やっぱり雪ノ下さんの青春らぶこめでぃーは間違っている! 作:眠り羊
これで勝つる!と言う思いを胸に秘め、いざ奉仕部の扉を開ける!
私はアレを連れて奉仕部の扉の前で止まる
「折を見て呼ぶので、少し待っていてくれるかしら」
冷静な表情でアレに言った
「ここは・・・そうか、判った」
アレはアレで奉仕部の部室を前にして何か感じ取ったようだった
扉を開けると・・・慌てたようにガタッっと椅子を引く音がした
あれ?今開けた瞬間何か二人とも立ってて、近くに居て、しかももの凄く顔近かったわよね?
何をしてたのかなぁ・・・・・・ってもう一つしかないじゃん!
「お、おかえりゆきのん」
ガハマさん・・・動揺が思いっきり顔に出てるわよ・・・
比企谷君は、流石にポーカーフェイスね、でもね・・・顔が赤いわよ!
私はこめかみに指を置き短く溜息をついた
「由比ヶ浜さん、比企谷君、別にお付き合いすることを咎めはしないけれど、分別はちゃんとわきまえて欲しいわね」
「ゆ、ゆきのん!?違うの今のは目にゴミが入ったんで取って貰ってただけなの!」
べ、ベタベタな言い訳ね・・・私は疑いの眼差しで見つめる
すると比企谷君がフォローに入った
「はぁ~・・・いや、ベタベタな言い訳だなと思うだろうかもしれないけど、マジでそうだよ」
そう、比企谷君がそういうのなら、本当にそうなのかもしれないわね
※雪ノ下さん。は何だかんだで比企谷君に高評価です
ち、違うのよ、彼はこんな嘘を付いてもしょうがないと思う状況で、嘘を付くほど愚かじゃないと思っただけよ!
「ただ、ゴミとった後にそんな雰囲気になったのは否めねーけどな。・・・場所を考えないで悪かったよ。」
「ちょっ、ヒッキー・・・」
由比ヶ浜さんの顔が真っ赤になり、下を向く・・・
何このちょっと良い雰囲気・・・もう死にたい・・・
その時廊下で咳が聞こえた・・・あ、、、あまりの事にアレの存在を忘れてたわ
そう、死ぬのはまだ早いわ、これで私は勝負に勝つ!!
「まぁ、今後気を付けて貰えればそれで良いわ」
一瞬考えた振りをした後に微笑む
「それと、私も二人に話しておきたいことがあるのだけれど」
と言うと二人はきょとんとした顔になりこちらを見つめる
「入って来ていいわよ」
私が声をかけると爽やかな苦笑でアレが入って来た
「やぁ、結衣、ヒキタニ君、ずっと廊下に居て少しは会話が聞こえていたんだけど、どういう状況になってるのか教えてくれるかな?」
「え!?隼人君?えっと、あの、これは、その・・・」
由比ヶ浜さんが慌てた顔で比企谷君を見る。比企谷君も由比ヶ浜さんを見つめて溜息をついた。
何その目と目で通じ合ってる感じ!はっ、こっちも対抗しなければ・・・とアレに目を向ける・・・がアレは気付かない。
いや、だから空気読んでよ!あなたの得意技でしょうが!
※アレ・・・もとい葉山君は雪ノ下さん。の対抗意識を知りません。
「まぁしょうがねぇんじゃねーの、それに葉山なら別に言いふらしたりしないだろ」
と話すように由比ヶ浜さんに促す
「うん。そう、だよね・・・隼人君、実はね、ヒッキーと先週から、つ、付き合ってるんだ、・・・えへへへ」
まだ付き合うと言う言葉に慣れていないのだろう、もじもじしながら由比ヶ浜さんが言った
「へぇ、驚いたな俺はてっきり」
とアレがこちらを見た。
やっぱりそうですよねー、付き合うなら私の方だと思いますよねー、あなた中々見る目あるじゃない。
でもガハマさんが選ばれたんです!ヒモ企谷君は見る目が無いのよ!そしてあんたも私を振ったんですけど!
