やはり俺の高校生活は気付かれないまま終わりを告げる。   作:to110

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少し短く感じるという,貴重なご意見をいただきましたので,少し長くしてみようと思います。皆様もご意見等ございましたら,よろしくお願いします。
今日も今日とて送られる長編シリーズ第7弾,では,どうぞ。


第6章 彼の道は気づかぬうちに大きくそれていた。

紙には,戸塚と材木座と葉山と由比ヶ浜と雪ノ下の名前が。

 

 

「比企谷君が困ってるって言ったら有無を言わずに書いてくれたわ。これでも,まだ逃げられると思っているの?」

 

 

はぁ......よくやるな。彼女らは行動したのだ。逃げた俺を戻すために。これで逃げれる訳もないか。

………………すまん材木座。本気で忘れてた。気軽に忘れられるあたり,やはり奴はぼっちということか。いい奴なんだなお前,知らなかった。

 

 

「学校側としても私と葉山君の名前があることで,十分な力になると思うのだけれど。どうかしら,比企谷君?」

 

 

「お前らからは逃げ切れるわけがないことがよくわかった。もう逃げるのは,やめだ。だが,まずそれを片づける。だから,それが終わってからでいいか?あの日のことは」

 

 

「ええ,勿論。まずは目の前の問題から片づけましょう」

「いいよ,ヒッキー‼︎」

 

 

二人ともすごい笑顔だ。胸が痛む。だが,今はそれを置いておく。まずは目の前の問いから解を導き出す。そのためにはーーーーーーー

 

 

「雪ノ下!由比ヶ浜!」

 

 

ためを作る。ずっと出せなかった,出さなかった言葉を。今まで俺を苦しめてきた言葉を。裏切りのない彼女らに,この言葉を言う。ーーーーーーーー

 

 

「俺を助けてくれ。お前たちを,頼らせてくれ」

 

 

すると彼女らはさらなる笑みを浮かべて,

 

 

「仕方ないわね。助けてあげる」

「しょーがないなー,ヒッキーは弱いもんね‼︎」

 

 

ーーーーーーで,このあと何をすればいいかが全く思いつかない。

 

 

「んで,何すんの?」

「それで,何をすればいいかしら?」

「次は何しよーか?」

 

 

ーーーーーえっ⁉︎お前ら決めてたんじゃないの?

 

 

「ええと,ひとまずこの紙を校長先生に突き出せだいいのかしら?」

 

 

「それ以外ないか」

 

 

「うん.....そうだね」

 

 

早速出鼻をくじかれている。どうしてこうなった。まぁ,目的は決まった。次は行動に移すとしよう。

 

 

「俺が行ったって,反感を買うだけだ。お前ら二人で行ってくれ。それで,この紙をベストのタイミングで出せ。その後は,まぁ,わかるか。会話での主導権は雪ノ下が握ってくれ。由比ヶ浜だと,流石に心配があるし,学年一位のお前がやった方が効果的だ」

 

 

「なら私一人でいいんじゃないの?」

 

 

「由比ヶ浜はバカでアホの子だが,空気の読み取りはお前より遥かにうまい。そういうことだ」

 

 

「なるほど,そういうことね」

 

 

「......ねぇ,なんで私がバカとかアホの子とか言われてるの?ゆきのんもそれで納得しちゃってるし。なんか,納得いかない‼︎」

 

 

「よし,それでは健闘を祈る」

 

 

「由比ヶ浜さん,その話はこの件が終わったら問いただせばいいわ」

 

 

「うん,そうたね。ヒッキー,覚悟しててよ‼︎」

 

えー,うそー。雪ノ下の奴,さりげなく無罪を勝ち取っていきやがった。全部俺に押し付けやがった。まぁ,あの奉仕部の日常が戻ってくると思えば楽しーーーーーーーーーー果たして,戻ってくるのだろうか。いや,戻れるのだろうか。彼女らと奉仕部で過ごしていた日常に,本当に戻れるのだろうか。ーーーーーーーーーーダメだ。今は違うことを考えないようにしよう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

コンコン

 

 

「どうぞ」

 

 

「失礼します。雪ノ下雪乃です。」

 

 

「失礼します。由比ヶ浜結衣です」

 

 

「お話があります。ます,比企谷君の退学理由を明確に教えてください」

 

 

校長先生の顔つきが少し変わった。どうして知っているのか,といった顔ね。苦い顔をして校長先生は口を開いた。

 

 

「.....言えない」

 

 

「言えないってどういうことですか」

 

 

「言えないものは言えない」

 

 

校長先生の眼が私をじっくり見たあと,ちらりと由比ヶ浜さんの方に動いてすぐに戻した。まさか....!

 

 

「由比ヶ浜さん,出直しましょう」

 

 

「え⁉︎でも,まだ紙をーーーーーー」

 

 

「失礼します」

 

 

「待ってよゆきのん‼︎」

 

 

ドアを開けて外に出る。おそらくこの一件,私が原因。いえ,やはり,というべきかしら。

 

 

「由比ヶ浜さん,先に戻って比企谷君と少し待機していてもらえるかしら?」

 

 

「えっと......あ,うん。わかったよ‼︎」

 

 

由比ヶ浜さんが去ったあと,私は踵を返し,再びあそこへ向かう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ふふっ。ゆきのんもトイレ行くんだな〜。ひとまずヒッキーのところに戻ろ〜。

 

 

「やっはろー‼︎ヒッキー‼︎」

 

 

「んで,どうだった?てか,雪ノ下は?」

 

 

「あいさつくらい返してよ.......ゆきのんは多分トイレに行ったよ。玄関の近くで先に行っててって言ってUターンしていったから。それからーーーー」

 

 

「おい!お前はバカか!」

 

 

「な,なんでそうなやってーーーーー」

 

 

校長室と玄関の間にトイレはないだろ!取り敢えず何があったか教えろ!」

 

 

「ええと,まず部屋に入ってーーーーー

ーーーーーーーってことがあったの」

 

 

「他には何かなかったか?校長の仕草とか」

 

 

「う〜ん〜。あ,そういえばゆきのんのことじ〜っと見てた気がするな〜。まぁでも,ゆきのん美人だし,頭いいし,それは仕方なーーーーー」

 

 

「何でそれで気づかないんだよ!」

 

 

ヒッキーは走っていった。......訳がわからないよ。でも,なんでだろう。ーーーーーって追いかけた方がいいよね。

 

 

「待ってよ。ヒッキー‼︎」

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

どこで間違えた?どこでこの問いを取り違えてた?今まで解は間違っても問いを間違えることがなかったから考えなかった。ーーーーーーーーーーちくしょう,そもそも相模の一件は別にいじめでもなければなにか証拠があったわけでもない。そんなことで学年国語三位を辞めさせるわけもない。もっと,違うところだったんだ。違うところでーーーーーーーーー

 

 

走っていると雪ノ下を見つけた。だが,彼女はーーーーーーーー眼を赤くして,ただ一直線に,歩いていたーーーーーーーー

 

 

「おい!雪ノ下!」




はぁ,はぁ,いつもの倍の量は疲れる。きついでもいかがでしたでしょうか?このくらいの方が読んでて楽しいでしょうか?もともと楽しくないから関係ないって?知ってますよ。あれ,視界がぼやけて....
っと話をそらさないとネタがないんですよね。エンドもある程度固まってきました。バッドエンドかハッピーエンドか。どっちてもいけそうな感じに物語は進んでいます。どうしよっかな〜。次回もお楽しみに。

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