定メニューの秋刀魚のお刺身をつまみに飲むのもいいな)

 

 

イメージぶち壊すような事を考えているとは夢にも思っていない学生達は各々の妄想に浸っていく

 

 

そうやっている中、列は順調に動きいよいよ入り口の前にまでやってきた




機業が作った保冷バックは長時間の保冷が可能な逸品ですwあんまり話が動かなくてすみません(汗) 次回、ようやく彼とヒロインズが出てきます。 あと潜入捜査員と対千冬用の撃退武器なのはなんなのかも明らかにw
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