ヴァーリ少年との裏取引に応じ、やって来ました長野県は九郎ヶ岳の山頂付近。
「……ヴァーリ少年?」
「どうした、外神翔一?」
どうしたもこうしたも無い。俺今日遺跡の調査を手伝うという名目で付いて来たのに、何処を見ても遺跡なんか見当たら無いではないか。目の前にあるのはマンホール程度の大きさの割れ目だけで、後は辺り一面杉の木だらけ。
……まさかとは思うが、【遺跡の調査】は俺とタイマン張る為のでまかせじゃあないだろうな?
「ふむ、その疑問は最もだが、俺は何一つ嘘は言っていないぞ」
「じゃあ何処に遺跡が在るって言うんだ?」
訝しみながら問いかけてみた所、“心外な”とでも言いたげな表情でヴァーリ少年は亀裂を指差し…………え、そこ…?
「ああ、ここだ」
「……本気?」
「当然だ。厳密に言えば、この亀裂を通って八百メートル程進んだ所に目的の『遺跡』の入り口が在るんだ」
……取り敢えず変身して……。
『……うわ、本当に何か在る』
半信半疑で山の龍脈の流れを注視してみた所、明らかに周囲の龍脈の流れ強引に捻じ曲げて引き込んでいる空間を見付けた。ヴァーリ少年は“それ見た事か”と言わんばかりのドヤ顔を晒しているが……君コレ“崩落の危険”とかそう言うレベルじゃ無いじゃん。完全に埋まっちゃってるじゃん。
そもそも発掘すらされてない物に崩落も何も無いだろうに……厄介な仕事引き受けてしまった。と言うか、そもそもどうやってこの遺跡を見つけたのだろうか。普通にしてたらまず見つからないと思うのだが……。
「ああ、偵察用の使い魔が発見したんだ。しかし、その使い魔は遺跡の奥の方で消息を断ってしまってな……最奥の部屋に棺らしきモノが安置されているのは確認できたんだが、調べさせようとした所で反応が消えたんだ。まあ、恐らくレイラインにでも触れてしまったのだろう」
ふ〜ん……まあ、そんな些事は置いておいて、と。
『――開け』
『加護』の力で周辺一体の地面へ働きかけ、亀裂を拡張して問題の遺跡への道を造り出し、崩れない様に押さえ付ける。干渉が弱過ぎれば少しの衝撃で崩落するし、強過ぎても簡単に崩れ落ちる。他にも地中の生物やら植物の根やらを避けながらジワジワと、水が大地を浸食する様に少しずつ道を開く。
正直に言おう、目茶苦茶しんどい。プラモの塗装だってここまで気は使わないぞ……。
そんな取り留めも無い事を考えながら只管に掘り進め、漸く開通したのは操作を始めてから一時間近く経った頃であった。
「ほう、大したものだ。俺達ではこういった場所は力尽くでこじ開けるしか無くてな、肝心の遺跡そのモノも破壊しかねないんだ」
ヴァーリ少年が感心した様にしながら、やけに具体的な事をサラッと言ってるけど……まさかもう体験済みじゃ無いよね?
