・シャンクスの左腕
・見聞色の覇気
「ドルトン。お前を呼んだのは他でもない。私が留守にしている間国王代理となる役職、副王に任命する。私の次に自由がきく権限をもった役職だ」
「……はい?」
「私はやることが出来た。少し国から出るが、今年の世界会議の前には戻る。……下剋上を起こし、王になって世界会議に出たければそうしても良いぞ?」
「ちょ、ちょっとワポル様! 御冗談が過ぎます! それよりも何故私がそのような……」
「マハハハ! 冗談だ、冗談。だが、副王の話は冗談ではないからな。……チェス、クロマーリモ。私が居ない間のお前の仕えるべき相手はこのドルトンだ。わかったな」
「そ、そんな! 待ってください国王様!」
「では、三人とも後は頼んだ。……用済みの人間は表舞台から去るのが鉄則だ」
「まさか……ワポルさ――」
……Dr.くれはに頼み、大規模公的医療機関を山の麓に作り、これまた頭を下げて病院副院長と内政顧問官をお願いし。国の道路を整備、バクバクの能力で作った遮熱パイプを使った上下水道を整え……。
とにかく思いつくがままに国を良くしようと努力した。
そして出来たのがドラム医療大国。
戸籍ができ、法が整備され、国民の忌憚のない意見を取り入れるための『円卓の間』を設立。
そして何よりも国民は無理のない一定の税金を国に納め、国からの補助を受け、格安で医療を受けることが出来る、寒いこと以外は住みやすい国になった。
寒いという欠点も今では下水処理に出るガスを集め、燃料とする暖房を各家庭に設置し、屋内の気温のコントロールも効くようになっている。
加えて政務も、ある程度の事務処理はチェスとクロマーリモでも出来るから既に自分はご無用。
国民からの失った信用の回復も、悪政を敷いていた落とし前もつけた。
ワポルはこれでこの国ではただのお飾り。
能力欲しさに体を奪った事と、国政の立て直しとでつり合いが取れているからこの国からワポルは消えても問題はない。
既にワポルの意識は完全に消えてしまってるけど、大丈夫だろ(震え声)
窓から飛び降り、身体の中に仕舞っていた
Ξ-Ξ-Ξ-Ξ
「やはり、この姿が落ち着くな」
そもそも能力だけが欲しかったわけだし、ドラム以外でワポル(イケメン)にならなくても良かった。
というわけで本来の姿に戻って、フーシャ村に行く前に寄り道を。娘の顔見たさに女ヶ島に行った。あと色っぽいおっぱいを見て、色々とやつれた精神を癒すために。
だって冬島だからみんな厚着しておっぱいとか見れねーんだもん! 薄着している女性がDr.くれはだけっていう。……まぁ、歳の割にはNiceおっぱいだったけど。
それにしてもこの身体の自動変換はワポルを取り込んでも相変わらずなようで。
マリアが抱き付いてきたので抱きしめかえしてあげたかったというのに、なんだって自動変換=サンは微笑みと頭撫でるだけにとどめてしまうんですかねェ…? この身体が憎い…!
そして案の定、マリーがちゃんこ鍋を食べさせて&食べていたのでやめさせた。
「豚になるぞ」って言葉は最強だと思うんだ(ゲス顔)
一日くらいフーシャ村に行くのが遅くても大丈夫だろうと考えて女ヶ島の中を見て回って歩いた。
マリアに手を引っ張られ、女ヶ島の街を案内してもらったのだけども。……色っぽい格好をしたお姉さん方には微笑ましいものを見る目で見られてたので、大手を振るって双丘を眺めることが出来なかった。
まぁ、マリアが少しでも笑えるようになったことにほっこりと出来たので良しとする。
……で。
一日のんびりしてたらやっちゃったんだぜ!
