紅の剣聖の軌跡   作:いちご亭ミルク

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与えられた試練の先は

 

 

 

「盗難事件、ですか?」

 

 

 マキアスの実家で昼食を終えた後、オスト地区のトラム乗り場にてARCUSの通信先へ疑問を投げ掛けるリィンの姿があった。通信先の人物はマキアスの父親のカール=レーグニッツ帝都知事、そして通信内容は先程発生したという盗難事件について。

 レーグニッツ知事の話しでは、リィン達が昼食を食べている間にガルニエ地区の宝飾店で盗難事件があったとの事。現状については余り把握できておらず、宝飾店からの通報によると、何でもⅦ組A班を名指しで呼んでいるという事のようだ。

 リィンはARCUSの通信を切り、後ろで何事だと問い掛けるラウラ達に事の事情を話して一先ずガルニエ地区に向かおうという結論に至る。導力トラムに乗ってガルニエ地区へと移動したリィン達は、盗難の被害にあったという宝飾店『サン・コリーズ』の店内に入り、展示ケースの傍で立つ店長と思われる女性の元に近寄った。

 

 

「トールズ士官学院、Ⅶ組の者です。こちらで盗難事件があったとレーグニッツ知事から連絡があったのですが……」

 

 

「お待ちしておりました!」

 

 

 泣きそうな顔で声を上げたのはこの宝飾店の店主、コーデリア。彼女の話しによると、この店で展示されている宝飾品『紅蓮の小冠』という一億ミラにも上る価値のあるティアラが盗まれてしまったと言う。そしてその盗んだとされる人物は『怪盗B』、帝都でも有名な盗賊で『美の解放活動』という訳の分からない名目を掲げて盗みを行っている輩である。

 しかしこの怪盗B、実は犯行を行う前に予告の手紙を出す事で有名で、その事を知っているマキアスは予告カードのような物が無かったのかとコーデリアに問い掛ける。彼の推測通り予告カードは出されており、そこには『紅蓮の小冠は既にすり替えさせてもらった』と記されていたようだ。盗難防止として設置されていた防犯システムを信用しながらも、万が一の為にシステムを解除して展示ケースを開けて確認しようとしたコーデリアの隙を見逃さず、照明を落としてその隙に『紅蓮の小冠』を盗んだというのが今回の怪盗Bによる手口。

 そして話は本題へ入り、何故実習中のリィン達が呼ばれたのか。そこには怪盗Bが『紅蓮の小冠』を返却する条件として、ある内容を記した書き置きを残していったため。

 

 

「こちらになります」

 

 

 コーデリアが差し出したカードに書かれていたのは、事件を鉄道憲兵隊に報告しない事と、同封されているもう一つのカードをトールズ士官学院特科クラスⅦ組A班に渡すこと。そしてⅦ組A班のメンバーが、カードに書かれた試練に打ち克つこと、という何とも理解不能な内容である。しかし内容を見ればリィン達の行動によってティアラが返ってくる事が考えられるため、怪盗Bの挑発とも取れる今回の事件は何としても解決しようと一同は意気込む。そして、先程のカードと同封されていたもう一枚のカードに書かれていた内容は、『紅蓮の小冠』に至るための最初の試練であった。

 

 

──鍵は全て緋色の都にあり。始まりの鍵は『獅子の心を持つ覇者、その足元を見よ』──

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

「あった、これじゃない?」

 

 

 ドライケルス広場にある『獅子心皇帝』の像、その基礎の部分に貼り付けられているカードを見つけたエリオットがそれを手に取ると五人に向けて差し出した。そこには第二の試練である次の謎掛けが書かれており、一同はカードの内容へと視線を移す。

 『光透ける箱庭の中、北東の座に』、これが二つ目のヒントであった。このヒントを見て首を傾げるリィン達だったが、一人何か思い浮かんだのか不意にマキアスが眼鏡を人差し指で持ち上げる。

 

 

「恐らくはあそこだろう、付いてきてくれ」

 

 