「……」
おい、此方を見ろ
「……まあ、数ヶ所程壊してしまった事はあるが…」
『よし、俺が先に様子見に行くから、ヴァーリ少年はここで待機だ』
「待て、何故だ」
寧ろ何故普通に行かせてもらえると思ったのかと小一時間程問い詰めたい。重要文化財を破壊する様な危険人物を行かせられる訳が無いだろう。日本人は前科持ちに厳しいのだ、良くも悪くも。
「納得がいかん、せめてお前と同行する形に…」
『駄目だ。言う事聞かないなら完全に埋めるぞ』
「ぐぬぅ……」
ごねるヴァーリ少年にキツく言い聞かせ、遺跡までの道に踏み込んだ。
Α−Ω
『……コレ、か』
俺一人がギリギリ通り抜けられる程度にまで拡張した亀裂を通り、歩き続ける事五分。土中で暮らす生物やら植物等を避けて来たため、かなり時間がかかったが、漸く目的の場所に到着した。
様々な記号…いや、象形文字か? とにかく、その様なモノが刻まれた茶色い大理石の様な門が眼前に現れた。門の手前の空間は俺が拡張した訳でも無いのに半球状のそこそこ(と言っても教室程度だが…)の規模に広がっていて、周辺から湯水の如く龍脈の力が流れ込み、暫く渦を巻いた後に門の奥へと流れて行く。
『……ふむ』
まあ、ここで躊躇っていてもしようが無い。ヴァーリ少年にも言い聞かせてきたのだし、一先ず中に入ってみる。
因みに、極々普通に周囲の造形について語ってきたが、この遺跡には現在光源の類が一切無いので周囲は真っ暗である。当たり前と言えば当たり前なのだが。
『ホントにチートだよなぁ……ん?』
暫く歩き、いい加減にこの遺跡長過ぎないかと思っていた所で、奥の方に何か石の箱の様な物が鎮座している空間に出た。周囲を見廻してみれば、先程の門に刻まれていた紋章が内壁の至る場所に刻印されている。
『……コレ、石棺か? ……いや、でも…』
中央の石の箱を覗き込んでみたところ、内側には何らかの装飾品の欠片が散乱していたが、それだけ。そう、
――この棺には
普通に考えれば、ただ墓荒らしにあっただけだろうが……どうにも嫌な予感がする。取り敢えず下見は済んだのだし、サッサと外に出てヴァーリ少年を連れ……。
『――
『!?』
弾かれる様に振り向くと、獅子の如き体にきらびやかな黄金の装飾具を身に纏い、悠然とした態度でソイツはそこに居た。まるでホームパーティに招待した友人にそうするかの様に、俺を待ち構えていた。
そして悟った、“こいつは駄目だ”と。思考では無く本能が告げてくるのだ、“これはいけない。存在を許してはいけない”と。
『
腰掛けていた石の台座から降り立った奴は言う。奴の言葉は俺が生涯でただの一度も聞いた事の無い、非常に耳障りな言語だが、何故かしっかりと理解できる。恐らくテレパシーの類であると思われるが……。
『
『……何を言って…』
奴の姿が消えた。同時に、ぶしゃッと、瑞々しい果実を握り潰した様な音がした。
『……あ?』
……俺は一瞬たりとも奴から目を逸らしていなかった。だと言うのに、奴は俺の背後に立っていて、俺の腹からは奴の腕が付き出して……。
『……ッ!!?』
思考が働くよりも速く身体を引き抜き、壁を背にしながら奴に向き直る。一呼吸する度に吐き気を催す程の眩暈が迫り、腹に空いた風穴の直径は三十センチも無いというのに一向に再生が始まらない。
『
出血を押さえている俺を見ながら、無邪気そのものとしか言いようのない楽しそうな声音で、ゆっくりとコチラに歩み寄る。
先程の瞬間移動の様な力がある以上、この場から撤退するのは恐らく不可能。外で待機しているヴァーリ少年との合流も難しい。と言うか、仮面ライダーがこんなヤバそうな怪人を放置して逃げる訳にはいかない。
……この場で単独撃破するしかない…!
