「書けばよかろうなのだァァァァッ!!」
と背中を押して貰った気がしたので書いてみました。
が、短いです。後半は少年承太郎視点が入ります。
相変わらず駄文なので面白くねーよ!という方はそっと忘れて下さい。
三部は多分あと一話くらいで終わる予定です。
「ディィオォォッ!!」
承太郎が釈放されてから二日程した夜。最近気に入っている本を読み寛いでいると懐かしい雄叫びと共に扉が吹き飛んできた。
とっさにスタンドで扉を殴り返すと事の元凶は半壊しつつ返っていった扉を弾き粉々にした挙げ句こちらに突進してきた。
「ディオッ!ジョセフから写真が送られてきたんだけど何ともないんだね!?」
「べたべた触るなこの阿呆がッ!」
無遠慮に触ってくるジョジョの手を思い切り払い首を確認されたせいで乱れた襟を直す。
というか何なんだこいつは。(基本的には)スタンドにはスタンドしか触れられない、という条件さえなければスタンドよりも強いんじゃあないのか?
「ジョセフの能力の事は知ってるから、きみがどこかで怪我でもしたんじゃないかと思って急いで帰ってきたんだけど…無事で良かった…」
心底安堵したとばかりに笑うこいつに複雑な気持ちになる、相変わらず阿呆だと苛立ちつつも悪い気はしなくなってきた。
いや違う、今すぐに問題にしなければいけないのはそこではない。
「ジョジョ」
「なんだい?」
「修理費は全額貴様の口座から引いておく」
粉砕された扉とヒビが入っている入り口を指さし淡々と告げると、ジョジョはまるで死刑宣告を受けたような顔をして何やら喚き出した。それを無視して上着を羽織り部屋を出て行く、丁度部下と会う約束の時間だからな。
ジョセフとは後で話し合い(物理)をしなければならんようだ。
余談だが、落ち着いてから話を聞くと連絡用の手紙とは行き違いになったらしい。
「…以上が報告となります」
とある店のVIPルームにて部下の報告を聞く。
己と似たような存在の可能性に行き着いてからエジプト周辺を調べさせていた。報告を聞き、例の写真の男がその存在でほぼ間違いないと確信を持つ。もっとも、写真を見た時から想像は出来たが。
それにしても、偽物は相当な甘ったれのようだ。詳細は反吐が出そうになるので省くが、ジョジョですらおれを殺そうとしたというのに…これならばジョースター一行は誰一人欠ける事なく結末を迎えそうだ。
- - - -
とうとうホリィが倒れた。
時期は後ろにずれ、症状も大分軽いがじわじわと死んでいく事に変わりはない。むしろ意識がある分辛さは増しただろう。
うまくいけばと思ったが、無駄になったか。
ジョセフ達はエジプトへと向かった。花京院も、おれの手助けをしたいと言ってついていった。
ジョジョはついていけない事を悔やんでいたが、自分が塵になってしまっては意味がない。
「ディオ、話があるんだ」
ジョセフ達が旅立ってからひと月程経ったある日、ジョジョが真剣な顔をして己を呼ぶ。
断る理由もないためソファに座るとジョジョもゆっくりとソファに腰掛けた。
「○月○日に、ぼくと一緒にカイロまで行って欲しい。どうしても行かなきゃいけない気がするんだ」
強い眼差しを真っ直ぐに向け力強く言い切るジョジョ。引きずってでも連れていく、という確固たる意志を感じる。
記憶が確かなら、その日はおそらく…。
「いいだろう、一緒に行ってやる」
肘掛けに体重をかけ緩く口の端を上げて笑う。
消えるのは誰か、それを見届けてやろうじゃないか。
おまけ
幼き日の承太郎とディオ、承太郎視点
おれの親戚には不思議な二人がいる。
名前はジョナサンとディオ。
この二人は吸血鬼らしい。
目は真っ赤だし輸血用だけど血を飲んでいた。でもニンニクも十字架も効かなかったから真実は分からない。
ジョナサンは結構な頻度で家にいて、もっと小さい時はジョナサンが父親だと思っていた。実の父親より家にいたのだから仕方ないと思う。
ジョナサンはおれとたくさん遊んだり、たくさん話をしたりしてくれた。
ディオは滅多に近づいてこないし嫌そうな顔をしていたからおれの事が嫌いなんだろうな、と思っていた。
二人に会うのは夜ばかりだったけどそれに不満はない。日光が駄目だ、て聞いたからだ。日光アレルギーというのがあるのを知っている、きっとそれだろう。
ある日、庭で遊んでいた時の事だ。
きっかけは忘れたが、ジョナサンがおれを高い高いしてくれる事になって、ディオはそんなおれ達を縁側でつまらなさそうな顔をして見ていた。
体を使った遊びは好きだけど、屋根より高い「高い高い」は正直ないと思う。
あの時の恐怖は中々忘れられない。
気がつくとディオの腕に抱かれていて、ジョナサンは文字通りディオに殴り飛ばされていた。
「この馬鹿力がッ!貴様何度言えばわかる鳥頭!!」
とか、とにかくディオがジョナサンに説教をかますのを聞いて助けて貰ったのだと知る。
ディオはおれが嫌いだと思っていたからとにかく意外だった。
かあさんいわく「ディオがいて危険な目に会う訳ないじゃない!」との事だった。今なら頷ける。
それからよく見てみれば、嫌そうな顔をしても無視をされたり乱暴にされたりする事はないと気づく。
質問すれば律儀にも答えてくれる。
何だかんだ文句を言いつつもジョナサンが暴走しないように見ていてくれる。(成長して頑丈になればなる程ジョナサンの遠慮がなくなってきた)
成果は正当に評価してくれる。
なんだ、別におれの事、嫌いじゃないんだ。
そう納得できると凄くすっきりした。
すっきりすると、あの日助けてくれた腕の力強さに憧れを抱くようになった。
ジョナサンもおじいちゃんも滅茶苦茶がたいがいい、おれも同じ血が流れているのだから同じようになれる筈だ。
筋トレをして、いつかディオみたいなムキムキになるのが今のおれの夢だ。
流石のDIO様もジョナサンの行動にぎょっとしたもよう。
ザ・ワールドで助けました。
DIO様大好き度
ジョナサン=花京院>>>ホリィ>ジョセフ>承太郎
シーザーは犬
近づかなくても周りの人達にDIO様いい人なんだよ!と吹き込まれる承太郎。だから好感度高いよ!