幻次元ゲイム ネプテューヌ 白の国の不思議な魔導書 -Grimoire of Lowee-   作:橘 雪華

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Act.9 覚醒する幼き蒼紅

「そろそろ最奥部みたい?」

「っぽいわね。そんな感じの通路だし」

 

お城の前で突然謎の光に包まれたわたし達は気付くとお城の前から別の場所に立っていて、

ネプギアちゃんのNギアで現在地を確認するとさっきの場所とそう変わらなくて、そこから多分お城の中に移動したんだと判断し、戻る事も出来ないからと奥と進んでいた。

 

「……でも、なんかヘンなんだよね」

「ヘン? どーして?」

「なんか、モンスターはいるけど…妙に数が少ないっていうか…」

 

進んでいく中で気になったのが、モンスターの数。

わたしの知る限りだと……そもそも入口が崩れてるのがわたしの知ってるのと違うんだけど。

少なくともお城の中にはそこそこの数のモンスターがいたような気がする。

 

「…なんでだろ?(ふしぎ)」

「いいんじゃない? 奥で何があるかわからないんだし、できるだけ消耗したくはないでしょ」

「……まぁ、そうですけど」

 

何か引っかかるような…そんな気がするんだけどなぁ…

 

「……あっ!」

 

と、わたしが一人で考え込んでいると、ネプギアちゃんが何かを見つけたように声を上げて、突然走り出した。

 

「ちょ、ちょっとネプギア! 一人で先行かないでよ!」

「あっ、こら! 置いてかないでよ!」

「ま、待って…」

 

わたし達も急いで追いかけると、広間みたいな場所に出た。

 

「やっぱり! いーすんさん!」

「え…ネプギアさん!? どうして来てしまったのですか!」

 

そしてそこにはイストワールさんと……やっぱり、いるよね…

 

「おおおおお! あれは幼女! 幼女女神!」

「あっ、アイツは…ロムちゃん達が言ってたせんのーしたやつ!」

「…あの人、きらい…(びくびく)」

 

こちらを見て興奮した反応を見せる黄色いぬいぐるみのようなやつこと、トリック・ザ・ハード。

わたしは前の次元のおぼろげな記憶と、後はロムちゃんと二人で洗脳されたときに見た奴。

 

ちなみに洗脳はあいつの仕業だっていうのはわたしとロムちゃんからラムちゃん達に伝え済。二度とあんなことにはさせたくないし。

 

「アクククク…なーに、怖がることはないぞー。さぁさぁこっちにおいで、一緒に楽しい事しよう、ね?」

「……気持ち悪い」

 

心の底からそう思う。本当に無理…

 

「約束通り来てやったんだから人質を解放しなさい!」

「は? なーにバカ言ってんだ。そんなモン律儀に守る訳ネェだろ?」

「…ま、そうだろうと思ったわ。だったら力ずくでも…!」

 

ついでにいたらしい下っ端の言葉にユニちゃんが銃を構えて戦闘態勢に入る。けど…

 

「いかん、よせ! お前達が手を出すならばこちらも人質に手を掛けざるを得なくなるだろう! 頼むから我輩のこの手で幼女を傷つけさせるようなことはさせないでくれ!」

 

あ、イストワールさんも幼女判定にはいるんだ……じゃ、なくて。

言ってる事は大分アレだけど、わかりやすく悪党風に変換すると「手を出すなら人質がどうなっても知らんぞ!」という事。

つまり、こっちから手を出すのは無理……あぁ、今更こういう展開になるなんて思い出しても遅いよ、わたし…

 

「いーすんさん…うぅ、どうすれば…」

「…分かってもらえたかな? ではまずはそこの幼女三人! こっちにおいで。逆らったらどうなるかは、わかるよねぇ?」

「くぅっ…」

「…イヤ、だけど…うぅぅー…」

「…ロムちゃんとディールちゃんにヘンな事したら、ただじゃおかないわよ…!」

 

そう言われてしまえばわたし達に断る選択肢なんてなくて、

嫌々ながら三人でトリックの傍へと歩み寄る。

 

