ワンピースをテンプレで生きる   作:楯樰

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テンプレその弐四
・古代兵器
・オリキャラ
・エターナるという名の一時更新停止


父から娘へ

 革命軍がドラムを訪れた目的は他でもなく世界政府に反逆の狼煙を上げたドラム帝国との友好を持つため。

 

 しかし、結果的に言えばドラゴン率いる革命軍はドラム帝国の下に入り、革命軍は遠征軍と陸軍の二つの部隊に編成されてしまった。

 

 総理兼陸軍元帥であるドルトン率いる陸軍に、革命軍の裏方で動いていた人間が統合され。

 

 遠征軍は革命軍の時と変わらず各国にて革命活動を続けているが、ドラム帝国に属したことでドラム帝国の掲げる「人の為に為す善行」という革命における免罪符と休息地を得た。

 

 そして世界政府に世界最大の犯罪者集団とされた革命軍は事実上解散することとなる。

 

 

 

 遠征軍と名を改めた革命軍が改めて活動を始めて一年後。

 

 世界の各地で起こすべき革命が為されていたその後。

 

 白ひげ"エドワード・ニューゲート"がドラムに来訪。

 

 皇帝ワポル及びドラム帝国第四皇女の手により、白ひげ海賊団の各隊長格以下戦闘員と起きた小規模な争いにドラム帝国が勝利をおさめた。

 

 交渉の末、白ひげ海賊団は国の定めた「民間船に対する海賊行為を行わない」等比較的緩いルールの下完全なピースメインの海賊団となり、更に帝国海軍として一定の賃金を支払い雇われたことで海賊団という肩書きは消える。

 

 とはいえ、海賊団という名が消えただけであり白ひげのシマとなっていた国々、村々はそのまま。

 

 四皇の一人、白ひげという存在にドラム帝国という存在が付いたことにより、白ひげのシマは間接的ながらドラム帝国の支配領となり、みかじめ料は税収と名を変えたのみ。

 

 然程白ひげのシマについての問題や混乱は発生しなかった。

 

 尚、この白ひげ海賊団改めドラム帝国海軍ホワイトビアードは基本帝国内に駐在することは無く、新世界にて世界政府海軍に変わる治安維持を目的としている。

 

 つまり皇帝ワポルに負けたとはいえ新世界を統べる四皇の名は変わらず。寧ろワポルに負けたことにより、全盛期程にまでエドワード・ニューゲートは体力気力ともに回復していたためカイドウ、シャーロット・リンリンと抗争が起きるが、圧勝という結果を残した。

 

 

 

 そしてバスターコールを受けて三年後。

 

 

 

 魚人と人魚の受け入れを始めとして、当初から変わらない世界最先端の医療と国民への保障制度。

 

 海軍のベガパンクに並ぶ新技術の発明・開発に際して、二足歩行の可能なロボットの実現と飛行機の出現。

 

 そして陸海だけではなく世界発の空軍の誕生とプルトン、ポセイドン、ゼウスの三つの古代兵器を中心とした陸海空軍の存在。

 

 ドラム帝国は着実に繁栄し、戦力を手に入れていた。

 

 

 

 しかし全てが全て上手く行ったわけではない。

 

 

 

 完全な世界政府への宣戦布告を行い、ドラム帝国と世界政府は完全に敵対関係となった。

 

 だが、世界政府の主力の大半である海軍は、ある将校二人と教官の一人が主だって海軍大将青雉を含む数百人を引き連れ離反を起こしてドラム帝国に亡命、さらには残る大将二人も何らかの原因で能力者ではなくなったことにより大幅に戦力を失った。

 

 未だ戦争らしきものは起こっていないが一触即発の冷戦状態が続いている。

 

 あるとすればドラム帝国海軍との小競り合い程度のことだが、それでも世界政府とドラム帝国の対立は、ドラム帝国と友好を結んだ国々への世界政府の圧力が大きくなることとなり、各国には遠征軍と海軍の分隊が常駐しなければならなくなっている。

 

 

 

 ドラム帝国の持つという三つの古代兵器もまた大きな問題の種であった。

 

 

 

 知る者はその存在を知っているが、影も形も見当たらないそれを信じろというのも酷な事。「ドラム帝国が力の誇示の為に嘯いているだけではないか」という噂されている。

 

 そのため、好奇心旺盛で蛮勇な海賊たちがその真意を突き止めようと島を襲撃しようとするが海王類に船を木端微塵に破壊されてしまう事が度々起こる。

 

