紅の剣聖の軌跡   作:いちご亭ミルク

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委員長は泣き上戸

 

 

 

 澄んだ青空の下、新鮮な空気が風と共に蒼穹の大地を吹き抜けるノルド高原。その南部に位置するゼンダー門は、その風景に非常にそぐわない軍事基地である。

 昨日ゼンダー門からノルドの集落へと向かったため門の様子をよく見ていなかったグランは、馬に乗って集落からゼンダー門へと向かってきたこの時にそのような感想を抱いていた。貴重な自然を脅かされているようで快く思わなかったのか、彼は馬を降りながら僅かに顔をしかめている。同じく馬から降りたエマがその様子を見て首を傾げる中、それに気付いたグランもわざわざ話すような事ではないと表情を戻して大門横の通路口へ向けて歩き始めた。エマがその後を続き、扉を開けて中へ入ると二人の目の前にはゼンダー門に駐屯する軍人の一人が立っている。額や手から包帯が覗くグランの姿を見て動揺する彼に、二人はその事を何とか誤魔化して断りを入れた後、近くに設置された導力通信機に手を掛けてある場所へと連絡を取った。

 

 

≪はい、こちらトールズ士官学院です≫

 

 

「その声は……サラさんですか。丁度良かった」

 

 

≪あら、グランじゃない。一体どうしたのかしら?≫

 

 

 グランが連絡を取った先は他でもない、自分達が現在通っているトールズ士官学院だ。そしてグラン本人はサラに用事があったようで、サラが通信に出た事で手間が省けたと会話は直ぐに本題へ入った。

 彼は四月の特別実習の話も交えながら、今回起きた魔獣騒動の一端を話す。そしてその影に隠れている第三者や古代遺物(アーティファクト)の存在、推測の段階ではあるが起こりうる可能性を視野に入れながら話し合い、二人の会話は約十分程続いた。

 

 

≪一応グランも警戒しておきなさい。敵の詳細が見えない以上、向こうがあんたの正体を知ってる可能性もある≫

 

 

「既に知られてるとは思いますが……それに今回の一件も、オレが無関係ではないんでしょう。いずれにせよ、最悪の状況を回避するために一時的に仕事復帰しても問題ないですよね?」

 

 

≪ええ、それにあんたをそっちに行かせたのはそれが理由よ。私の方でも調べてみるけど、何かあったらまた連絡を頂戴≫

 

 

 会話は終わりを迎え、通信を切ったグランは今回の実習も面倒な事になりそうだとため息を吐きながらその場を振り返った。そこにはサラとの通信を後ろで聞いていたエマが不安そうに立っており、何か言いたげな顔をしている。

 その事に気付きながらも、余計な事を話すべきではないとグランは何も説明をせずに横を通り過ぎようとした。そしてやはりというか、エマは彼の手を取って動きを制すると、前に躍り出て進路を塞いだ。

 

 

「『早すぎた女神の贈り物』……確か、そんな風に言われていますよね」

 

 

「……委員長も知ってたのか、古代遺物(アーティファクト)の事」

 

 

「余り詳しくはありませんけど、危険な物が存在するという程度には認識しています」

 

 

 古代遺物(アーティファクト)の存在は、遊撃士のような大陸全土に情報網を持つ者やエプスタイン財団のような研究機関、七耀教会や考古学者のように専門的な分野の人間でないと通常は知り得ない。ましてや一学生がその存在を認識しているなどまずないだろう。だからこそエマの言葉にグランも多少の驚きを見せ、それが予想できたリアクションなのか彼女も笑みをこぼしながら答えていた。

 とは言え、エマが古代遺物(アーティファクト)の存在を知っているからとグランが彼女に話す理由にはならない。それほどまでに危険な代物であり、ひとつ間違えば彼女だけではなくリィン達A班全員に被害が及ぶ可能性がある。グランがリィン達を信頼していないからではない。仲間として認めているからこそ、これから面倒事に首を突っ込もうとしている自分に降りかかるであろう危険を彼らにも負わせたくなかったからだ。

 

 

「知ってんなら尚更だ、すまないがこれはオレ単独で調べさせてもらう。委員長は午後からリィン達に交じって実習の方を頼む」

 

 

「はい、と言うとでも思いましたか? グランさんが危険な事に関わろうとしているのなら、それこそ私達が見てみない振りは出来ません。もう、今回のような事は起こしたくありませんから……」

 

 

 今朝の出来事を引き合いに出し、表情を曇らせるエマの姿にグランも少し心苦しさを覚える。これが狙って言っているのなら彼女はとんだ役者だが、心配している気持ちは本物であろう。グランを仲間と認めているからこそ、彼女もまた彼を一人に出来ないのだ。全員が五体満足な状態で実習を終えたい、誰にも傷付いてほしくないという思いは正真正銘、グランを仲間として受け入れているからこそのものである。

