十二星座の烙印 -ゾディアックスティグマ-   作:bani

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紛い物

リオン「どういう事だよ?フレア!」

フレア「まだわからないのかしら?貴方がソシエだと思っているこの子は双魚座(ピスケス)の力を収める人形(・・)よ」

ソシエ「えっ…?人形…?」

リオン「デタラメいうんじゃねえ!そんなはずはないソシエは人間だ!」

フレア「本来、双魚(ピスケス)の力は私が覚醒するはずだった…けど、覚醒に至るにはかなり特殊な条件が必要だった…その為に創った…私の遺伝子が入ったクローンよ」

ソシエ「私が…作られた存在?」

リオン「嘘だ!!ソシエはネプチューンの辺境にあるただの村娘だ…!人形なんかじゃねぇ!」

ディス「仮にただの村娘に人を癒す術が使えるとでも?お前も味わっているはずだ?その身でな!」

リオン「ぐああああああああああっ!!」

ソシエ「止めて、リオンに酷い事しないで!」

レイフ「その辺にしておきなさい、貴重なサンプルを傷つけては元も子もありませんよ?」

ディス「…御意」

フレア「彼女は記憶喪失であったと聞くけど、記憶喪失じゃないのよ…正確には記憶がなかったのよ」

レイフ「4年という歳月が発ち、彼女を迎えようとしたときに貴方が現れた」

リオン「俺がソシエを連れた時…じゃあ、村を襲ったのはお前らが!?」

レクス「違う…村を襲ったのは僕だ」

リオン「…!なんでだよ?兄さん、いつも言ってただろ?憎しみは新たな憎しみを生むだけだって!そのあんたがなんで罪もない人を襲うんだよ!」

・リオン、レクスの胸倉をつかむ

レクス「リオン、お前は知らなくてもいいんだ…それに、お前という存在は間もなく消える」

リオン「どういうことだ…!?」

・レクスの刀がリオンの身体を貫く

ソシエ「リオン、いやあああああ!!」

フレア「逃がさないわ、さぁ、双魚(ピスケス)の力を私に…」

ソシエ「あっ、ああああああああ」

・フレアがソシエから力を吸収する

リオン「ソシエを…離しやが…れ!」

・刀を抜くと同時に血があふれ出す

リオン「ぐっ!?」

レクス「リオン、その不死の呪縛から解放しよう…」

・瞬時に間合いを詰め、リオンの心臓部に手を入れる

リオン「ぐあああああああああああああああああああああああっ!!」

ソシエ「止めて!もう止めて!」

・氷の破片がフレアに命中する

フレア「くっ…しまった!?」

リオン「あっ、ああ…」

・リオンから烙印が消え、その場で倒れる

ソシエ「リオン!お願い目を開けて!」

レクス「これで…お前は不死身ではなくなった」

レイフ「美しい…これが獅子の烙印(レオスティグマ)…まるで炎のようだ…では、契約をするとしましょう」

レクス「ああ…すまない、リオン。怨んでもいい、僕は逃げない…ぐっ、ぐああああっ!!」

・獅子の烙印を心臓部に入れ、悲痛の叫びをあげる

レイフ「契約は完了です…新たなヘラクレスの烙印(スティグマ)は覚醒しました」

レクス「この力が…伝説のヘラクレスの力ッ!」

ソシエ「リオン…嘘だよね…?ほら、目を開けて?」

・ソシエが涙を零すも、リオンは目を開けず、徐々に体温が下がってくるのが伝わってくる。

フレア「無駄よ彼はいままで獅子の烙印(レオスティグマ)によって延命されていたようなもの、核がなくなった器が待つ先は死よ?」

ソシエ「いや…」

・徐々にソシエの心臓が高鳴っていく

ソシエ「うああああああああああああああああああああああああ!!」

・ソシエを中心に森中が絶対零度に包み込まれる

フレア「そんな…!器にもう力は吸い尽くしたはずなのに…!」

・ソシエが倒れると同時にウィンガードが近づく

ディス「奴らめ…目を覚ましたか?」

レイフ「これはこれは…エキストラのゲストが登場のようですね」

・上空からケイル、エルザ、テイザーが降りてくる。

ケイル「エルザ、テイザー援護頼んだ!」

エルザ「わかったわ、今助けるわよソシエ、リオン!」

・謎の空間

リオン「ここは…そっか、俺…死んだんだ…ハハッ、なんだよ人間ってこんな事で死んじまうのか…?いやだ死にたくねぇ…死にたくねぇよ」

ソシエ「死なせないよ?」

リオン「ソシエ!」

ソシエ「リオン、あなたは生きて?私に生きる希望を与えてくれた太陽のようなあなたを失いたくない」

・ソシエが笑い奥へ進もうとする

リオン「待てよ、ソシエ…どこ行くんだよ?待てって!」

ソシエ「リオン今までありがとう…私は忘れないよ?だから、さようならは言わない必ず迎えにきてね?」

リオン「ソシエッ!待ってくれ!行かないでくれ!!」

レクス「決別だ…我が弟よ…そしてレクスよ」

ケイル「リオン!くそっ、間に合え韋駄天!」

・ケイルが2人の前に立ちふさがり、斬られる

エルザ「ケイルッ!!」

リオン「ケイル…!しっかりしろ!!」

ケイル「へへっ…ようやっといつもの顔になったなぁ…?ったく、守り…きんだぞ…?お前しか…い…」

・ケイル、その場で倒れる

リオン「嘘だろ…?目ぇ開けろよ?ケイル、なぁ…いつもの冗談なんだろ?なぁ、なあ!」

エルザ「いやあああああああああ!!」

テイザー「…ッ!メロス!今だ!アンカーをよこせ!」

・ウィンガードからアンカーが飛んでくる

テイザー「エルザ、ソシエを頼む!俺はケイルとリオンを!」

エルザ「うっ、うん…!」

ケイル『俺が必ず隙をつく、その隙をついてあいつらを必ず助けてやってくれ』

テイザー「チッ…とんだ約束だ…だがお前がこんな時に倒れてどうする?」

リオン『ソシエ…ケイル…2人を守れなかった…俺は…無力だ…』

ナレーション「夢であってほしいと獅子は涙を流す。悲劇の種は成長し、それは開花してしまった。託された想い、繋がる絆、正義とはまた別の正義…様々の運命が交差し、いま1つに集まった。果たして、星誕教団の真の目的とは?そして未だ目覚めぬ囚われとなった仲間たち…残されしもの達の想いを乗せた舟は天へと翔る」

 


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