キュゥべえである毎日   作:唐草

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「生きてりゃどうにかなる」

 

 

 昔でもない話。

 案外近い過去の話。

 その男の子には、おおよそ友達と呼べる存在がいませんでした。男の子は早熟な子でしたから、同年代の子供たちが何を話していても面白く思えなかったので、友達ができなかったのです。

 男の子はごく普通の一般家庭出身だったため、ごく普通に家族に友達のことを聞かれます。

 両親を心配させたくなかった男の子は、「学校は毎日楽しい。友達はたくさんいる」と嘘をつきました。この年代の子には、ありがちな話です。

 もしかしたら、ただの見栄だったのかもしれませんが、男の子は心配をさせないよう、友達と遊びに行っているように見せかける必要がありました。

 そこで、近場の神社の境内で、いつも携帯ゲームをしていました。両親には友達とゲームをしてくる、なんて言って、その実一人で遊んでいました。

 ある日のことでした。

 男の子がいつものように神社でゲームをしていると、一人の子供が彼に近寄ってきました。髪は短いですし服装は半袖短パンですが、多分、女の子です。

 彼女が彼に話しかけます。

「そこで何をしているの」

 彼は愛想悪く答えます。

「見てわからない?」

 男の子は小学生にして既に悟り、創作物は創作物。現実は現実と折り合いを付けてしまっていて、ロマンスや友達など、何も期待していませんでした。

 彼が言うと、「そう」と答えて女の子は帰っていき、ほんの少しだけ落胆していた自分に気が付いて、自分を叱咤しました。

 ですが、女の子は次の日も来ました。

 彼女は彼と二、三言言葉を交わすと帰って行き、そのまた次の日も来ました。

 その次も、そのまた次の日も来ました。

 そうしている内に、男の子には、彼女は自分を裏切らない。友達になってくれるかもしれないといった考えが芽吹いてきました。

 そして、自分が言おうと思った瞬間に、女の子の方から「友達になろう」と声を掛けてきたのです。男の子は狂喜して、この世に神がいるのだとしたら、それに感謝をしたい気分になりました。

 ですが、幸せは長くは続きません。

 いつものように神社で女の子と談笑をしていたある日。

 突然、女の子が消えてしまったのです。

 煙のように、影も残さず。

 欠片さえ見あたらなく、消えてしまったのです。

 男の子は、彼女を捜しました。今までは随分綺麗に見えていたはずの、寂れた神社の中も探し回り、林の中に土の下を掘り起こしてまで探しました。

 ですが、女の子は見つかりません。

 ああ、なんということでしょう。つまり女の子は───

 

 

 

 

 

 

 目が覚めた。

 寝ていたというわけではなく、目の前にはあすみちゃんがにやにやと笑っている。つまり僕は立っている。確か、僕は朝早く僕が彼女に紹介した廃墟に呼びつけられて、彼女の固有魔法の実験台になっていたんだっけか。

 

「……どう?ちゃんといー夢見れた?」

 

 意地悪く笑っているあたり、どうせ嫌なものを見せた自覚はあるのだろう。杏子ちゃんと固有魔法同じじゃねえか、とか思って悪かったかな。これはあれよりももっと悪質だ。

 しかし、相手のトラウマを見せる魔法、か。つくづく魔女退治には向かないな。

 

「……幻覚だったのです」

「……?そりゃあ、わたしの魔法は幻覚系だけど……言わなくてもよくない?それ」

「きみに言ったんじゃないさ。他人には見えないイマジナリーな友達に向かって言ったんだよ。ほら、画面の向こうとかページの前とか、ヘッドホンの向こうによくいるだろう」

「何言ってるのかよくわかんない……。しかし、発狂もしない、怯えもしない。ただちょっと怪訝な顔をしただけなんて、エツのトラウマって根が浅いの?」

「僕の人間性と同じくらいには深いね」

「すごく浅いってこと?」

 

 酷いことを言う。僕の人格とか思考とか嗜好が一気に変わってしまったほどのトラウマだと言うのに。まあ、肉体的な苦痛なんてなかったから、彼女にとっては軽いものなのかもしれないけど。

 

「しかしあれだね、きみの魔法は完全に対人間特化だけど、魔女退治できるのかい?」

「……ねぇ、エツ。魔法少女って、わたしの他に何人くらいいるの?」

「うん?魔法少女狩りでもしてグリーフシードを奪い取る気かな?止めはしないけど、もし僕側の魔法少女と敵対した場合は迷いなくきみの情報リークするから、気をつけておいてくれ。ちなみに、魔法少女は全国津々浦々そこらじゅうにいるぜ。やはりキュゥべえの仕業か!」

