南賀ノ神社の白巫女   作:T・P・R

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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今回割と早く投稿できたと思います。
あくまで今までと比べてですが。


35話

中忍試験当日。

試験会場である3階の『301』教室………ではなく幻術『魔幻・此処非(ココニアラズ)の術』でそうと()()()()()()()()()()()()()()()の廊下にて。

 

「あれがカカシとガイの秘蔵っ子ってガキたちか……まぁとりあえず志願書提出(第0試験)通過(パス)ってとこだな」

 

「ああ」

 

かけてあった幻術をあっさり見破り、本当の試験会場である3階へと歩みを進める受験生たちを試験官の神月イズモとはがねコテツは物陰から好戦的な笑みを浮かべて観察していた。

 

中忍試験は難関である。

並大抵の下忍だと受験以前の問題としてそもそも試験会場に辿り着くことすらできないことも珍しくない。

事実、幻術を見破れずそのまま2階にとどまる者、あるいは見破れても本物の3階を発見できずに同じ場所をグルグルさまよっている受験生のグループがいくつも見られた。

残念ながら彼らはここで脱落だ。

 

そんな中、今年初受験の木ノ葉の新人下忍のほとんどが難なくこの関門を突破したのは極めて珍しい異例の事態だと言える。

 

コピー忍者の異名を持つ写輪眼のはたけカカシの部下である第7班。

今年のナンバー1ルーキーにしてうちは一族の末裔、うちはサスケが所属するチーム。

先ほどあっさり幻術を見破っただけでなく、体術も相当なレベルだった。

さらにアカデミーからの資料によると、卒業した時点ですでに火遁の性質変化を習得していたという。

忍、幻、体、全てにおいて高水準、それでも強いて欠点を言うなら個人プレイが目立ちチームワークがやや苦手なところがあるかもしれないとの話だったが……カカシの下でその欠点も改善されているようだ。

チームの他のメンバーは内に九尾を宿すうずまきナルトと座学トップの春野サクラ。

全体的に個性の強い尖ったメンバーが揃っているため、連携がかみ合った時の爆発力は計り知れない興味深いチームである。

 

その第7班と全く引けを取らなかったマイト・ガイの部下の第3班も侮れないだろう。

班員の1人であるロック・リーは、ぶつかり合うサスケとコテツの間に一瞬で割って入り、両者の蹴りを同時に受け止めるという離れ業をやってのけた。

いくらコテツが変化の術で下忍に化け、相応に手加減していたとはいえそう簡単にできることではない。

あれこそまさしく木ノ葉が誇る体術のスペシャリスト、『蒼き猛獣』ガイ直伝の体術なのだろう。

他のメンバーも去年のナンバー1ルーキーである柔拳使いの日向ネジやかつて手裏剣術において百発百中の命中率を誇ったくのいちテンテンと遠近ともに隙がない。

チーム総合力は新人ではトップクラス、否、1年の経験値を計算すれば間違いなくトップ、現状最も中忍に近い木ノ葉の新人チームと言っても過言ではないだろう。

 

もちろん、担当上忍が競って推薦しただけあって他のチームも決して負けてはいなかった。

実力においてはもちろん、その“濃さ”においてさえ。

 

元暗部の上忍である木遁使い、ヤマトの部下である班員全員女子という異例の構成の第9班。

他の受験生の誰よりも早く試験会場の学校にやってきた彼女たちは初見であっさり幻術を見破ったばかりかさらにそれを解除しようとして試験官一同を大いに慌てさせた。

まさかそれが課題だとは気づかず、誰かの悪戯だと勘違いしたとのことだが、事情を知った後は土下座しかねない勢いでペコペコ謝り倒し、ご丁寧にもお詫びの品まで渡してきたのには思わず苦笑が浮かんだ。

礼儀正しく、それでいて用意周到。

慎重で几帳面な上司(ヤマト)の性格を色濃く反映した、今後が楽しみな『伸びるチーム』といえる。

 

