レヴィちゃんのお尻はキュート   作:グラビ屯

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本格的にクロスオーバーにして大丈夫なのか?
なんかシリアスっぽくなってしまったがいいのか?
と悩んでいたら、

「『クロスしたキャラクターを“らしく”描写する』

『シリアスでもレヴィに萌えられるSSを書く』


『両方』やらなきゃいけないのがSS書きの辛いところだな。


覚悟はいいか?
俺はできてる」


と、脳内ブチャラティが宣ったので『覚悟』を決めて投下することにした。


ありがとうブチャラティ。
ありがとうブチャラティ。


【追記】

キャラクター登場のため
甘い生活(能力のみ)→甘い生活
にタグを変更しました。


集う変態 ~ 天才とは変態の別名である

レヴィがいつものように彼の家を訪ねると、ちょうど外出するところに出くわした。

 

「あれ? どっか行くの?」

 

聞くと彼の先輩たちに食事に誘われたと言う。

 

「ごはん! いーなー……『一緒に来るか?』いいの!? やったー!」

 

満面の笑顔を浮かべるレヴィ、その無邪気な様子に『まだまだ色気より食い気だな』と、レヴィの魅力に理性の危機を日々感じる彼は内心安堵するのだった。

 

 

 

「あ、来ましたよ」

「ああ、我々が少し早かったようだな」

「彼が、最近有名な?」

「ええ、僕が時々手伝いを頼んでいたのも彼です」

 

待ち合わせの場所にいたのは長身の美丈夫と小柄な男性、そしてモデル顔負けの美女という組み合わせ。

美形が二人もいるせいか、周囲からやたらと目線を集めている。

 

そんな集団が“先輩たち”らしく彼は親しげに声をかけた。

 

『どうも、遅れまして』

「いや、こっちが早かっただけだ……その子が、そうなのか?」

「ふえっ!?」

 

美丈夫の鋭い目線が刺さり、思わずレヴィは彼の後ろに隠れてしまう。

 

『……先輩』

「う」

 

そのレヴィの様子を見て、彼の口から普段からは考えられない絶対零度の声が飛び出した。

レヴィを害する存在は何者だろうと容赦しない、そんな意思が籠められた短い一声に美丈夫が思わず後ずさる。

 

「幽螺さん、そんな睨むような目付きじゃ怖がっちゃいますよ」

「む……そうか、すまないな」

 

緊迫した空気が張りつめたが、小柄な男性の指摘によりそれも緩和されると、男性はレヴィの前にしゃがんで自己紹介を始める。

 

「はじめまして、僕は『江戸 伸介』。彼とは同業者で大学の先輩になるかな」

「え、と……ボク、レヴィ。レヴィ・ザ・スラッシャー、です。はじめまして」

 

レヴィが彼を見上げて『大丈夫な人?』と目線で確認すると、笑顔で頷きが返ってきたのでペコリと頭を下げる。

 

「あらかわいい。私は『若宮 弓香』よ。江戸さんの秘書をしてるわ」

 

その様子を見て女性……弓香も自己紹介すると、無意識にしゃがんでレヴィの頭を撫で始める。

――ふにゃ、と顔を弛ませて笑うレヴィに『なにこれかわいいお持ち帰りしたい』と心で鼻血を流していたことは本人以外気づかなかったが。

 

「『幽螺 みずは』だ。私も同業者で……バイト先の先輩、という立ち位置になるか」

 

最後となった美丈夫の自己紹介に再度ビクッと体を跳ねさせるレヴィ。

 

「……先ほどはすまなかった。以前に話を聞いていたから、気になってな」

「? ボクのこと、お兄さんがなんて?」

「ふふっ、『天使』と出会ったと言っていたぞ」

「ふえっ!? はううぅぅぅ……も、もう! お兄さんってば、もう!!」

 

ポカポカと全く痛くないパンチを彼に浴びせるレヴィの顔は湯気が出そうなほど真っ赤になっていた。

 

「なにこれ甘い。そしてかわいい。オモチカエリシタイ」

「弓香さーん?」

 

ついに内心に留め置けなくなった弓香の発言は完全にブッ壊れていた。

 

 

 

四人が食事の場所に選んだのは高級ホテルのランチバイキング。大食いのレヴィのことを考えて、彼による提案だった。

 

「あんな小さい子がそんなに食べるの?」

『ええ、レヴィは人一倍どころか三倍、四倍は食べます』

 

 

「(モグモグモ)おいしーおいしー♪」

 

 

次々と積み上がる空皿。

ウェイターと料理人が右往左往するのを尻目にレヴィは高級料理を堪能していた。

 

「……確かに、よく食べる子ね」

「僕なんか胃腸が弱いからうらやましいなあ」

「ふむ、バイキングとはいえ、いいワインを出しているな」

 

驚愕する弓香。マイペースな伸介とみずは。そして微笑ましげにレヴィを眺める彼。

各人それぞれの反応を見せる中、レヴィが彼からの視線に気付く。

 

