インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~ 作:kageto
専用機に関するさわり的な話。長くはないです。短め。
機械とか詳しくないから、そっち方面に話を広げられなかったとも言います。
はてさて、遠い昔の話になりかけてた専用機だが、打鉄を一機貰い受けてカスタマイズしていくことで話がついた。誰と話がついたかって、政府とだ。山田先生を仲介したりして何度か話し合いをしたのだが、データ取りをするために打鉄をベースのカスタム機にした方が効率が良いとか、候補生でも打鉄のカスタム機やリヴァイヴのカスタム機を使ってるのに男だからって完全オリジナル機使ったらバッシングがひどいとかの建前を突きつけて、最後は『オリジナル機なんかにしたら篠ノ之束が何しでかすかわからない』と言ったら許可が出た。
それにあれだ。俺がISパイロットにならなかった場合、カスタム分を元に戻せばすぐに通常の打鉄として使えるからな。そういう点もあっての打鉄カスタム機なわけだ。
「というわけで簪先生。専用機のカスタマイズ手伝ってください。そちらの専用機の製作も手伝います」
簪のほほん部屋で正座でお願いしてみる。
「うん。帰れ」
笑顔で断られた。満面の笑顔だ。
「マジで?」
「冗談。いいよ。友達……だし」
おぉ、顔真っ赤。
「おりむ~。わたしも手伝うよ~」
え?
「のほほんさんソッチ系?」
「うん。わたしとお姉ちゃんは整備の方が得意なのだ~」
簪に視線を投げると無言で頷きが返ってきた。意外すぎる。そして姉がいたんだ。
「じゃあ頼もうかな。のほほんさんもよろしく」
「まっかせろ~」
振り上げた右手を見てふと思う。あのユル袖の中から工具とか出てきたら結構面白格好いいんじゃね?と。
「で、一夏は打鉄をどういうコンセプトでカスタムしたいの?」
「速度を活かしたヒットアンドアウェイかな?昔ちょっと剣道やってたから剣の扱いはそこそこできると思うんだけどさ、実際にIS装備した状態で近距離での斬り合いとか怖すぎるだろ」
絶対防御があるからって怖くないわけはないはずだ。
「じゃあ、ブースターやスラスターを増設することになるけど、装甲をどうするかだけど、ヒットアンドアウェイだったら装甲を最低限にして回避メインにした方がいいかな。武装はどうする?」
「武装はまだぜんぜん考えてない。基本装備の焔備だけじゃ足りないとは思ってるけど」
「漠然としたイメージしかないわけだ。とりあえずは私の機体の製作の手伝いをしながらイメージを固めていって、固まったところから製作していく方向かな」
まぁそのあたりが無難だよな。そもそも数ヶ月前までごく普通の中学生だった人間が武装に詳しいわけがない。むしろ詳しかったら怖い。
「かんちゃんかんちゃん。さすがに三人で二機は無理がありすぎると思うな~」
「わ、わかってる。手伝いを……頼むよ」
か、簪が他人の手助けを認めた?!これが成長か……。
俺が一人で簪の成長に感動している間に二人で色々決まったらしい。整備科の先輩に声をかけるらしい。
当然というかなんと言うか、のほほんさんが若干と言わないくらいからかったらしく、簪は椅子の上で器用に膝を抱えていた。頬をリスみたいに膨らませて。あぁもう。何でこの子はこんなに可愛いかなぁ。
のほほんさん。その手に持ったリスのきぐるみパジャマはナイスと言っておこう。
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