『ォラァァァッ!!!』
目眩と痛みを堪えて踏み込んで胸元目掛けて右ストレートを叩き込み、立て続けに左ボディブローと右肘打、前蹴りを打ち込んで奴を弾き飛ばし、更に踏み込んでラッシュ。
大振りの剛拳を屈んで避け、密着状態からのアッパー、跳び上がって膝蹴り。滞空中に目眩ましに手刀の光刃を放ち、奴を飛び越えて着地するのと同時に脇腹に後ろ回し蹴り、ストレート、前蹴り、手刀、エルボー、
思いつく限りの全ての技術でもって一心不乱の連続攻撃を叩き込む。
『ハハハハハッ!!』
『アァァァァァァァッ!!!』
打撃が命中する度に奴の身体は後退るが、打ち込んだ感触は鉛の塊を素手で殴っているかのように重く堅く、まるで効いているとは思えない。通常の身体能力任せの攻撃では話にならない。そう思い、途中から打撃に魔力と光力を練り込んだモノを混ぜてみたのだが、強化された打撃は往なすか躱されるかされ、カウンターが飛んできた。
『この……ッッッ!!』
武術の類を修めたのでは無く、実戦で身につけたと思しき奴の拳は、放つまでの挙動の全てが荒々しく、それ故その軌道を見抜く事自体はそこまで困難では無い。
しかし、その荒々しさを補ってなお余りある強靭なパワーと雷光の如きスピードの為に、カウンターを放たれた場合は回避に専念せざるを得ず、それによって生じた隙目掛けて必殺と言っても過言ではない様な蹴撃が放たれる。
せめて赤の超感覚か青の高速移動のどちらかでも使えれば多少はマシになるのだが、今は再変身している余裕は無い。一瞬でも迫り来る打撃への対処が遅れれば、次の瞬間にはあの世逝きになりかねないのだ。
……まあ、そもそも今は金の能力で遺跡の崩落を食い止めているから、他のフォームに変わるのは不可能なんだが。
唯でさえ何時崩壊してもおかしくはなかったと言うのに、俺と奴とが大暴れした為に周辺の地盤はボドボドになっている。一瞬でも周囲の『地』への干渉を止めてしまえば、あっと言う間にこの遺跡は崩壊するだろう。生き埋め程度ならば何とかなるが、龍脈の『力』が暴走でもしたら一環の終わりだ。
『――
愉快そうに、心の底から愉しそうに奴は言う。厳つい顔に喜色の笑みを浮かべ、幾ら俺の打撃を受けようと構う事無く拳を振い、蹴りを飛ばす。
『ッ、しまッ……!?』
そうして、この短時間に何度繰り返したのか判らない程の連打の応酬の果てに、足元の段差に蹴躓くと言う、極々初歩的でありながら極めて致命的な隙を晒してしまった。
刹那の内に迫り来る剛拳。咄嗟に左腕を拳と顔面の間に挟み込み、自分から後方へと跳躍したものの、その程度はマトモな防御とはとても言えず。
一瞬の浮遊感の後、豪速でもって遺跡の内壁に叩き付けられた。
『……ぐ……ッ!!』
ぐにゃりと視界が揺れて足元が覚束無くなり、拳に込めた魔力と光力が散り始める。それと同時、遺跡全体を小規模な振動が襲う。
……マズい。かなりイイのをもらってしまった上に、血を流し過ぎたのか『力』の制御が出来無くなってきた。何とか遺跡の崩壊は食い止めているが、このままダメージが回復しなければ直にそれも出来無くなる。
だと言うのに、このライオン怪人は未だにピンピンと――いや、違う。
先程のラッシュで刻んた脇腹の傷が少しずつ消失していく様を見て、思わず目を見張る。
『…お前、再生能力持ちか……!』
これはいよいよマズい事になって来た……此方は能力すらマトモに発動出来なくなってきているのに、向こうは瞬間移動と謎の回復阻害、おまけに再生能力まで持ち合わせてる。
ここまで一方的にズタボロにされたのは鯨ロードとの戦い以来だ。
『――
『抜かせ…まだまだだ』
『
奴は此方に掌を翳してくるが……なんだ、何を狙って……ッ!?
