俺、比企谷八幡は卒業式の日に部室で、由比ヶ浜と、雪ノ下の2人に告白された。
2人に、何故釣り合わない俺なんかを好きになったのかを尋ねてみたら、2人から同じ事を言われた。
「捻くれていて、キモい所が多いけれど優しい所が好きと。」
この2人の事を俺は好きだった。だが、日本では一夫多妻制は認められていない。
だから俺は2人のうちのどちらかとは付き合えない。
そして俺は、2人を振った。
俺は泣いている2人を奉仕部の部室に置いて1人で、もう二度と行くことのないベストプレイスに行った。
そこには何故かはわからないが泣いている金髪ドリルの少女がいた。
てか、三浦が泣いてる。
俺は気付かれないようにこっそりその場を離れようとする。
だが、俺は1つの過ちを侵す。
下に落ちていた木の枝を踏んでしまった。その音に三浦は気付いてしまった。
「そこにいるの誰だし」
もうここまで聞かれたら返事をするしかないな。
「俺だ。すまん。覗き見しようとしたわけじゃないんだ。」
「あーしの話聞かないと許さないし。」
「それくらいならいいぞ。なにかあったのか?」
「あーし、隼人に振られた。」
「え...?」
「だから、隼人に振られた。」
「いや、それは聞こえてるんだけどな。なんで振られたんだ?」
「好きな人がいるんだって。」
「そうか。」
「そういえば、ヒキオ結衣達に呼び出されてたけどどしたん?」
「ああ、告白された。」
「なんて返事したん?」
「2人とも好きだから、どちらかと付き合うことはできない。って返事した。
そうしたら、2人とも泣きながら崩れていった。振った側の俺には慰めることもできない。俺はどうすればいいんだ?」
「もう結衣達は関わりたくないんじゃないの?あーしも、もう隼人と関わりたくないし。むしろ、振られた奴から話しかけられたりなんてしたら腹立ってくるし。」
「そういうものなのか?」
「そんな感じっしょ。てか、途中からヒキオの悩み相談みたいになってたし。」
「そういえばそうだな。なんか聞いてもらったら気が楽になったわ。」
「あーしも、なんかヒキオと話してたら気が楽になったし。」
「さいですか。」
こんな話をしているうちに、三浦は泣くのを止めて、眩しい笑顔で笑っていた。てか、メイク崩れて顔結構酷いことになってるな。
「そういやヒキオって友達いんの?」
「そもそも、友達の定義って何だ?どこからどこまでが友達なんだ?」
2年前雪ノ下が言ってた言葉をそのまま言ってみた。
「それは友達いないって事でいいね。
あーしが友達になってやるし。」
なんか、予想外の返事が返ってきた。
え?俺と三浦が友達?
こういう時はやんわり断ってみるのが良いと俺は悟った。
そうすれば機嫌が悪くなったら、「冗談だよ。」と言えば大抵のことは大丈夫だ。
「俺と友達になってもロクなこと無いと思うぞ。」
「あーしが、友達になるって言ってんだから大人しく友達になれ。」
「はい。よろしくお願いします。三浦様。」
怖い。怖すぎて敬語になっちゃったよ。
「は?なんで敬語だし。」
「わるい。まあ、よろしくな。三浦。」
こうして俺と三浦優美子は友達になった。
俺は卒業式の日、トップカーストの獄炎の女王三浦優美子と友達になった。
そして、今日は三浦と遊びに行く予定だ。
「って、小町に言われた通り30分前に待ち合わせ場所に着いたけどどうすればいいんだよ。」
てか、待ち合わせ8時とか早すぎるでしょ。しかも、1週間分の着替え用意してこいとか、ジャージもってこいとか、三浦はどこに行く予定なんだよ。
20分後...
