――青色の閃光と共に訪れる斬撃を左腕の鉤爪で弾き、閃光が向かったであろう場所に背中の触手を放つ。しかし、伸ばした触手は手応えなく宙空を切り、それどころか次の瞬間に背後で再び金色の閃光が迸る。
『ぐっ……!』
咄嗟に周囲を薙ぎ払う様に回し蹴りを放ったものの難無くかわされ、俺の全身に決して深くは無いが、かと言って浅くもない斬り傷が刻まれる。無論、ギルスになった俺からすれば致命傷と呼ぶには程遠いが、痛い物は痛い。その上嫌らしい事に、これまでの斬撃によって相手は俺の健を裂けるギリギリの深さを覚えたらしく、斬られる度に体の動きが止まる。無論一瞬の事だが、奴のスピードからすれば十分に致命的な隙なのであろう。
斬られては回り込まれ、斬られては避けられ。何とか反撃を試みたが、腕を振りかぶった瞬間に肩と触手を切り裂かれ、胴に膝蹴りが叩き込まれる。筋力はそこまで強くは無いので(と言っても、普通に俺より強いのだが……)大したダメージにはならないが反射的に身体は硬直、刹那、暴風を纏った掌底が顎にクリーンヒットして俺は遥か上空に吹き飛ばされた。
『ぐ、お……』
切り揉みしながら数秒間の空中飛行を楽しんだ後、後頭部から地面に叩き付けられた。アカン、めっちゃ視界がチカチカするし、地面もグワングワン揺れててまともに立てそうもない。
俺の再生能力は歴代ギルスの中でもトップクラスに高いらしいのだが、あくまでも再生能力とは“傷を治せる能力”なので脳震盪は自然に納まるのを待つしかないんだよなぁ……
なんて考えていた数秒で視界の揺れが納まったので爆転の要領で起き上がる。それにしても……態々
『性格悪いなお前。『ミカエルの加護』は遠慮せずに追撃してきたぞ?』
コキコキと首や肩を回してファイティングポーズを取り、『ラファエルの加護』に向き直る。コイツは基本的には『ミカエルの加護』と同じ姿をしているが、アレとは違って鎧の赤い部分が青色になっているし、右腕ではなく左腕に力が集中している。武器も両端に刃の付いた棒だ。
まあ、そんな見た目の差異はどうでもいい。問題はコイツの能力だ。
『ミカエルの加護』が炎を操っていた事から分かるかと思うが『ラファエルの加護』であるコイツは風を操ってくるのだ。さて、皆は風属性と聞いたらまず何を想像するかな? 飛行? 天候操作? 暴風? 確かにそんな感じの能力は使ってきた。リアルに『エアロブラスト』撃ってきた時はビックリしたけど、速くて痛いだけなのでそこまでヤバくはない。本当に強力な能力と言うモノは、えてして単純なモノである。
風属性で最もシンプルで強力な能力――即ち、“
つまり、結論から言うと『ラファエルの加護』が速すぎて成す術が無い。いや、もうホントに速いのだ。最早“速い”じゃなくて“疾い”と言うべき速度で攻撃してくるので、致命傷を避けるので割と精一杯になっている。分かりやすく言うなら、俺がワームサナギ体で向こうがカブトだ。根本的に速さの次元が違うのだ。
現状、油断せずに致命傷だけを防いでおけばやられはしないが、応援の類が無い状況でそんなじり貧以外の何物でもない選択肢を選ぶ意味が無い。そうなると此方から仕掛けるしかない訳なのだが、アギトの超感覚ならいざ知らず、ギルスの俺ではアイツの速度に追い付けない。アギトになったお陰で動体視力や反射神経は素のギルスの時よりも向上しているが、それでも攻撃の軌跡を捉えるので精一杯だし。
『……よし』