「(モグモ)あれ、お兄さん食べないの? これおいしいよ! はい、あーん」

 

なんの気負いもなくごく自然に、フォークに刺さった料理を彼の口元に差し出すレヴィ。

顔を赤くした彼は少し戸惑いながらもフォークにパクリと食い付いた。

 

「えへへ、おいしい?」

『……ああ、レヴィの言うとおりおいしいな』

「だよね! またおかわりしよっかなー」

 

 

 

「…………わたし、砂糖吐きそうなんですけど、ナンで二人とも平気なんですか」

「? 普通に仲がいいってことじゃないの?」←恋愛関係天然記念物級鈍感男

「興味ないな」←自己陶酔型職人気質男

 

「……アア、ソーデスカ」

 

思わず遠くに意識を飛ばしてしまう弓香だった。

 

 

 

「そうだ、レヴィちゃんは彼の『作品』を今着けているのかい?」

「え゛」

 

伸介からの質問に弓香の表情が凍りついた。

 

「うん、着けてるよー。ボクがカッコよくなるようにいつもお兄さんに着せてもらってるんだー」

「っっ!?!?」

 

さらにレヴィからの答えで顔色が真っ青になる。

 

「ちょ、ちょっと! もしかして彼も江戸さんみたいな女性を気持ちよくさせる『手』を……」

「江戸ほどではないが、持っているな」

「そ、それじゃあ彼の作った下着も……」

「江戸ほどではないが、女性に快楽を与える効果があるな」

 

 

 

【弓香の脳内妄想】

 

 

薄暗い部屋の中、ベッドに横たわる下着姿のレヴィを、彼は同じように横たわりながつつ後ろから抱きかかえ、その幼い、しかし女性へと変わる兆しを見せ始めた身体を貪るようにまさぐっていく。

 

「ひぁっ……なに、これ……こんなの、ボク、知らない……!」

 

未成熟な身体に成人女性すら失神するレベルの快楽が休みなく、それでいて気絶しないようを絶妙に調整されて襲いかかる。

紅潮した顔は涙と涎が垂れ流しになり、全身は汗にまみれ、股間からは淫らな粘液が滔々と流れ出していた。

 

「怖いよぅ……ボク、飛んじゃう、飛んでっちゃう……ひぅっ! ふぁぁあぁ……っ!」

 

何度目かもわからない絶頂にレヴィの身体からくたりと力が抜ける。

それを見届けた彼は自らのズボンに手をかけ……充血した欲望をレヴィにあてがった。

 

「やっ、何……? い゛っ!? 痛い! やだよお兄さん、なんで……? 止めてぇ! ヤダ……こんなのヤダぁぁぁああ!!」

 

 

【妄想終了】

 

 

 

「嫌ぁぁぁぁっ! ロリコンの変態じゃないの!」

「お前のパートナーみたいな見境なしよりマシだと思うが」

「江戸さんのこと変な言い方しないで!」

「あれでもか?」

 

 

みずはが指差す先には、レヴィの服を無遠慮に触ったり引っ張ったりする伸介の姿があった。

 

「うーん、流石だ。下着も服もレヴィちゃんの身体に無理が無いように完璧に仕上げられてる」

「えへへ、そーでしょー。あ、服はお兄さんと王様の合作だよ」

「王様? 『レヴィの同居人の女の子です』なるほどー。しかし縫製が気になるなあ、どうやって……」

「あ、ダメだよ! ボクのパンツ見ていい男の人はお兄さんだけなんだから!」

「ああ、ゴメン! そうだね、レヴィちゃんもレディなんだから失礼だった」

「ふふん、そーだよー。ボクは強くて凄くてカッコいい、オトナのレディなんだから!」

 

ふんす、と胸を張るレヴィにペコペコと頭を下げる伸介。

 

ちなみにその後ろで目を

 

<●><●>

 

にして睨んでいる彼には全く気づいていなかった。

 

「見ろ、あれが『見境なし』というやつだ」

「……否定、できないわ(ガックリ)……あら? 今あの子、江戸さんに触られたのに平然としてる!?」

 

彼女の記憶からして『あり得ない』光景に、あわてて駆け寄る。

 

「あれ、お姉さんどうしたの?」

「あなた、江戸さんに触られても平気なの? こう……ゾクゾクして、変な気分になったりとか」

「んー? ちょっとあったかくて気持ちいいかなーとは思うけど……」

 

むー、と考えを巡らせていたレヴィは何かに気づいた表情になると、

 

「ボク、お兄さんの手の方が気持ち良くて好き!」

 

そう言って彼の手を捕まえ頬擦りする。

 

「えへへ、グリグリ~」

 

猫のように擦り寄るレヴィの頬を優しく撫でる彼だが、レヴィの視界に入らない所には悶絶する彼の顔と、感情の行き場を求めて狂い悶える手足があった。

 