『が、あああああああああああッッ!!!??』
突如として俺の全身が燃え上がり、激痛が走る。何をされたのか全く分からず、再生能力も機能しない。思わず遠退きそうになる意識を全力で繋ぎ止め、魔力を全身から放出する事によって炎を掻き消すが、依然として損傷した肉体は再生しない。
『フ、ハハハ……ハハハハッ! アハハハハハハハハハハハハハハッッッ!!!!!!!』
『が、あ、ぐぅ……っ!』
奴が狂った様に嗤う度、俺は火達磨にされる。消しては燃やされ消しては燃やされ。鎧は溶け落ち、肺は焼け爛れ、呼吸をする度に喉が燃える。しかし、呼吸を躊躇えば、待っているのは酸欠による意識の意識の混濁と身体能力の低下。どれだけ苦しくても、呼吸だけは止められない。
それは、十分に判っているのだ。
『ク、ソが……』
失血と激痛で思考が歪む。
速度も負け、筋力も負け、能力も負け。本格的に詰んでいる。技術では覆しようが無く、搦手は使えない、最初の不意討ちと再生阻害のせいで時間の経過と共に絶え間なく低下していく戦闘能力に、トドメの自己再生能力。
…………どうしろってんだよ…ッ!!
『……
……何を、言っている……?
『
巫山戯た事を……いや、落ち着け外神翔一……現状俺が不利なのは事実。戦いを回避出来るなら、それが一番……。
『
『……は?』
コイツは一体何を言っている…? 何故そこで他の人間を殺すと言う結論になるんだ…? 駄目だ、理解が出来ない。コイツは一体何を考えている?
『
……ああ、なるほど。そうかそうか、お前は
『――っざっけんな、この糞野郎ッ!!!』
一瞬で鶏冠に来た。痛みも何もかも忘れて殴りかかるが、ボディに強烈な蹴りを喰らって吹っ飛ばされる。
『
“どうして”!? “どうして”っつったかテメェ今この野郎!!?
『俺はなぁ! お前みたいに何の覚悟も気負いも無く、ただ“楽しいから”って理由で他人を傷付ける奴が大ッ嫌いなんだよ!!!』
ああ、やはり俺の直感に狂いは無かった。こんな奴を表に出す訳にはいかない、認める訳にはいかない。
『
解ってもらわなくて結構だ、お前に理解できるとは思っていない。
しかし、倒すと誓ったのは良いが、現状が手詰まりである事には変わりは無い。くそ、せめて三つのフォームの能力を同時に使えれば………。
………同時に、使う………?
『……それだ』
そうだ。考えてみれば簡単な事じゃないか、一本の
そうだ、諦めるなんて論外だ。まだまだ試していない事なんて腐る程あるじゃないか。そもそも、プリムの為でもないのに、こんな所でこんな奴に殺されてやらなければならない道理が何処にあると言うんだ。
駄目だな、失血し過ぎて頭がボケていたようだ……!
全身を苛む激痛を思考から叩き出し、ミカエル、ラファエル、ウリエルの『加護』に意識を集中させる。
何、こんな事は出来て当然だ。普段バラバラで使っている力を一遍に使うだけ、難しい事なんて何一つやろうとしていないじゃないか。
金、赤、青のそれぞれのフォームをイメージし、そこからいいとこ取りをしたトリコロールの姿を
『――変身ッ!!!』
イメージが
Α−Ω
――形態変換要請を確認。要請内容、全属性の均等分配………
――胴体……『地』制御成功、掌握完了。右腕……『火』制御成功、掌握完了。左腕……ッ……
《――どうやら苦戦しているようねぇ、手伝いましょうか?》
――ッ! ……不要です。制御への支障が発生します、即座に去りなさい――
《――あらあら、つまらない維持張っちゃって……そんなんだからボッチとか言われるのよ?》
――……繰り返します、今すぐに消え失せなさい。さもなくば……――
《――はいはい、言われずとも消えるわよ。今回は私の『力』は必要無いようだしね…じゃ、またね〜♪》