このままでは一向に状況は改善出来ない。故に、割りと無茶な方法に挑戦してみようと思う。正直に言って、博打にも程があるのだが……。持久戦は俺の方が不利なのだ、やるしかない。
考え終わるのと同時に『ラファエルの加護』が掻き消える。お得意の圧縮空気を使った高速移動だろう、黄金の刃の軌跡がまるで流星の様に周囲一帯を縦横無尽に迸っている。チカチカして目に悪い。それにしても、最初の相手が『ミカエルの加護』で良かった。アレの超感覚の補助がなかったらこんな無茶な作戦は取れなかったのだし。
量肩の触手を俺を中心とした半径1メートル、高さ4メートル程の、俺が収まるサイズの円錐型になるように螺旋状に展開。そのまま両手の鉤爪を身体に巻き付け、さながらパラボラアンテナの様になる。これで準備は完了だ。
『ぐっ……』
両肩の触手が高速で何度も斬り刻まれる。時折凄まじい衝撃も襲ってくる。
斬撃は全力の再生で即座に修復し、衝撃は踵の刃を普段とは逆向きに伸ばしてアンカーの様に地面に突き刺し堪える。衝撃と激痛に何度か意識が飛びそうになるが、今触手の壁が崩れたらそれこそ一貫の終わり。歯を食いしばって耐え抜く。
……そうしてどれ程耐えただろうか。数時間の様な気もするし、数分の様な気もするが、まあいい。
円錐型に展開した壁の頂上部、僅かに開けておいた穴からヤツの姿が見えた。斬撃や暴風ではテコでも動かない壁に埒があかないと判断したであろう。『ラファエルの加護』は刃の付いた棒を暴風を纏った左腕で掲げ、空中に浮かびながら此方を睨み付けていた。見れば、手に持った棒がバチバチと紫電を纏っている。そう言えば、大気を圧縮し続けるとプラズマが出来るって何かのマンガで読んだな……。成る程、アレがそうか。確かに食らったらエライ事になりそうだな。
ただまあ――ソレをわざわざ空中で使ったのは失敗だ。
『――――――――――ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
喉を極限まで振動させると同時、ヒトの可聴域を超え最早“声”と言う範疇には収まり切らなくなった“音”が壁の内側で反響、パラボラアンテナの如く展開させていた触手で収束し、僅かに開いていた円錐の頂上部目掛けて一斉に駆ける。
そうして“音”が壁から飛び出したその瞬間、『ラファエルの加護』が両刃の棒に収束させていた風が霧散。一瞬の間の後、『ラファエルの加護』の首は地に墜ちた。
Α-Ω
「――いやあ、ぶっつけ本番だったけど成功して良かったわ。流石“超音波メス”」
「流石じゃないでしょう!?」
駒王学園の襲撃から二週間程が経過し、夏休みに突入した。例年ならそろそろバイクで旅行に出る頃なのだが、流石に今年はそれどころでは無いため、俺は店の手伝いと自主鍛練、プリムとの遠出やちょこちょこ店を訪れるほっぽちゃん一家や桐生と世間話、トルネの整備等をして日々を過ごしていた。そんな風に穏やかな生活を送っていたのだが、今日になって突然、俺に宿る複数の『加護』の一つを司る
そんなこんなで『ラファエルの加護』を掌握して無事に現実世界に意識が戻って来たのだが、どうやら身体の方はまたぶっ倒れていたらしく、一体精神世界で何があったのかと問い詰めてきたプリムに先の戦いの詳細を語った所、思いっきり引っ叩かれた。凄い痛い。
何をするんだと文句を言おうと思ったのだが、プリムの顔を見た瞬間、そんな考えは遥か彼方へと吹き飛んだ。
泣いているのだ、プリムが。
「ショウイチ、お願いだから自分の身の安全も考慮してちょうだい」
