この超ポジティブまぬけがっ!   作:甚三紅

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ヴェネツィアって二部にも出てたよね。
という事でシーザーの名前だけちょっぴり出してみた。
ジョルノにはぜひともファザコンになって欲しい。


キングクリムゾンの謎。いや謎なのはお前らの頭の中だ!

イタリアで面白いものを見つけた。

身代わりになった奴の子供らしいそいつはジョジョに少し似ている。

あの身代わりの肉体はおそらく「DIO」のものだろう。その体での子供だ、おれの子になるのかジョジョの子になるのか非常に興味深い。おれに敵対さえしなければどんな選択をしようと楽しめる。

あれは「DIO」とおれは別人だと気づいたようだが、おれの方を本物だとしたようだ。そこもまた面白く花京院に次いで気に入っている。

ジョルノをおれの子供として認める事に承太郎は難色を示したが、ジョジョとジョセフは否とは言わなかった。曰く、子供に罪はない、と。

特にジョジョは

 

「あんな怪我をさせられたのに自分の子供として認めるなんて…ディオは本当に優しいね。ジョルノはもうディオとぼくの子供同然!家族だよ!」

 

と言って嬉々としてジョルノと交流を持っている。

優しさでは決してないが、ある意味ジョジョとおれの混血なので微妙に否定し辛い。放っておいたイタリアのやつらもジョジョと花京院込みで家族扱いをしてくる。

下手に否定するとドツボにはまるだけなので、おれは沈黙を選んだ。

 

 

「ああ。そこはお前達に任せよう」

 

携帯電話のボタンを押して電話を切る。百十数年ほどでずいぶんと便利になったものだ。

ジョジョはいまだに握り潰して使い物にならなくするが…あの不器用さでなぜ遺跡や発掘品は壊さないのか不思議だ。

 

電話の相手はとある組織の暗殺を担うやつらで、最近ようやく根回しが済んで引き抜く事が出来た。他人の前に姿を現す事も出来ない腰抜けよりも余程上手く使える自信がある。有能な者を正当に評価しないとは実に愚かだと思う、こうやって引き抜かれる事になるのだから。

うむ、ジョジョの時とは違いまともに相手に物事が伝わるというのはいいものだ。

 

 

 

 

- - - -

 

 

 

「パードレ…」

 

おれの後ろには何やら重体な男と気を失っている女が一人ずつ。その後ろにジョルノと何人かの男。そしておれの胸には穴が空いている。

 

「パードレ!今すぐ部品を…ッ!」

 

何やら騒いでいるがこの程度血さえあれば直ぐに塞がる。補給がなくとも時間はかかるが塞がるためにそっちに行けと重傷そうな男を指差すとジョルノは顔を歪めて男の方へと向かった。

そんな悲壮な顔をしなくても死にはしないが…さて、ジョルノにはおれが吸血鬼だと伝えただろうか。

 

それにしてもなぜこうなったのか。壁にもたれながら今日の行動を思い返す。

折角イタリアにいるのだからとヴェネツィアに来た。今シーザーはここにいるからな、たまには犬に顔を見せるのもいい。

それからここの教会が気に入って中に入って見ていた。

何やら音がすると思いこの場所に来たら男と女がいた。

すると突然攻撃を受けたので反撃した。

そしてジョルノたちがきた。

 

…なぜだ、嫌な予感がひしひしとする。

 

「パードレ…あなたという人は…。暗殺チームによる目くらまし、そしてブチャラティとトリッシュを身をていして助けて…。なぜここにいるのかは聞きません。しかしそれであなたが死んでしまったらぼくはッ!」

 

男の治療が終わったらしいジョルノが近づいておれの手を握る。おいこら、後ろの男どもも今からおれが死ぬような雰囲気を出すんじゃない!

 

「おいジョルノ。おれは吸血鬼だ、この程度では死なんぞ」

「そんな冗談はいいんです、せめて苦しまないよう」

「いいからよく見ろ。既に再生が始まっている」

 

穴の空いた服を軽くめくり再生が始まった箇所を見せる。少しずつ塞がっていく穴にジョルノは僅かな間固まると無理矢理部品とやらを埋め込んできた。

痛い上に違和感が凄い。更にジョルノの怒っている、という空気も凄い。

 

「何なんですか吸血鬼って空想生物なんですか。そこはまあ置いておくとしてあんな…!前からお人好しだとは思っていましたが今回は度が過ぎています!もちろんあなたの事なので娘が父親に殺されるなど許せないと介入したのでしょうが…」

 

以下延々とマシンガンのように繰り出される口撃に胸の傷以上にダメージを受ける。

お人好し…それはジョジョとかの事を指すのであって決して、決して!おれにはあてはまらない筈だ…。そもそもおれは観光にきたのであってお前たちを助けた訳ではない。興味のまま動いたにすぎんのだが…。

 

胸に穴を空けたやつは正直この手でくびり殺したいが、このまま殺しに行く方が(精神的に)ダメージが大きくなる気がする。

これは駄目なパターンな気がしてならないので早々に手を引く事に決める。朝日も昇りそうな時間なためにシーザーの家に避難しなければ。

帰り際に「過保護だが愛情深い親父さんだな」とか微笑ましい目で見られてなどいない。「身内には滅茶苦茶甘いんです。呆れる程お人好しですが、自慢の父親ですよ」とかという返事など聞いていない!

 

それよりもあの不思議な攻撃の事の方が気になる。

気がついたら胸に攻撃を受けていた、という訳ではない。あれは気がついたら攻撃を受ける寸前だった。

時を止める能力ならばおれには効かない筈だ。特に最近は一分以上止められる、気がつかない訳がない。

ならば超加速による瞬間移動か空間をねじ曲げるか、もしくは時間を別な方向にいじるか…。

好奇心が湧き上がってくるがここは我慢しなければいけない。未来の自分のために。

シーザーのところで寝て自分を落ち着けるとしよう。

 




DIO様暗殺チームの引き抜きに成功。
パッショーネの反応をみる為にジョルノ達に攻撃したけどみんな生きてるよ!

今回DIO様は一人で散歩してました。花京院はお留守番。

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