十二星座の烙印 -ゾディアックスティグマ-   作:bani

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外での食糧確保班 テイザー・ティア

ナレーション「2人は蒼氷樹の森林内で探索中」

ティア「わぁ、見てくださいテイザーさん、蒼氷樹ですよ!とっても寒い地方にしかなくて、ここまで大樹になったのを見るのは生まれて初めてです!確か、他にも呼び名があって確か…」

テイザー「エシャリオだ、俺の故郷ではそう呼ばれていた」

ティア「各国で呼び名が違うのは知っていましたが、テイザーさんは確かジュピター出身でしたよね?」

テイザー「そうだ、田舎という言葉がぴったりな静かな村であった、村の仕来たりでな…男児は成長の証として1人山奥に生えているエシャリオの樹に生えているこの実を取りに行った事がある」

ティア「まぁ、とても興味深いですね、是非とも行ってみたいですね」

テイザー「残念ながら、それは叶わない…村はもうないんだ、星誕教団の手によってな…当時は星誕教団への復讐の為に烙印の素質を見出された俺は、とある施設で有能な構成員となる為に、血反吐が出るような訓練を受けてきた、復讐心に囚われていた俺から見たら、外の世界はくだらぬ虚像でしかなかった。すべてはまやかしであり価値のないものである…それを破壊し、再構築しなくてはならないそんな事を繰り返す内に、自分も奪っている立場の人間になっていると自覚出来ないままでいた」

ティア「そんな…」

テイザー「だが、今はそう思わない。ソシエの優しさに触れ、この身で世界に触れてわかった」

ティア「テイザーさん」

テイザー「この景色を俺は懐かしいと思い、価値があると心から思える、この気持ちは決してまやかしなんかじゃないと思うんだ」

ティア「ええ、そうですよ世界の価値なんてくくって判断できるものじゃありません。テイザーさんがそう感じるのならそれが貴方にとって世界の価値なんです」

テイザー「シェズの言った通りの人間だったな」

ティア「あの…シェズの事を面倒見てくれて、どうもありがとうございます」

テイザー「礼など不要だ俺がシェズの面倒を見た時に彼女の目は光を失っていた、復習に囚われた者同士どこかお互いに感じ合っていたのかもしれないな」

ティア「それでも…姉としてお礼を言わせて頂きます…ひゃっ!」

テイザー「ティア、どうした!?」

ティア「いっ、いや…虫!テイザーさん!お願いします!取ってください!!」

ナレーション「ティアのナイスバディがくねくねするのを見るとテイザーは顔を赤くする」

テイザー「わっ、わかった…落ち着け今とるから大人しくしていろ!」

ティア「おっ、お願いします…ひゃっ」

テイザー「へっ、変な声を出すな!」

ティア「ごっ、ごめんなさい…でも…ひゃっ!」

シェズ「何をしてるの?テイザー?」

ナレーション「2人の背後にシェズが立っている、右手には鎌が握られている」

ティア「しぇっ、シェズ…ッ」

テイザー「待て!誤解だ!シェズ!まずは鎌をおろ…」

シェズ「お姉ちゃんを泣かせて…許さない!問答無用!!」

町での買い出し班 メロス・リコル

メロス「一通りの買い物はこれで済んだかな?」

リコル「そうね、これなら一週間は持つんじゃないかしら?それにしてもあなたの値切りのセンス良かったわよ?」

メロス「それはどうも…思ったよりも時間があるね、どうだい?一杯やってくかい?」

リコル「そうね、なんだかんだで貴方と話すのって初めてかも」

バーテン「お待たせ致しました、アレクサンダーでございます」

メロス「ありがとう…さて、改めてこういうのはおかしな事かもしれないけど、キミの出会いに乾杯」

リコル「うふふ、たまには別の男との飲みってのも悪くないわね」

ナレーション「リコルは片手にギブソンを持ち、対するメロスもアレクサンダーで乾杯をする」

リコル「あんたのお酒、すごく甘ったるい匂いね」

メロス「まあね、生クリームとクレーム・ド・カカオの甘さだけど、アルコールが高くても割と飲みやすいカクテルだよ?」

リコル「へぇ、ちょっと飲んでもいいかしら?」

メロス「勿論さ」

リコル「本当、意外と飲みやすいわね…お気に入りにしちゃおうかしら?」

メロス「僕はいつでもフリーと言いたいところだけど、人との深い付き合いはしない主義なんでね」

リコル「それは…あなたの過去に関係しているってわけ?」

メロス「…ははっ、まいったね」

リコル「こう見えて、私は情報屋をやっていたからね…あなた自身の業もね?」

メロス「どこまで知っているんだい?」

リコル「4年前に星誕戦争終戦後に伝統ある家系アレキュリー家領主キュクノス様を含む一家の失踪事件」

メロス「…」

リコル「あなたはその事件の生き残りというのも知っているわ」

メロス「さてね…当時の事はあまり覚えていないんだ、形式はどうであれ僕はアレキュリー家の領主となった以上貴族としての誇りを守るだけさ」

リコル「ふ~ん、普段はチャラチャラしてるけどそういう所は真面目なのね?」

メロス「貴族は例え、いかなる事があろうとも…弱き者の為に弱さを見せず、常に強くあれ…父の言葉だ」

リコル「そう…素敵な話ね」

メロス「君の飲んでいるギブソンというカクテルにも何か思い入れがあるのかい?」

リコル「昔付き合っていた彼の名よ…」

メロス「へぇ~」

リコル「言っておくけど、これはお互いの秘密にしておいてね?さっ、早く行きましょう」

メロス「ノブレスオブリージュ。…さてさて、ミステリアスな女性の過去には深い事情がある…と」

バーテン「お客様、こちらがお勘定でございます」

メロス「ああ、ご馳走様…ねぇ、ミニス僕は皆に向き合えるくらいに強くなったのかな?」

 


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