……確かに最近の戦い方はちょっと荒々し過ぎるかもしれない。思い返してみれば、変身した当初は極力無傷で勝とうとしてたのに、最近では致命傷以外は一切防がず、相手を速攻で倒す事のみを念頭に置いていた気がする。
「……そうだな。うん、今後はこういう戦い方は控えるよ」
再生阻害等の能力を持っているロードだって居るかもしれないし、そんな未知の相手にこんな戦法で挑み続けていたらその内確実に詰む。ここは一つ、この夏休みを利用して格闘術を一から鍛え直そう。思えばギルスやアギトになって以来、余りしっかりと鍛練して無かったし。
という訳なのでそんな顔しないで下さいプリムさん、良心の呵責で胸がドリルで抉られてるかの様に痛いのです。
「…分かってくれたならそれで良いわ。私の方こそ、護られている側なのに文句を言ってしまってごめんなさい……自分の代わりに貴方を戦わせている私にこんな事を言う資格は無いかもしれない。けれど、貴方に何かあったらと思うと、私は……」
俯いたプリムが、見た目相応の少女の様にか細く呟く。
……強くなって、ロードを倒して帰ってくれば、プリム自身に危険が及ばない様にすれば、それで彼女は安心して暮らせると思っていた。ちょっと強くなったら喜び勇んで、偉そうな事を言って……こうして直接言われるまで、この娘が不安を感じているなんて思っても見なかった。自分が傷付く事でこの娘が責任を感じ、苦悩するなんて考えもしなかった。
護るべき少女を不安に晒し、自分の望むがままに力を求め、“人助け”と言う大義名分を手に
これの何処が
「…ごめん、プリム」
「? ショウイ…ッ!?」
そっとプリムの背中に手を回して、プリムが苦しくならないように気を付けながら抱き締めた。
「し、しょうい、ショウイチ!? ど、どっどどう、どうし…ッ!?」
「……俺、調子に乗ってた。俺が何よりも大切にしないといけなかったのはキミなのに、いつの間にかロードを殺す為に戦ってた」
「あ、コレ無理私堕ちた」
震えながら上擦った声をあげるプリムを抱き締めたまま優しく彼女の頭を撫で、声を荒げない様に静かにプリムの耳元で懺悔の言葉をささやく。
そうだ、俺は決して強くなる為にアギトになった訳じゃない。俺はこの娘を、プリムを護る為にアギトになったんじゃないか。“強さ”はあくまでもオマケ、護る為の手段だ。一体何を勘違いしていたんだ。
「…ぁぅ…ぁぅ…」
俺はつくづく鈍い奴だ。こうやって抱き締めて、漸くプリムが震えている事に気付いたのだから。
「ごめんなぁ、こんな馬鹿で……」
プリム、小っちゃい身体だなぁ……。ベッドに潜り込んで来たりした時には気付かなかったけど、抱き締めると良く分かる。こんな小さな身体で何百年も逃亡生活をしていて、久し振りに得た安らげる場所が
相手の事を考えずに人を助け続けていたら、いつの間にか他人の気持ちなんて一切考慮しないのが当たり前になっていた。良くもまぁ、こんな思考で
俺に必要なのは死ぬ覚悟じゃない。“何があろうと必ず生き抜く覚悟”。この娘の不安を振り払う為にはコレこそが必要なのだ。
「約束する。俺は死なない、絶対に君を独りにさせない。必ず生きて君の元に帰ってくる。だから、もう泣かないで」
誓いの言葉は口に出した。覆水盆に帰らずだ、もう後には引けない。これからは何があろうと絶対に生きて帰ろう。
「……前にも聞いたけど、ショウイチ。どうして貴方はここまでしてくれるの? いくら何でも“自己満足”で済ませられる範疇じゃ無いわよ?」