現火影、猿飛ヒルゼンの息子である猿飛アスマの部下である第10班。

班員はそれぞれが木ノ葉の有力氏族の末裔であり、チームの結束力は他の追随を許さない。

猪鹿蝶の名は伊達ではなく、他の班がこの幻術の試練を『幻術を見破って』突破したのに対し、この班だけは知略と連携によってクリアしてみせた。

幻術に惑わされる他の受験生、見破った受験生を瞬時に見切り、彼らの動きを冷静に見極めて本当の試験会場である3階への道筋を推理して導き出したあの手練手管は見事としか言いようがない。

もちろん、いくら戦略が優れていてもそれだけで勝ち残れるほど試験は甘くはないが、それでも強力な武器になることには変わりはない。

ここも要チェックだ。

 

そして―――

 

「……即行で気づいたな。しかも3人全員が」

 

「全く惑わされなかったか。さすがは紅さんとこのチームってところか」

 

―――つい今しがた、木ノ葉最後の新人下忍チーム、幻術使い夕日紅の第8班があっさりと『301』の教室に到達した。

 

これで木ノ葉の新人下忍は全員通過したことになる。

まさしく異例の結果だ。

 

だからこそ腕がなる。

 

「今年の受験生は楽しめそうだな」

 

「俺たち試験官としてもね……」

 

 

 

 

 

 

「ひゃほ~みーっけ! これはこれは皆さんお揃いでェ!」

 

「ったく、第8班(おまえら)もかよ……めんどくせー」

 

大きな声とともにやってきたのは頭の上に子犬、忍犬『赤丸』を乗せたフードの少年、犬塚キバ君でした。

その後ろには同じ班員の、日向ヒナタさん、油女シノ君がいます。

不敵な笑みを浮かべるキバ君を、第10班の奈良シカマル君が心底うっとうしそうに見やりました。

 

「……揃ったか」

 

「あ~うん、なんとなく分かってたけどさ、実際にこうして目の当たりにすると壮観よね」

 

最初に試験会場に着いたのは(コト)達第9班でした。

次にやってきたのは第10班、山中いのさん、奈良シカマル君、秋道チョウジ君の猪鹿蝶トリオ。

 

そして3番目にナルト君たち第7班がやってきて、ついさっきたった今到着したのが第8班。

 

これで総勢12名、今年の新人下忍全員勢ぞろいなのです。

 

「さ~て、どこまで行けますかね俺たち。なあサスケ君よぉ?」

 

「フン…えらく余裕だな、キバ」

 

新人下忍がいきなりその年の中忍試験を受験することは非常に珍しい……を通り越してほぼありえないとヤマト先生は言い切りましたが……

 

第8班(オレたち)は相当修行したからな! 第7班(おまえら)にゃ負けねーぜ!」

 

「うっせーてばよキバ! 修行したのは俺たちだって同じだ! いつまでも落ちこぼれだって思ってたら大間違いだってばよ!!」

 

「う、うん、そうだねナルト君。みんな頑張ってるよね……(だから一緒にがんばろー)……ごにょごにょ」

 

「…なんか言ったかヒナタ?」

 

「な、なんでもないよ?」

 

「?」

 

この光景を見てるとどうにも信じられませんね。

いや、それだけこの世代がオカシイのか。

まったく、こうも周りが天才ばかりだと私みたいな落ちこぼれは肩身が狭いのですよ。

 

「今年の新人下忍はいったいどれだけ非常識なのやら……」

 

『お前(貴女)が言うな(言わないで)』

 

「な、なにおう!?」

 

私のふと漏らした小さなつぶやきに、いつものカナタやマイカゼだけでなくそれ以外の……サクラさんやらいのさんやらサスケ君やらシカマル君やら、四方八方から物凄い突っ込みが返ってきました。

あなた達ホントに息ぴったりですね!

サクラさんといのさんとか、ついさっきまでサスケ君を挟んでいがみ合ってたのに!

しかもどさくさに紛れてヒナタさんも突っ込んでましたね!?

小さい声でしたけどちゃんと聞こえてましたよ!

