FAIRY TAIL ~妖精の使徒~   作:一時停止

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書きたいことは決まってる。
なのに何故か進まない。
何故なんだ。
不思議。

なんかスイマセン(-.-;)


第二十一話

 

現在、俺達は魔導四輪で爆走中である。

魔風癖の外に出るなり飛んで行ったナツとハッピー。

2人の後を追いかけている。

まあその2人の姿はとうに見えない。

おそらくは既にエリゴールにと戦闘に入った頃だろう。

俺も神槌(ミョルニル)黒い靴(ダークブーツ)で追いかけてもいいが・・・・・・まあナツでも大丈夫だろ。

それに――

 

「さて、じゃあ聞かせてくれる?」

 

――いい加減、ルーシィがあの鍵について聞きたくて我慢出来ないみたいだしな。

ちなみに運転はまたもやエルザだ。

俺が変わると言ったんだが「2人とも中途半端に魔力を減らすくらいなら私1人が請け負う。お前は万全の状態で備えてくれ」といって聞かなかったのでこうなった。

魔導四輪は先程のものよりも少し大きく、中には俺、ルーシィ、グレイ、鉄の森(アイゼンヴァルド)解除魔道士(ディスペラー)(カゲというらしい)、あと未だに消えていないバルゴの5名がいる。

となると・・・・・・

 

「よっと」

「へぶっ!?」

 

カゲに打撃を入れて気絶させる。

つい先程意識が戻ったばかりのカゲは哀れにも再び意識を手放した。

 

「なにしてんの!?」

「あの鍵はあまりひろめていいもんじゃねえんだよ。今から教えれるのも星霊魔道士だからってのが大きい」

「あ、あのさ、俺は違うけどいいのか?」

「お前がいいって言うなら気絶させんぞ。ってかするか」

「イヤですごめんなさい勘弁してください」

 

自分で聞いてきたくせに速攻で意見を翻すグレイ。

でも本当にそうなんだよな、どうするか。

逡巡しているとバルゴが助け舟を出してくれた

 

「其方の方は貴方の大切なお仲間とお見受けします。でしたら話してもいいと思われます」

「だとよ、感謝しとけグレイ」

「あ、ありがとうな」

「いえ。お気になさらず」

 

じゃあ問題もなくなった所で改めて話すか。

懐から先程の鍵を取り出し、2人に見せる。

 

「さっきも思ったけど不思議な鍵ね」

「だな。言葉にしにくい力を感じる」

「グレイ、持ってみろ」

「いいのか?――って何だこりゃ!?」

 

グレイに鍵を差し出すがその手が鍵を掴むことはなくすり抜けてしまう。

 

「次はルーシィだ」

「え、でも――触れた!?」

「俺は触れなかったのに?」

「で、でもこれ何の力も感じない。只の装飾品みたい」

 

ルーシィは鍵を持つ事が出来た。

だが、言ってしまえばそれだけだ。

 

「ルーシィ鍵をこちらに」

「まただ。この感じ」

「いったい何なの・・・・・・?」

 

再び鍵に独特の雰囲気が宿る。

その様子に2人が首を傾げる・

 

「この鍵は契約を結んだ者――今では俺だ――しか使うことができない。星霊関係の魔法道具だから星霊魔道士であるルーシィは鍵に触れ、そうでないグレイは触れることすら出来ない。まあルーシィでも使用することは出来ないがな。むしろ俺が使うことを見てなければ鍵を見ることも難しかったかもな」

「聞いた事もない道具ね」

「当たり前だ。世に出回ったのは俺で2人目。歴史からも忘れ去られた一品だよ」

「おいおい・・・・・・」

「それはともかく、何でバルゴを喚べるの?バルゴは他の星霊と違って横道十二門よ。対応する鍵は世界に一つだけのはずなのに」

「それはこの鍵がマスターキーだからだ」

「「マスターキー?」」

「全ての星霊を喚ぶことができるんだよ」

「え・・・・・・、ええええええぇ!!!?」

 

やっぱり驚くよなあ。

特に星霊魔道士ならこれの重大さがわかるはずだし。

他にももう少し機能があるがそれは今のところ秘密だな。

 

「そ、そんな驚くもんなのか?」

「当たり前よ!! 星霊魔法の概念を覆すわ!!」

「そう。だからこの鍵の事は内緒にしてくれ」

「わかった。でもそんな鍵を一体何処で?」

「それも言えない。だが・・・・・・ルーシィには何時か教えれる日が来るかもな」

「そう・・・・・・。前に星霊と友達って言ったのはそういうことなのね」

 

色々と思うところがあるのだろう。

車内が静かになったところで今まで黙っていたバルゴが口を開いた。

 

「ところでルーシィ様、鍵は受け取って頂けたでしょうか」

「あ、うん。さっき受け取ったわ」

「そうですか、ありがとうございます」

「契約はまた落ち着いてからさせてもらうわね」

「かしこまりました。お待ちしております」

「そういえば・・・・・・契約はアランと被らない形になるのかしら?」

「あ、その心配はないぞ」

 

この鍵に契約は存在しない。

いつでも好きな時に好きな星霊を喚べる。

しかし星霊は本来の鍵との契約者が優先される。

つまりルーシィがバルゴと契約をしたとして、俺が喚んでる時にルーシィに喚ばれればそちらへ行くし、逆にルーシィが喚んでるときに俺が喚んでも効果がない。

だから俺は星霊魔道士のような主従関係ではなく、友人関係のようなものなのだ。

そのことをルーシィに説明した。

 

「なるほど。じゃあ私が気にする事はないと」

「そういうことだ」

「私としましてはアラン様にはもっとお喚び頂きたいのですが。ハッピー様がアラン様のお知り合いと知っていたらアラン様に鍵をお渡しできましたのに」

「えっと、渡した方がいいのかしら?」

「いや、いい。それは本職のお前が持つ方がいいものだ。バルゴもそれはわかっているだろ?」

「はい。出過ぎた真似を申し訳ございません。ついアラン様への熱い気持ちがもれてしまいました。ですが先ほど言った通り、もう少し私をお喚びくださいますようお願いいたします」

「わかったよ。お前にはアイツ共々世話になっているしな」

「そしてお仕置きを!!」

「却下」

 

相変わらずお仕置きを求めるバルゴ。

っていうかお前のお仕置きの基準がわからねえよ。

コイツには感謝こそすれ怒る理由がない。

もしかしてコイツMなのか? ソウイウコトなのか?

 

その後もバルゴが隣に座ってきたり、かと思えばご奉仕しますと俺の前にかがんできたりと騒がしい時間が流れた。

カゲが目を覚まして文句をしばらく言ったあと愚痴に意向、それに対しグレイがキザなセリフを飛ばしてしばらく経ったところでナツ達を発見、合流した。

エリゴールは倒していたので一件落着かと思ったのだがカゲが呪歌(ララバイ)を奪って逃走。

俺達は再び追跡――しかも今度は走って――を始めるのだった。

 

(ちなみにバルゴは星霊界へ戻った)

 





次回で呪歌(ララバイ)編は終了です。
たぶん、きっと、おそらく、終わる・・・・・・はず。


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