毎日更新してる人って凄い…としみじみ思う今日この頃です
みんなお待ちかねのボス戦!……じゃないんですすみません。
ボスはまた次回で。
sideユウキ
「姉…ちゃん?」
「ユウキ…なの…?」
なんで…姉ちゃんがここに……
「ユウキ…やっぱりあなただったのね…」
「どうして…姉ちゃんは…ここにはいないはずじゃ…」
「βテストに当選したのは1つだけだったでしょ?ユウキの分しかSAOのソフトがないって言ったら、お父さんが無理して買ってきてくれたの」
「なっ…!?」
そんな……姉ちゃんがSAOにログインしないようにボクなりに…頑張ったのに…。
そう思っていると、キリトから声がかかった。
「アンタ…もしかして、ランか?」
「そうだけど…アナタは?」
「キリトだ。久しぶりだな、ラン」
「!…そう、あなたがユウキを守ってくれたのね…ありがとう」
そう言って頭を下げる姉ちゃんと、それを見てあわてるキリト。…今日は世間の狭さに驚くことがいっぱいだよ…なんで二人とも知り合いなの…?
「い、いや、むしろ俺の方が守られてるというか…世話になってるというか…とにかく頭を上げてくれ」
「ねえ、キリト君…こちらの…えーっと、ランさん?とはどういう知り合いなの?」
「そ、そうですよキリトさん!説明してください!」
ボクも気になる。今ちょっと姉ちゃんが目も前にいることに対して整理がついてないけど、それでも聞きたい。……主に姉ちゃんに手を出してないかとかその辺をじーっくりと。
ボクとシリカのそんな視線に耐えかねたのか、キリトが説明を始める。
「βテストのときに知り合ったんだよ。βで俺の攻略ペースについてこれたのは、ランだけだったからな」
「そうよねぇ…上の階層では、アルゴをのぞいたらほとんど二人きりだったもん」
「二人っきり…うう、なんでこんなに美人さんばっかり…」
「ボクからしたら、キリトのほうが姉ちゃんより攻略を進めてた事実に驚いてるんだけど…」
姉ちゃんの強さはボクが一番知ってる。いくらキリトでも、βテストの時点で姉ちゃんより強いとは考えにくいんだけど…。もしかして、この世界では姉ちゃんそんなに強くない…とか?
と、そう不安に思ったけど、そういうわけでもないらしい。
「それはログイン時間の関係だと思うぞ。…俺は使える時間のほぼ全てをSAOに費やしてきたけど、ランはそこまでじゃなかったしな」
なるほど…。たしかに姉ちゃんがどれだけ強くても、プレイ時間が少なければ攻略速度は下がるよね。
そんな風にうんうんうなずいて納得していると、今度はキリトの方から質問が上がった。
「それより、さっきのはどういうことだ?」
「さっきの?」
「『ユウキの分しかSAOのソフトがない』って話だよ。…ユウキはβテスターじゃないだろ?しかも、ランはβテスター。…どういうことだ?」
「ああ、それはね?」
姉ちゃんがキリトに事の経緯を説明し始める。
そう、あれはまだ、ボクがSAOにログインする決意を固めていなかった頃……
……
「木綿季!見てこよれ!ほら!」
「姉ちゃん?どうしたの?」
とある休日の日。姉ちゃんがいきなりハイテンションでボクの部屋に駆け込んできたことがあった。…これが全てのはじまり。
この日の出来事がなければ、ボクはSAOにいなかったと思う。
「SAOのβテストなんだけど、応募してみたら、当選したんだって!」
「…え?」
その言葉を最初、ボクは理解できなかった。いや、理解したくなかった。
ソードアート・オンライン。通称SAO。ボクが知る限り、クリアまでに2年の歳月と約4000人もの犠牲を払った最悪のゲーム。
前のときは、ボクはこの事件にはあまり触れなかった。すぐにメディキュボイドの実験台になったから。でも、今回は話が違う。
…ボクも姉ちゃんも、健康体そのものだし、ボクがせがんでやってもらった血液検査も、特別おかしな反応は出なかった。だから、ゲームが好きな姉ちゃんがSAOに関わるのは、ある意味必然だった。