「アクッ…大丈夫だよ、こう見えても犯罪組織一の紳士と呼ばれているんだから…アククククッ!」

「……そんな風に呼んでたやついましたっけ…?」

「ああ、幼女だ。幼女が四人……こんな幸福な事が会っていいのだろうか! 四人もの幼女に囲まれて…ハァハァ…」

「ひぃ! 息かけないで!」

「き、気持ち悪いっ!」

「ふぇぇ…っ」

「くぅ…すみません。私が不甲斐ないばかりに…」

 

気持ち悪さに耐えながらイストワールさんが謝ってくるけれど、今は誰かのせいとか言ってる場合じゃない。

どうにか…どうにか、しないと…

 

「…まぁあっちはあっちで楽しんでもらうとして、だ。…トリック・ザ・ハード様。こっちの二人はアタイが好きにしちまっても構わネェですよね?」

「うむ。幼女以外に興味など無し!」

 

と、こっちはこっちで最悪な気分になっている所で、下っ端がそんな事を言い出した。

 

「よっしゃぁ! おいテメェら、逆らおうなんて気起こすんじゃネェぞ?」

「う…」

「っ…」

「さーてぇ…積年の恨みィ……晴らさせてもらうぜェェ!」

 

トリックの許可を得た下っ端は、ニタニタとここからでもわかるくらい嬉しそうにしながら持っていた鉄パイプを振りかぶり、ネプギアちゃんとユニちゃんを殴り始めた。

 

「うぐっ!」

「ぐぅっ…!」

「ネプギアさん! ユニさん!」

「ハーッハッハッハ! 最高だ、最高の気分だぜ! おらっ、おらァ! もっと泣け、喚けェ!」

 

イストワールさんが悲痛な声を上げるも、かまわず二人を殴り続ける下っ端。

二人がやられているのに、わたしは…何もできないでいる…

 

「あぐっ、く、ぅ…」

「このっ、調子に乗るんじゃ…」

「お? なんだぁその目つきは…いいのか? こっちには人質がいるんだぜぇ? おらおら!」

 

キッとユニちゃんが下っ端を睨みつけたらしいけど、下っ端にそう言われればやっぱり何もできず、されるがままに殴られ続ける二人。

 

「ネプギアちゃん…ユニちゃん…」

「ひどい…!」

 

……こんなの、黙ってみていられるわけがない…っ!

 

「いい加減に…ッ!」

 

二人がやられっぱなしで見ていられなくなって、下っ端を吹っ飛ばそうと魔法を放とうとする。

けれどそれは不発に終わった。

 

「おおっと!」

「ひやぁっ!?」

 

突然横から長い舌がわたしに向かって伸びてきて、わたしの身体に巻き付くとひょいっと持ち上げられる。

 

「こらこら、おイタはダメだろう? れろれろ…」

「ひっ! やっ、気持ち、悪いぃ…!」

「「ディールちゃん!!」」

 

どんな器用な喋り方してるのか、トリックはわたしを舌で拘束したままそう言ってぬるぬると舐めてくる。

気持ち悪い…気持ち悪いぃぃ…っ

 

「ちょっと、やめなさいよ! ディールちゃんを離して!」

「ネプギアちゃん達も…もう、あれいじょう、やめて…っ」

「アクククク…ならば一ついう事を聞いてくれたら、あの二人への攻撃もやめさせるし、この幼女も解放してあげようかなぁ…?」

 

舐められるわたしとボコボコにされるネプギアちゃん、ユニちゃんを見て、ロムちゃんとラムちゃんも抗議の声を上げる。

するとトリックはそんな事を言い出した。

 

「何させる気よ! どうせヘンタイなことなんでしょ!?」

「なあに、何も難しい事じゃあないよ…ただ、君達が犯罪組織に入ってくれれば、それでいいんだ」

「なっ!」

「犯罪組織に!?」

 

トリックの言い渡した、わたし…はともかく、二人の解放条件。

それは、犯罪組織に入れというものだった。

 

「な、何を馬鹿な事を言っているのです!」

「っ…ネプギアちゃん…ユニちゃん…」

「おらぁ、おらぁっ!」

 

当然、そんなのを承諾するなんてありえないし、普通なら受けるはずもない。

けど、ロムちゃんは辛そうに未だ殴られ続けるネプギアちゃんとユニちゃんの方を見る。そして…

 

