というわけで、どうぞ。
「今日の『超合体！紫天ロボ』も楽しみですね！」
「うん！ あーあ、早くＣＭ終らないかなー」
レヴィとユーリがいつものようにアニメを見ようと待っていると……
『鬼～のパンツは～』
「「！？」」
ＣＭからそんな曲が流れてきた。
その時レヴィに電流走る――――！
「これだ！ 僕、ちょっとお兄さんのところに行ってくる！」
「レヴィ、アニメはどうするんですー！？」
「録画しといてー！」
それから数日後。
「……で、それがあの変態に頼んで作ってもらった『リアルスペック・鬼のパンツ』か」
「相変わらず下着を作らせたら天才的ですね、変態ですが」
「ふわー、なんかキラキラしてますー」
「へへー、カッコいいでしょ！」
レヴィが現在穿いているのは彼によって作られた『鬼のパンツ』。
一見するとやや紫がかった黒のパンツ。しかしその布地には、ステレオグラム（目の錯覚で２つの絵が重なり立体に見える絵）の要領で『浮き出す黄色の稲妻パターン』が織り込まれ、さらにレンチキュラー（角度を変えると違う絵が浮かび上がる絵）の技法を使い、見る角度を変えることで『動いて暴れ回る雷光』を見ることが出来る渾身の作品だった。
「実はこれだけじゃないんだ！ セットアップ！」
「「「！？」」」
レヴィが戦闘衣服を展開すると、立体稲妻パターンが衣服にも表れる。
「そんで、軽ーく一発撃つ！」
単純に魔力を放つだけの雷撃の弾、それが凄まじい轟音と共に空を引き裂いていった。
「……シュテル、今のは」
「……レヴィの魔法威力が約６０％上昇しています。本人の魔力に変化はないので……認めたくないですが……あのパンツが増幅しているとしか」
「あの変態、ついにパンツ限定でマジックアイテムを作るようになったのか？」
「彼の創作はパンツに留まらないようなので……もしかしたら、下着全般ということも」
「レヴィ、凄いです！」
「ふふーん、でしょでしょ！」
戦慄するディアーチェとシュテルをよそに、レヴィとユーリは素直に喜んでいた。
「さらにこの超パワー！」
レヴィは自身の１０倍以上はある大岩を軽々と持ち上げ、
「そして目にも映らぬ超スピードォォォ！」
さらに自らを雷そのものに変化させて、縦横無尽に飛び回って見せる。
「…………おい、いつからレヴィは『戸隠山投げ』なんぞ使えるようになった？ それにあの電撃同化は『雷天大壮』か？ それとも『雷速剣舞・戦姫変生』か？」
「……パワーアップどころかチート化してますね」
「奴の作るパンツは宝具かロストロギアか聖遺物だとでもいうのか！？ どういうことだ誰か説明しろ！！」
「王、落ち着いて下さい。私もパニくってますので」
天然コンビが無邪気にはしゃぐ傍ら、真面目コンビは盛大に混乱を続けていたが……
「ふにゃぁぁああんっ！」
「「！？」」
突然のレヴィの艶かしい嬌声に意識を戻された。
「レヴィ！？ 大丈夫ですか？」
「ふにゃ……らいじょうぶ（大丈夫）。このパンツ穿いてから変身して魔力使うとねぇ、お兄さんにお尻撫でてもらった時みたいにスッゴク気持ちよくなるんだぁ……使った魔力も回復するし……僕、クセになっちゃいそう……」
うっとりとした表情でそう説明するレヴィ。ユーリは『便利ですー』と素直に感心していたが、真面目コンビを阿修羅へと変貌させることになる。
「……レヴィ、調教されてますね。あの変態、やはり一線を越えましたか」
「……ククク、やはり変態は誅殺すべきであったか」
背後にゼ○ライマーとグラン○ンを降臨させた二人は、彼を焼いて潰して粉にして、塵一つ残さず消滅させる……寸前にチート化したレヴィにより制圧された。
『雷速で動く相手が鏡像分身で１５０体同時攻撃って勝てるわけないでしょう！』とはシュテルの弁で、『全方位１ミリの隙間も無しの雷撃掃射を毎秒６０００回だぞ？ 心が折れる間すら無いわ！』とはディアーチェの弁。
ちなみに彼は重症だが生きていたらしく、レヴィのパンツが見えた瞬間に完全復活したトカ。
「侮り難し、変態……」
「そんなにレヴィのお尻とパンツが好きですか、あの変態は」
「もー、二人ともお兄さんいじめちゃダメだよ！！」
「みんなパワーアップして凄かったですー」
元ネタは『フニクリフニクラ』の替え歌から。
その他ネタ元
『戸隠山投げ』……東方ｐｒｏｊｅｃｔから 伊吹萃香の技（スペルカード）。
『雷天大壮』……ネギまから ネギ・スプリングフィールドの技。
『雷速剣舞・戦姫変生』……ＤｉｅｓＩｒａｅから ベアトリス・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼンの技。