「はいはい、キュゥべえキュゥべえ」

 

 多用しすぎたせいか、軽く流されてしまった。ううん、間違ったことは言ってないんだけどな。

 あすみちゃんが変身を解いて、どこにでもいそうな陰気な少女に戻りつつ、ポケットから『うんまい棒』と書かれた十円くらいで売ってそうなスナック菓子を取り出して、袋を開けて頬張る。まろやかでうまそうだ。

 

「あ、そういえばソウルジェムって絶望しても濁るから、グリーフシードの貯蔵には気をつけてね」

「そういうことは先に言ってって……」

 

 軽く手を振りながら彼女に背を向けて、病院にでも潜伏しようかと考える。確か今日がシャルロッテ戦のはずだから、マミちゃんを友達にする一番の山場になるはずだ。彼女が魔法少女の真実の一端を見て、正気でいれるかどうか……。

 そのへんは僕の腕の見せどこ。

 

「べぎゃ」

 

 後頭部に激しい違和感を憶えて、勢いの付いた物体に影響された頭が前に飛び、顔面を地面へと押しつけて磨り潰す。あ、死んだ。

 一回死んだら、現実で何が起きているのか把握することができないため、できるだけ死んだ場所とは遠い部分に肉体を再構成する。……どうやら、半径十メートルくらいまでしか移動できなさそうだけど。

 

「きゅっぷい」

 

 思わず言ってしまった。一回死んだら素敵索敵な淫獣フォルムに戻るのか。声も若干高くなって、少しだけ加藤英美里に近づいた気がする。この肉体を再構成して人間形態にフォルムチェンジするには鏡が必要なんだけど、そんなのどこにも見あたらない。

 僕の死体の方を見ると、ゴスロリ姿のあすみちゃんが潰れた頭を愛おしそうに持ち上げているのが見える。死んでから生き返るまでにちょっと時間は空いていたと思うのだが、その間に僕の体は、指は全部折られ腕は裂けて足はもげて喉は抉られてと酷い有様だった。あの短い時間でよくこれまでやれたなと、怒りなどよりも先に感心が来てしまうほどだ。

 人間状態の僕の死体は白い蛋白質の塊で構成されているわけではなく、ちゃんと赤い肉があったことに驚く。血袋が破裂したような血液の海がこちらに迫ってきて、足に血がつかないか気になった。

 

「やあ、あすみ」

 

 インキュベーター風に第一声を掛ける。このまま別の生き物として僕は死んだことにしておくべきか、それともネタバラしをすべきか。迷うところだ。

 

「……っ!?」

 

 僕の死体を楽しそうに弄っていた彼女が、急に掛けられた声に驚いて振り向く。完全に臨戦態勢を取っており、棘付きの鉄球でいつでも僕を潰せるように構えている。

 

「まあ落ち着いてよ。僕は別にきみの敵じゃないんだ。むしろ、きみたち魔法少女にとっては味方とも言える存在だよ」

「……何者?」

「僕の名前はキュゥべえ、魔法少じ」

 

 潰された。

 うん、間違ってない。間違ってないんだけど少しは話を聞いてからじゃないとそのうち損をしそうだ。マミちゃんに見られたら一大事だぜ。

 …………。

 よし、フラグを立ててもマミちゃんは来てないな。死んでるから本当に来てないかどうかも確かめてないけどさ。

 

「いきなり潰すなんてひどいじゃないか」

 

 キュゥべえの死体の近くに再構成して、はぐはぐと白い蛋白質Xを食べる。うん、無味無臭で後味すっきりの食べている気がしない食べ物だ。それでも、地球とか自分にとか、色々な物に優しい僕は環境を考えてきちんと死体の処理をすることにした。

 

「さっき潰したはずだけど……?」

「そうだね。いくら代わりがいるとはいえ、無意味に潰すのはやめてほしいかな。だからちょっとその振り上げた鉄球を止めようかウェイトウェイト」

 

 僕の制止に一応あすみちゃんが従う風を装い、僕への攻撃を一時中断する。しかし、彼女は他人の不幸を心から願っているから、『やめてほしい』なんて単語を使われたら嬉々として潰してくるものだと思っていたんだけど、意外だ。