 そして直後に彼が目的地として上げたのはマーテル公園。トラムに乗って移動した一同はマーテル公園に着くと、マキアスがここを選んだ理由に気が付いた。マーテル公園の敷地内には『クリスタルガーデン』という建物があり、屋根と外壁がガラス張りの造りになっている屋内庭園として知られている。二つ目のヒントにある『光透ける箱庭の中』にぴったりだからだ。

 クリスタルガーデンの内部に入り、リィン達は陽の注ぐ庭園内を歩いて北東に位置するベンチの元へと移動する。そこには案の定ベンチの足にカードが貼られており、マキアスがそれを手に取って確認すると次のヒントが記されていた。

 

 

──かつて都の東を支えた籠手たち。彼らを束ねし者の場所、『紅の剣聖』が刻みし傷跡に──

 

 

「えっと……『都の東を支えた籠手たち』は、遊撃士の事でいいんだよな?」

 

 

「だろうな。だが『彼らを束ねし者の場所』、そして『紅の剣聖が刻みし傷跡に』というのは一体……」

 

 

 ここに来てヒントの難易度が少しばかり上がった。三つ目のヒントに目を通しながら、リィンに続いてラウラも頭を捻る。遊撃士というキーワードは掴めたが、その次が思い付かないようだ。

 『彼らを束ねし者の場所』というのは考えれば分かりそうではあったものの、その次は流石に一同にも分からなかった。何かの喩えだとは分かっていても、それが彼らにとってのヒントになっていないからである。知らない事を喩えで出されたところで分かるはずもない。

 

 

「グランに聞いた方が早い。前半は兎も角、後半のヒントは多分いくら考えても私達じゃ分からない」

 

 

 リィン達が思考を巡らす中、何かに気付いた様子のフィーから助言が入る。『紅の剣聖』がグランの事を指しているのは皆も気付いていたものの、途中で実習を投げ出したグランにヒントをもらうという意見は一同にとってかなり不服ではあった。結局事件の迅速な解決が目的である事から、渋々といった様子でラウラがARCUSを取り出す。

 そしてラウラがグランに通信を繋ごうとしたその時、突然リィン達の元に一人の男が歩み寄ってきた。

 

 

「久方ぶりだ。このような場所で再び出逢うとは、これも空の女神(エイドス)の導きか」

 

 

 青髪を掻き上げる鬱陶しい動作、気障ったらしいその台詞。リィンとマキアス、フィーの三人には覚えがあった。バリアハートの実習の際、宝飾店で顔を合わせたブルブラン男爵である。

 彼の事を知らないラウラとエリオットに、ブルブラン男爵本人から美を探す旅をしていると自己紹介が入った。流石に二人ともリアクションに困っているようで、一言挨拶を返すのみに留まる。

 ふと、マキアスの手に握られている暗号の書いたカードへ視線を移してブルブラン男爵は押し黙る。その様子を見ていたリィンは疑問を抱くが、彼の視線に気が付いたブルブランは僅かに笑みを浮かべた後にその場を振り返った。

 

 

「さて……私はこれで失礼させてもらう。また会おう」

 

 

「え、ええ……(一体何がしたかったんだ……?)」

 

 

 結局彼が何をしに来たのかリィン達にも分からないまま。ブルブランと別れてリィンが一人頭の中で何かに引っ掛かっている傍、ラウラが再びグランへ通信を繋ぐのだった。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 マーテル公園の入口付近、敷地内を見渡しながら何故か表情の固まったグランが一人その場で立ち尽くしていた。彼の耳には手にもったARCUSが添えられ、通信先はグランと同じくマーテル公園内にいるであろうラウラから。ARCUSを落としかけて再度持ち直したグランは、通信先のラウラに向けて聞き間違いであろう会話の内容を聞き直す。

 

 

 

「おい、ラウラ今何て言った」

 

 

≪ではもう一度聞く。『紅の剣聖が刻みし傷跡に』というのはどういう意味なのだ?≫

 

 