 

「コト、あんたが一番変なのよ。私は忘れてないわよ……アカデミーのくのいちクラスで起きたあの惨劇を……」

 

「さ、惨劇って……そこまで言わなくても……」

 

「な、何が起こったんだ?」

 

「聞きたいなら聞かせてあげるわ。コトが山中さん家の秘伝忍術、つまり心転系の術を例によって中途半端に真似たことにより起きた、通称『椅子取りゲーム事件』、『惨劇のビリヤード』とも呼ばれるあの忌まわしい出来事を……」

 

「いや、やっぱ言わなくていいわ何が起こったかだいたい分かったし」

 

「だ、大丈夫です。無作為に精神がシャッフルされたりしないよう改良しましたから。私だって成長したし頑張ったんです! だから次は……」

 

「次とかないわよ!」

 

「二度とすんな!」

 

「えぇええ~!??」

 

懐かしい顔を久しぶりに見れて、お互い知らず知らずのうちにテンション上がっていたのでしょうね。

話のタネが全く尽きず、気づけば相当に騒がしくしていたらしく。

 

「君たち、もう少し静かにした方がいいな」

 

受験生と思しきお兄さんに注意されてしまいました。

 

「君たちが忍者学校(アカデミー)出たてホヤホヤの新人12人だろ? かわいい顔してキャッキャと騒いで……まったく、ここは遠足じゃないんだから」

 

「ご、ごめんなさい」

 

おそらく私達よりも5歳ほど年上、15~7歳くらいのメガネをかけた、理知的な雰囲気のお兄さんです。

額当てのマークは木ノ葉、つまり私達の先輩です。

 

「誰よアンタ? えらそ~に」

 

「僕はカブト。それより辺りを見てみるといい」

 

メガネのお兄さん改めカブトさんは、いのさんの生意気ともとれる発言を大人な対応でさらりとスルーしたうえで注意を促してきました。

 

私たちは言われるままに辺りを見渡してみて……なにやら物凄い形相でこちらを睨んでくる他里の受験生たちと目が合いました。

 

「みんな試験前でピリピリしてるんだよ。どつかれる前に注意しておこうと思ってね」

 

「うっ……」

 

「確かに、ちょっと騒ぎすぎたかも……」

 

「めんどくせーなおい」

 

「ま、仕方ないか、初めての受験で右も左もわからない新人さんたちだしね。昔の自分を思い出すよ」

 

「あの……カブトさんでしたっけ? あなたはこの中忍試験は2回目なの?」

 

「いや……7回目。試験は年に2回しか行われないから……今年でもう4年目だ」

 

自嘲するような自虐するような。

私はカブトさんのこのセリフに少なくない衝撃を覚えました。

 

(……カブトさんみたいな人が6回も落ちるなんて)

 

というのもこのカブトさん、どことなくヤマト先生やカカシ先生に似た……暗部っぽい空気を感じさせるのです。

そんなあからさまにタダ者じゃなさそうなオーラを纏っているのに未だ合格できないなんて、中忍試験とはいったいどれだけ過酷なのでしょう……

 

(そりゃ実力があれば、強ければ合格できるってほど単純ではないのでしょうけど……いや待て、第0次試験の時みたく実は受験生に化けた試験官ということも……)

 

なんてことを考えていた私でしたが、そんな思考は次の瞬間月の彼方に吹っ飛んでしまいました。

 

可愛い後輩にちょっとだけ情報を教えてあげようか、という言葉と主にカブトさんが取り出したカードの束。

 

「これは忍識(にんしき)(カード)。簡単に言えば情報をチャクラで記号化して焼き付けてある札だよ」

 

カブトさんが4年の歳月を費やし集めに集めた忍識札合計200枚弱。

一見真っ白なただの紙束にしか見えないそれが、カブトさんのチャクラに反応した瞬間、カードの表面に焼き付けられた情報があぶり出しのように浮かび上がるのを見て、私は興奮で爆発しそうになりました。

 

「うわあ、凄い見やすい立体図だ!」

 

「何の情報これ?」

 

「今回の中忍試験の総受験者数と総参加国、そしてそれぞれの隠れ里の受験者数を個別に表示したものさ」

 

