幻次元ゲイム ネプテューヌ 白の国の不思議な魔導書 -Grimoire of Lowee-   作:橘 雪華

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モチベ維持も兼ねて、V編の合間なんかにV編前/mk2編後のお話を増やしたり増やさなかったりする試み


After.3 きょういの格差社会

変身魔法。

 

姿を別人に変えたり、モンスターに変化したり、あるいは小人や巨人になったり。姿を変える魔法のこと。

 

その中でも今回取り上げられるのは、身体を成長させるタイプの変身魔法。

勿論その効果は本来姿形が変わらない女神にも適応される。

 

これは、ある意味で「まぁ、そうなるよね…」と予想できた、ルウィーで起きた小さな騒動のお話。

 

 

 


 

 

 

ネプテューヌさんがルウィーに来て、わたしとエスちゃんの大人?侍女姿を見た頃よりも前に遡る。

それまではわたしもエスちゃんも普段の姿(衣装や髪形、小物以外ロムちゃんラムちゃんとそう変わらない格好)でお仕事をしていたんだけれど…

 

ある日、他の職員の人が手を離せなくて、近くにいたエスちゃんがお客さんの応対をした時に、

 

「はぁ、子供? 誰か大人の人呼んでくれるかな」

 

と言われたのがエスちゃん的に許せなかったらしくて、その日の夜にエスちゃんに提案されたのが、今も使ってる成長型の変身魔法。使うとアビリティ「+5~10才」が付与される……まぁ、肉体年齢が5~10才増えた姿に変身するっていう魔法だね。

エスちゃんの舐められたくない、って言うのが発端だけど、確かに今のままだと高いところに手が届かなかったりするし、利便性の向上的にも特に反対する理由はない。

 

それくらいの気持ちでまずは、と試したわけなんだけど……

 

「むむむむむむむ」

「…えっと…」

 

じぃぃーっとわたしを睨みつけてくるエスちゃん。

正確に言うとわたしのある部分をじーっと睨みつけている。

 

成長する変身と言っても成長具合を自由に弄れる訳じゃなくて、その人の未来の姿(女神だともしも成長したら)に変身する、みたいな感じ。

要するに、本人がいくら胸が大きくなりたい! と望んでも、どうなるかは分からない、ってこと。

 

「ディーちゃんの……うらぎりものー!」

「ふゃああっ!?」

 

何が言いたいかというと、エスちゃんはちょっとは膨らんでるくらいなのに、わたしはなぜかそこそこおっきな物になった、みたいな。

それが気に入らないのかエスちゃんが叫びながらわたしのそれ……大きくなった胸をわしっと掴んできた。

 

「ううっ、ちゃんと柔らかいし……まさか、わたしの分がディーちゃんに持ってかれて…!?」

「あっ、うっ…! ちょ、エスちゃ、んっ! やめ…っ」

 

ブツブツと呟きながら遠慮なしに揉んできて、

これ以上は良くないと感じて、がしっと胸を揉む腕を掴み、少しだけ強化魔法を発動する。

 

「いい、かげんに、して…っ!!」

「いだだだだ!?」

 

そのままおしおきを兼ねて手首を捻りながら、手を離させる。

「ギブ! ギブぅ!」と喚く言葉を無視して、少しの間ギリギリ捻り上げ続けて、パッと手首を離してあげた。

 

「う、うでがもげるかと思った……」

「まったく……何がうらぎりものー、よ。……うぅっ、胸元が重い…すっごい違和感なんだけど…」

 

エスちゃんの奇行を咎めながら違和感の元こと、たった今エスちゃんに揉まれた胸を自分の手で下から持ち上げる様に触ってみる。わ、むにゅってしてる。

そりゃ、昔からベールさんとかの胸見てすごいって思った事はあるけども……というか目線も変わるから違和感まみれだよ……

 

「うー! なんでディーちゃんそんなおっきいの!?」

「知らないよ!?」

 

で、エスちゃんはというと妬ましそうな視線をわたしの胸に向けながら自分の胸をふにふに触っている。

こういうの、あんまり気にしなさそうだと思ってたけど……そういう問題じゃないのかな。

 

…………。

 

「えいっ」

「え、にゃっ!?」

 

うー、と唸るエスちゃんをじっと見つめると、わたしは仕返しも兼ねて思い切ってその胸に触ってみる。

んー。変身前よりちょっとあるから、ふにふにしてる。柔らかい。

 

「ちょ、ちょっとディーちゃん!?」

「仕返し。でも、わたしはエスちゃんくらいの方が好きだよ? ちゃんと柔らかいし」

「にゃ、なに言って、はうっ……」

 

エスちゃんって呼ぶようになってからすっかり希少になった照れ顔を見ながら、ふにふにふにふにと触り続ける。

あ、なんかこれちょっと楽しいかも……

 

「こ、このぉっ!」

「ふひゃっ!」

 

とか考えて気を抜いてたら、エスちゃんが反撃するようにわたしの胸をがしっと掴んではもにもにと触ってきた。

 

「で、でもわたしは…っく、おっきいディーちゃんも…んぐ、好きよ?」

「あぅぅ…わ、わたしはエスちゃんの方が…うぅっ」

 

ふにふに、もにもに……とお互いを褒めながら揉みあうなんて、おかしな状況。

こんな所を誰かに見られたら……なんて余計な事を考えたのが悪かったのか、それともこうなる運命だったのか、

 

「ディール、エスト。少し手伝って欲しい事が……」

「「あっ」」

 

ガチャリ、と扉を開けながらブランさんが部屋に入ってきて、わたし達の姿を見て硬直する。

ノックしなかったとはいえ、部屋に入ったら背とか色々大きくなったわたし達が胸を揉み合ってる場面とか、誰だって硬直するだろうけども、気まずい空気が流れて、そして……

 

「……コフッ」

「「お姉ちゃん!?」」

 

そんな空気を破るようにお姉ちゃ……ブランさんが倒れて、思わずお姉ちゃん呼びしちゃって。

元の姿に戻ってブランさんを介抱して、何故か二人揃って怒られる羽目に。理不尽な怒り……!

 

 

 

 

 

後日、その話を聞いて真似をしたロムちゃんとラムちゃんのわたし達とそう変わらない結果になった変身姿を見て再びブランさんが倒れたり、ブランさんが魔法を使って絶望したりして、結局申し訳なく感じてブランさんの手伝いを増やすことになったのでした。

 




ちなみに+5~10才の変身魔法のバスト変化は
ディール&ロム→パープルシスターくらい?
エスト&ラム→ユニくらい?
を目安に想像してもらえると(一番わかりやすいのは電プレの四コマの奴)
身長はネプギア(154cm)くらいを想定してます。

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