 実際にはドラム帝国周辺海域には凪の帯(カームベルト)に住んでいるはずの大型海王類が住み着くようになり、少しずつ皇帝ワポルの悪魔の実の能力で島が大きくなっているためその大きさは島の半分程だが、国民が「ノア」と呼ぶ巨大な船が島の周辺に沈んでいる。

 

 この二つを古代兵器の要素の一つと知るのは、ポセイドンである魚人島のお姫様の家族。そしてもう一人のポセイドンのドラム帝国皇帝ワポルと近しい者のみだ。

 

 ちなみにだがゼウスは何処からともなくワポルが発見し、プルトンは匿名でドラム帝国にプレゼントされたという話が城内にて広まっている。

 

 

 

 そんな色々とあった前回の世界会議から四年が経った。

 

 この間には国勢だけではなく、生きた骸骨の音楽家が国内では活動したり、帝国陸軍には竜を討ったというワの国の侍が特別顧問として雇われ。

 

 皇帝ワポルがクラハドールという名の男を執事に雇い、「オハラの悪魔」らしき女を考古学者として国に招いたり。

 

 第三、第二、第一皇妃の順に皇女が生まれたりなどといった、日常レベルで目出度いことも。

 

 

 

 比較的平穏にドラム帝国が影響力を世界に伸ばしていた。

 

 

 

 ――現在、バスターコールと白ひげ海賊団等との交戦にて活躍していたマリアはというと……

 

 

 

 Ξ-Ξ-Ξ-Ξ

 

 

 

 ドラム帝国第四皇女のマリア13歳改め下町の少女メアリ13歳。

 

 そんな身分を偽っている私メアリさん。今、家出しているの。

 

 そして、今私がいるのは東の海。革命軍改めドラム帝国遠征軍によって変わったゴア王国のフーシャ村。

 

「はぁ……お父さん心配してるかなぁ……」

 

 心配性なお父さんのことだ。絶対している。

 

 まぁ、でも「旅に出ます、探さないでください」って書置き残したし大丈夫だと思う……思いたい。

 

 私の捜索のために軍部を動かしたりはしないとは思うけど……。

 

 自信ないなぁ……。お父さんならやりそうだもんなぁ……。

 

 

 

 うぅ……軍で思いだしたけど、お父さんの手癖の悪さには困ったものだ。

 

 今ではクザンさん、ビンズさんに腕にごっつい武器を付けたゼファーさんと一緒にドラム帝国海軍本隊で活動してる、世界政府の海軍から亡命してきたアインさん。

 

 彼女も結局お嫁さんにしちゃったし。

 

 一応弁えては居るんだろうけど……なんというか色々と色香を振りまき過ぎだと思う。

 

 元々のちょっと怖い感じのお父さんはそんなことなかったのに……今の姿になってなんだが凄くスケコマシ。

 

 友達のしらほしちゃんもお父さんに恋しちゃってるって、なんだかとても友達としても娘としても複雑だしさ。

 

 そりゃあネプチューン王が決闘申込みに来ても仕方ないよ……。

 

 まぁ、お父さんがカッコいいのはわかるけど……。

 

 ……でもお父さんは私の前では色々と残念だからね。

 

 やれやれって娘の私としては肩を竦めたい。

 

 

 

 まぁ、でも今なら立場上、公の場では出来なかったそんな事も存分に出来る。

 

 

 

「私はじゆーだぁー!」

 

「じゆーだぁー!」

 

 可愛い妹たちが生まれて私は第四皇女になったから、国にとっては然程必要じゃなくなった。

 

 だから今までちょっと憧れのあった海賊という名の冒険者になってもいいわけだ。

 

 無論海賊と言ってもピースフルで。……私から家族を奪ったモーガニアの海賊なんてのはこの世から消し飛べばいいと思う。というか私が消したげる。

 

 ……本当はお父さんと一緒に海を冒険したかったけど、それは我が儘だ。

 

 お父さん、国から離れられなくなっちゃったから……残念だなぁ……。

 

 うん、元気出そう。

 

 さて、私と同じように海に向かって叫ぶ隣の子は誰だろう。

 

「私はメアリ。ねぇ、きみは?」

 

「おれはモンキー・D・ルフィ! 海賊王になる男だ!」

 

 ドラゴンさんの……っとこれは内緒だったっけ。

 

 あの人、かなり不器用な人だからなぁ……。顔見せてあげればいいのに。

 

 それにしても……ルフィ君は海賊になりたいんだ。いや海賊王になりたいのか。

 

 ……よし、決めた。

 

「じゃあルフィ!」

 

「おう、なんだ!」

 

 

 

 ――私と一緒に海賊王になろう!