「まるでコトの呪符みたいだ……なあコト………コト?」

 

「……してください」

 

「? 何か気になる情報でも……」

 

「私のお札と交換(トレード)してください!」

 

「はぁ!??」

 

「一々交換なんて言いません。3枚……いや5枚セットで、なんでしたらもうこれ全部といひゃひゃひゃいひゃいいひゃい!?」

 

「それ文字通りのコトの手札でしょうが!」

 

「あげてどうする!?」

 

ごめんなさい(ごひぇんなひゃい)もうしません(もうひまひぇん)!」

 

カナタとマイカゼにほっぺたを両側からつねられて、私は仕方なく交換を断念。

うう、せっかく私以外の呪符とその使い手に会えたのに。

 

「さすがにあげるのは勘弁してほしいかな? 僕のチャクラにしか反応しないようにプロテクトをかけてあるから……悪いね、見るだけで我慢してくれ」

 

「そのカードには個人情報が詳しく入っている奴もあるのか?」

 

「おや? どうやら彼女だけでなく君も食いついたようだね……見る目がある。さすがは『うちは』といったところか」

 

「……あるみたいだな」

 

「ふふ、気になる奴でもいるのかな?」

 

なにやら意味深な笑みを浮かべながら見つめあうカブトさんとサスケ君。

天才同士、何か通じ合うものがあったのでしょうか。

 

(うちはって言った……コトもサスケ君も名乗っていないのに。ということは)

 

(俺たち新人(ルーキー)の情報もしっかり収集済みということか)

 

(侮れない。なぜなら、この男はすでに情報戦を制しているからだ)

 

(ったく、食えねえ先輩だぜ。めんどくせー)

 

(なんかよく分かんないけど分かってるフリしとくってばよ……)

 

 

 

 

 

 

「俺の名はうずまきナルトだ! てめーらにゃあ負けねーぞ!! 分かったかー!!!」

 

 

サスケ君が砂隠れの我愛羅と木ノ葉のロック・リーなる人物について尋ね、テンション上がったナルト君が殺気立つ受験生たちに堂々の宣戦布告をぶちかまし、春野さんがナルト君にヘッドロック&説教のコンボを決めた。

周囲の注目が目立つ2人に集中する最中、せっかくなので私(カナタ)もカブトさんに『気になる奴』について尋ねてみた。

みたんだけど……

 

「……いない?」

 

「ああ、少なくとも僕の集めた情報の中に、その『キララ』という人物のデータはないよ」

 

「そうですか……」

 

まだ少ししか話してないから断言できないけれど、カブトさんの情報収集能力は本物だと思う。

そのカブトさんがデータを持ってないということは……

 

「……あ~なるほどなるほどそっかそっか……受験生にはいないのか~」

 

まあ、()()かな、ある意味予想通りではある。

 

「悪いね、力に慣れなくて」

 

「いえそんなことはないです。データがない、それが分かっただけでも十分な収穫ですから」

 

単なる社交辞令じゃなくて実際参考になった。

おかげで推測が確信に変わったし。

私はカブトさんに改めてお礼をしようと頭を下げて―――

 

―――ふと、視界の隅によぎったその姿に、全身に鳥肌が立った。

 

「……あ、あ~そそれとももう1人ばかり尋ねても、か、構いませんか?」

 

「……? もちろん構わないが……その人の名前は分かってるのかい?」

 

「い、いえ、残念ながら名前はわからなくて、ついさっきたった今遠目から確認しただけなので」

 

顔の筋肉が強張って笑顔を維持できない。

冷や汗が止まらない。

身体の震えが抑えられない。

 

私の様子に気づいたコトやマイカゼが心配した視線を向けてくるが、それにすら構っている余裕がなかった。

 

「へぇ……誰だい?」

 

「そ、そこにいる……長い黒髪の……笠をかぶった……草忍の人です」

 

恐怖を押し殺して、ようやくそれだけの言葉を絞り出した時には涙が出る寸前だった。

 

 

 

 

