やっぱり雪ノ下さんの青春らぶこめでぃーは間違っている!   作:眠り羊

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ついにWデートの当日、
ちょっとドキドキ気味の雪ノ下さん。果たしてどうなるのか!

そして間あきすぎ!年度末の忙しさで暇が取れなかったんですごめんなさいorz


しっかり!雪ノ下さん。

待ち合わせ場所に一番最初についたのは私だったようだ

 

皆を待っていると「ふぁ~」と欠伸が出てしまった

手を口元に寄せ周りを見回す、いけない、いけない、完璧な私がこんな姿を見せてはいけないわね

 

姉がいるのと、今日のことであまり寝付きが良くなかったせいだ

こんなことで寝付きが悪くなるとかどこの小学生だろうか・・・

 

私は何をするでも無くぼーっと皆を待っていた、行き交う人がチラリチラリと私の事を見る

少し離れた所では、お前が行けよとか、無理に決まってるだろとか聞こえてきた

 

ふぅ、やはり美しいという事は罪だわ・・・

 

 

 

というか皆遅くない?もうすぐ待ち合わせ10分前だし

比企谷君はまぁいつものこととしても、ガハマさんとアレはもう来ても良いと思うのだけれど

特にアレが女性を待たせるとか無いはず、何か嫌な予感しかしないわ・・・

 

さらに9分待った後にやっと一人目が来た

「おはよう比企谷君」

「うっす、って雪ノ下だけか?他の二人は・・・」

と言いかけた時、比企谷君の携帯が鳴った

 

比企谷君が表示名を見る

「由比ヶ浜からだ」

と私に言って携帯に出た・・・アレ?何か違和感が・・・

 

「おぅ・・・ああ、、、なんだそりゃ・・・いやちょ、わかった」

 

比企谷君がキョロキョロしたと思うと

「雪ノ下ちょっとこっち」

と言って人気の無い方へ私を誘導する

 

人がいない路地に入ると耳から携帯を離しスピーカーモードにした

 

「もういいぞ」

と比企谷君が言うと携帯から由比ヶ浜さんの声が流れた

「ごめんゆきのん!」

いきなり謝られた、来るのが遅れるのだろうか?いや、それなら比企谷君に伝言するだけで良いはずだ

少し聞き取り辛いので携帯に顔を寄せる、比企谷君も同じなのか同じ行動を取った

・・・顔が近いのだけれど・・・自分の顔が少し熱くなるのを感じた

 

「おはよう由比ヶ浜さん」

「あ、おはようゆきのん」

 

「それで一体何を謝っているのかしら、教えて貰えると助かるわ」

「あ、そうだ・・・ごめんゆきのん、今日朝から熱が出て行けなくなっちゃった、本当にごめん・・・」

と、しんみりした声に比企谷君が茶々を入れる

「楽しみ過ぎて寝付けなくて熱が出るとか何処の小学生だよ」

 

ふふ、と私は笑ったが・・・私も寝付きが悪かったので人の事言えない・・・

 

「だって本当に楽しみだったんだもん!さっきも家出ようとしたんだけど親に見つかっちゃって・・・」

残念そうな声で言った

 

「それで身体の方は大丈夫なのかしら?」

「うん、起きた時よりは熱下がったし、なんなら今からこっそり!」

 

「いいえ、今日はちゃんとゆっくり休んだ方が良いわ、遊ぶのはまた出来るから」

「えー、うん解った・・・ありがとゆきのん」

 

「まぁ俺としては早く帰れてラッキーだな」

「ぶー、ヒッキーは楽しみじゃなかったんだ?」

 

「ああ、こんな大人数で街をブラつくとか地獄だぜ・・・」

「そこまでいっちゃうんだ!?てゆーか全然大人数じゃないよ!?」

 

「俺にとって一人でいる以外は大人数なんだよ、まぁ・・・デートはまた今度二人でしようぜ」

最後の方は小声で言っていた

「・・・ヒッキー・・・う、うん、絶対だよ、約束だからね!」

「あぁ、分かったから今日は大人しく寝ておけ」

「うん、ヒッキーありがと、ゆきのんもごめんね、今日は三人で私の分まで楽しんでね」

「え、ええ」

二人のイチャイチャな会話を呆然と聞いていた私に、いきなり声がかかったので少し声がうわずってしまった

失態だわ・・・というか、ちょっとイチャイチャし過ぎなんじゃないのかしら・・・

 

「え?いや、今日は解散じゃねーの?」

比企谷君が非難の声を上げる

「はぁ?そんなわけないじゃん!ちゃんと三人で遊んでよ!あ、でもヒッキーは二人を邪魔しないようにね」

「じゃーね、おやすみーガチャ、ツーツーツーツー」

言うだけ言うと電話が切れてしまった、暫くして、いや、それもう俺いなくて良いじゃん・・・

という声がポツリと聞こえた

 

 

 

待ち合わせ場所に戻ると、まだアレは来ていなかった

もう待ち合わせ時間をゆうに15分は越えている・・・おかし過ぎる・・・

 

仕方が無いので連絡を取ろうと携帯を取り出すと、メールが2通来ていた

由比ヶ浜さんと話してる時に来てたみたいね、気付かなかったわ

 

「比企谷君、メールが来ていたみたいなのだけれど・・・」

メールを読むと比企谷君に1通目だけ見せた

ん?と比企谷君が携帯を覗き込む・・・ちょ、ちょっと近い・・・

「何々?今日家の用事があるのを忘れてたから三人でWデートを楽しんでくれだって?」

「なんだそりゃ、三人でWデートとかねーだろ・・・」

 

ふぅ、と私はこめかみに手を持っていき溜息をついた

アレが家の用事を忘れるとか絶対無い・・・2通目を見る前から解ったが姉の企てだ

 

2通目は姉からのメールで

ひゃっはろ~雪乃ちゃん、今日は私は邪魔しないから、三人で修羅場・・・じゃなかった、デート楽しんでね♪

 

と入っていた・・・

 

・・・あのアマやりやがった!