涙の引いたプリムが問うて来た。
「え? だって俺、プリムの事好きだし」
「……ごめんなさい、年のせいかちょっと耳が遠くなったみたい。ショウイチ、もう一度お願…」
「愛してるぞ、プリム」
「」
プリムが石像の様に固まった。そんなに意外だろうか? 普通、嫌いな相手の為に命懸けになんてなれないと思うんだが……。
「……え、えっと、その……何時から?」
「自覚したのは2日前。何時からかは分かんないけど…まあ、それは良いだろう。大事なのは“時間”じゃなくて“質”と“量”だと思うんだ、俺」
まあ多分、俺が学校から帰る度に言ってくれる“おかえりなさい”の言葉と微笑みにヤられたんだと思う。どうにも自分は新妻系に弱いみたいだ。と言うか、あんなに真っ直ぐに愛してくれるプリムを、どうして愛さずにいられるだろうか。
「し、質と量……ぐ、具体的には、どれくらいなのかしら? 東京ドーム何個分?」
両手を精一杯に広げて“これぐらい?”と聞いてくるプリムが凄く可愛い。と言うか何故に東京ドーム……まあいい、さて、具体的にどれくらいか……う~ん……。
「――これぐらい」
「んむっ!!!!!!??」
ぷっくりとして潤いに満ちた柔らかいピンク色の唇に、自分の唇をそっと重ねた。今だかつてない程に見開かれたプリムの赤紫色の瞳と俺の瞳が交わる。個人的な意見だけど、1回のキスは100万回の“愛してる”の言葉に匹敵すると思うんだよね。どっちが優れているとかは無いけれど、それでも“行動”と“言葉”だったら“行動”の方が印象に残る。少なくとも俺はそうだ。
そう言えば、普段はプリムから一方的にキスされてばかりで自分からした事はなかったな……。いや、まあ、自覚したのが2日前なんだから、当然なんだけどね? まあ、アレだ。何時ものお返しだな。
「――っぷは」
「……」
「あ、あれ? プリム?」
プリムはキスをした時の姿勢のまま微動だにしない。いや、あの、ノーリアクションは流石に俺も恥ずかしいんですけど……。
「………きゅう……」
「え、ちょ、プリム!?」
石像の様に硬直していたプリムは、まるでマンガの様に顔を一瞬で真っ赤にしたかと思うと、そのままフラリと崩れ落ちた。
「お、おい、大丈夫か!? しっかりしろ!!」
「…ぁ、あ……っ…」
「おい、プリム! プリーーーーームッ!!」
危うく頭を地面にぶつける前に抱き止めたが、プリムはぐったりと脱力しきっていて、時々体を痙攣させながら蕩けきった表情で譫言を呟いている。汗をかいた訳でも無いのに、プリムの下半身を抱き止めた左腕がじっとりと湿っているのは気のせいだと思いたい。
「……とりあえず、応援を呼ぼう」
Α-Ω
「あ、お話終わりましたかー?」
ガチャリと扉を開けて入ってきたの金髪ロングヘアーの華奢な風体をした男性――『風』を司り、今まで戦っていた『加護』の大元たる大天使ラファエルだ。プリムと色々やっていた間の事は一切聞かずに穏やかな表情で縁側で待っていてくれた事からして、その凄まじい気遣いの良さが窺える。ラファエルさんマジ大天使、我が外神ファミリーにも見習って欲しい。特に姉上。
あ、因みにプリムはお袋に預けて来ました。凄いニヤニヤとした目で見られたが、自覚を持った今ならばどうと言う事はなかった。犯罪者? お前がそう思うんならそうなんだろう、お前の中ではな。
「よお、ショウイチ! 『ラファエルの加護』も解放したらしいじゃねえか!」
何故かアザゼルも続いて入って来た。お前いつウチ来た?
