インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~   作:kageto

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連続投稿3話目。
山田先生編導入。
次あたりにはきっとラウラが来るはず。
これからかく。何分で書きあがるか。


第23話

 あれから数日、虚先輩の提示した詳細の決まった会長選出案が公布され、これから色々と会議を経て新会長選出が行われるらしい。

 

 ちなみに痴女会長はすでに退学処分となった。盗聴器が更に複数の部屋で発見されたそうだ。虚先輩と山田先生が口外禁止を前提に教えてくれたのだが、候補生の部屋全てにあったそうだ。それ以外にも三年の先輩の中で海外での就職が有力視されてる人や、二年の先輩で海外の企業が目を付けている生徒の部屋にもあったとか。候補生以外の詳しい個人名は聞かなかった。たぶん聞いても教えてはもらえなかったと思う。

 で、候補生の部屋から見つかったのがかなりまずかったらしく、各国からロシアに抗議の嵐となったそうで、即日ロシアへの出向が命じられたそうだ。んで、そのまま代表を降ろされてロシア国籍剥奪となったらしい。追い討ちをかけるように日本政府から日本国籍取得の不許可が宣言されたらしい。他の国も同じように国籍取得の不許可宣言を行ったそうで、現在日本にある更識邸にいるそうだが、監禁状態だそうだ。

 

 あとこれは簪から聞いたんだが、諜報一族としての更識家は取り潰しになるそうだ。なんでも、日本政府お抱えの諜報組織にも関わらず、当主がISのロシア国家代表になっていた。その事実が日本政府としては立腹ものだったそうで、今回の盗聴事件が明るみに出る体たらくの組織を抱えておく理由は無いそうだ。まぁ、言わんとすることはわかる。あの痴女会長は我侭勝手が過ぎたって事だろう。

 簪はそのまま日本の代表候補生を続けられるそうだ。俺も一緒に動いたとはいえ、今回の痴女会長リコールの発起人であり、倉持技研の件もある。それに代表候補生の地位は自身の実力で勝ち取ったものだから家は関係ないそうだ。けれど、簪は更識家との縁は切れる形になるらしい。簪曰く「更識って名前だけど、更識家とは関係のない一個人ですよ。ってスタンスにしたいんだと思う」だそうだ。なんともややこしい。けどあれか、簪も俺と同じように独りになったのか。

 

 

 で、今俺が何してるかというとだ。久しぶりの起動実験だったりする。学園からの立会人として山田先生が来ている。目の下が黒い。クマのレベルが上がりまくりじゃね?こう言っちゃなんだけど、よく倒れないな。

 

 

 ともかく起動実験だが、体中によくわからないパッチを貼り付けられ打鉄を起動してただ待機。研究員の人たちは恐ろしく目を血走らせて駆けずり回ってる。パソコンの前に座ってる人たちなんてキーボードのタッチ音が削岩機のような音を立ててる。簪のキータッチも俺には及ばない領域だと思ってたけど、その簪を超えてるのは確かだ。上には上がいるもんだ。恐ろしい。

 

 今回の実験に来てる研究員は以前と比べてかなり印象がいい。何がいいかって休憩が入る。30分やったら10分休憩を繰り返す形をとってくれる。しかも実験30分のうち最初と最後の5分に何をどうして計測するのか、計測結果とそこから読み取れることなんかを話してくれるから実験に対する苦痛が少ない。訳もわからないことをやるよりわかってる方が何倍もいい。

 

 休憩中は山田先生と談笑する。…………んだけど、時折山田先生の目が虚ろになる。山田先生あかん。その目はダメなやつや。

 鈴にメールして、食堂のおばちゃんに体に良い食事を用意してもらおう。この実験終わったら食堂に強制連行しないと。

 

 今日最後の実験が終わって、研究員に採取データ片手に結果を聞く。今日の実験では女性が起動するときに見られる変動数値との比較だったのだが、俺が起動する際に見られた変動数値も同じだったらしい。次回の起動実験は脳波を中心にデータ取りするそうな。映画で見るようなゴツイヘルメット被るんだろうか。

 

 

 

 

 制服に着替えて戻ってくると、山田先生が研究員の人から今日の結果データを受け取ってるとこだった。ちょっとだけ待つと二人で頭を下げあって終了したようだ。よし連行。

 

「山田先生。このまま食堂で夕食にしましょう。食堂もこの時間なら少なくなってる筈ですし、このまま職員室戻ったら終わるまで抜けられないでしょ?」

 

「う、う~ん。そうですね。後は今回のデータを確認して報告書を書くだけですし、今のうちに食事にしないと食べ損ねちゃいますよね」

 

「じゃあ行きますか。いつだったか約束した食事、手作りじゃないけど今回はおごりますよ。先日また頼み事しちゃいましたし」

 

「あ、えっと、せ、先生が生徒におごってもらうのはちょっとまずいかなぁって」

 

「気にしちゃだめですって。日ごろのお礼ですって。色々良くしてもらって負担かけちゃってますから」

 

「な、なら、ご馳走になっちゃおう、かなぁ」

 

 以前も思ったけど、山田先生押しが弱くてよかった。

 

 

 

 食堂で出された料理は、胃に優しく且つ栄養満点な献立だった。食堂のおばちゃんすげぇ。

 けど、山田先生の事何とか出来る範囲で何とかしないとまずいな。もういつ限界が来てもおかしくないぞ、アレは。

 




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