 そんな彼女に駄目だとグランは言い聞かせようとするも、エマも中々引き下がらない。テントでの一件で彼女の頑固さはよく分かっていたグランだが、こればかりは折れるわけにはいかなかった。引き下がらない彼女にあれよこれよと言い訳を並べて言い繕おうとする。

 そして二人の様子に軍人の男が困惑する中数分ほど言い争いをしていたグランとエマだが、終わりを見せそうもないこの言い合いは思いの外簡単に決着がついてしまう。

 

 

「やっぱりグランと委員長だったんだな」

 

 

「二人共、一体どうしたの?」

 

 

 グランとエマの後方から、魔獣退治を終えたリィンとアリサが近寄ってくる。ユーシスとガイウスもその後ろから声を上げており、四人の声に気付いたグランはばつの悪そうな顔で、エマは丁度いいところにとその場を振り返って話し始めた。

 

 

「実は、今朝の事なんですけど──」

 

 

「なっ!? 委員長それ卑怯だぞ!」

 

 

「朝の魔獣騒動には裏があったみたいでして……」

 

 

 グランの言葉を一切無視して、エマは淡々と事の経緯を説明する。彼女から話を全て聞いたリィン達は揃ってグランの顔へ視線を移し、鋭い視線を彼に浴びせる。その様子を見てグランが一人目線をそらす中、エマがにっこりと笑顔を浮かべながら彼の前へと詰め寄った。

 

 

「ふふ、五対一です」

 

 

「……はぁ」

 

 

 エマの事を忘れてサラと会話をしていた時点で、グランの敗けは必然的に決まっていた。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 リィン達が渡されていた午前の実習内容は、三つの課題のみ。その中でも監視塔への配達は四人が既に済ませており、手配魔獣の退治も先程倒した魔獣の事なので残るは後一つ。残っている課題は、ノルドで育てている馬の疫病を予防するために必要な薬草を調達してくるというもの。と言ってもリィン達は五つ薬草を既に採取しているため、後はノルドの薬師であるアムルへ渡せば午前の課題は終わりとの事で、六人はゼンダー門から真っ直ぐ集落へと帰還した。馬で移動の際、即座にアリサの後ろへエマが乗った事でグランのやる気が急降下したのは余談である。

 集落へ戻ったリィン達は薬師のアムルに採取した薬草を渡し、監視塔へ配達した時に帝国軍の人間からお礼の品として受け取っていたワインを交易所のキルテに報告と同時に渡して午前の課題は完了した。

 一同はガイウスの実家に帰宅し、空腹のためか昼食は思いの外取りすぎたようで男性陣は満足げに、アリサとエマの二人は落ち込んだ様子でお腹を擦っている。そして今は、シーダの淹れたハーブティーを食後の一息として飲んでいるところだった。

 

 

「シーダちゃんの淹れてくれたハーブティー、とっても美味しいです」

 

 

「フン……中々の味だ。これからも精進するといい」

 

 

 ハーブティーを飲んで、エマとユーシスがシーダの顔を見ながらその美味しさを褒めていた。横ではガイウスが二人の言葉に頷きながらシーダの頭を撫でており、照れくさそうにする彼女を妹のリリがからかうという微笑ましい光景も流れる。しかし、一同がハーブティーを美味しそうに飲んでいる中、一人だけ口をつけていない者がいた。

 

 

「あの、グランさん。お口に合わなかったですか?」

 

 

 シーダは不安そうな表情で目の前に座っているグランへ問い掛けた。アリサとエマからは彼に厳しい視線が浴びせられ、当のグランも流石にこの状況はよろしくないと思ったのかハーブティーの淹れられたカップを手に取る。そして、彼は何かを決意したようにそれを口につけた。

 

 

「……ああ、美味いと思うぞ」

 

 

「よ、良かった……」

 

 

 グランの言葉にどこかホッとした様子で胸を撫で下ろしているシーダを見た後、一同は同じようにカップを手に取って口につける。シーダの様子に父親のラカンと母親のファトマは互いに笑みを浮かべ、終始和やかな空間が辺りに漂っていた。

 程なくして昼食の時間も終わり、食後の後片付けをした後にリィンはラカンから午後の実習内容が書かれた紙を受け取る。北部に写真を撮りに行ったカメラマンの安否の確認、脱走した羊の捜索、集落の子供達への授業という三つの内容で、緊急性のある依頼も含む事からリィン達は早速取り掛かるためにガイウス家をあとにした。

