「は、恥ずかしいから目開けちゃダメだよ」
レヴィの言に従い、しっかと目を閉じて、彼女の『準備』を待つ。
視覚を閉じた分鋭敏になった彼の聴覚はわずかな絹擦れの音――レヴィがパンツを脱ぐそれ――を否応なく感じ取る。
もし目を開けたならそこには無防備な下半身をさらす少女がいる、という事実を思考から排除することに没頭しつつ……『その時』は来た。
「そ、それじゃあ……パンツ、穿かせてくれる?」
無言で頷き、目を閉じたまま両の手で自ら作り上げた新作の下着を開き、レヴィに足を通すよう告げると、ほどなくして手にレヴィの華奢な足首の感触があった。
そのまま足に沿って、ゆっくりと下着を持ち上げていく。
「んっ……くすぐったい……」
キメの細かい肌の感触や、幼い身体が放つ高めの体温、緊張と羞恥で速まる鼓動……そしてレヴィ固有の甘い匂い。
それらに高揚する精神を抑えながら、彼の手は下着が収まるべき腰の位置に届く。
だが彼にとっての本番はここから。
レヴィの後ろ側……『臀部』へと手を伸ばし、下着の『座り』を正す。
「んんっ……ふゃっ……!」
真珠とシルクを合わせたよりさらに滑らかで、水の詰まった風船のように弾けそうな張りとグミキャンディの弾力を持つ極上の『お尻』。
それを彩る下着を最適な形に整えるべく彼が手を這わすと。わずかに触れただけでふるり、ふるりと尻肉が震える。
その行為に性的ないやらしさは含まれない、含ませない。
彼のクリエイターとしての情熱が、誇りが、極上の素材を相手にそんなものを遥かに上回る熱意を持って、レヴィの尻肉を掴み、下着の中に納めていく。
「は……ぁん」
だがそれでも、彼が手を動かす度レヴィの口から漏れる甘い声。性の知識など微塵も知らない幼い少女に、彼の手は『触れられる悦び』を刻み込んでいく。
その背徳的な行為の認識が一人の男のしての情動を喚起するが、それをもまた燃料として彼は『最高の形』を追い求める。
幾度の試行錯誤の末、納得のいく形に整え終ると……彼の手が下着から引き抜かれる。
「ん、ふぅ……ん」
クリエイターとしての仕事を終え、一人の『男』に戻った彼の耳に架かるレヴィの熱っぽい吐息に、ぞくりとした感覚が走った。
「は、ぁ……終わっ、たの? じゃあ……目、開けていい、よ」
互いに全く動いていないにも関わらず、極度の興奮と緊張でその息は荒い。
そして彼の眼前に展開されるのは――
「どう、かな? 僕、カッコいい?」
彼の精魂込めた作品を纏い、くるりと身を翻して微笑む天使の姿。
ふわりと翻ったミニスカートの下、彼のデザインした下着が覗く。
――それは彼の思い描いた最高の形でレヴィの臀部を彩っていた。
その姿を見た彼は万感の思いを込めた――しかし、いつも同じ言葉しか告げられなくなってしまう。すなわち――――
『ああ……レヴィ、君はとても綺麗だよ』
――――と。
代わり映えのない、それでも心の篭ったその言葉を告げられて……レヴィは嬉しそうにまた笑った。
ダメだ……まだ足りない……
教えてくれ五飛、俺はあとどれだけの言葉を尽くせばレヴィの魅力を伝えられる?
ゼロは何も答えてはくれない……