 

 

結局、私の尋ねた件の人物に関する情報は得られなかった。

というのも、詳しい話を聞こうとしたその瞬間に音隠れの忍者3人組がいきなり奇襲をかけてきたのよ。

結果、カブトさんはメガネを割られた上に鼓膜とその奥の三半規管を揺さぶられ嘔吐。

 

慌ててコトやナルト君などが駆け寄るも、そのすぐ後に試験官が集団でドロンと現れて試験開始宣言してしまい、情報を尋ねるどころか、満足に治療することもできなかった。

 

志願書と交換で渡された座席番号の札のとおり指定された席に座らされ、筆記試験(ペーパーテスト)の問題用紙を配られる……座席もバラバラでどうしようもない。

 

まったく、音隠れもえらいタイミングで奇襲してくれたもんだわ。

狙ってやったんだとすればまさしく絶妙のタイミング、中忍確実とか豪語するだけはある。

しかも腕に仕込んだ共鳴器具を用いての超音波攻撃で耳を狙うとか、なかなか渋い術を使うじゃない。

 

あの草忍に比べると霞んでしまうんだけどね。

 

一目見た瞬間に分かってしまった。

あれは化け物だ。

ヤバいなんてもんじゃない、下手すれば上忍のヤマト先生よりも……なんであんなのが中忍試験受けてるのよ……あれで下忍? マジで下忍? 下忍の定義が崩れるわ。

ぶっちゃけどっかの指名手配された凶悪な抜け忍が受験生に化けて潜入してるとか言われた方がよっぽど納得できる。

いや、それ以前の問題としてそもそも『人』かどうかも疑わしい。

外見こそ人の形を取り繕っているけど中身はまるっきり……カブトさんから情報を得られなかったのが本気で悔やまれる。

 

(……とにかく落ち着こう。そうよ、あの草忍がどれだけヤバくても近づかなければいいだけなんだから)

 

もし、試験中に戦うことになったら即時即決即断即行で棄権しようそうしよう―――

 

 

 

―――どうしようもなく甘い考えだった。

 

 

 

「カブトさん大丈夫かなぁ?」

 

「あら、ずいぶん優しい……いや甘いのね。それよりも自分の問題に集中した方が良いのではなくて?」

 

「む、それはもっともです。……よし頑張るぞ! ありがとうございます草忍のお兄さん……いやお姉さん?」

 

「さあ? どちらかしらねェ……」

 

 

 

(ひぃいいいぃいぃぃ!?)

 

なんでコトがアイツの隣の席なのよ!?

しかもなんかニコヤカに会話してるぅうう!?

 

「ちょ、あんた急にどうしたのよ?」

 

「お、お腹痛い死にそう……」

 

「そ、そんなに!? いくらなんでも緊張しすぎでしょ!」

 

隣の席の山中さんが何やら話しかけてきてくれたけど、正直それどころじゃない。

お願いだから下手に刺激しないでよコト!

 




謎の草忍……いったい何者なんだ~?


カブトさん曰く「優秀すぎるのも考えもの」とのことですが、今回のカナタはまさにそれです。
下手に勘が良すぎたせいで……

なお、コトとカナタはお互いアンテナの性能はともかく向きと周波数? 的なものが違うため気づいた事柄が微妙にずれてます。

コトはカブトがタダ者じゃないことに気づくことができました(ただし気づいても警戒するとは言ってない)が、草忍には全く無反応です。
カナタは草忍を物凄い警戒してますが、カブトの正体は見抜けませんでした。


ちなみにコトがアカデミー時代に作って使った『符術(ふじゅつ)心転魂突きの術(しんてんたまつきのじゅつ)』ですが要するに禁書目録4巻の『御使堕し(エンゼルフォール)』(対象に動物などの人外含む)です。

効果範囲はだいたい教室1つ分、例によって効果持続中は自力解除不可能なこの術をコトはよりにもよって動物いっぱいの課外授業中にぶっぱなし、くのいちクラスを阿鼻叫喚の渦に巻き込みました。

当然のごとく禁術です。

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