――……『地』『火』制御への支障無し、『風』再掌握の開……該当部位の消失により原子配列の正常化を確認。左腕再生開始…………完了。『風』再掌握開始…………………制御成功、掌握完了――
――『地』『火』『風』の完全制御を確認、該当部位への
――
――
Α−Ω
――ベルトの両端から手を離す。
『フゥー……』
身体中から力が溢れてくる。全身の怪我の再生が終わり、SAN値をガリガリと蝕んでいた激痛も止まった。変身途中で一回左腕が吹っ飛んだが、まあ問題は無い。さあ、仕切り直しだ。
目はちゃんと見えている。
耳はしっかり聴こえている。
手はちゃんと力が入る。
足はちゃんと地に立ってる。
何より、
『――さあ来い、今の俺は手強いぞ?』
『…
呆気に取られた顔をしていた奴はクツクツと笑い、先程よりも遥かに凄絶な笑みを浮かべると。
『
一瞬で俺の目の前に現れ、踊り掛かってきた。
迫り来る剛拳を掻い潜り、バックステップで距離をとってから味覚と嗅覚を遮断、思考加速の開始する。瞬間、体感時間がぶわりと引き伸ばされ、周囲の景色がゆっくりと流れ始める。
うん、『地』と『火』の能力はキチンと使えてるな。じゃあ次は『風』だな。
周囲の大気を足元に集める。ふむ、今までだったらもう数秒時間が掛かったけど、これも大分性能が上がってるな……まあ、その辺の検証は後で良いな。まずはコイツをぶっ飛ばすなくちゃならないし。
足元の大気を炸裂させて肉薄、先ずはお返しに顔面にストレートをぶち込む。
『ガッ………!!?』
先程の俺の様に内壁に向かって一直線に吹っ飛ぶが、この程度では終わらせない。『地』の力を周辺一体に働きかせ、外までの通路を生成。吹き飛ぶ奴目掛けて跳躍、飛び蹴りを叩き込んで再び弾き飛ばし、反動で後方宙返り。そのまま
「――おい、何事だ外神翔一。先程飛び出して来た奴は何だ?」
表に出るのと同時にヴァーリ少年がすっ飛んで来た。まあ当然か。
『俺、アイツ、ぶっ飛ばす』
「なるほど、簡潔で心に響くな」
コレで通じるから
『ハハハ! ハハハハハッ! ハハハハハハハハハハッ!!!』
『五月蠅え、死ねェェェェェェェッ!!!』
瞬間移動で現れた奴のパンチを躱して思考加速の再開。炎と光力を収束させた右拳を叩き込む。炎と光力を練り込んだ拳は奴の身体に接触すると同時に溜め込んでいたエネルギーを、まるでビームの様に一気に放出して、奴の身体を焼き焦がしながら吹き飛ばす。だが、まだだ。この程度じゃ奴は倒せない……!!
『でりゃあああぁぁぁぁッ!!!』
ベルトの両端のスイッチを押し込み、中央の石から飛び出す様に現れた炎の剣と風の戦斧を掴み取り、展開して投擲。火炎を纏った剣と暴風を纏った戦斧は、流星の如く宙を駆けると奴の胸部と腹部を貫き、奴の身体を背後にそびえ立っていた巨大な断崖へと昆虫標本の様に縫い付けた。
『ぐ、ガ、ハ……ッ!!?』
苦しげに呻く奴が突き刺さっている戦斧と剣に手を触れると、謎の放電と共に武器が両方共に粉々に崩壊して、奴は地面に落下する。
『逃がすかァ!!!』
奴が瞬間移動で彼処から脱出するよりも早くアギトの紋章を展開、龍脈の力を限界まで
『うおおおおおおおおおッッ!!!』
跳躍と同時に思考加速を開始し、重力操作と大気操作でもって奴目掛けて
『――耐えるな、くたばれ』
両足が奴の腹部に突き刺さると同時に溜め込んでいたエネルギーをありったけ送り込み、衝撃を利用して後方宙返りで着地。
『……ハハッ……
『……五月蠅え、二度と蘇ってくんな』
残心をとってゆっくりと腰を下ろしながら奴に背を向けると、奴は心の底から愉しそうにそう呟き、一瞬の間を置いて大爆発を起こした。
>リント族
