雲ひとつ無い晴天。 晴れ晴れとした天気の中いよいよ始まった学園祭
多くの学生がこの日を楽しまんと活気に満ち溢れている学園の外に窓がフロートガラスの一台のマイクロバスが止まっていた
「とりあえず学園の近くまで来たけどどうやって学園に侵入するつもりなの?」
そのマイクロバスは亡国機業が手配したもので中に通信傍受や妨害電波器などの機器が内蔵されている。その中にオータムさんと数名のスタッフがいた
「堂々と正面からよ」
オータムさんの目の前には大きなスクリーンが広がっており、スクリーンにはスコールが映っていた。今回は支部から指揮を執るとのこと
「正面から? 大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫。 ほら手元に学園に入れるIDカードがあるでしょ?」
「まあ……あるにはあるけどさ」
そう言って手元にあるカードに目を向ける
エンジェルスイーツ社 スイーツ開発・販売部門 巻紙礼子
「エンジェルスイーツ社って何? というか巻紙礼子ってもうちょっといい名前なかったの?」
「えー、いい名前じゃない巻紙礼子。 公平を規す為に一文字ずつ機械でランダムで選んで出来た名前なんだから」
「ランダムで出来た名前かい!! ある意味凄いなそれ!!」
もうすぐ潜入するというのに緊張感などまるでない空気になっていたがかえってそれがオータムにとってはリラックス出来る要因になった
「そういえば朝来てみたらアラクネ預かるって言われて渡したけど何かあったの?」
朝、支部に到着するとスコールにアラクネを預からせて欲しいと言われたのである。バス乗り込む前に返してもらったが
「ああ。アラクネの装備を今日のための仕様装備に変えたのよ。 大丈夫よ、たとえあの織斑千冬に襲われても撃退できるくらいのモノよ」
え? あの世界級に婚期っ、じゃなかった世界最強のブリュンヒルデ(棒)、の織斑千冬に勝てる装備……?
「それは……え、えーと……核?」
「ゴメンナサイ。そんな危ないのは付けてないです」
まあ、とりあえず撃退できる何かが備わっているらしい
「それで優先したほうがいいターゲットは?」
「それはもちろん織斑一夏君でしょ。 彼、いまや時の人だから」
織斑一夏。 世界で初めて男性でISを使える人物
このことを知ったのは旦那とニュース番組の緊急特番を見たときだ
「へ~、いよいよISを使える男が出てきたか。 しっかしこの子も気の毒にね」
「気の毒? どうして?」
「そりゃあ初めての男のIS適応者だよ? マスコミがこれほどデカイ特ダネを放って置く訳が無い。家族構成、生い立ち、友人関係、プライベートの事まで根掘り葉掘り調べたりするかも知れない。勿論、国は身柄の安全と情報の規制にIS学園に入れるとは思うけどいれた所で周囲の目が無くなる訳じゃない。落ち着かないプライベートがない生活が始まる訳なんだから」
「なるほどね。時の人って聞こえはいいけどよく考えてみるとデメリットのほうが多いよね」
「初めての男性のIS適合者って所が大きいところだしね」
「やっぱIS使ってみたい? 同じ男として」
私がそう聞くと旦那はこう即答した
「いいや、全然。 一生ISが使えない男でいいさ、だって俺には」
そういうといきなり後ろから旦那が抱き着いてきた
「可愛い嫁さんがいるしね。 これ以上望んだら絶対バチ当たるって」
「ちょっ!? い、いきなり抱きつくな!!」
「いきなりじゃなかったらいいんだ?」ニヤニヤ
「うっ。……バカ」
などとあの時の事を思い出しているとどうやら顔に出てたらしく
「ちょっと? 旦那と仲がいいのは結構だけど仕事に専念してくれるかしら?」
スクリーンの中でスコールがじとーっとこちらを見ていた
「あう…。すみません」
ううう、やってしまった。 周りのスタッフの子達の暖かい目線がなんとも居心地がわるい……
「彼以外にも同じクラスに何人か代表候補生がいるから接触してみて」
「了解。 後は計画書通りってことで」
「ええ。 頼んだわよオータム」
スコールがそういうとスクリーンから映像が消えた
「さて、そろそろ始めますか……」
さあ、「お仕事」の時間だ
投稿が遅くなってしまって申し訳ありませんでした・w・; MGS5に嵌ってしまいまして。なんとか熱は収まってきたのでまた投稿していきますので・w・;
オータムさんと旦那ちょっといちゃいちゃしすぎかも? 感想、評価お待ちしております