「ヒキオー、待ったー?」
「いや、待ってないぞ。」
小町に言われた通り答えてみた。
「ヒキオってそんな気の利いたこと言えるんだ。なんか意外。」
「さいですか。で、今日はどこに行くんだ?」
「ん?北海道。今から空港行くよ。」
「はぁ?」
「んで、チケットとかどうしたんだ?」
「あーしがお父さんに友達と遊びに行きたいって言ったらチケット取って、ホテル予約しといてくれた。」
「何円かかったんだ?俺は、養ってもらう気はあるが施しを受ける気は無いぞ。」
「別にいーし。どうしてもって言うなら今度どっか遊びに連れてって。」
「お、おう。」
高校生の頃の俺じゃ考えられないよなー。だって、あんなに怖かった三浦と、北海道まで旅行だぞ。
「やっと着いたか。」
北海道には1時ちょっと前についた。
いやー、飛行機はなんだか疲れるねー
「ヒキオずっと寝てたから超つまんなかったし。」
「すまん。すまん。今日は珍しく早起きだったからな。」
「まあ、別にいいし。おかげで今日の予定立てられたし。」
「そういや、この旅行いつまでなんだ?」
「今週1週間。明日、明後日、明々後日はスキーやるし。」
「さいですか。」
1日目
「じゃあ、荷物はコインロッカーに入れて旭山動物園いこ。」
「お、おう。今日はやけにテンション高いな。」
「久しぶりの旅行だからだし。」
「そうなのか。由比ヶ浜とか海老名さんとかと行ったりしなかったのか?」
「なんか、2人とは予定が合わなくって行けなかったし。」
「さいですか。じゃあ昼飯どうするんだ?」
「動物園のレストランに入ればいいっしょ。」
「それもそうだな。」
「それじゃあ着いたし、中入ってレストラン行くし。」
「だな。」
なんで動物園の中のレストランって値段高いの?てか、3品で1300円のもぐもぐプレート高すぎでしょ。
こんなことを気にしていては一向に食べられないので、俺と三浦はこのもぐもぐプレート3品というのを頼んだ。
「ペンギンの散歩見れなかったの残念だし。」
「だなー。まったく、11時からだけだとは思ってもなかったわ。」
こんな会話をしているうちに、もぐもぐプレートが届いた。
思ったより美味かった。
なんか、お子様メニュー的なものを想像していたら、普通のものが出てきて驚いたわ。
「じゃああんまり閉館まで時間ないしはやく見に行くし。」
「おう。」
「楽しかったー!」
「そうだな。」
「じゃあ一回空港戻って荷物とったら旭川駅にいくし。」
「ああ。」
「旭川駅行くバスまで時間あるし、小町達のお土産とか考えてくるわ。」
「ん。ならあーしも、お土産の所行くし。」
「おう。」
結論、
今の時点ではまったく決まりませんでした。
「それじゃもうそろそろバスの時間だし下に行くか。」
「おっけー」
「ここからちょっとの場所に泊まるし。」
「わかった。」
俺達はまずホテルにチェックインすることにした。
部屋はシングルの部屋が2つ取ってあった。三浦のお父さんナイス!同じ部屋だったら多分殺されてたわ。
各自一旦部屋に入った後荷物を、置いてフロントに待ち合わせになった。
初日から高価なものは食べず、旭川ラーメンを食べることにした。
俺達が今回入った店は天金というラーメン屋だ。ここのラーメンは豚骨に濃いめの醤油味で文句なしの味だった。
ここのラーメンがインスタントラーメンであるということがわかった。帰りに買っていくか。これは小町達にも食べさせたい。
食べ終わった俺達は部屋に帰って寝ることにした。
2日目
俺達は今スキーに来ている。兎に角、リア充どもがうるさい。本当にウェイウェイ言ってやがる。今、お前もリア充に見えるんだよって思った人出て来なさい。俺も日に日にそんなこと思ってきてるから...。
「おい、ヒキオ速く来る!」
おいおい、なんか三浦の言い方オカンみたいだったぞ。
「あ、ああ。」
俺達は今リフトに乗っている。
「なんかリフトって高くてちょっと怖いな。」
「へー、ヒキオもそんな事思うんだ。リフトなんて怖いとか思わないと思ってた。」
「いや、三浦さん。俺なんてどこに行っても怖いものばっかりですよ。(特にあなたとか...)」
「なんか言った?」
「い、いえ。なんでも。」
「まあいいし。ほら降りるよ。」
俺達が来たのは2番目に高いところまで行くリフトだ。ここから下までは大体2kmくらいある。三浦は経験者らしいが、俺は超ど素人だ。
俺は運動神経はかなりいい方だと思うが、これはかなり怖い。さっきリフトから降りるときブレーキをかけるのがかなり大変だった。そのせいで転んで三浦にはかなり笑われた。
ある程度平らなところでブレーキのかけ方を教えてもらったが、この辺だとちょっと怖い。なんか止まらなそう。
「それじゃあーしの後ろを付いて来い。」
あんれー?なんか三浦が平塚先生と重ねて見えてきちゃったなー。
「あ、はい。」
三浦はゆっくりカーブをしながらちょくちょく後ろを振り返って滑っている。俺が転ぶ度にここがどうだったなどの反省点を教えてくれる。
マジオカン。三浦。
「ヒキオ。一回下まで降りてきたけど、どうだったー?」
「なんかスピードが少し出た時の風がすごい気持ちよかった。」
「あれよりもっと早いスピード出すともっと気持ちいいし。それより、ヒキオって運動神経良かったんだ。高校の時とか運動系の部活入ってなかったのに。」
「ああ。俺、運動結構すきだぞ。ペア組めとか、人数揃わないとできない運動は嫌いだけど...。」
ちょっと引かないで下さい、三浦さん。
やっぱり友達になったとしても、自虐ネタはダメなやつもいるんだな。
てか、哀れみの視線を向けないで!なんか引かれるよりずっとダメージ大きいから..。
ここまでが3話までとなります!
またpixivの方で投稿しましたらこちらでもまとめて投します!!
では読んでくださった方ありがとうございました!