「え? ……もう一回言ってくれる?」
それはその日の業務を終わらせて着替えている時だった
「だから、IS学園の潜入任務行って来てくれない?」
オータムの直接の上司にも当たるスコールからの依頼
「それってあの世界級に婚期逃してる織斑千冬がいる所だよね? えー、嫌だよ」
「そこはブリュンヒルデとして世界に名を知られているって事にしといてあげなさい。 本人そのことかなり気にしてるんだから」
圧倒的強さというのも考え物だな……。 まあそのせいで婚期逃してるわけだし
「で? なんでIS学園に潜入しなきゃいけないのよ?」
「オータム、先日行われたスイーツ博覧会の事は知ってる?」
「あ、うん。 確か日本の企業から老舗まで幅広いスイーツを扱う店から日本一を決める博覧会、だっけ?」
ついに我が亡国機業はスイーツ業界にも進出が決定した
その事を知ったマドカちゃんが「私も協力させて下さい! 色々と協力できると思います! 試食とか試食とか試食とか!」
と志願してたけど
「マドカ、アンタはただ食べたいだけでしょうが……」 失礼しましたとルームメイトの子にずるずると引っ張られながら退室していくのを今でも覚えている
「そう、その博覧会なんだけどうちが出したスイーツ結果イマイチだったみたいなのよ。それを重く見た上層部がスイーツ開発部門に早急に改良を指示したみたいで新作が出来たみたいなの」
「ほうほう、それで?」
なーんか嫌な予感が……
「新作デザートを持ってIS学園に潜入し、学園内の学生たちにアンケート及び販売してくること!! それが貴方の任務よオータム!!」
「あ、あのさ? 別にそんなことしなくても街頭とかネットで募集してアンケートに答えてもらったり販売したほうが早くない?」
私は至極当たり前の事を言ったつもりだったのだが
「ふっふっふ……、甘い!甘いわ!! オータム!!」
そう言われてビシッと指を指された。 何故だ……
「IS学園はなんの為のものだったかしら?」
「そりゃIS操縦者育成のための学園でしょ?」
「そう、そして世界各国の代表候補生達が集まる場所でもあるわけよ」
「まあ、そうだね」
「その代表候補生達にうちのスイーツが気に入られてネットのブログやTwitterなどで取り上げられて見なさい。それらの経済効果は計り知れないわ!!」
自信満々に語るスコールを横目にオータムさんはやり方がせこいな~とか気に入って貰えなければ計画ご破算なんじゃと口に出かけたがなんとか自身の中に収めた
「……とりあえずどういった服装で潜入すればいいの? いつものスーツで、ってなに持ってきてるの?」
スコールが持ってきたのはIS学園の女子生徒の制服だった
「いやね?参考にと思って一着貰ってきたんだけど……。良かったら着てみる?」 ニヤニヤ
「ええっ!? 現役離れて随分経っちゃってるし似合わないって!! 無理無理!!」
「ほらほら♪ そんなこと言わずに、ね?」
スコールに押し切られて着替える事に……。 それから数分後……
「あ、あのこれ結構恥ずかしいんですけど? ……やっぱり出ないとダメ?」
「ダメダメ♪ 着替えた姿見せてもらわないと似合うか似合わないか判断できないでしょ?」
一応試着室から抗議をしてみたがやっぱり受け入れられなかったので仕方なく出ることに
「ううう……。この制服スカート短すぎない? 恥ずかしいってコレ」
油断すると中が見えてしまうのでと思うくらいスカートが短い制服だった
「おおお!? 全然普通にいけるわよオータム♪ 潜入任務の服装はこれで行こうかしら」
「勘弁してください!!」
猛抗議の末、潜入時の服装はスーツとなった
「はあ……」
恥ずかしい思いと後に迫っている厄介な任務にため息をつきながら帰宅の徒についた
家に入ると奥から旦那が出迎えに来てくれた
「おかえり、オータム。 お疲れさん」
「うん、ただいま。 ……どうしたの?そんな真剣な顔して」
いつもと違って旦那が真剣な表情でこちらを見ているのである。 何かあったのだろうか
「オータム。 落ち着いて聞いて欲しいんだ」
「う、うん」
一体何があるのだろ……。緊張感の為か喉がカラカラに感じた
「オータムは……、もっと自信を持ってもいいと思うんだ」
「……へ?」
旦那があるものを手にしていた。 それはさっきあの恥ずかしい制服を着ていた自分が写っていたモノだった
「ス、スコールゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
ホント、制服はもうこりごりだ~(泣)
オータムさん似合うと思うんですよ、IS学園の制服w 皆さんはどう思います?
感想、評価お持ちしてますw