インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~   作:kageto

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調子に乗ってもう一話更新。
原作もう一度読み返さないと、それぞれの口調が把握できてない。

この感じだと後二話でオリジナル部分は終わるかな。

次の更新はまたちょっと先になります。


第39話

 

「ねぇ一夏。ボクこれに似たの見たことある気がするんだけど。魔女が配達するアニメに出てくるやつ」

 

「お、よく知ってんな。それをもとにデザインしてある」

 

「あれだよね。イナゴーーーーって。あれ?バッターーーーだっけ?」

 

 いや、どっちも違うぞ。そんな名前の彼氏とか魔女子さんも願い下げだろ。

 

「トンボだよ。トンボ」

 

「そうそう。トンボだ」

 

 ざっと見渡しても埃は被ってない。三人の内だれかが毎日必ず来てるんだろう。

 

「でもこれどうするの?」

 

「ねぇ、シャル。ここに空を飛べるかもしれないマシンがあって、その質問は愚問でしかないわよ」

 

 鈴の言うとおりだ。こいつはそのために作ったんだから。

 

「飛ぶんだよこいつで。空を」

 

「ほんとに!コレ飛べるの?!」

 

 おぉ。シャルの目が輝いた。なんだかんだでロマンわかるよなシャルって。

 

「まだ飛べん」

 

 数馬がシャルの興奮に水を差す、けどまぁ、確かにまだ飛べない。

 

 奥のテーブルに広げられた設計図とも呼べない落書きを見せる。

 

「よくこの設計図でここまで作れましたね」

 

 虚先輩の言うとおり、自分たちでもなんでここまでうまく作れたのかわかってないのがほんとなんだよな。

 

「最初は映画のまんまの見た目に作って、そこから全員で力学の本とにらめっこしながら翼を調整して何とかこの状態まで持ってきたんですよ」

 

「ちょっと弾。あんたはほとんど工作係で、実際に本とにらめっこしてたのは数馬と蘭でしょ」

 

「そこに自分を加えないあたりはえらいな、鈴」

 

 俺と鈴は工作係兼パイロットだったからな。

 

「うっさいわよ一夏!」

 

「まぁまぁ鈴さん。一夏さんの毒舌にいちいち反応してたら疲れるだけですって」

 

 蘭も言ってくれる。

 

「けど、どこで飛ぶのさ。近くに見えた川だと、そんなに遠くまで飛ばせないでしょ?」

 

 よくぞ聞いてくれた。

 

「シャルは知らないだろうけどな。日本には鳥人間コンテストってイベントがある」

 

「とり、にんげん?」

 

「そう、鳥人間だよ。こいつみたいな人力飛行機でどこまで飛べるのかを競う大会だよ。俺たちはいつかそこに出場したくてコレを作ったんだ」

 

「聞いたことありますけど、まだやってたんですね」

 

 えぇ、虚先輩。まだやってたんですよ。

 ISが登場して、生身で空が飛べるようになって大会の知名度はかなり下がっちまったけど、まだちゃんと毎年やってる。

 

 って、こういう時に一番反応しそうなのほほんさんの反応がない。とおもったら、簪と二人、いや数馬も入れて3人で設計図を真剣に覗き込んでる。

 

 

 翼の角度はこのままでいいと思う。けどこれに一夏が乗るなら、もう少し翼の位置を下げた方がいいかも。かんちゃん、それだったらプロペラいじらないとだめだよ。ペラはあと3パターン作ってある。この図面とこの図面だ。角度が違うのと長さが違うやつだね。長さと角度両方違うやつもほしいかな~。

 

 盛り上がりが半端ないな。そしてなにげにのほほんさんの数馬に対するくっつき度が高い。気に入ったな。あれは。恋に発展するかはわからんが。

 

「あちらはかなりの盛り上がりのようですね。シミュレーションをするためのパソコンと整備用具を自宅に取りに行ってきますね。本音と簪さんのも必要になるでしょうから回収してきます」

 

 虚先輩も思った以上に乗り気だな。ふむ。

 

「虚先輩。荷物持ちに弾をつけますんで、使ってください。協力していただけてほんとに助かります」

 

「いっ!おれ?」

 

「おう。頼んだぞ弾」

 

「あ、ついでに家に寄ってきて。母さんがお昼の弁当作ってくれてるはずだから」

 

 蘭ナイスアシスト。

 弾と虚先輩を見送って、鈴と蘭の三人で全員分の飲み物を買いに出る。設計図組は白熱してたので放置だ。

 

 シャルは羽根つき自転車をもっと見たいとの事でおいてきた。

 

「まさか弾に春が来るとはね」

 

「あんなきれいな人がアレになびいてくれるかどうか」

 

 何気にひどいな二人とも。

 

「あとのほほんさんがなぁ」

 

「数馬に懐いてたわね」

 

「同じ領域で話せる男が珍しいってのもあるんだろうが、なぁ」

 

「どう転ぶか気になるところね」

 

 自販機で適当にチョイスして一人三つ持って戻る。

 

「簪たちが参加してくれてかなり現実味を帯びてきたわね。今までのままだったら、参加するのが何年後になるか分からなかったもの」

 

 確かにな。参加するしない以前に飛ばなかったからな。

 

「あのぅ。ちょっと考えたんですけど、シャルさんをパイロットってどうです?鈴さんと一夏さんの丁度中間ぐらいの体格ですよね。シャルさん基準で作ってしまえば、一夏さんや鈴さんにチェンジするときに対応しやすいんじゃないかって」

 

 盲点だったわー。代表候補生やってるくらいだから体力もあるし、いけるんじゃね?本人も興味津々だったし。

 

「蘭。ナイスね。シャルを説得するわよ」

 

 乗り気になって駆け出した鈴を早足で追いかける。

 

 

 

 

 いっそ3人分作るのもありじゃね。とか思ったんだがどうなんだろう。




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