 

「……もしかして、エツ……?」

 

 あすみちゃんが細くなった目で僕を睨みながら聞く。……まあ、この娘なら別に言っても問題はないか。正直、彼女と友達になるのって自分が人外の存在であることを強調して方がいい気がするし。

 

「バレてしまっては仕方がない。天が呼ぶ地が呼ぶ人からは嫌われる。悪を成せと僕を呼ぶ。外道☆少年エツ!キュゥべえver!……八兵衛と呼ぶがいい」

「うわ、本当にエツだよ……。何そのウサギっぽい姿」

「キュゥべえだと言っておろうに。ちなみに、本物は僕の声よりももうちょい高くて、それでいて魔法少女の素質のある女子中学生をつけ回すストーカーだぞ!」

「……へー」

 

 嘘は言っていないのに、真実を話すとより嘘っぽく聞こえてしまうというジレンマ。ヤマアラシや蛞蝓でさえ、もっとうまいことできるだろう。

 彼女が何故僕を殺害しようとしたかは、聞かないでおく。結局は意味なんてなかったし、『人間とは違う』ということを今の内にアピールしておかないと。

 

「……あ、鏡持ってる?人間風にカスタマイズしないと」

「………………」

 

 ん?間違ったかな?

 

 

 

 

 

 

 

 はるばる来たぜ病院。

 ……うん、来る途中、迷って案内板見てもわからなくて、織莉子ちゃんに電話で聞いたのは別に言わなくてもいいだろう。聞く人もいないんだ、なおさら言う理由なんてない。

 恭介くんの病室のベッドに無断でどかっと座り、彼の目の前で見えないことをいいことに、お見舞いのお菓子をこっそりと摘む。

 よく考えてみれば、僕は魔法少女の素質のある人間にしか見えないということは、つまり男と友達になれないということでもある。まあ、いいだろう。最近のラノベとかでは主人公の周りにいる人物がそろいも揃ってこぞって女なんてよくあることだ。男友達を捨てることで、主人公になれるんだとしたら、それも悪くない。

 早く主人公補正、付かないかな。

 首を目一杯反らせながら頭を搔き、馬鹿には見えない白い髪の毛を散らす。さやかちゃんが病室に来たら、察してくれるだろうか。……普通に掃除されて、終わりか。見えないとは言っても、物理的干渉は効くんだ。

 それに、下手に意味のない暗躍ばっかりしてまどかちゃんに消されたら本末転倒だ。誰だって死にたくないし、僕だって死にたくない。当然だ。

 当然のことができない人間は死んでしまえと母がよく茶化して言っていたが、まったくその通りなのかもしれない。

 当然のごとく利益を追求し、当然のごとく自分のために行動して、当然のごとく何を犠牲にしてでも生きたいと願っていなければ、とても生きてなんかいけない。

 世のため、人のため。

 なるほど、そいつは聞こえがいいけど、本当にそれは他人のためだけなのか。

 他の何かのために自分を犠牲にする自分に酔っていたり、ただ自分の有用性を他の誰かに示したいだけなんじゃないだろうか。

 結局は自己愛。結局は自己満足。結局は自己顕示欲。

 愛する人を救いたい?自分が愛されたいが故に。

 家族と友達を守りたい?自分の日常を壊さないが故に。

 

「人の言う『愛』は、『自己愛』に帰結する……誰が言ってたんだっけ」

 

 まあ、これくらい論理を組み立てておけば、まどかちゃんとさやかちゃんが何を言ってきても、瞬時に対応できるだろう。友達への道は一日にしてならず。文章をしっかり考えて、矛盾をできるだけ隠して、正義と愛を必要以上に信仰している愚か者の思考を停止させて打ち砕く。それが僕のやり方だ。

 そのための準備は怠らず、しっかりちゃっかり考える。相手の正しさを歪ませるために。

 

「……やっぱり、動かない」

 

 恭介くんが呟く。もし僕の声が聞こえるなら励まして友達になるのはそれほど難しくないというのに、世知辛いと言うかどうしようもないと言うか。

 要は優先順位を変えてやればいいだけなのだ。今現在、彼にとってはヴァイオリンが全てで、彼は自分の価値がヴァイオリンしかないと本気で思っている。それを間違っていると教えてあげればいいだけだ。今の彼を肯定してあげるだけでも、十分に効果がある。