 通信先のラウラの声を聞き、グランは歯軋りをしてその鋭い視線を右方へと向けた。そこには先程までクリスタルガーデンの中にいたブルブラン男爵、もとい怪盗B。サプライズが上手くいったと愉快そうに笑みを浮かべて笑い声を漏らす彼を見て、こういう男だったとブルブランの性格を思い出したグランは掴みかかりそうになるその手を抑えた。

 グランはARCUS越しにどうしたのかと心配そうに声を漏らすラウラへ何でもないと返した後、あくまで冷静に彼女が問い掛けた内容を説明する。

 

 

「その前に、『彼らを束ねし者の場所』ってあるだろ」

 

 

≪あ、ああ……だがどうしてそなたがそれを──≫

 

 

「旧ギルド支部の一階にあるカウンターの裏手を調べてみろ。一ヶ所だけ床の音が違う場所がある、床板を外せるようになっているから分かるはずだ」

 

 

 ラウラの疑問の声を遮り、必要な情報だけ告げるとグランはARCUSの通信を切った。そして懐へ納めて直ぐ、不機嫌そうに眉をひそめるブルブランを睨み返す。

 ブルブランが不機嫌そうにしているのは、グランが通信先のラウラに対してヒントどころか答えを告げたからである。しかし先にグランが不意打ちを浴びたのは事実で、彼にだって言い分はあるだろう。

 

 

「友の愉悦に水を指すのは美徳センスに欠けていると思わないかね?」

 

 

「じゃあその友の過去を他人にバラすのはどうなんだ?」

 

 

「何、君が敵に回るのもまた一興だと思った次第だ」

 

 

「なるほど……確かに面白そうだな」

 

 

「やはり私と君は考え方が似ているようだ」

 

 

 ふっ、と不敵な笑みをこぼしながら瞳を伏せる両者。実際は考えている事も全く共通していないのだが、何故かこの瞬間に二人の心が通じ合った。

 類は友を呼ぶ……一見似ても似つかない両者の間には、他人には分からない共通点があるのかもしれない。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

──水際にて佇む鋼鉄の鳥、その身に課せられた白き重荷の裏に──

 

 

「水際に鋼鉄の鳥……これも何かの喩えなんだろうな」

 

 

 グランとブルブランの二人が何故か意気投合していた時刻から暫くの事。リィン達の姿はマーテル公園のクリスタルガーデンから、今回の特別実習にて用意されているアルト通りの旧ギルド支部へと移動していた。ラウラが通信先のグランから聞いた情報通り、旧ギルド支部のカウンター裏手を調べると一部だけ床板が外せる場所があり、その下から次の謎掛けが記されたカードを発見する。

 カードに書かれた内容にリィンを初めマキアスとエリオットが頭を悩ませる中、ラウラとフィーの二人は彼らとは別の事を考えていた。先程ラウラが通信を繋げたグラン、彼が何故怪盗Bの仕込んだカードの内容を知っていたのかを。

 

 

「どう思う、フィー?」

 

 

「怪盗Bはグランじゃない……でも、全くの無関係ではなさそう」

 

 

「ああ、これはグランを少々問い詰めなければいけないようだ」

 

 

 ラウラとフィーはそれぞれ自身の得物に手を添え、視線を交わすと互いに頷き合った。何とも言い難いオーラを放つ二人にリィン達が顔を引きつらせる中、勇気を出して話題を変えようと声を上げたエリオットの健闘もあり一同の会話はカードの暗号解読へ。

 鋼鉄の鳥、白き重荷というキーワードは中々思い付かず、水際という言葉だけを頼りにリィン達はトラム乗り場へ移動してアノール河が通るヘイムダル港へと向かった。もしかしたら現地で残りのキーワードに該当するような物があるかもしれないからだ。

 程なくして停止した導力トラムを降車した一同は、午前に一度訪れたヘイムダル港へと到着する。荷役作業を行う作業員達の活気のある声を聞きながら、周囲を注意深く探って港の中を進んでいく。

 

 

「っ! まさか……」

 