原作『仮面ライダークウガ』世界の古代日本に存在した、戦闘を好まない穏やかな民族。農業を主体にしながらも高い技術力を誇っていたが、後述のグロンギ族の殺人ゲーム『ゲゲル』の標的にされてしまう。
今作においては呪術と錬金術に秀でた一族。太古の時代にグロンギ族に狙われ、とあるアギトと共に戦いこれを撃破、封印した。
>グロンギ
今作においては、狼男の血を引くギルスが突然変異した結果生まれた【ン・ガミオ・ゼダ】によって生み出された種族。
リント族と共に戦ったアギトによってその殆どが滅ぼされ、少数の生き残りはリント族の戦士【クウガ】によって封印された。
>ライオンの様な怪人
ン・ダグバ・ゼバ中間体。原作『仮面ライダークウガ』において、その時点での五代の最強フォームであったアメイジングマイティを瞬殺し、片手間で三万人もの一般市民を虐殺した仮面ライダー史上トップクラスにヤバいラスボス。
強者との戦いを何よりも望み、九郎ヶ岳にてアルティメットフォームへと変身した五代と壮絶な殴り合いを繰り広げ、その過程で腹部のベルトを破壊され神経断裂によって死亡した。
今作においては【ミラージュアギト】が【ン・ガミオ・ゼダ】によってグロンギ化された存在。古代リント族との戦いでは、リント族と共に戦ったアギトによってベルトを破壊され、消耗・弱体化した所をクウガによって封印された。
リント族によって龍脈の力を利用した封印を施されていたが、ヴァーリの放った使い魔が封印具である石棺を動かした結果、封印から解き放たれた。
因みに、もしもダグバが完全体だった場合、ヴァーリと主人公(トリニティ)は二人がかりでもどちらかが死亡、どちらかが再起不能にされていた。
なお、ン・マダオ・ゼダはダグバがグロンギ化した際に速攻でコロコロされた模様。ディケイドとオノデラに負ける様じゃしょうがないよね!
>炎と光力を収束させた右拳を〜
トリニティフォームに移行した際に使用可能になった技。
①:『ウリエルの加護』のもたらす重力操作で相手を引き寄せながら、
②:『ミカエルの加護』由来の炎と光力を拳に込め、
③:『ラファエルの加護』による大気操作で超加速させた拳を打ち込み、
④:インパクトの瞬間に炎と光力を光線状に射出。
という四段階の攻撃になっており、大抵の相手は③の時点で死ぬ。現時点での原作主人公は③の時点で消し飛ぶ。トリアイナのルークならガードすればギリギリ耐えられる。
元ネタは『ウルトラマンネクサス』に登場した『ウルトラマンノア』の
ハイ、と言う訳で第十五話でした。
先週更新出来なかったから普段の2倍書きましたよ! 何気に過去最長ですよ! 別に“上手く分割出来ねぇなぁ……いいや、来週の分とくっつけちゃえ”なんて言ってませんからね!
……ハイ、更新遅れてごめんなさい OTZ
今回はグロンギ首領、みんな大好きダグバ様(中間体)の登場とトリニティフォーム覚醒回でした。
正直、ダグバ様のコレジャナイ感が半端ないです。だってあのヒトあんまり喋らないしちょっとしか戦わないんだもん!(泣き言
なので、中間体の戦闘能力は完全にでっち上げです。だって資料が少ないんだもん!(二回目
口調は俺様系だったらしいんですけどねぇ……
そんな訳で(どんな訳だ)“こんなのダグバ様じゃねぇ!”とか“ユウタロスぶ○殺すぞ!”とかは言わないでやって下さい OTZ
あ、因みに。
今後グロンギは二度と出しません。二度と出しません。
大事な事だから二回言いました。べ、別にグロンギ語翻訳が面倒な訳じゃないんだからね!
そう言えば、ツイッターを始めた……と言うか垢作って放置してたのを思い出したんですけど……ぶっちゃけツイッターって何すれば良いんですかね? 作品の更新連絡って需要あるのかな……?
次回は一週間前後で更新します(日和った