でも…でも、ボクは姉ちゃんにあの世界には行ってほしくない。ボクは姉ちゃんが必死で生きていたことを知ってる。先が短くても、今を目一杯楽しんで生きていたことを知ってる。そんな姉ちゃんを…今度こそ、死なせたくないんだ。
だからボクは、このあと姉ちゃんに頼み込んだんだ。「SAOをボクにやらせてほしい」って。
「…ダメ、かな?」
「うーん…木綿季のお願いだから聞いてあげたいけど…あ、それなら、こういうのはどう?」
そう言って姉ちゃんが出してきた交換条件は「βテストを姉ちゃんがプレイする」って条件。
βテストなら被害はない。SAO事件が起きるのは正式サービス初日だから、ボクもやるフリをして事件が起きるまでやり過ごせば危険はない。そう思ってボクは了承した。
それから少し経った。姉ちゃんは暇なときは大体SAOにログインするようになっていて、βテスターの友達も数人できたらしい。
「木綿季も楽しみにしててね?正式サービスが始まったらなるべく早くSAOを買って、すぐに先行した木綿季に追いついてみせるから」
「『木綿季”も”?』…どういうこと?」
「それがね、すっごい強いプレイヤーが一人いるのよ。だから、その人にも早く追いついて見せる!って思って、いまいろいろがんばってるところなの。ギルドにも入ってない一匹狼で、それなのにLAをバンバン持って行っちゃうような人だから、なるべく差はつけられたくないかなぁ」
その姉さんの言葉──今思えばこれがキリトのことだった──でボクにとって一つ、聞き逃せない単語があった。
─ギルド。
ボクにとってギルドといえば、姉ちゃんから受け継いだスリーピングナイツ。メンバーのみんなはSAOにログインしないはず…いや、ボクみたいに病気になってなくて、それが原因でログインする可能性はあるけど…そこまでは予測できない。
でも、スリーピングナイツで、もう一人思い出す人がいる。…アスナだ。
アスナはSAOにログインする。…多分だけど。逆にいえば、ログインすればアスナに会える。
…勿論、現実世界でも会うことはできなくもないけど。大体の場所は覚えてるし。でも…それじゃ、前と同じ。アスナが一番辛いときに、ボクは何もできない。アスナだけじゃない。キリトたちにだってお世話になった。なのに指をくわえて──それも、2年間も──見てなくちゃならない。
それからボクは悩んだ。それはもう盛大に悩んだ。姉ちゃんにも心配されるくらいに悩んだ。
SAOに行ける手段はもうある。でも、ボクがログインすれば姉ちゃん達家族を心配させることになるし、それに、せっかく生きられる体なのに…今度こそ、死んじゃうかもしれない。前みたいな奇跡なんて、そう何度も起きないから。
でも、ログインすればアスナたちを…おこがましいけど、助けられるかもしれない。力になってあげたい。
そんな風に1か月以上も悩み続けた。そして…ボクが答えをだしたきっかけは、一つの雑誌のインタビュー記事。載っていたのは──
──茅場晶彦。ナーヴキア、ひいてはSAOを作った稀代の天才。そして、記事には大きく、こう書かれていた。
「これはゲームであっても、遊びではない」
その記事を見て、ボクは覚悟を決めた。SAOにログインするって。
やらないで後悔するより、やって後悔した方がいい。後悔するようなことにならなければもっといい。
SAOは遊びじゃない。そう思ってまず考えたのは……アスナが死んじゃう事。
ボクがログインしなかったとして、前と同じ結果になるとは限らない。もしかしたら、アスナ達がログインしない、なんてこともあるかもしれない。でも…ボクが何も知らないところで、何も手出しできないところで、アスナが死んじゃうかもしれない。そう思ったら、ログインしない、なんて事考えられなかった。
姉ちゃんたちには心配かけるけど、必ず生きて戻ってくるから。だから、それまで待っててね。
そう決意して、ボクはSAOにログインした………のに。
「それでね、ユウキったら─」
「ふふ。ユウキ、リアルでもそんな感じなんですか?」
「でもでも、戦闘してる時のユウキさんはすごくかっこいいですよ?」