 

 港の中を進んでいく最中、ふと何かに気付いたリィンが歩行速度を上げて荷役作業中のクレーンの元へ向かって歩き出した。突然のリィンの行動に四人は戸惑いながらも、彼の後を追ってクレーンの元へと辿り着く。

 そして、リィン以外の四人も漸く彼が足を早めた理由を察した。クレーンの傍にある白いコンテナ、なるほどと納得した様子でマキアスが呟く。

 

 

「『白き重荷』はこれの事か。だとすれば『鋼鉄の鳥』はこのクレーンになりそうだが……」

 

 

「多分そうだろう。そして次のカードは恐らくこの白いコンテナの裏側にあるはずだ」

 

 

 マキアスの考えに同意を見せたリィンは、このヘイムダル港を仕切るダンベルトの元へ向かって白いコンテナをクレーンで持ち上げてもらえないかと訊ねる。午前に世話になったからお安いご用だと、ダンベルトは作業員達に指示を飛ばしてクレーンを操縦させると、白いコンテナを持ち上げさせた。

 コンテナが軽く宙に浮いた状態でその下を覗き込んだ一同の視線の先には、想像通り今までと同様のカードが貼り付けられている。直後にコンテナからカードを剥がしたリィン達は、カードに記された内容を見て一様に安堵のため息を吐いた。

 

 

──待ち合わせに赴いた、長き鋼鉄の車。深紅の宝はその中で眠る、黒き匣に包まれて──

 

 

 その内容は次で終わりを迎えるという意味であり、漸くゴールが見えたこの試練とやらをさっさと終わらそうと五人は意気込む。待ち合わせ、長き鋼鉄の車……リィン達の考えは一致したようで、その視線はトラム乗り場に停車している導力トラムへと向けられていた。

 トラム乗り場へと駆け寄った五人は、外で待機している運転手の男に事の経緯を話してトラム内を確認するための了承を得る。二つ返事で快く引き受けた運転手の男に頭を下げた後、リィン達はトラムに乗って座席の最後尾……その足元に置いてある一つの黒いケースを見つけた。

 

 

「『黒き匣に包まれて』……間違いない、『紅蓮の小冠』はこの中にあるはずだ」

 

 

 その場で即座にケースを開け、そこには大きな紅耀石(カーネリア)があしらわれたティアラが輝きを放っていた。目的を達成した安堵と同時に、一億ミラという国宝級の品という事もあってマキアスとエリオットは『紅蓮の小冠』を前に息を飲んでいる。

 一先ずトラムを出ようと、五人は降車して運転手の男に目的の物が見つかった事を報告した。自分が見たときは無かったと呟き、それでも見つかって良かったと笑顔を見せる。

 怪盗Bに振り回されただけというのは彼らにとっても多少の不満はあるだろうが、取り敢えず先に宝飾店に渡しにいこうとマキアスが話したその時。リィンが突然、目の前に佇む運転手の男に向けて驚きの言葉を口にした。

 

 

「もう茶番は終わりにしませんか? ブルブラン男爵……いや──怪盗B!」

 

 

 何の事だと、他の四人はリィンの発言に戸惑いを見せて目の前の男へ視線を向ける。しかし彼が根拠も無しにそのような嘘をつく人物ではないため、何か理由があるのだろうと思いつつ、何故か黙り込んだ男に若干の疑問を抱いた。

 トラム乗り場を静寂が包み、運転手の男とリィン達五人は互いに無言で立っている。そして暫しの沈黙が流れた後、男は突然その場で笑みを浮かべた。

 

 

「フフ、フフフ……ハーッハハハッ!」

 

 

 突然の高笑いにリィン達が身構える中、男の身体を突如として光が包み込んだ。そして直後にその場に現れたのは白いマントを羽織った仮面の男。その青髪は彼らにも見覚えがあるブルブラン男爵のもので、彼こそが怪盗Bだった事にリィン以外の四人も気付く。