 ラカン達ウォーゼル一家は一同を見送った後、それぞれ用事があるため別々の作業へと入る。ラカンは家を出ていき、ファトマは夕飯の支度を、リリは友達と遊ぶためにラカンと同じく家を出ていく。そして皆と同じように仕事に取り掛かろうとしたガイウスの弟のトーマは、ふと視線を横に移し、隣で落ち込んだ様子を見せるシーダに首を傾げていた。

 

 

「シーダ、どうかしたの?」

 

 

「うん……グランさん、ハーブティー美味しくなかったのかな」

 

 

 シーダは元気のない声でトーマに答えた後、料理に使われた器が片付けられている場所へと視線を向ける。グランの使用していたカップの中は、ハーブティーが少しも減っていなかった。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 ガイウス家をあとにしたリィン達は長老宅に足を運び、行方の分からなくなったカメラマンの話を聞いていた。ノートンという名前の男性らしいのだが、本当はリィン達の午後の実習内容に彼の護衛を頼もうとしたところ、待ちきれなくなったのか男がノルド高原の北部へ馬を走らせたそうだ。何とも人迷惑な話だが、こうして話している間にもノートンが危険な目に遭っている可能性もあるので一同は直ぐに北部へと馬を走らせる。

 集落を出て、馬でノルドの北部に向かったリィン達が最初に目にしたのは南部とはまた違った自然の雄大さだった。南部よりも更に高原地帯になるのか辺りにはもやが立ち、山々が切り開かれた地形は自然の薫りを含んだ風が一層強くリィン達の傍を吹き抜けている。辺りの風景に見惚れながらもノートンを捜すために一同は休むことなく高原を疾走し、長老の話で彼がいるだろうと目星のついている場所へ向かった。程なくしてリィン達はノルドの民の間でも有名な場所……『巨像』のある付近に辿り着く。

 

 

「これはまた……とんでもないな」

 

 

 グランは目の前の光景に唖然としていた。近くの湖から伸びる川を挟んだ先、切り立った崖からは巨大な人型の像がその姿を覗かせており、どう考えても自然が造り出したものではない。しかし人の手で造るにはあまりにも無理があるその巨像は、ガイウスの話ではノルドの民の先祖に当たる人々がこの地に訪れた時からあったとされているそうだ。

 リィン達がその話に関心を寄せる中、彼らの近くでは次々とカメラのシャッター音が鳴っている。一同は音のする方向へ視線を移し、恐らくは長老の言っていたカメラマンの男であろう人物がそこにはいた。

 

 

「いやー、これはこれは……ん?」

 

 

「いたいた、さっさと連れて帰るぞ」

 

 

「うおっ!?」

 

 

 馬に乗ったままグランが器用にノートンを担ぎ上げ、後ろへと乗せる。撮影の途中だったのか降ろしてくれと男は必死にもがき、仕方ないといった様子でグランもノートンを下へと降ろした。結局彼の撮影は導力カメラのクオーツが切れるまで続けられ、名残惜しそうにカメラを持つノートンを連れて今度こそリィン達は巨像の前をあとにして再び集落へ向かう。

 羊の捜索と子供達への授業もあるので一同は飛ばし気味に北部をあとにし、真っ直ぐ集落へと帰還した。そしてリィン達が集落の北口に差し掛かったところ、中へ入ろうとした一同はそこで集落の柵に追突して煙を上げる導力車を目にする。その傍には一人の男性が立っていたのだが、それは今朝方グランが世話になり、午前の実習で薬草の調達依頼を出したアムルの姿であった。

 

 

「アムルさん、大丈夫ですか?」

 

 

「やあ、ガイウスに士官学院の皆。私は軽い怪我で済んだのだが……」

 

 

 事態を聞くに、導力車の運転中急にハンドルが重くなって操作が出来ず、慌ててブレーキを踏んだものの柵に衝突してしまったという事のようだ。幸い怪我人は彼以外出ていないらしく、彼の怪我自体も大したことはないようなので一同はホッとする。直ぐに遅れて集落から長老とラカンが駆け付けてきたが、どうやら話を聞くと集落には運搬用の車がこれしかないそうなので非常に困るらしい。それを聞いて、アリサは導力車に近付くと煙が立っているエンジンへと顔を覗き込ませた。

 

 

「こほっ……ふん、なるほどね。結晶回路の接続不良が原因みたいだわ。ハンドルが重くなったのもそれだと思うけど」

 

 

 手慣れた様子で事故の原因を見つける辺り流石はラインフォルトの令嬢だと言いたいところだが、彼女も知識があるだけで技術者ではないため修理は難しいとの事。リィン達はゼンダー門から技術者を呼んだ方がいいと提案するが、長老達やガイウスの話ではもっと頼りになる人がいるらしい。ノルド北部のラグリマ湖の湖畔に住んでいる老人の事のようなのだが、その話を聞いて一人だけアリサは思うところがあったのか考え事をしている。