急いでフーシャ村に向かって飛んでいたらレーダーの知覚範囲内に、シャンクスの左腕を食いちぎった直後の海王類らしき生物を発見。
――阻止しようと思ってたのに事後だったっていう。
まぁ、でも治せないこともないので遠距離からの雷で仕留めて、口の中からシャンクスの腕を取り返した。
流石、大気中に発生する静電気を操る雷様は格が違った。
感動的なシーンでは空気を読んで登場しなかったんだぜ!
気に入っちゃったんだぜ! ごめんねなんだぜ!
……さて、治すにはバクバクの実の能力を使うわけだけど。
左腕の無くなったシャンクスを食べ、シャンクスの左腕も食べてくっつけるのだけの簡単なお仕事なんだけど。
問題はシャンクスをいつ食べるか。
……。
……あれ、これ詰んでね?(困惑)
Ξ-Ξ-Ξ-Ξ
居酒屋に入り、腕に赤くにじんだ包帯を巻いているシャンクスに話しかける。
「邪魔して悪いが……少しいいか?」
「う~ん? なん……おぉ! 俺の腕じゃん! どうしたんだ? というかお前誰よ?」
……おおぅ。凄いね、覇王色の覇気。
隠しているのが見聞色で分かるけど、とんでもねぇや。
なんでか知らないけどワポルの奴が才能があって自分も使えるようになってるけど。
「少々二人で話がしたい。……少し来てくれないか」
「ん~……ま、いいけどよ。おーい、ちょっくら出かけてくるわー!」
「ちょっとシャンクスさん!」
「おう! なんかあったら呼べよセンチョー!」
シャンクスを連れて外に出て、店の裏に回った。
「で、なんだって呼び出したのよ? あんたの事、見たことないんだが」
「名もない旅人だ。腕を治せる。ただ、それには少し目をつぶっていてもらいたい」
「おいおい! そりゃあ、ちょっとあんまりじゃないか。腕を持ってかれたときに俺はそれなりの覚悟をしたんだぜ?」
「まぁ、そうだろう。……だが、これも何かの縁。ちょうど私はお前の腕を見つけ、治す方法を持ち、そして出会えた。……この出会いの記念に治させてはくれないか?」
「ははーん……さてはお前能力者だな? 船も見えねェってこたぁここまで飛んできたか、走ってきたか。……此処の住人なわけがねぇしな。少なくともお前の様な強い奴はこの海では見かけねぇ」
……ばれてーら。
まぁ、だけど此処で引き下がるわけにはいかない。
意地でも治してやる。
「それは見てもらった通りだ。勿論医者というわけではない。あのゴムゴムの実を食べた子どもと同じように能力者だ。……手配書に載るような強者ではない、とだけ言っておこう」
「……海兵、ってわけじゃねーよな?」
「勿論。……一等兵以上の階級というわけでもない。敢えて言うが政府の犬でもないからな」
「あーわーってる分かってる。そんな雰囲気じゃねーのはわかるよ。それなりに出来るから。……でも お 断 り だ!」
「……」
……はぁ。
実力行使はあまりしたくなかったけど、仕方ない。
「……上から来るぞ、気を付けろよ」
「? 何を言って――」
近海の主の姿をした雷がシャンクスの頭上に現れ、残りの全身を飲み込んだ。
Ξ-Ξ-Ξ-Ξ
「――ったく、なんだって俺はこんな……はあぁぁぁあああああ?!」
気を失って目を覚ますと腕が生えていた。
な、何を言っているかわからねぇとおもうが俺も何を言っているのかわからない。
頭がどうにかなりそうだ。超回復だとか、超医術だとかそんなちゃちなもんじゃ断じてねェ。
もっと恐ろしいモノの片鱗を……って。
「あぁぁぁあああ! あの金ピカ棒か! 余計なことしやがってェ…!」
ぜってーしばく。今度会ったらあの顔に一発ブチ込んでやる。
……それよりもアイツらにこの腕、何て説明しようか(汗)
>>「持ってかれたァあああ!」→バクバクしちゃおうねぇ~
>>思考の読み合いによる言葉の欠如。考えるんじゃない、感じるんだ!(キリッ
テンプレやね(にっこり)
近海の主は
主「(´・ω・`)」