 リィンが一人鋭い視線を向ける中、ブルブラン男爵こと怪盗Bは愉快そうに笑みを浮かべながらその視線を正面から受け止めた。

 

 

「これだから、これだから青い果実はたまらない……改めて自己紹介をしておこう。怪盗Bこと、『怪盗紳士』ブルブランだ……因みにいつから見破っていた?」

 

 

「見破るもなにも、わざわざクリスタルガーデンにまで現れるくらいだ。貴方自身そこまで隠す気は無かったんだろう……あとは、これまでの行動パターンからもう一度姿を現すと思ってね」

 

 

「なるほど、良い読みだ」

 

 

 自己紹介をした後、ブルブランはリィンの推測に対してこれまた愉快そうに笑みを浮かべた。何がそこまで嬉しいのかは分からないが、それこそがブルブランという人間である。

 どうしてこのような事をしたのかと、彼の正体に驚きつつつもマキアスが問い掛けた。青髪を掻き上げ、聞きたいかと勿体振った返事を返すブルブランだが、リィンはそれも必要ないと話す。

 

 

「これ以上ここで貴方と話し合うつもりはない」

 

 

「ん、泥棒は犯罪」

 

 

「我等から逃げられるとは思わぬ事だ」

 

 

 リィンの声にフィーとラウラが続き、導力トラムを背に立つブルブランの正面を五人で囲う。この状況下、既にブルブランには逃げ道などない。

 しかし、何故か彼は余裕の態度を一つとして崩さなかった。その事に疑問を抱く一同だったが、ふと上空から何か気配を察したのかリィンが上を見上げて驚きの表情を浮かべる。

 

 

「皆、下がれ!」

 

 

 彼の叫び声に驚きながらも五人は一斉に後退。バックステップを踏んだ後、直前まで自分達が立っていた目の前の場所に大剣が振り下ろされている事に戦慄する。

 一方で突然リィン達の目の前に大剣を振り下ろした赤い髪の男は、その髪色と同色のマントを棚引かせながら、ブルブランと同じ仮面を着けておりその素顔を隠していた。大剣を構え直すと、感心したようにリィン達五人を見渡す。

 

 

「中々の反応速度だ。どうやら子供にしてはかなりの使い手達らしい」

 

 

「遅かったではないか、怪盗G」

 

 

「お前が先走って正体バラすからだろう」

 

 

 怪盗G、その名前はリィン達五人にも聞き覚えがあった。二年程前から怪盗Bと共に現れるようになった盗賊で、その剣の実力は帝国軍の導力戦車を一太刀で破壊する程の腕前。軍のような組織に対して盗みを働く時にしか現れないため、今回の事件では彼の存在を完全に忘れていた。

 大剣を構える男の姿からとてつもない気当たりを感じ、リィン達の額には冷や汗が流れる。今の自分達では勝ち目がない……そんな風に彼らが窮地に立たされていた矢先、事態は更に進展した。

 

 

「くっ……!?」

 

 

「何とか間に合ったみたいだな」

 

 

 突如として剣戟の音が響いた直後、大剣使いの男が膝をついたと同時にリィン達の目の前には刀を振り抜いた状態のグランが現れる。ブルブランは突然姿を現したグランに対して驚き、彼の剣技を浴びた大剣使いの男の姿は徐々に薄くなっていきやがて消え去った。

 空いた口が塞がらない状態の五人に背を向けた後、グランは再び刀を構え直してブルブランと対峙する。

 

 

「そっちの大剣使いには逃げられたか……さて、どうするよ怪盗紳士」

 

 

 苦悶の表情を浮かべながらステッキを構えるブルブランに対して、グランはその顔に笑みを浮かべるのだった。




お分かりかと思いますが怪盗Gはグランです。(怪盗Gという名前すら感想で先に言い当てられてしまいましたが……泣かないもん!)
そして何故リィン達の前にグランが二人いたのか……これもお分かりの方がおられるとは思いますが、次回に説明しようかなと思っています。(ブルブランの謎かけ書いてる内に疲れて面倒になったなんてとても言えない)


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