目が腐った黒(ブラック)トリガー   作:sewashi

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B級部隊 玉縄隊
隊長 玉縄(ガンナー)
隊員 折本(アタッカー)
   仲町(シューター)


やはり鶴見留美はズバ抜けていた。

「……折本」

「マジでなんで居んの? 新入隊員?」

「失礼な。俺はS級隊員だよ……」

「S級……って事は、黒トリガー!? 迅さん以外にも居たんだ!?」

訓練生はもちろん、正隊員にも認知されていないどころか存在すら忘れられるS級隊員。俺と天羽。

「アレ? そっちの子は……たしかに高校時代にクリスマスイベントで……」

「鶴見留美……新入隊員です……」

「そっかそっか~、あたしはB級隊員、玉縄隊アタッカーの折本かおり。改めてよろしく~」

玉縄隊? そんな隊あったのか? B級何位だよ……

「玉縄ってまさか海浜の生徒会長だったあいつか?」

「そーそー、誘われてさー」

マジか……全然知らんかった。

「んで、比企谷結局何してんの? 後輩指導?」

「ちげぇよ。ただここで休んでたら留美が来たから話してただけだ」

「へぇ、まあ黒トリガーはランク戦から外れてるから居ても対戦出来ないしね」

すると留美が俺の服の裾を小さく引っ張りつつ聞く。

「ねえ八幡。黒トリガーって何?」

そりゃあ訓練生だと知らなくても仕方ない。本来トリガーの細かい説明はB級になってから行われるものだ。

「ま、使用者の限られた超強力トリガーだとでも思ってくれればいい」

「ふーん……」

「あ、そういえば比企谷知ってる? B級なりたての玉狛支部の隊員がA級の風間さんと引き分けたって噂」

風間と引き分け? 三雲の事か? 正確には24敗1引き分けだぞ?

「んで、その隊員が今、緑川とランク戦してんだよね。どうなんだろ?」

「いや、それって三雲っていうメガネだろ? 風間との試合、正確には24敗1引き分けなんだが……」

「え? マジで?」

「マジで」

「なーんだ。噂が独り歩きしてただけなんだ……」

すると、どうやら折本の言っていた緑川と三雲の対戦が終わったようだった。結果10本勝負、10対0で緑川の圧勝。

「やっぱり所詮は24敗か~」

「折本なら、25敗してただろ?」

「ちょっ!? 失礼じゃないの! 比企谷。否定はできないけど……」

すると、ギャラリーの中で見ていた空閑が緑川に挑み出した。

「……正隊員と訓練生って対戦出来るの?」

留美が聞いてきた。

「たしか、ポイントの取り合いはできないが、完全なフリー対戦なら問題なかったハズだ……」

そう俺が言うと……

「じゃあ八幡。私と対戦してよ」

……………は?

「いや、なにいってんの? ルミルミ」

「ルミルミゆーなし。だって八幡との実力差を確かめたいし……」

「いや、折本がいった通り黒トリガーはランク戦からハブられてるから……」

すると折本が……

「え? 黒トリガーってフリー対戦もダメなんだっけ?」

正隊員なら知っとけ! もし可能なら太刀川さんと迅さんがどんだけフリー対戦でやりあって大変な事になるわ!

「A級時代のトリガーでやればいいじゃないですか~」

そこに第三者の声……

「……一色」

「あ、比企谷の高校時代の生徒会長」

「どうもです~、んで先輩。なら問題ないと思いますけど?」

「てか比企谷ってA級隊員だったの?」

「ええ、元々は雪ノ下隊のアタッカーでした」

「マジで!? めっちゃ意外! そしてめっちゃ見たい!」

おいこら!

「そんなことの許可が降りるわけ……」

「大丈夫だろ。やってやれよ」

さらに迅さんまで登場……無駄に増えるな!? 仕方ねぇ……

「わかったよ。留美、ブースに入れ」

「うん」

俺は留美とフリー対戦を通常トリガーで行うことになってしまった。




次回は八幡対留美。
八幡の黒トリガー無しでの実力を発揮します。

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