 もしくは、手で演奏できなければ足があり、それでも無理なら歯があるのだと、教えるとか。……さすがに無理があるか。

 

「……うっ、う、うう……」

 

 泣き出してしまった。やたらと豪華な病室を与えられているくせに、贅沢な奴め。少し価値観を変えるだけでも救われるというのに、恭介くんは泣いているばかりだ。警察犬でも呼んでくるべきか。二人称を子猫ちゃんに変えてもいいかもしれない。

 

「生きてりゃどうにかなる。生きる意味なんて考えてる人にはそれがわからんのですよ。……本当、何を悩んでんのかねえ」

 

 僕だったら、フラスコの中の脳味噌になったって生きたいと願う自信はある。幸せなんて簡単に掴めるものだと知っているから。

 あーあ、人生なんて楽しまなきゃ、損だろうに。

 

 

 

「や、お待たせ」

 

 病院のエレベーターから降りてきたさやかちゃんが溜息をつきながら、緑色のベンチに座っているまどかちゃんとキュゥべえに向かって言う。ちなみに、僕はさやかちゃんの後ろを背後霊のようにとって、いつまで気付かれないかを試していた。そこまで彼女が周りを気にしないとは思ってはいたが、びっくりするほど気付かれなかった。エアーマンを名乗ってもいいかもしれない。

 

「あれ?上条くん、会えなかった……の……」

「何か今日は都合悪いみたいで……って、まどか、どうかした?」

「さやかちゃん、後ろ……」

 

 まどかちゃんが幽霊でもいるようにこちらを指さし、つられて僕も後ろを向く。

 

「ん?後……ろ……って……うおぉあ!?エ、エツさん!?いつからそこに!?ま、まさかあたしのストーカーか!?」

「何っ、ストーカーだと!?どこだ、どこの淫獣だ!?」

 

 首を左右に動かして、まどかちゃんの指さした方向に淫獣がいないか確かめる。まどかちゃんの横に一匹いるが、彼女が指さしたのは別方向なので、おそらく別にいるのだろう。あいつら、一匹見かけたら三十匹だし。

 

「い、インジュー……?って何……?」

「家無しパン無し従事無しの略称。無職金無しレスホームって意味だよ」

「マジですかー……」

「そうなんですか……。始めて知ったなぁ……」

 

 まどかちゃん、さやかちゃん。純粋なのと何でもかんでも信じるのは大分意味が違ってくると思うんだ。疑うことだって、重要だぜ。

 病院を出て、自転車置き場の間を通って歩く。マウンテンバイク以外、似たタイプの自転車ばっかだ。

 

「しっかし、わざわざ来てやったっていうのに、失礼しちゃうわよねー」

「まあ、察しろっていう話だよ」

「……?」

 

 察せないのか。それでもいいだろう、どっちかって言うと、そっちの方がやりやすいからね。

 まどかちゃんが立ち止まって柱に突き刺さっているグリーフシードを見る。……そういえば、あのグリーフシード、何がどうなってあんなところに刺さっているんだろう。柱には罅も入っているし、どんな勢いで突き刺さったんだ。

 

「……うん?……どうしたの?」

「あそこ……何か……」

 

 足を止めて戻ってきたさやかちゃんに、まどかちゃんが指を指して言う。

 

「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」

 

 いかにも危機感を煽るような声でキュゥべえが叫び、柱に駆け寄るまどかちゃんの肩でだらりと下半身を垂らしている。後ろから見るとすっごい間抜けだ。

 

「嘘……!何でこんなところに!」

 

 キュゥべえが営業の為に置いたからだろう。

 

「どこにでもいるのが魔女なんだろう。だったらここにいてもおかしくもなんともないさ。むしろ、人を食べる魔女にとっては絶好の餌場と言ってもいいかもしれない」

「そんな……!」

「呑気に話している場合じゃない、早く逃げないと!」

 

 ……何でこいつ感情ないはずなのに、こんなに感情豊かな声出せるんだろう。これまでに騙された魔法少女たちの感情の表面をサンプルにしてるのかな。

 

「もうすぐ結界が出来上がる!」

「……またあの迷路が?……まどか、エツさん。マミさんの携帯聞いてる?」

「へっ……ううん」

「聞いてるけど、電池がだね」

 

 僕らの返答に、さやかちゃんは神妙な顔をして考えるように顎を親指と人差し指で押さえる。そういえばこのポーズ、どこの発祥なんだろうね。

 