「そうだな。…戦闘してるときのユウキは、戦乙女、なんてのが似合いそうな感じだしな」
「「((流石にそれは褒めすぎなんじゃ…))」」
和やかに談笑してる姉ちゃんたちを見る。…ボクがどれだけ悩んだと思ってるのさ………戻ったら姉ちゃんに怒られる覚悟でログインしたのに…。
どうでもいいけど姉ちゃんは怒るとすごく怖い。具体的には、冷え切った目をしたアスナの1,5倍くらい。
なんて考えてると、ポンっと肩を叩かれる。ごついから多分エギル。
「ま、そう気を落とすな。…確かに姉がログインしてて落ち込むのはわかるが、過ぎたことだ。後悔したって何が変わるわけでもない。だから、今は素直に早いうちに再開できたことを喜んでおけ」
「エギル……うん、そうだね!ボクが落ち込んでるとキリトが泣いちゃうし!」
「だそうだ。キリト」
「べ、別に泣いたりなんて…。まあ、心配はするだろうけど」
「キリトって…ツンデレだったのね…」
「ぷっ…ははは」
姉ちゃんのそんな言葉につい吹き出してしまう。アスナ達もよく見ると笑いをこらえているみたい。…キリトは恥ずかしそうにしてたけど。
そのまましばらく、そんな穏やかな空気の中会話を続けてると、キリトが話をきりだした。
「さて、これ以上ここで話しててもなんだし、それに明日はボス戦だ。準備の為にも、そろそろ行動開始としよう」
「たしかに、結構時間経ってるね…そうね。準備は早く済ませて、明日の為にゆっくり休もっか」
二人の言葉によってボク達は歩き出す。…そうだ。明日はボス戦。気を引き締めないと…
姉ちゃんがいるのはもうどうにもできない。なら、みんなで一緒に生き残るしかない。
絶対にみんなは死なせない。
そう決意して、ボクはみんなと一緒に準備を進める。第一層のボス、イルファング・ザ・コボルトロード。
─決戦まで、あと22時間。
ユウキ「ヒロインってなんだっけ()」
キリト「前に自分のことヒロインだとか言ってなかったか?」
ユウキ「うん…そうなんだけどね…そうなはずなんだけどね!?」
キリト「なんか荒れてるな」
ユウキ「作者が悪いんだ…キリトの方がヒロインっぽいのもボクのアバターの描写についてあいまいなのもすべて作者のせい…」
キリト「作者ってのはひどいやつなんだな」
ユウキ「すっごい適当そうに言われても。それとキリト、今言った通りボクのアバターについて質問が挙がってるんだけど、どう?」
キリト「超絶美少女」
ユウキ「いやそういうことじゃなくて…。って何気なく、しかもあとがきでデレないでよキリト…」
キリト「今すぐ忘れてください。…で、アバターだったか?はじまりの街でも言ったと思うけど、元のアバターからリアルの再現アバターになってもあんまり変わりなかったな。黒い髪が少し短くなった程度か?」
ユウキ「アバターはALOのを思い出しながら作ったから髪が長いんだよねー。まあ、ALOではあんまりリアルの容姿からはかけ離れないようにできてたし、今回は現実でもALOに影響されて伸ばしてたんだけど、やっぱり邪魔なときもあるから、もう少し短いかな」
キリト「髪の色も変えたいとか言ってたな、そういえば」
ユウキ「ボクのイメージカラーと言ったら紫でしょ」
キリト「いや初めて知ったんだが…装備も色に統一性とかないし」
ユウキ「今本編でやってる買い物で買う予定!今まではいいのがなかっただけだし」
キリト「まあ、楽しみに待ってるよ」
ユウキ「…なに?いちゃいちゃは飽きた?眠いからもう終わらせて?…書いてるの作者じゃん…後終わらせ方が毎回唐t「それじゃあ、また次回!」終わらせに来た…本気で終わらせに来たよ…」
キリト「気にしない気にしない」
ユウキ「はぁ~。…気を取り直して、それじゃ、また次回に!今度こそ待ちに待ったボス戦だよ!しーゆーあげいん!」
キリト「なぜにひらがな」
ユウキ「この方が可愛くない?」
キリト「次回をお楽しみに!」
ユウキ「スルーされた…」
※この会話には多分に作者の自己解釈が含まれています。