 

 

 




>>自主制作もしくはプレゼント。
>>ただし女オリ主。
>>息抜きのエターナる。復活する。
主人公交代のお知らせと長かった序章の終了。
そして次章の本章からNot息抜き作品です。

二日空くと言っときながら遅れてしまい申し訳ない。
そして急な展開になってしまったことに驚きを隠せないかと思われます。
でもやりたいことはやった、というかこれからが本番というか。
「エネルに憑依したオリ主がシリアス展開を全力で阻止して、やりたい放題やった」
というテンプレートがされた後の、ワンピースの世界を生きる女オリ主マリアちゃんの話になります。
ワンピースをテンプレートで生きるっていうね。

ちょっと長いですが、此処まで書いた感想を書かせてもらおうかと思います。
つまらん内容ですが見ていってくれると幸いです。












 この息抜き作品で読んでくれた方々に私が問いかけたかったことは「テンプレって何?」ということ。
 テンプレって要するに「見飽きた」であるとか「予想のつく展開」であるとか。「御都合展開」というのも一つのテンプレ。
 頭空っぽにして純粋に二次創作小説を楽しんで読めていた、この界隈に手を付け始めた頃。テンプレという概念は私たち読者の中には無かったと思う。

 ちょっと愚痴っぽくなるけど前回の更新の後、深夜辺りから一気に☆1の評価が連続して沢山はいった。あとお気に入りも。まぁ、今までそんなことなかったから驚いて。なんでかなぁ、と思って調べてみたらある場所(一応伏せる)でこの作品が晒されていたわけだ。
 その場所っていうのがテンプレという概念を地雷要素と考える。ある意味ご都合的な展開に見飽きちゃったような、作者の文章力の高低で良作駄作を考えるレベルの高い読者が集まっているような場所だった。
 確かにそこで良作ってされているような作品は面白かった。納得の赤評価。
 逆に駄作とされるようなものは、粗筋も導入部分も切って張ったかのようなテンプレートだったけど、でもそのテンプレっていうのはいろんな人が面白いと思って使っている一種の舞台装置で、本来なら引き込まれるくらい面白いはずなんだ。……でも飽きたから面白くないと感じてしまう不思議。
 そんな風な考え方を持っている人たちが良作ってしていたSSは物語の展開にアップダウンあって、常に絶頂にいる(何でもかんでも成功する等)ような展開の物は少なかった。まぁ、簡単にいえばご都合主義のような作品は少なかったということ。
 この作品は確かに何でもかんでも成功してるようなご都合に塗れた駄作含まれる。登場させるキャラクターに……一部例外あるとはいえ、不幸な目にあってほしくないという、正しく私のご都合で出来ている。
 でも、ご都合っていうのは一概に絶頂に居るだけではなく、最底辺を進み続ける――主人公、もしくはその他のキャラクターに不幸な展開が続く――というのも作者のご都合じゃないかな。そして何でもかんでも上手く行くのもご都合。
 なら物語に緩急あるのも作者のご都合ではないのだろうか。……だって作者の都合で不幸になるキャラクター、幸せになるキャラクターが居るんだから。
 まぁ、そういう皮肉を込めて「ご都合」なのだろうけど。

 そのご都合やテンプレっていうのを悪い事か聞くと、悪いと答える人が何人いるだろうか。

 この作品のタイトルを見て、内容を見て面白いと感想をくれた人も居れば、「くそ以下の糞、つまらない」だとか「まじでつまんね」と前回の更新の後、一評価と一言をくれた人も居る。前述した場所の住人と思われ。
 まぁ、読み手によって一とつけるか九と付けるか変わってくる作品目指してたから、つまらないというのも正しい評価。面白いと言っていただけるのも良かったですが、「つまらない」という率直な意見も聞きたかった。

 正しく計画通り。

 ……あ、数に限りある10評価くれた方有難う御座います。めっちゃ嬉しかったです。
 それと作者マゾじゃないから、いいね?

 一応この作品は一区切りを迎えますが、まだ続きます。だって、投げっぱなしのジャーマンはアカンでしょ?
 でも、他の書いてるやつが更新止まってるのでなんとかしてから。
 以後、更新不定期になりますがご勘弁のほどを……。

 少ないとはいえ「チーポケ」を、「黒歌が」を待ってくれている人も居るので。
 許してヒヤシンス。

 さよならは言いません。
 では、また会う時まで皆さまお元気で。

 ※マリアの年齢をミスしていたので11→13に修正。

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