「いや、ちょいとお前さんの所のパンを買いに来たんだが、見知った奴が居てな。何でここに居るのか聞いて見たら、お前さんの『加護』を解放しに来たって言うもんだからよ。早速見に来たって訳だ。勿論、親御さんの許可は取っといたぞ」
「……まあ別にいいんだが、お前、グレモリー達に付き合って冥界に行ってるんじゃなかったのか?」
「おう。あいつらも修行頑張ってるし、ちょいと差し入れでもしようかと思ってな」
ガサガサと両手に提げた袋を揺すって見せるアザゼル。なるほど、ちゃんと“先生”やってるって訳か。正直、駒王に教師としてやって来た時にはどうせ女子高生漁りにでも来たのかと思ってた。
「翔一さん、身体の具合はどうですか? どこか異常は?」
「いえ、特にはありません。前回もそうでしたけど、寧ろすこぶる調子が良いですね、身体が羽根の様に軽い」
「なるほど、どうやら『風』との相性も良い様ですね。『加護』を解放したせいで弱体化でもしようものなら、私がプリムにどやされてしまいますからね~、上手くいった様で何よりです」
ホッと息を吐くラファエルと速く変身しろと目で訴えてくるアザゼル。何で堕天したのかつくづく良く分かるな、このオッサン面したガキ大将。……まあいい、早速変身してみるかな。
「変身」
何時も通り、ベルト両端のスイッチを押して変身した……のだが……。
『……違う』
そう、違うのだ。
アギト状態の俺は右腕に力が集中した赤のフォームがデフォルトだったのだが、ベルトから溢れた光が消えると同時に金色の、見た事が無い姿になっていたのだ。何故変身後の姿が赤のフォームでは無いのだ? 『ラファエルの加護』と同じ青のフォームならばそこまでおかしくは無かったのだが、俺は精神世界でこんな姿の『加護』とは戦った事がない。
何なんだ、この姿は……
「…これは、もしかして……」
困惑していた俺を見たラファエルが何か感付いたかの様な表情を浮かべる。もしや俺に何が起きてるのか分かるのだろうか?
「……翔一さん、その姿は恐らく、『ウリエルの加護』の力に因る姿だと思います」
『は?』
いや待てそれはおかしい。
『俺が解放する為に戦ったのはあんたの、『ラファエルの加護』だぞ? 何でそれで『ウリエルの加護』が解放されるんだよ、おかしいじゃないか』
「それはそうですけれど、現に今翔一さんから感じ取れるのはウリエルのオーラですので、そうとしか……」
「おいショウイチ、他の『加護』はどうなってる? まさか、消えたりはしてないだろうな?」
言い淀むラファエルを遮ってアザゼルが問い掛けて来た。そうだ、他の『加護』がどうなってるか確かめないと…!
『……大丈夫だ、ちゃんと残ってる』
全身を駆け巡る力の源泉に意識を集中させてみると、【赤く燃え盛る炎】と【吹き荒ぶ青い嵐】、【静謐な紫水】、それと……なんだこれ…【黄金に輝く星】…? のイメージが浮かぶ。中でも一際強く力を発しているのが【黄金に輝く星】なので、恐らくこれが『ウリエルの加護』なのだろう。何で星なのかは分からんが……『大地』=『星』と言う事なのか? でも金色の星って金星じゃね? ここ地球よ? 青い星よ?
……まあ、それは一旦置いておくとして、どうやって『火』や『風』の力を使えばいいのだろうか? 感じられるのだから使えるはずなんだが、何をどうすればいいのやら……『火』の超感覚が使えなくなるのは、流石にちょっと勘弁して欲しいんだが……
『加護』の姿をイメージして“変われ”と念じてみるが、どうにも上手くいかない。どうしたものかと頭を抱えた所で、腹部のベルトに目が止まる。以前は炎の様に赤かったベルト中央部の石が黄金に変わっているのだ。それどころか、注意深くベルトを見ると中央の黄金の石の両端、左右の黒い水晶の様な部位に赤と青の珠が一つずつ埋め込まれているのである。そこからうっすらと流れて来るのは『火』と『風』の力。
『……もしや…』
『ミカエルの加護』をイメージしてベルト両端のスイッチを押したと同時に中央部の石から赤い閃光が迸り、金色のアーマーが一瞬にして赤色のアーマーへと変化する。続いて『ラファエルの加護』をイメージしながら両端のスイッチを押すと青色のアーマーに、『ウリエルの加護』をイメージしながらスイッチを押すと再び金色のアーマーに変化した。
「…なるほど、状況に応じて三種類の変身が可能なのか…」