「……犯罪組織に入ったら…もう、みんなのこといじめない…?」

「ロムちゃん!? 何言って、ひぃぃ! やめて、舐めないで!」

「ディールちゃん…! そ、そうよロムちゃん! 何言ってるのよ!」

「だって…このままじゃ……!」

「そ、それは…」

 

ロムちゃんがそんな事を言い出し、最初は止めようとするラムちゃんだったけど、

わたしやネプギアちゃん達を見て「うぅぅ…」と唸り…

 

「……本当に、約束は守ってくれるの?」

「ら、ラムちゃん、までっ…!」

「もちろんだとも。我輩は幼女と交わす約束ならば絶対に守るぞ!」

「な、なら…っ」

 

二人が決断しようとした…その時だった。

 

「ダメッ!」

 

二人を止める叫び声が響いた。

それは、今もなお殴られ続けているネプギアちゃんから。

 

「ネプギア、ちゃん…」

「私なら、大丈夫だから…だから、犯罪組織になんて入ったらダメ…!」

「そうよ…! こんな攻撃なんて全然効いてないんだから……もしアンタ達が犯罪組織に入るってんなら、真っ先に倒してやるんだから…!」

「ネプギア…ユニちゃん…っ」

 

ボロボロになりながらも、強がるように。

二人はロムちゃんとラムちゃんを止める為に、無理をしてそう言った。けど、それを黙ってみている下っ端ではなくて…

 

「減らず口を! このっ! そんな口きけネェくらいまで痛めつけてやるッ!」

「ぐっ、あっ、ぁ…!」

「かはっ、ぁ…」

 

怒ったように下っ端が激しく二人を痛めつけ始める。

助けなきゃ、二人が…! でも…

 

「アククク! ほぉら暴れちゃだめだよー、ぺーろぺろぺろ」

「ひぃん! や、やだぁぁ…!!」

 

少しでも動こうとすればトリックの舌が動いて、気持ち悪い感触にうまく力が入らない。

こんな状況のなか、ロムちゃんとラムちゃんの二人は俯いて小さく震えていた。

 

「さぁ、早くしないと大変なことになっちゃうよぉ? ぺろぺろ…」

「は、話しながら舌動かすなぁあっ!」

 

「……もう、ヤダ」

「……うん。わたしも、イヤ」

 

ぽつりぽつりと呟く二人。

……ううん、二人が考えてることは、きっと…

 

「そうだろう? イヤだろう? それなら、今すぐに犯罪組織に入ると…」

「……守ってもらってばっかりなのは、もう、イヤ!」

「誰かを…大事な友達すら助けられないのなんて、もうイヤなの!」

「…ぬあっ!? な、なんだ! 幼女が光り輝いて…!!」

 

叫ぶように二人がそう言い放つと、二人の身体から眩い光が溢れ出してきた。

この光は…シェアの光だ。しかも普段二人が女神化した時に感じられるようなものよりも、ずっと強い……

 

「これは…お二人の力が、急激に上昇している…」

 

傍にいたイストワールさんも高まるシェアエネルギーを感じ取ったみたいでそんな事を呟く。

そして光が収まった時……新たな姿となったホワイトシスターの二人が、そこにいた。

 

「……今度は、わたし達が二人を…ディールちゃんを、守る…!」

「うん! もうこれ以上好き勝手させないから!」

 

強い意志を持った表情でトリックを睨みつけるロムちゃんとラムちゃん。

すると、突然トリックの動きが止まった。

 

「ちょ、ちょっとトリック様!? 何固まってんスか!?」

「……幼女に…幼女にパワーアップされるくらい全力で拒絶された……死にたい」

 

何事かと思いきや、ラムちゃん達のパワーアップに物凄く傷ついていた。

ともかく今の内に逃げ出さないと…

 

…くぅっ、巻き付いてて抜けない…っ!