「まずったな……。まどか、エツさん、先行ってマミさんを呼んできて。あたしはこいつを見張ってます」

「……そんな!」

「無茶だよ!中の魔女が出てくるにはまだ時間があるけど、結界が閉じたら、きみは外に出られなくなる……!マミの助けが間に合うかどうか……」

「あの迷路が出来上がったら、こいつの居所もわからなくなっちゃうんでしょ……?」

 

 よく考えたら、それもそうか。必ずしも結界の最深部に魔女がいるわけでもなく、結界の外側に出張して買い食いなんかをしている可能性だってある。魔女の主食は人だけど、一々結界内に取り込んでから食べようとしてたら、その間に使い魔に食べられちゃうし、それに魔女の口づけとかは使い魔ができるとは思わない。

 いつまでも引きこもりじゃいけないのだ。

 

「放っておけないよ……こんな場所で……」

「じゃあ、僕も一緒にいよう」

 

 僕がそう提案すると、キュゥべえが必死に声を張り上げた。

 

「正気かい!?ただの一般人には、使い魔を倒すことさえできないんだ。危なくなったらボクと契約できるさやかはともかく、エツの場合は遠回りな自殺にしか思えないよ!?」

 

 そんなにさやかちゃんとの契約に僕が邪魔かこのやろう。僕が遠くのグラマラスの女性っぽい雲を見ながら黙っているのを見て、説得は不可能と判断したのか、キュゥべえが妥協してきた。

 

「……仕方がない。まどか、マミを呼んできてくれ。マミならここまで来ればテレパシーでボクの位置がわかる。ここでグリーフシードを見張っていたら、最短距離で結界を抜けられると思う」

「ありがとう……キュゥべえ、エツさん」

「わたし……すぐにマミさんを連れてくるから……!」

 

 そう言って、まどかちゃんは鞄をここに置いたまま、僕たちに背を向けて走り出した。流れる汗もそのままにしそうなダッシュである。

 彼女が去ってすぐに、グリーフシードが発光して、白い光に包まれた。

 ……魔女の卵のくせに、何だこの聖なる感じのエフェクトは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




悪役も大変なんです。しっかりと相手との会話の中で相手の思考を把握して、
ちゃんとそれを論破して心を折れそうな文章を作る必要があるのです。
その場その場で考えていたら、逆に論破されますよ。


-いー夢見れた?
ジャスト一分ではないかもしれない。

-イマジナリーな友達
俺の彼女……恥ずかしがって画面の中から出てこないんだ……。
↑これも一応同じもの。

-画面の向こうとか~
第三の壁の向こう側のこと。壁の上に乗ると蛙がメメタァと鳴くらしい。

-うんまい棒
コーンスープ味。食べると口の中の水分が吸い取られて、異様に喉が渇く、グンマー限定のお菓子。

-血液の海
淫獣形態→エネルギーがほぼ必要ない人形。単三電池でも動きます。
人間形態→血液回して酸素呼吸しないとエネルギーが足りない。何せ複雑だから。
……血が出ないって忘れてたわけじゃないよ!

-僕の名前はキュゥべえ
あれだけ全ての元凶だと聞かされていれば、そりゃあねえ。

-天が呼ぶ地が呼ぶ~
個人的に一番虫っぽい仮面ライダー。
海は呼んでこないらしい。

-ジレンマ
二律背反のこと。もしくは、ウルトラ男太郎に登場する蛞蝓。

-ん?間違ったかな
天才でも間違うことくらい……ある……。

-はるばる来たぜ
小さい頃は、『箱だけ』だと思っていた。中身はないのか。

-最近のラノベ
ホモには優しくない。
周囲の女の子率が異常で、フラグが乱立する。

-馬鹿には見えない
全裸大王は馬鹿にしか見えない。

-友達への道
ローマよりは短いが、ローマの方がまだたどり着ける確立は高い。
道を間違えなければ大丈夫大丈夫……。

-警察犬
-子猫ちゃん
困ってしまって警察さえも泣き出す迷子の話。

-エアーマン
何回やっても倒せない空気男。
きっと、ステルス機能とか使っているに違いない。

-インジュー
ある意味キュゥべえもそうとも言える。
住所不定所持金皆無仕事は給料無し。

-営業の為に
だって、魔法少女って絶望するとその場で魔女になるよね?
何でグリーフシードが単体で存在するのか。

-流れる汗もそのままに
走る走る彼女たち。

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