 

 

「(帝国軍の技術者よりも頼りになる老人……まさかね)」

 

 

 導力車の修理は急ぎではないという事なので、羊の捜索と子供達への授業を終えた後に一同はラグリマ湖へ向けて馬を走らせる。この後、彼女はラグリマ湖の湖畔で思いがけない再会を果たすことになるのだった。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

「いやー、グエン殿には助けられてばかりだわい」

 

 

「何々、困った時はお互い様と言うやつじゃ。ほれ、ラカン殿もガンガン飲んでくれ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 ノルドでの実習二日目の夜、長老宅では長老とラカンに混じって酒を飲む一人の白髪の老人がいた。グエン=ラインフォルト……ラグリマ湖の湖畔に住んでいる老人の名前であり、なんとアリサの祖父。ラインフォルト社の前会長を務めていた人物である。湖畔に建っていた家の中で彼と思いがけない再会をしたアリサは驚き、その場でグエンに詰め寄っていた。黙って家を飛び出して一体どういうつもりだと。

 どうやらアリサの実家でも色々と問題が起きているようだが、詳しくその事が話される事はなく、今に至るというわけだ。皆が楽しそうに宴を行う中、先程どこか疲れた様子のアリサが退室し、それを見たエマの助言でリィンがその後をついていったところである。

 

 

「アリサさん、大丈夫でしょうか……」

 

 

「よっ、委員長も楽しんでるか?」

 

 

「グランさん……うっ、お酒臭いです」

 

 

 アリサとリィンが出ていった後、扉を心配そうに眺めていたエマの肩を後ろからグランが叩いた。彼の頬が赤くなっている事と独特な匂いから酒を飲んでいると判断した彼女は眉をひそめて見つめ返し、グランは特に気にした様子もなく手に持ったグラスでワインを飲んでいる。

 

 

「全く……会長に言い付けちゃいますよ?」

 

 

「ほう……そんな事を言う委員長はこうだ」

 

 

「な、何を──むぐっ!?」

 

 

 グランは完全に酔いが回っているようで、自分が飲んでいたワインの入っているグラスをエマの口につけて無理やり中へと流し込んだ。まさかの不意打ちにエマも驚きのあまり飲み込んでしまい、何とかグランを突き放したものの彼女の足元がおぼつかない。一日中馬に乗っていた疲れで早くも酒が回っているのか、頬に赤みが増したエマは自分からグランの持っているグラスを取って再びその中身を口に運んだ。

 

 

「……ぐすっ」

 

 

「お、おい。委員長どうしたんだ?」

 

 

「ひっぐ……うぅ」

 

 

 急に泣き出したエマに今度はグランが驚き、問い掛けるも彼女は更に泣いてその場に崩れてしまった。どうしたものかとグランは慌てていたが、取り敢えず何とかして泣き止んでもらおうと思い、その場に腰を下ろしてエマと視線を合わすと向かい合う。しゃがみ込んだ彼女の姿勢はそれはもうこれでもかというほど胸が自己主張しており、グランの理性を奪おうとしたのだが、首を左右に振って何とか耐えた彼はエマの肩へと両手を置いた。

 

 

「どうしたんだ、大丈夫か?」

 

 

「グランさん……私の名前知ってますか?」

 

 

「そりゃあ知ってるさ……エマ=ミルスティンだろ? 委員長の事なら誰でも──」

 

 

「グランさんのバカ! えっち! 天然たらし!」

 

 

 うわぁーんとその場で盛大に泣き始めたエマにグランは戸惑いつつ、彼女の本音にグサリと胸を刺されて落ち込んでいる。暫くして二人の様子に気が付いたユーシスとガイウスが駆け寄り、外で良い雰囲気を漂わせていたリィンとアリサに助けを求めたのは言うまでもない。

 

 




ノルド編を書きながら原作の3章を進めている最中です。ノルド高原……とても広いです(小並感)

リィン「こうして俺に色々と話してくれたって事は……多分、前に進めるきっかけが掴めたって事なんだろ?」

アリサ「でも、そういう風に言えるっていう事は……多分、前に進めるきっかけが掴めたって事なんでしょう?」

見ているこっちが恥ずかしいわ!でもユーシスさん、繰り返さないであげて……(震え声

閃の軌跡Ⅱ公式ホームページで遂にトワ会長の紹介が出ました!

彼女はある人物から重要な使命を託されるそうですが……ある人物って誰!?重要な使命って何!?ファルコムさん、情報はよ!

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