 

 

 

・・・しかし、姉の目論見通りにはいかず二人になってしまったのだけれど・・・どうするのこれ?

と考えていると

 

「よし、今日は解散だな、4人中2人も来れないないんじゃしょうがないよな」

と嬉しそうな声が上がった

 

「・・・そうね」

と私もその言葉に同意する

 

ですよねー、二人でデート!ってわけには行きませんよねー・・・

 

「じゃあな、雪ノ下」

「ええ、さようなら比企谷君」

 

比企谷君が待ち合わせ場所から、離れるように歩く

が、私は動かずにいた

 

ふと、比企谷君が立ち止まりこちらを見る

「なんだよ雪ノ下、帰らないのか?」

「いえ・・・」

 

「なんだ?お前にしては歯切れが悪いな」

「ふぅ・・・家に姉がいるのよ、夕方には帰ると思うから、それまでどうやって時間を潰そうかと思ってね・・・」

「そーいうことか・・・はぁ・・・」

と言うと比企谷君は帰ろうとするのを止め、さっきと同じ体勢になる

 

「??どうかしたの?」

「いや、まぁ、そーゆーことなら多少暇つぶしに付き合ってやるよ」

ふぃぃぃぃぃしゅ!思わぬところで彼が引っかかってくれたわ!・・・やっぱり優しいなぁ・・・と喜んでいると

 

「あーそいや、暇つぶしついでに聞きたいことが一つあるんだが」

比企谷君が話題を振ってきた

 

「何かしら暇つぶしの相手を頼んだ覚えは無いのだけれど、お礼代わりに聞くだけは聞いてあげるわ」

嬉しさを隠すためにぶっきらぼうに言ってみた

 

「お前、葉山と付き合ってるとかって、アレ嘘だろ」

やっぱり疑ってたのね

「なぜかしら?」

「いや、今までの行動を見て何となくなんだが」

 

「はぁ・・・、あなたが私の何を知っているというの?分かった気にならないで欲しいわね。」

「どう考えてもいきなりすぎるだろ・・・由比ヶ浜は納得してたがな」

まぁあれほど避けていた相手といきなり付き合うとか、由比ヶ浜さんくらいしか納得しないわよね

アレ?また違和感・・・ってわかった、由比ヶ浜?結衣じゃないの?

 

「あなたよりも彼とは長い付き合いなのだから色々あるのよ」

「そうかよ」

というと彼は黙った。ちょっと意地悪し過ぎたかしら?

 

「あなたは何で由比ヶ浜さんと」

「何でって、あいつに告白されたからだろ」

「そうではなくて、どこを好きになってって意味でよ」

「・・・さっきも言った通り、由比ヶ浜に告白されたから、別に嫌いでは無いし、可愛いし、俺と付き合うなんて考える奴が他にいるとも思えないし、断る理由がないからな」

「・・・それに、俺なんぞ直ぐ飽きると思ってな、だからあまりダメージ受けないように周りにも言わないようにしてもらったし」

 

・・・・・・

 

「だからキスもしていない・・・と?」

「なんでお前が知ってるんだよ」

 

「呆れた、口外しない本当の理由はそれだったのね」

「なんとでも言え」

 

「さっきも名前じゃなくて苗字で呼んだのは、そういうことなのね」

「慣れてねーんだよ、いつもは”ゆいがはま”と呼びそうになるのを”ゆい”で切って”がはま”を飲み込んで凌いでる」

 

あの時姉が言いたいことはこのことだったのだろう、比企谷君が「選んだ」のでは無く選択肢が一つしかなかったのだ

流石は姉さんといったところかしら・・・

 

「そうそういうこと・・・なら私も言うわ、葉山君と付き合っているというのは嘘よ」

「あなたたちに気を使わせないようにそういうことにしたの」

 

「お前さっきと言ってること違うじゃねーか」

 

「別にさっきも付き合っているのが本当の事とは言っていないわ」

「くっ・・・」

 

それにしても・・・

「はぁ、それにしても比企谷君それはいくらなんでも卑屈すぎよ。告白した由比ヶ浜さんが可哀想だわ。」

それにちょっっっっとだけ惹かれてる私も可哀想だわ

「由比ヶ浜さんは周りの誰でもなく、あなたを選んだのだから、その考え方は由比ヶ浜さんのことも冒涜していることになるわ」

・・・長い沈黙が流れる

「判ったわ、今日は私に付き合いなさい、由比ヶ浜さんが飽きるかどうか私がテストします」




次回、デ、デートですか雪ノ下さん。
テストとか言ってもデートですよね雪ノ下さん。

爆発しろ!


・・・2期が始まる前に終わらせたい・・・無理か・・・

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