『みたいだな。変身した時の感覚からして、『火』がテクニックで『風』がスピード、『地』がパワー……そんな感じだな。まだ戦った訳じゃ無いから正確に“そう”だとは言えないが、概ね間違っては無いはず』
「つくづくとんでもない奴だな…歴代アギトでも五本の指に入れるぞ? 無論、使いこなせればの話だがな」
アザゼルが真剣な表情でそう言う。当然過ぎて何も言うことは無い。結果的にとは言え『加護』を全解放したけど、“使いこなせませんでした”では意味がないのだ。幸いにも今は夏休み、基礎を固める時間は十分にあるのだ。基礎を怠る者に発展は無い。
プリムにも“無茶な戦い方はしない”と約束したし、焦らず確実にこなしていこう。
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主人公。色々と目覚めたロリコン。
とうとう自分から手を出しやがったロリコン野郎。今回の件で正式にヒロインその1が婚約者になった模様。
コカビエル戦以来、ロリコンがやけに好戦的だったのはアギトに覚醒した事による若干の意識改変が原因。分かりやすく言うと、軽度の原作の初期アギト状態だった。
『ラファエルの加護』を解放した結果、弾みで『ウリエルの加護』まで解放された。
作者の制御を離れて際限無く暴走するロリコン。誰かコイツを止めて欲しい。
BGM的にはRakeの『100万回の「…」』
>プリム・レディ
ヒロインその1。最早初登場時のミステリアスさの欠片も無い純情系ロリババァ。
Sは攻められると弱い法則を体現したかの様な存在。今回の件で正式にロリコンの婚約者になった模様。
ロリコンに真っ正面から抱き締め→キスの2コンボで完全攻略された。チョロい。
ロリコンのキスだけでヘヴン状態になってしまう程の乙女っぷりには流石の外神ファミリーも驚愕した。創世合体したら爆発してしまうのではないだろうか?
なお、推奨BGMは初音ミクの『メルト』
>アギト
今作では『リリスの加護』を得た人間が発現する超常の力。なお、この世界では『アナザーアギト』が『アギト』と認識されており、『ミラージュアギト』は『アギト:超越種』、ロリコンの発現した『原作アギト』は『アギト:覚醒種』と呼称されている。
原作では『火』がパワー、『風』がスピード、『地』がバランスタイプだったが、今作では『火』がテクニック、『風』がスピード、『地』がパワータイプとなっている。また、各フォームの能力も『原作アギト』とは多少改変されている。
なお、各フォームのイメージはそのフォームの能力の象徴なので、グランドフォームのイメージが【黄金に輝く星】だったのは“
はい、と言う訳で第十二話でした。
先週は投稿出来ずに申し訳ございませんでした。今回いつもの二倍書いたから、それで手打ちにしてつかあさい(土下座
いや、執筆したデータの入ってるUSBが見事にメモリブレイクされちゃいまして……幸いにもハーメルン内に残っていた今週投稿予定だった話と結合しながら、記憶を頼りに何とか書き上げました。
うぅ……新作のプロットが全部吹っ飛んだ……『魔法少年マジカル☆はやて』とか『サクラ大戦 ~戦うコックさん~ 』とか『METROID IRONMAN』とか『魔を絶つ
今回はリクエストのあった同等以上の相手との戦闘時の苦戦シーンとヒロインその1とのイチャイチャ回でした。サブタイは“完全解放”とどっちが良いか悩みましたが、やっぱりアギトと言えば“目覚めよ”の方が良いかなーって(笑)
なお、時系列的には原作HSDDの五巻、アザゼルが一誠君に差し入れのおにぎりを持っていった日となってます。
今回で我等がロリコン殿は加護が全解放されました。即ち! 今後一切ウリエルの出番は無い事を、ここに宣言しておくッ!!(オイ
ちょっとリアルが“GW? 何ソレ美味しいの?”状態なので来週更新出来るかは微妙っぽいです。お待たせして申し訳ございません OTL
活動報告にて『仮面ライダーになった』の目安箱を設置しました。“こんな話が見たいな~”とかあったら気軽にリクエストしてみて下さいませ。ネタが無いtゲフンゲフンッ……折りを見て執筆させて頂きますので。
御評価・御感想、絶賛受付中です! それではまた(^^ゞ
あ、因みに次回。とうとうあの娘が出ます(ニヤリ