インフィニット・ストラトス ～ダークサマー～ 作：kageto
今回はセシリア編です。短い上に割りと考え方が甘い内容になってます。
いろいろ考えて策を弄しようとしても所詮は貴族の小娘という感じにしたかったので、文章を削る作業に時間がかかりました。
もう1話番外編が入ります。この箒セシリア編と同じような語り文の話を予定しています。
そこから本編戻りで、本編を2～3話、番外編1話、最終話、エピローグを予定してます。楯無さん退場したあたりで、最終話を大きく変更したためにだいぶかけない話が出来ました。学園祭編とかが最たる例です。
あと少しですが、お付き合いいただけると幸いです。
追記 前話から次話までの番外編は、さらにその次の本編投稿時にナンバリングが変わります。
「さて、私について話したんだ。セシリアも話してもらうぞ。これまでと、これからを」
「最初からそのつもりですわ。けれど、わたくし話をまとめるのは苦手なので容赦してくださいまし」
わたくしの家は古い家柄で、両親も古い慣習をそのまま型に嵌めたような人間でしたの。家長である父が一番上で、後継の私が二番目。母はそれを影で助ける。理想の家族でしたわ。
その崩壊のきっかけがＩＳの登場です。ご存知の通り、世界はあっという間に女性主導の風潮へと切り替わりました。イギリスも例には漏れません。そしてその波はわたくし達貴族社会にも影響を及ぼしました。多くの家が婦人によって実権を奪われ、家長はひどい所ですと謀殺されましたわ。そして、周囲に女性家長を強いてきましたの。お父様は最後まで苦悩しておりましたわ。早々に私に家長を継いで、いわゆる院政をとも考えたそうですが、お母様が反対しましたの。実権を握った他家の婦人達の魔手に私を晒したくないと。
その結果がお母様を仮初の家長に立ててのお父様による院政ですわ。うまく周囲をごまかしてやれていたんですのよ。私の両親は優秀でしたから。
それでも隠し事はばれてしまうものです。そのあたりのどろどろした話は少し省きますわね。お父様は私達を守るために家を出てゆきました。重要なのはそこです。お父様は家長の座を母に譲るだけでなく、家を出て行ったんです。政府からの圧力で。
イギリスという国は表面上は貴族制度はなくなりましたが、実際は変わらず女王陛下と元老院、貴族で国の運営が行われていますの。ですけれど、長い事元老院は貴族達の傀儡ですの。
それで、貴族達を騙していた形になったお父様は元老院を通して他の貴族に家から追放されてしましましたの。ええ、今でも思い出すだけで怒りに震えてしまいますわ。
傀儡の元老院が言うには、他の貴族達と肩を並べるという慣習を守らなくてどうする事か。だそうですわ。
えぇ、イギリスなんて古さしか誇る事がない国ですのよ。慣習という言葉で全てが解決させられてしまいますの。伝統と誇りがあるから、他の国々より上に立っていると思ってますのよ。滑稽でしょう？
さて、ここからが本題になるんですけれど、初日の日に織斑さんと口論の後にわたくし孤立しましたでしょう？イギリス貴族の典型のような態度で、日本という国を侮辱する事で。
イギリスが現在の世界情勢を理解せずに日本を侮辱する。この構図が重要でしたの。国際社会におけるイギリスの立ち居地を悪くするためには。
はい？えぇ、はい。そうですわ。わたくしの希望はイギリスというカビの生えた国の消滅ですわ。そのために織斑さんに喧嘩を売りましたのよ。イギリスが誇る、伝統と慣習に染まりきったイギリス人が、世界の情勢を鑑みることない発言をする事で国の破滅を推し進める。いい考えだったのですけどね。織斑さんにはその斜め上を行かれてしまいまして、わたくしといいますかイギリスの立ち位置を決定的に崩壊させる事が出来なかったものですから焦りましたわ。
けれど今回のＩＳの使用制限によってイギリスの女尊男卑が終わるのは確実ですから、満足の一言ですわ。篠ノ之博士の事ですし、男性の使用もそのうち出来るようになるでしょうから、決定的ですわね。
これからについては殆ど考えていませんの。ですけど、イギリスには帰りませんわ。日本に留まるつもりでいますの。こちらに亡命するのもいいのではと思いまして。だって食事がおいしいでしょう？今はそれくらいしか考えてませんわ。
え？織斑さん？そうですわね。いろいろと大変な方ですわね。まぁ、利用しようとした私が言うのもおかしいのかもしれませんけれど。平穏を祈るばかりといったところですわ。
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