 

「落ち込んでる場合じゃネェっスよ! こっちにゃまだ人質がいるんスから無理矢理言う事聞かせりゃいいんスよ!」

「…はっ、そ、そうだったな! おい! こっちにはまだもう一人の幼女が……幼女が、あれ? いない! ど、どこにいった!?」

 

慌てた下っ端の指摘で我に返り、人質のイストワールさんを盾に脅迫しようとするトリック。

けれどいつの間にかイストワールさんの姿は消えていて、トリックは慌ててきょろきょろ辺りを見回した。

で、イストワールさんはというと…

 

「…探し人は、こっちよ」

「あなた達が隙だらけなお陰で、簡単に取り返せたわ」

「隙を見せたのが最大のミスでしたわね」

 

いつの間に来てたのか、ブランさん達四人の女神によって救出されていた。

 

「いーすん、大丈夫だった? ケガとかしてない?」

「は、はい、私はなんとも…」

「よかったぁ…」

「お、お姉ちゃん? ノワールさんにブランさん、ベールさんまで…どうしてここに…」

 

イストワールさんにケガが無い事を安堵するネプテューヌさんに、困惑した様子のネプギアちゃん。

大体予想は出来てるけど、多分…

 

「罠だと分かってて本当に黙って行かせる訳がないでしょう。こっそり後をつけて隙を伺ってたのよ」

「んなバカな! そう来ると思ってガキ共が入った後は入れない様にしてあったはずだし、もし入れてもあれだけのモンスターの中を切り抜けて来たってのか!?」

「まぁ、こちらにも色々ありましたのよ」

「…それで、隙はロムとラムの二人が作ってくれた…という訳」

 

うん、予想通りそう言う事だよね。

下っ端達も何か対策をしてたみたいだけど…ブランさん達の方で何かあったみたいで難なく突破してきたみたい。

 

すると後の問題は……

 

「…ぐぐぐぐぐっ」

「アクク…だが少々詰めが甘かったようだな? こちらにはまだ幼女が一人……アグッ!?」

 

トリックもそれを理解した上で、今度はわたしを人質に利用しようとする。

けれど、そんなトリックの台詞は途中で遮られる事になった。

 

「……何? 何かが、舌に刺さって…これ、クナイ?」

 

どこからか黒い物が飛んできて、トリックの舌に突き刺さったからだ。

その刺さったものとは…クナイ。

そう、あのアイエエエって感じの人達が使うあれ。

 

誰がこんなものを…なんて考えていると、トリックの舌に刺さったクナイに小さな魔法陣が現れて…

 

 

──ドガァァンッ!

 

「きゃぁっ!」

「ギャアアア! 我輩の舌が、舌がぁぁ!!?」

 

爆発。

舌が直接爆破されたトリックはたまらずわたしを放り出して、転がってもがき苦し始めた。

 

「っと! ディールちゃん、平気?」

「う、うん…精神的には最悪だけど肉体的には大丈夫…」

 

放り出されたわたしをすかさずラムちゃんがキャッチしてくれて、一切ケガを負わずに助かった。

……けど、この体勢ってお姫様抱っこ……

 

「……っ!」

「わっ、ディールちゃん顔赤いよ、本当に大丈夫!?」

「だ、大丈夫、大丈夫だからとりあえず降ろして…っ」

 

ラムちゃんにお姫様抱っこされていると思うとなぜだか途端に顔が熱くなってきて、慌てて降ろしてもらう。

はふぅ…な、なにしてんだろ、わたし…

 

……でも、あのクナイは一体誰が…味方に忍者系の人っていたっけ…?

 

「…さーて、それじゃ、反撃開始ね。やられっぱなしで黙ってるほど、アタシは慈悲深くないもの」

「うん。…実は私も、今回ばかりは凄く怒ってます」

 

わたしの疑問はとりあえず今は置いておくとして…

ネプギアとユニちゃんも今回ばかりはかなりご立腹な様子で、得物を構え始めていた。

 

「ひええ!? どど、どうすんですか! これヤベーっすよ!?」

「イチチ…う、狼狽えるな! 多少遊びが過ぎただけだ……戦いで遅れを取るつもりはない!」

 

怯える下っ端に、さっきまでのヘンタイさが多少なりを潜めた様子のトリックが一喝しながらモンスターを召喚し始める。

 

「ネプギア、ユニちゃん、お姉ちゃん達! こいつはわたし達にやらせて!」

 

するとラムちゃんがネプギアちゃん達に向かってそんな事を言い出した。

まぁ…さんざんロムちゃんを洗脳されたりして、一番怒ってるのは二人だよね。

……もちろん、わたしもコイツは絶対許すつもりはない。

 