しかし私が付き合ってるのはあなたということにするのだから、そういう発言と行動は控えて欲しいわ。
キッとアレを睨み返す。
おどけたようにアレは続けた
「しかし全然判らなかったな・・・どうして隠すようなことを?」
それは・・・私には大体想像がつくわね、てゆーかあんたも想像つくでしょ・・・
「私は言っても大丈夫だって言ったんだけど、ヒッキーが・・・」
と由比ヶ浜さんがチラリと比企谷君を見る
「男性が付き合っている事実を隠して、他の子と付き合うとか、よくあるものね」
ととぼけて私は微笑んだ
「ヒッキーそういうことなの!?」
由比ヶ浜さんが涙目で比企谷君を見る
「ちげーよ、てか俺にそんな甲斐性無いだろ、判ってて言うなよ雪ノ下、俺がそんなにモテるとかあるわけない」
だ、だよね。と由比ヶ浜さんが納得した。自分の彼氏にその納得の仕方はどうなのかしら・・・
それに私と由比ヶ浜さんにモテてるんだから、可能性としては無くはないし
「理由は・・・俺まだ死にたくないし・・・」
「死ぬとかまでいっちゃうんだ!?いくらなんでもそこまでは・・・」
由比ヶ浜さんが呆れたように、たははと笑う
「ゆいg・・・結衣は世の中を舐めすぎだろ、好きな子に彼氏が出来て、そいつがろくでもないやつだから刺すとかよくあるぞ」
よくあるとか、どこの世界に住んでるでいるんだろうか比企谷君は・・・しかも自分の事をろくでもないと・・・まぁよくは無いけど、無くも無いのよね
はぁとこめかみに指を置いて溜息をつく
「つまり、由比ヶ浜さんを良く思ってる人が比企谷君に悪意もしくは危害を加える可能性があるから」
「それと、由比ヶ浜さんに悪い噂を立てて著しく印象を悪化させようとする人が出るから、口外するのは控えているという事で良いのかしら?」
比企谷君が、こいつ言いやがった、という目で私を見る・・・は?何?私間違ってないわよね?何その目?
「なるほど、そうか分かった、じゃー俺も口外は避けるようにするよ」
アレが爽やかに微笑んだ。
見ると由比ヶ浜さんは言われてきょとんとしていた
「え?最初のは判るけど、後のは???そんな事ヒッキー言ってなかったよ???」
「そう、なんだ、、、ヒッキー私の事思って言っててくれてたんだ・・・凄い、嬉しい・・・教えてくれてありがと、ゆきのん」
由比ヶ浜さんが涙目でガバッと私に抱きつく
「いえ・・・」
やっちゃったーーー!何これ、私が良い雰囲気を演出した感じになっちゃったじゃない!ガハマさんだもんねー気付かないよねー・・・はぁ
「それで、雪ノ下の話って何なんだよ」
私が呆然としてると、比企谷君が話を促す
そうだ、肝心な事を忘れるとこだった!まだ勝負は終わったわけではないわ!・・・たぶん・・・
私はなんとか気を持ち直し言った
「二人が打ち明けてくれたので、私も打ち明けるのだけれど、私もはy・・・隼人と付き合っているの」
アレが爽やかな笑顔でフォローする
「そうなんだ、俺たちも先週から付き合い出したんだけど、マラソン大会前のようなこともあるし、こっちも口外しないでいてくれると助かる」
「え!?そうなんだ!?凄い!ビックリ!おめでとう!しかも先週からとか凄い奇遇だね!一緒にがんばろうねゆきのん♪」
「ええ、お互いがんばりましょう」
・・・流れで言ったけど、頑張るって何を頑張るのかしら・・・同じ境遇になったことを由比ヶ浜さんは無邪気に喜んでいた
比企谷君の方を見ると・・・ちょーーー疑いの眼差しなんですけどー、まぁここはスルーしかないわね
「ほらヒッキーもちゃんと祝って!」
「お、おぅ、おめでとさん」
比企谷君は由比ヶ浜さんの勢いに押されていたようだった、なんとかセーフね。
私はニコリと笑って返事を返す
「ありがとう」
といきなりアレが私の手を取り教室の隅に移動する
アレと向かい合うと、目が・・・これって俺のことを当て馬にしてるだけなんじゃないの?と語っていた
まぁ当たりなんだけど、そんなわけないじゃないと、冷たい視線で返す
私はこめかみに手を当てアレに言った
「何か勘違いしているようだから言っておくけれど、あなたと付き合っている事にするのは二人に部室で気を使わせない為よ?」
「私だけ恋人がいないんじゃ、二人とも部室では遠慮してしまうでしょう?」
アレが納得する
「ああ、なるほど・・・確かにそうかもしれないな。悪かった疑ったりして。」
「まぁ隠れて付き合っているということにしているのであれば、行動も今まで通りで良いし、このまま二人の前では恋人の振りをするよ」
納得するの早すぎ・・・ちょっとちょろすぎない?まぁそれが美点であり、つまらないと思う所なのだろうけど
誰かさんだったら納得しないでナナメ下から見るんだろうなぁ・・・
「あ、そうだゆきのん!今度4人でWデートしようよ!早い方が良いよね?・・・じゃー今度の日曜日で!ヒッキーは大丈夫として、隼人君は大丈夫?」
あれ?俺結衣に予定何も言ってないんだけど・・・、と言う比企谷君を飛び越し、アレが答える
「え?俺は大丈夫だけど」
「ゆきのんは?」
キラキラした目で訴えかける
「え、ええ・・・用事は入ってないと思うわ」
「じゃー決まりね、やった♪」
しまった、由比ヶ浜さんの勢いに負けてしまった・・・
アレを恋人にして恋人対決の勝負は勝ちだと思ったけれど、なんかもううやむやになってしまったわね・・・
勝負に勝って試合に負けたってとこかしら。
※実際は勝負にも試合にも負けてます。
私は負けてない!
次回、またもやピンチの雪ノ下さん。
Wデートとか初めてでどうしよう、雪ノ下さん。
そして結局アレ扱いは変わらないのか、雪ノ下さん。