「あはは、二人とも仲良しだね」

「江戸……奴が鼻血を堪えながら反対側の手をやたら荒ぶらせているのに気づけ」

「解るわ、萌えが溢れてキュン死しそうなのね。私も江戸さんに対してそうだから(キリッ)」

「若宮……」

 

『もうダメだこいつら』と額に手を当て天を仰ぐみずはだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【蛇足なその後】

 

 

「むにゃむにゃ……もうお腹いっぱいだよ……でも王様のカレーは食べる……」

 

さんざん飲み食いしてお腹をポッコリと膨らませたレヴィは、その満腹感で眠ってしまい、現在は腹に負担を掛けないよう、彼にお姫様抱っこで運ばれていた。

 

「あれだけ食べてまだ夢の中でも食べてるのかしらこの子……」

「僕はレヴィちゃんにつられて食べ過ぎて……ちょっと苦しいです」

 

呆れ顔の弓香と、腹を擦る伸介が彼に続いて歩き、その後ろにやや深刻な表情のみずはがいた。

 

「少し、いいか」

『……幽螺先輩』

 

彼にかけられた声は、どこか悲壮感を含んでいた。

 

「その子は……美しいな。外面ではなく、魂が。お前が心酔するのも理解できる。だが……お前はもう、私や江戸のように作品を作ることはできない。私や江戸以上の才能を持つお前は……その子のための作品(オリジナル)しか、もう作れない」

 

「あの、それはどう言う……」

「僕も詳しくは知らない……けど、いつからか彼は女性から作品造りのインスピレーションを得られなくなったんだ。そのことで何年も苦しんで……ようやく彼が出会えたインスピレーションを感じる相手が、レヴィちゃんなんだよ」

 

伸介の説明を補うように、みずはの言葉が続く。

 

「当然だろうな……一目見て理解した。その子の魂の輝きを見れば、荒魂でありながら純真無垢な有り様を知ったなら、容易く醜い荒魂に堕ちる“人間”を相手に作品なぞ二度と作れん。荒魂に慣れている私でも、しばらく仕事にならんだろう」

 

『荒魂?』と知らない単語に首を傾げる弓香。視線を向けられた伸介も『知らない』と首を振る。

 

「私がお前を影忍(かげしのび)に誘わなければ、お前は……」

 

ギリ、と音を立てる程に歯噛みするみずは。

その端正な顔立ちは苦渋と後悔に歪んでいた。

 

 

『いいえ……俺がレヴィに出会えたのも、その経験があったからこそ、ですから。むしろ先輩には感謝しています、影忍として動いた日々がなければ、俺は人の歪みに気づかないまま作品を作り……いずれ何も作れなくなっていたでしょうから』

 

 

そう語る彼にみずはは驚く。人の最も醜い面を見続けた人間にあるまじき清廉さが彼から感じられた故に。

 

 

『俺は、幸せです。俺の才能が、技術が、経験が、俺の大切な人を輝かせることに使える。俺の大好きな人を笑顔にできる。こんな幸せ、他にないでしょう?』

 

「……ふっ。そうか、そうだな」

 

『江戸先輩も、若宮さんも、そんな顔しないで下さい。俺はこれで、いいんです』

 

「……そっか」

「……ハイハイ、暗い話はおしまい! また、みんなで集まってパーっとやればいいのよ!」

「若宮は色々開放し過ぎだがな」

「幽螺さんっ!」

 

そんな騒がしくも優しい先輩たちに、彼は感謝を込めてそっと一礼する。

 

 

「むにゃむにゃ、王様ぁ~プリンおかわりぃ~……」

 

幸せそうに夢を見るレヴィを見下ろしながら、彼もまた穏やかな微笑みを浮かべていた。

 




「頬擦りされたら狂い悶えるのだ! 喜びでな!(鼻血)」
『7人目のスタンド使い』で小柄少女萌えな花京院さんはお帰りください。



※夜叉鴉がマイナーだと思うので設定とか説明

【荒魂って何ぞ?】

要するに恨みとか欲望で歪みまくった魂。悪霊・怨霊のことだが、生きてる人間がコレになると怪物みたいになる。

生きてる荒魂は殺せばいいが、死んでる荒魂は殺せないので夜叉鴉が土くれに変えるか、影忍が封印するしかない。
(ある神器の力を使えば無理やり常世送りに出来るが)


【影忍って?】

原作の『夜叉鴉』では荒魂を封印したり捕まえたりして悪党に使わせている死の商人っぽい集団。

とらはシリーズとクロスした本作では荒魂を捕まえて神に奉納する(=神の力を増す)のが主な役目。
また、公安のような国家公務員に当たるため(※とらはで忍者は国家資格)国益に反する相手に対し、荒魂を取り憑かせて封印し神に奉納……つまり生贄にしている。



時空管理局にもその餌食になった者がいるトカ……?

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