「…わかったよ、ラムちゃん、ロムちゃん」

「ディール、二人の事ちゃんと見ておきなさいよ! …ってことだから、アタシ達はアンタの相手をしてあげるわ!」

「ひぃっ! ち、畜生! やってやらぁ!!」

 

ネプギアとユニちゃんはすぐに頷いて、下っ端と戦闘を始める。

そしてブランさん達は…

 

「……わかったわ」

「いいの? ブラン。いつものブランなら危ないからダメーって言うと思ったけど」

「えぇ。今でもそうは思っている。けど…流石の私だって空気くらい読むわ」

「はぁー、妹に甘いのね。…私も人の事は言えないだろうけど」

「では、私達は雑魚の掃除を担当しましょうか。数が多いですけれど、丁度あの子のお陰で力は有り余ってますし」

 

ネプテューヌさんが言った通り、反対されると思いきやそんな事は無くて、

ブランさん達はトリックの呼び出したモンスター達の相手をしてくれるみたいだった。

 

その時、ブランさんと目が合って、わたしは何も言わずに小さく頷くと、

 

「……任せたわ」

 

とギリギリ聞こえるくらいの大きさで、ブランさんが答えた。

 

そして、わたしとロムちゃん、ラムちゃんは、トリック・ザ・ハードと対峙する。

 

「アクククク! 幼女に手を上げるというのは些か気が進まぬが……こうなってしまえば実力で手にするしかあるまい!」

 

お決まりの笑い声を上げながら、ちょっと火傷している舌をベロベロとうねらせるトリック。

 

「ふん、アンタは絶対わたし達が倒すって決めてたんだから」

 

そんなトリックに一切怯む様子を見せずに、ラムちゃんは言う。

 

「ルウィーを乗っ取ったこと…ロムちゃんとディールちゃんをぺろぺろして洗脳したこと…そしてさっきまたディールちゃんをぺろぺろしたこと!」

「…ネプギアちゃんとユニちゃんを、いじめたこと…!」

「全部全部、ぶつけて倒してやる!」

 

今までの恨みと言わんばかりにそう言い放って、二人はわたしの方に振り向いて、

 

「「ディールちゃん!」」

 

二人揃ってわたしの名前を呼び、手を伸ばす。

 

…うん。気持ちはわたしも同じ。わたしがぺろぺろされたりも勿論許せないけど…何より許せないのは…

 

「……わたしも。ロムちゃんを洗脳したこと、ラムちゃんに辛い思いをさせる切っ掛けになったこと。絶対に許しはしない」

 

ロムちゃんが洗脳されて敵に回った時のラムちゃんがどれだけ辛い思いをしたか。ずっと二人の近くで仲良しの二人を見ていたからわかる。

 

……こいつは、わたし達の手で…倒すんだ!

 

「……トランスコード! ブルー・ハート!」

 

取り出したグリモワールから、自分の力(シェアエネルギー)を解放。

光に包まれて、二人とお揃いとなった、けれど一部の色だけが蒼いプロセッサユニットを身に纏う。

 

「…行こう」

「「うん!」」

 

こうして、トリック・ザ・ハードとの戦いが、幕を開けた。




〜パロディ解説など〜
・アイエエエって感じの
英文での悲鳴「AIEEEEE」のこと……ではなく、サイバーパンク・ニンジャ小説「ニンジャスレイヤー」にて、ニンジャリアリティショック状態に陥った一般人が叫ぶ悲鳴のこと。
ちなみに「ニンジャ」の部分を変えることで、任意の「○○リアリティショック」へと改変する事も可能な便利なコトダマである。コワイ!

・トランスコード!
「流星のロックマン3」にて、主人公「星河スバル」が「シューティングスター・ロックマン」に変身する時の掛け声。なおロックマン専用というわけではない。
一応ロムちゃんも星とは少し関係がある(ノーザンクロス)ので、不自然ではない! と思いたい!


・補足
ディールの前次元での記憶は曖昧なので、起こる出来事を覚えてたり覚えてなかったりします。
あとアレな世界から来たのでプロセッサユニット自体はスィルのままです。カラーリングだけアクアブルーとかそんな感じですね。

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